裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件) 作:chaosraven
夜にハーメルンにログインした皆さん、まずはこの前話の『人生思い描いた道筋が果たして(以下略)』から読んでくださいね。
っていうか、前話を書き終えたのが今日の朝2時過ぎとか本当ワロエナイ。もっと健康的な生活習慣に戻してかないと・・・汗
護送作戦は道中、武装組織に奇襲を受けるという事態はあったものの、同伴していたハイエンドモデルたちのおかげでなんとか撃退に成功した。
その後は特に大きな変化は無く、本社でのお披露目も終わらせて工場に戻ってなんとか依頼を成功させ・・・たかと言われると俺自身の功績はなんとも微妙なところだが、とにかくウロボロスには傷をつける事無く終わらせる事ができたのはデカイ。事実上ほぼほぼエージェントのおかげなんだが・・・。エージェントが付いてきてくれなかったら下手したら俺はくたばってたかもしれん。
そんなわけで、鉄血工造第三兵器産業廠にある例の会議室にて報告会である。
今回の作戦の成功にはエージェントをはじめとするハイエンドモデルたちの活躍が実に大きかった。ゲリラ戦を仕掛けられた事で自前の戦力に少なくない損耗は出てしまったものの、特に修復に手間も時間もコストもかかるハイエンドモデルの三人は大きなケガも無く今日に来ている事などを報告し、今回の依頼を完了させるのだ。
工場長たち役員も、自分が作り出した人形たちが戦闘に多大な貢献をしたと聞き大変誇らしそうな顔でウンウンと頷いている。それを見せられたエージェントたちハイエンドモデルたちも心なしか嬉しそうな顔を浮かべている。(今回の会議は実際にどういう戦況だったかを聞くために人形たちも参加している)
「やはり、あの子の護衛を貴方にお任せしたのは正解だったようですね。おかげであの子が無事に本社でお披露目できた事は本当に幸いな事でした。改めて感謝申し上げます」
「いえ、私は本当にそれほどの事をしておりません。奇襲を受けた時エージェントを始めとする人形たちの活躍がなければ、今頃私はこの場に立ってはおりません。礼を申されるのならば、まずは彼女たちを労ってあげてください」
まあ裏稼業の仕事人としては、サラッと彼女らが上げた戦果を横取りして自分の手柄としてアピールするってやり方もあるんだが、残念ながら俺があの場でできた事といえばどさくさ紛れに戦えない奴を別の車に動かしただけ。戦局の大半においてハイエンドモデル達の活躍がなければあの場を切り抜けるのはまず不可能で、そこは正直に伝えて彼女らが素晴らしい戦術人形である事を改めて褒め称える。
作った側も作られた側もちょっぴり嬉しいって思うだろ? そうやってほっこり場の空気を纏めてくと相手の心象もプラスに働くんだぜ。当たり前だが。
「もちろん彼女達の活躍があってこそというのは理解しております。しかしあのような極限の戦場という場において、いくら効率が違いすぎるからと言っても”人形に指揮権を委譲する”事を迷いなく実行するのは誰にでも出来る事ではありません。ましてや貴方のように戦場で戦う経験が豊富な者なら尚更です。もし万が一指揮権を渡した人形がハッキング等で暴走状態に陥れば、その指揮下にある人形全員も暴走する。それがどれほどのリスクであるか、貴方はご理解されているはず」
「確かにそのリスクは決して無視できる要素ではありません。ですが、その理由はいたって簡単な事ですよ」
「簡単な事?」
「”彼女達なら必ずやり遂げてくれる”って、私は信頼していましたから」
「おぉ・・・」
思わず感嘆の声が漏れたというような表情を浮かべる工場長達。この場にいる三人の人形達もしたり顏を決めてる・・・いやチミっ子はえっへんと胸を張ってエライでしょと言わんばかりで、エージェントはクールに微笑んでるがよくよく見るとニヤけそうなのを我慢してるのか口元ピクピクしてるし、スケアクロウは完全にドヤ顔の中のドヤ顔を決めてる。
・・・実のところ、ああ言ったのはあくまで対外的な印象を良くするためのアピールに過ぎないんだけどな。
もし指名された任務で俺が超高額な機械の護送に失敗しましたなんて事になれば、俺個人はもちろん俺が所属するギルドも名前と顔に泥を被る事になる。直接の指名とはいえギルドを介して俺に依頼をして来ている以上、俺がしくじる事はギルドにも直接迷惑がかかる。そして俺があの場でくたばれば、鉄血工造は決して無視できない極めて大きな経済的損失を抱える事につながる。
要するに、指揮権を委譲して失敗した時と委譲せずに失敗した時とでは、ギルドや依頼人の鉄血に掛かる迷惑の質も量も天地の差があった。戦術人形は製造コンセプト上、指揮権を持つ者が自分の上位にいる場合は指揮者の指示無くして自発的にトラブルに対処するっていうのは出来ないからな。
あの場で指揮権を渡すか渡さないかを天秤にかけた時、得られるメリットは渡したほうが圧倒的に大きいってのはバカじゃなけりゃ誰でも分かる。であれば、その場での最善手を遂行する事に迷う理由はないだろ? あとは自分の仕事の尻拭いも出来ねえ男としてくたばりたくなかったのもあるけどな。そんな死に方したら情けなくて死にきれねえ。
まあ結果としてこの判断が無事に戦局を乗り切る事に繋がったのだから良しとしよう。
「では、最終報告をさせていただきます。今回の護送作戦における損耗率は三部隊合わせて34%程、そのいずれもが所謂量産型の戦術人形の損耗となります。同伴していたハイエンドモデル達及び非戦闘員の研究員の方々に大きなケガ等は無し、護送対象のウロボロスにも本体と電脳共にダメージはありません。専用の簡易チェッカーを使用して確認済みです。
以上が本作戦の最終報告となります。正式な報告書は後日改めてお渡しに伺います」
「ご苦労様でした。任務中はさぞやお疲れになられた事でしょうから、どうぞお早く御帰りになってください。
・・・これからする別件のお話が終わってから、ですがね?」
「・・・は?」
ルード工場長の纏う雰囲気が一気に殺気じみた鋭いものへと変わる。
別件・・・遂にこの時が来た。
鉄血に正当な対価を支払わないまま、スケアクロウの能力を戦場で使用した事に対するツケの清算が。
「その様子ですと、レイ様も我々が何を指しているのかはご理解されているはず。ええそうです、『スケアクロウの力を無断で使われた』事に関するお話をさせて頂きたいのですよ。ああ拒否権はもちろんありませんよ? そのためにハイエンドモデルのこの子達にもこの場に入ってもらったのですから」
にっこりとした笑みを浮かべながら語りかける工場長だが、その眼には一切の笑みなんて感情は含まれちゃいない。冷たく鋭利なナイフのような殺意にも似た感情を込めて、確かに俺を射抜かんと見続けている。
この場において一切の抵抗は最早意味を成さない。というより、抵抗を見せた瞬間ハイエンドモデル達の誰かが瞬間的に俺を取り押さえて拘束するだろう。この会議室に入った時点で、すでに退路は絶たれている。もとより逃げるつもりは無いけどな・・・。
抵抗する意思は一切無い事を示すべく、俺は両手を上げて頭の後ろで組む。武器はここに入る前に預けているから今は完全な丸腰だ。
「ふむ・・・。わざわざそのような動きをせずとも、我々にあなたを殺すつもりはありません」
「・・・ハイエンドモデル達がこの場にいる事を”敢えて”強調されたのに、私がその言葉を信じられるとお思いですか?」
「ハッハッハ、確かにそれもそうですな!」
なるほど、本社に行く前のやり取りではコイツを筆頭に役員たちの頭大丈夫かなんと思ったりしたが、流石腐っても鉄血の工場長をやれるだけの実力は持ってるようだ。権力者同士では常に腹の探り合いをしてるとはよく言うが、あんな残念な一面だけでは工場長のポストの維持なんて出来やしないという俺の見立ては正しかったようだ。
「冗談ですよレイ様。スケアクロウを救って頂いたあなた様を、我々は殺すどころかむしろお友達になりたいとすら思えるくらい好意的に見ているのですよ?」
「”スケアクロウの代金を支払わず”に商業利用さえしてなければ、とでも?」
刹那、それまで浮かんでいた僅かな笑みすらも消え、能面が俺と相対する。
後ろでデストロイヤーが思わず「ヒッ・・・!?」という声を上げるくらい、初めてここで顔を合わせた時には想像もできない程の表情の無い顔。
いよいよ化かし合いをする気すらも無くなった工場長は、己が抱える本心で以って俺と”商談”する気になったようだ。
「・・・貴方はどうやら長々と回り道をする会話がお好きでないようだ。であれば単刀直入に言おうではないか?」
「・・・」
「スケアクロウの代金を支払いもせず、勝手にあの子の力を使って自身の仕事に役立てた。あの子を生み出したメーカーとしてはこれは見逃す事の出来ない由々しき事だ。たとえスケアクロウを魔の手から救ってくれた貴方であっても、我々とて鉄血という企業であり資本である。タダであの子の力をずっと使わせる訳にはいかないのだよ。だから、選びたまえ」
ーーあ、じゃあローンでお願いしますーー
『・・・えぇ? ここは空気を読んで鉄血に就職って流れじゃないの?? 引くわーマジ引くわー』
工場長含め、全員が息ピッタシにそんな事言われてもね・・・。異口同音も極まるとこんな合唱になるんだな。俺今日いらない知識を得てしまったよ。
それはそうと、そんなわけでスケアクロウのお買い上げが決定だ。俺の財布と口座はこの先当分さみしくなり続けるが、これでツケを清算出来たんだ。そういうわけだスケアクロウ、これからよろしくな。
・・・なんだか耳真っ赤っかだけど、大丈夫か? オーバーヒートしねえか?
えーという事で、スケアクロウさん数年単位のローン組んでお買い上げ決定です。
それと今更ですが、評価バーに色がつき始めた事にビビりまくってます震
もしかしてハーメルンには変態しかおらんのか??(超ド偏見&もし不快になられたらゴメンなさい)
P90に名前を付けるとしたら?
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そのまま『P90』でいんじゃね?
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『ナインティ』でいんじゃない?
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ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
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いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
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良いアイデアがあるから感想に書くぜ