裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

27 / 116
更新の間隔がだんだんと伸びてきてる今日この頃にものすごく焦りを覚える・・・

なんだかんだ結構長く・・・いやそんなでもねえな汗
実は文書くよりもタイトルどうするかで最後悩んで結局予定投稿時間をオーバーする事が多い(大汗)


-13-真夜中のBloom the flowerと銘打って仕事を果たしたのに別方向から厄介ごとが俺の人生に駆け込み乗車してくるのは本当なんとかならないっすかね

 

 件の汚職指揮官が管轄する基地に乗り込んで数十分が経過した。UMP45たち404小隊が基地に侵入した途端にアイツらいきなり大暴れを敢行したせいで、瞬く間に基地の警戒レベルが跳ね上がって焦った。確かに”基地の制圧”をするとは言ってたが、秘密裏に裏に関わった人間だけを粛清するのかと思ってたらまさかのドンパチ展開である。

 

 大急ぎで基地内の通気性を確保するためのダクトに忍びこんだ俺たちはひたすら匍匐しながら前進し、ドンパチ騒ぎでセキュリティが作動して檻のようなシャッターが閉まったところはスケアクロウのハッキングによりこじ開けていく。本当、電子戦にも対応可能なスケアクロウがいてくれたおかげでなんとか乗り越える事ができたよ。

 

 そして遂に、こうした有事の際に指揮官などの管理職が退避するシェルターの真上にまで来た。事前にUMP45から知らされた情報によると、このシェルターはあくまで外から増援が来るまでの一時しのぎとして作られてるらしい。そんでもってダクトの方にもここに来るまでに20を超えるシャッター閉鎖式のセキュリティもある。グリフィンほどの企業が、万一破られたら危機的状況に直結するそれら一枚一枚の耐久性に手を抜くとは思えないので、まさかこれらをこじ開けて(というか掌握して?)この本丸を狙う侵入者が来るとはハナから想定していないんだろう。好都合だ。

 

 おまけに、自分がこうして狙われる事への心当たりはどうやらものすごくあるらしい。周囲には管理職の権限をもつ同僚はおろか護衛としてついているはずの戦術人形の姿すらもない。・・・こいつはこういう所でバカだから粛清なんて方向に舵を切られるんだな。秘密なんてものは”命があるからこそ守る価値がある”というのに。

 装着したアイバイザーの観測モードをサーモグラフィーに切り替え、周囲に人形を含む熱源反応が無いかを探す。が、指揮官以外に俺たちに害を成せる危険性をもつ存在はいないようだ。

 

 一応念には念を入れ、ハンドサインでスケアクロウにシェルター内の電子機器にハッキングを仕掛けてもらう。万一奴が懐に脱出装置や人形たちを集結させる指示を出すリモコンなんかを隠し持っていたら、せっかく追い詰めたのがお釈迦になるどころか俺たちが逆に追い詰められる側に回るかもしれないからな。

 彼女がシステムを押さえるのを待ってる間にダクトのフィルター越しに指揮官を見てみるが、奴はとにかく落ち着きがなくソワソワしたりウロウロ歩いたりといった風で、本当人形とはいえ銃を持った部隊を総括する立場に就くべき器では無いように見えてしまう。やれどうしてこんな事にとか、早くアイツら侵入してきた奴らをぶっ殺せよとか、そんな事ばかり呟いてらっしゃる。

 ・・・掌握完了のサインが出た。バイザーを通常モードに切り替え、スケアクロウにはここにいる事を命じた上でダクトを覆うカバーをフィルターごと蹴落として侵入する。もちろん閃光弾を使う事も忘れない。

 

 

 さすがに指揮官としてその辺の訓練は受けてきたのか、グレネードが投げ入れられたのを瞬時に察した指揮官は、シェルターから臨時で指揮を飛ばすためのデスクの陰に隠れる。だが、奴はいざという時の護身用の拳銃を懐から出してすらいなかった。奴が裏で銃を出してから顔をみせるまでの間に、3m近い高さから俺が降り立って武器を構えるだけの時間は十分にある。

 汚職に走る時間(ヒマ)を持てるような指揮官様なんざに、普段から殺しも含めた裏稼業で食ってる奴がその手の”技術(テク)”で負けることは、ない。

 

 

「な、なんなんだお前は!」

 

 

 赤いロングコートに袖を通した若い指揮官が拳銃を向けながら叫ぶ。対して俺は、グリフィンという大企業に属しながら薬物取引という悪行に手を染めた愚かな男にP90の銃口を向け、男の問いには答えずただただ無言で構え続ける。

 

 

「チクショウ! どこでこの計画が漏れたっていうんだ! もうすぐ組織から得たヤクをブローカーたちに売り払える所だったのに・・・。この取引が上手くいけば俺は大金持ちになr

 

 

 最期の言葉が自分の欲を果たせない恨み節で終わる事ほど、罪人の最期として虚しいものは無い。だが、どうせあのまましゃべらせてもロクな言葉は出ないだろう。トリガー横に添えていた指を曲げて、押し込む。たったそれだけの動きで奴の眉間に一つ、赤い華が咲いた。

 自分の脳髄を鉄の針が一つ貫いた事を認識すら出来ていない。俺は何をされたのだ。そんな呆けた顔を浮かべた指揮官は弾が着弾した勢いに引っ張られ、まっすぐ後ろへと倒れた。

 

 

「・・・作戦完了だ。UMP45聞こえるか? こっちは目標を始末した。このまま立ち去っても良いんだな?」

 

『はやっ!? ・・・ンンっ、分かった! すぐに脱出して!』

 

「了解。じゃあ次に会うまで元気でな」

 

『じゃね〜』

 

 

 UMP45から帰って良いというお達しが出たのでとっとと帰る。こんな部外者がいたら即刻銃殺されそうなところ、長居は無用だ。腰のクリップにP90を装着し、指揮官が遮蔽物代わりに使ったデスクを踏み台に跳んで、ダクトの通気路に手をかけて登り切る。自分でいうのもなんだがサルみてえな動きしてんな。

 

 

「・・・凄まじい身体能力ですわね。自分は人形だと言っても周囲から疑われないのでは?」

 

「そりゃどーも。UMP45からの通信聞いてたろ? とっととこんなところはおさらばしちまおう。さっさと家に帰ってからやる事もあるしな」

 

「はて? やること?」

 

「埋・め・合・わ・せ」

 

「あっ・・・」

 

 

 ガスマスク上のほんの一部だけ露出したほっぺを若干を赤らめたスケアクロウ。そんな顔を振り向きざまに見てカアイイ奴だと思いながら、ダクトをさっきとは反対方向に向かって匍匐していく。順番を入れ替わるスペースなんてないから、スケアクロウは俺のケツを見ながら後ろにバックする形で匍匐をしていくわけなのだが・・・。

 

 

「ビットの方から何か敵性反応捉えたりとかはしてないか?」

 

「問題ありませんわ。映像の方にも熱源探知にも反応はありません。もしいたとしてもビットで頭を狙撃すれば済む話です」

 

 

 彼女は常に周囲を浮いているビットから視覚情報を取得できるので、顔自体は俺のケツの方を向いていても全く淀みなく後ろに匍匐できるのだ。野郎のケツを真正面に据えながらバックって絵面が凄くシュールだけど。それと、敵がいた時に発生する問題点がひとつある。

 

 

「狙撃した後どう処理するかが悩み所なんだがな・・・」

 

「・・・適当なダクトの分岐に着くまでは後ろ向きに押して進むしかありませんわね」

 

「足で蹴ってか? まるでフンコロガシだな・・・」

 

 

 俺たちダクトのフンコロガシですってか。もしこの基地の人形がここで俺たちに出くわしたら、散々蹴り押されながら通気路の分岐点の空いた通路に押し込まれるのか・・・。本当に出くわしたら一切容赦はしないが。

 

 

「”フンコロガシ”とは、失礼しちゃいますわ」

 

「そんなシュールな絵面ができない事を祈りながら進めばいいだけさ。さあ、とっととこんな狭い道出ちまおう」

 

「同感です」

 

 

 その後は幸い、酔狂にもダクトの中に侵入したかもしれない侵入者(俺たち)を探そうという人形は現れなかった。行きの時に侵入したところはもしかしなくても404とこの基地の戦力とでドンパチ真っ最中であるため、施設の外に直接つながる通気口に向かって進んでいく。

 時刻は夜明けの一時間前といったあたりか。普段ならスリープモードに入ってるであろうこの基地の人形たちには大騒ぎになってご愁傷様という他ないが、恨むなら下らない欲求でとんだ悪事に手をつけた自分の上司を恨むことだ。

 

 再びバイザーをサーモグラフィーモードに切り替え、周囲に自分たち以外の存在がいない事を確認してダクトから地上に飛び降りて脱出する。スケアクロウはスカートを抑えながらフヨフヨホバリングして降り立った。・・・前にスカートの中を見た事を未だに気にしてるらしい。ここは恥ずかしいという気が失せて、気にするのも馬鹿らしくなる様な俺流のジョークをかましますか。

 

「・・・今日のパンツは何色かな?」

 

「本気でシバき倒しますわよ???」

 

「・・・さーせん」

 

 

 なんとなく気にしてないよみたいな冗談吹かしてみたが、本気でお気に召さなかったようで。しかも本人的には一切触れて欲しくなかったらしい。目元のヒクついた顔で本気でシバき倒すなんて言われちゃったよ。

 

 

「悪かったって。けどまだ仕事は終わってないぞ。周囲の警戒をしつつオンボロまで向かう。尾行の存在も考慮して、ちょっと遠回りでいくぞ。・・・その前に、服についたこのホコリを落としてからだな」

 

「普段掃除用のロボットも巡回させてなかったみたいですわね。これではダクトの先のフィルターが無ければ汚れた空気を吸う羽目になりますわね」

 

 

 ところで同居するようになって初めて知ったんだが、実はスケアクロウって意外と綺麗好きなのだ。もっとも、仕事してる中で汚れるのは当然だと割り切っており、綺麗好きというのも潔癖というレベルではないので仕事に特に支障は無いのだが、ダクトを通ってホコリが付きまくった自身の服の汚れ具合に、少々どころじゃない顰めっ面が浮かんでいる。

 

 ただ、ダクトの中にそこまで汚れがたまった事に関しちゃ、あのアホな指揮官の気持ちも分からなくはない。

 

 掃除用ロボットの中にもし盗聴盗撮用の機器が仕込まれていたらとか、自分があくどい事をしてるだけにその手の事に対する警戒感は持っていたんだろう。

 グリフィンという組織自体社会的にそれなりの”武力”を有しており、またスパイからすれば美味しい情報をいくつも扱う組織でもある。指揮官の悪事と言う部分を除いても、その手の機器を忍び込ませやすいダクト用の掃除ロボットというのが会社的にあまり歓迎されないのは間違いない。そういう背景事情があるから、ロボットを導入しようという話が持ち上がっても指揮官はこれを理由に自然に却下出来たんだろうな。

 

 いやしっかし、こりゃまた随分と積もったホコリを自前の服で雑巾掛けしちまったもんだな。あ、はたいても全然落ちないから段々スケアクロウがキレ始めてる。

 

 

「スケアクロウ、とりあえずある程度はホコリも落ちたろ? そろそろここを出て遠回りで戻ろう。そいつは後で洗濯しちまえばいいから。俺はCルート、スケアクロウはYルートを通って尾行が付いてきた場合には撒いてからオンボロを止めたところで合流。オーケー?」

 

「・・・やむを得ませんね。あの指揮官は一生恨んでやりますわ」

 

「ハハハ、女の恨みは怖いからな、ヤツは地獄でさらに絶望してるかもな。それじゃ、また後でな」

 

「ええ。どうぞお気をつけて」

 

 

 再度周囲を確認し、街中の闇に紛れ込む。

 次会う時までどうか無事で、なんてな。

 

 こんな安全策をとったのも念には念を、万が一、億が一があるかもしれないという心得に他ならない。昔はクルマを動かすのに必要なライセンスを取る時、かもしれない運転を心掛けろとか言われたらしいしな。ただ運転するのと裏稼業の仕事とでは少々事情は異なるが、裏稼業も絶対安全安心なんてのは仕事中はあり得ない。起こらない”だろう”じゃなくて、起こる”かもしれない”を常に頭に置いて仕事に臨むのが生き残る秘訣なのさ。俺を育ててくれたあの人の座右の銘丸パクリだけどな。

 

 

 警戒しながら所定のルートを通って辿り着いた集合場所には、すでにスケアクロウが待っていた。隣のスペースに停められた四駆には416とG11の姿もある。

 

 

「スケアクロウもお前らもお互い無事で何より。それよりUMP姉妹たちはどうした?」

 

「あの二人はグリフィンから派遣される監査官の到着を待っているわ。私たちは後から車を基地に向かわせて、あの二人を回収する手筈になってる」

 

「ほーん。それじゃあ俺たちとはここでお別れだな。また次会う時まで元気でな」

 

 

 オンボロの本車(サイドカー付きのバイクの二輪車側)に跨りエンジンをかける。夜明けの時間帯には少々重く響きすぎるエンジン音だが、まあすぐに立ち去るし許してくれや。マフラーだってこれでも音が煩くならねえように極端に性能を殺さない範囲で消音性の高い奴を付けてるんだ。

 

 

「あーそうだ、レーイー・・・」

 

「ん? どうしたG11」

 

 

 いざ発進といったところでものすごく眠そうなG11に声をかけられる。今日のG11は珍しい事ばかりだな。俺の部屋に来たときにピシッとしてたのもそうだし、今もいつもは眠たくてたまらないって感じで俺に話しかける事自体が滅多にないのに。

 

 

「今度はレイのベッドでお休みさせてね・・・ぐぅ」

 

「俺のベッドはG11(ねぼすけ)ホイホイか」

 

 

 そんなホイホイ機能は欲しくない。ただでさえ深夜に不法侵入されて起こされたのに、その上チミっ子一人がベッドに侵入してきたら寝苦しいどころじゃ済まないじゃないか。とはいえ、もう夢の世界に旅立っちまったG11(ねぼすけ)に行っても届かなそうだけど。やれやれ調子のいい奴だよ、まったく。

 

 さて、さっさと我が家に帰ろう。

 アクセルを必要な範囲で吹かして発進する。サイドカーに乗ったスケアクロウも、このオンボロの乗り心地には結構ご満足いただけてるようだ。製造されてから結構長いコト経ってるクルマではあるが、メンテナンスをしっかりやるように心がけてるからか今尚現役バリバリで仕事をしてくれるのは嬉しい限りだ。

 

 傍目にはまったく止めてるコトすら気付かれない様、実に巧妙な隠蔽術を駆使したガレージにオンボロを止め、いよいよ数時間振りの我が家へとホームインだ。

 帰ってきたら必ず言わなきゃいけないコトがあるな? スケアクロウにも教えているが、この言葉を言うかどうかで帰宅したときの帰ってきたぞ感が違うんだ。なおスケアクロウには『ちょっと何言ってるかよく分からなくてよ』と言われた。切ない。

 それでもめげない俺、いざ言わん。

 

 

「ただいまー」

 

「お帰りなさい」

 

「帰ったか主様」

 

「やっとかえってきたー。もーう、遅いんだから」

 

「・・・なんで?」

 

 

 シニョンメイドと、ヘソ出しセーラーのシニョンツインテと、チミっ子爆撃クラッシャーが我が家に勝手にお邪魔して・・・あっ!? お前らウチん中では靴脱ぎやがれ! とくにエージェント、お前踵がクソ高いヒールのブーツ履いてるじゃねえか!? ああ、家の床が404の奴と合わせてすげえ汚れてる・・・。

 

 室内の靴の履き方は和式ルールを採用している我が家、まずは寝る前にこのルールを不法侵入している鉄血人形たちに叩き込まねばならんらしい。スケアクロウスマンけどお説教すんの手伝って・・・あれ、また顔真っ赤にしてほっぺ膨らんでるんですけど? ・・・オ〜イ、マジかよ。




 まあ、ああいうやり取りしたんだしこうなるよねっていう。
 ブラックレイとか、オンボロが具体的にどういう仕様になってるのかってのはそのうち説明していきたいっすね。

 ここんところみなさんをお待たせしてしまって申し訳ないです。ありがたいお言葉をいただけて、不覚にも通勤電車の中でキュンとしちゃったことは内緒()
 この間は傭兵日記を書いてる人からコメント来たりで三度ぬっふぇとなりました笑

 いよいよお気に入りの数とか実はワイのアカウントで別人が書いてるんじゃねえかと思うくらい伸びてて本当困惑してるんですけど、応援頂けてることはカカシたちにも励みになると思いますので、引き続きよろしくどーぞです・・・。

P90に名前を付けるとしたら?

  • そのまま『P90』でいんじゃね?
  • 『ナインティ』でいんじゃない?
  • ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
  • いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
  • 良いアイデアがあるから感想に書くぜ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。