裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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お疲れ様です。初めてiPadから投稿処理をしました汗
普段Macから投稿してるんですけど、同じリンゴ製品なのにどうにも使い勝手が分からない(OSが違うんだから当たり前)中でしたが頑張りました。

今回のお話は、前回コラボした喫茶鉄血側の完結分を再びこちら側視点で書いたものとなります。一部で若干セリフが異なりますが、いろいろ様の方とは話の中でそれぞれ視点が違うため、周りはこう言ってるように聞こえてても本人はこう言ってるつもりなんだよ、という感じでそこはご了承下さい。
以前いろいろ様に投稿していただいた『二人のレイ(https://syosetu.org/novel/178267/133.html)』というお話も合わせてご覧いただけたらより楽しめるかと思います。


それではどうぞ。


2019/10/10 本文中の一部の表記ミスを修正


-SP47:02-エージェントさんのやってた喫茶店で色々お世話になった件(完結)

 互いに握手を交わした俺と”俺”を一瞥し、ホッとした笑みを浮かべてカウンターに戻るエージェント。

 しかし、俺たちが理由もわからずこの並行世界に来てしまったという事実は変わらない。理由がわからないということは、どうやって俺たちが暮らしている世界へ戻るのかが分からないという事だ。

 

 

 この世界の住人である”俺”は、先ほどの反応を見る限りどうやらオモテで傭兵として仕事をしているらしい。ということはハナから裏社会に育ってきた俺とは違い、少なくともまともな国籍くらいは持っているはず。

 だが、俺たちはそもそもこの世界の住人ですらもない。コーラップスが、そしてそれを原因とした混乱により起きてしまった第三次大戦がなかった、俺たちの世界とは時の流れが分岐したある種の”もしも”の世界。国が滅ぶ理由がどこにもないのだから、国という概念は今も確かなものとして存在しているだろう。

 

 つまり、俺たちはこの世界のこの地域において、不法に入国した『犯罪者』となるわけだ。もし警察、あるいは治安維持を任されているであろうグリフィンの人形に見つかれば、即座に御用となるしかない。なにせ身分を証明するものなんてありはしないんだから。

 

 

 ・・・ハハハ、もし戻れないとなった場合はどうやって生きていくべきか、な。

 

 

 しかし俺たちのそうした心配を他所に、こちらの世界のエージェントは至って冷静な態度を崩していない。

 そして俺たちを手招きし、先ほど新聞を取りに引っ込んだ店の奥へ来るようにと言った。

 

 

「ではそちらのレイさんとスケアクロウは奥へ来ていただけますか? それと・・・・・マヌスクリプト」

 

 

 ・・・マヌスクリプト??? 彼女が呼んだ方には、白いメッシュの入った黒髪に羽根の様な髪飾りを付けた女性が立っていた。先ほど武装して出てきたイエーガーたちと同様にウェイトレスの服を着ているが、それよりも目を引くのは背中から伸びる二本のサブアームらしきもの。

 少なくとも俺は彼女の様なモデルは鉄血のカタログでも見たことが無い。もしかして、並行世界”だからこそ”生まれた人形か?

 

 一方で呼ばれた彼女はというと、うえぇっ!?と露骨に驚きを浮かべ、自らの名を呼んだエージェントに詰め寄る。

 

 

「えっ!? なんでこっちに飛び火すんの!?」

 

「違いますよ、少しお願いしたいことが。 ・・・・・・・・・・・ということなんですが」

 

 

 ・・・なになに? 『こちらの世界のレイさん達に貴方の作った衣装を着せて接客させたいのです。大事無かったとはいえ、店内で発砲されてしまった以上、警察機関に察知された際にも言い訳が立つ様にということなんですが』だと?

 

 

「OK! そんなことなら私に任せてよ! というわけでレイさんとスケアクロウ、今時間ある? あるよね? じゃあこっちに来て!」

 

 

 エージェントの言葉が果たして彼女にとってどの様な意味を含んでいたのか、衣装を着せてというあたりで思いっきり目を輝かせ出したマヌスクリプトは、他ならぬ店主のGOサインが出たことでスーパーハイテンションになった。有無を言わせない怒涛の勢いで質問(という体の強制連行執行通告)しつつ、”俺”たちの両手を引っ張る形で二階へと連行していった。

 一方の俺たちもエージェントに手招きされ、店の裏へと向かう。

 

 

 

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「さて、一つだけお伺いしたいのですが・・・・・・あちらで死んだ、というわけではありませんね?」

 

 

 連れてこられた部屋の椅子に腰掛け、さあどんな話をされるのかと思えば。

 

 

「いきなりだな・・・・・まぁ死んでない、はず・・・・」

 

「寝て、目が覚めたらここにいた、ということですわ」

 

 

 あまりに情報が少なすぎて手掛かりにもなりはしないだろうが、俺たちが記憶している限りの最大限の情報がこれだから仕方ない。寝て起きてっていう間に一発で命を狩られてたって事もあるかもしれないが、知覚出来てる範囲ではその様な事をされた覚えはない。

 一方で、エージェントは俺たちの返答に満足げな様子だ。ふむ、今言った事が何かヒントになったのだろうか。

 

 

「結構。 では早速お伝えしますが・・・・・・おそらく帰れます」

 

「「はっ!?」」

 

 

 唐突に告げられた『安心してください。帰れますよ』という旨の宣言に、俺たちはなんとも間の抜けた顔で返事を返してしまう。

 そのツラが面白かったのか、エージェントの口元がごく僅かにピクリピクリとなってた次の瞬間、彼女の表情が完全に死んだ。今の今まで人間にしか思えなかった”生きていた”顔がいかにも人形ですと言わんばかりの、無機質なあまり不自然さすら感じられるものになっている。

 ・・・こんにゃろう、ついに笑いを堪えきれなくなって、擬似感情に連動して表情をコントロールするプログラムを強引に切ったな?

 

 そのまま"死んだ顔"で何て事もないように話し始めるものだから、今度は俺の方が笑いを堪えなければならなくなっちまったよ。本人は多分俺が気付いてないと思ってるんだろうから、ツッコミはしないでおくけども。

 

 

「私も理屈は不明です。 が、これまでこられた方は皆さん無事に帰っていますので、問題ないかと」

 

「え? これまでって・・・・・他にも俺たちみたいなのがいたのか?」

 

「ええ、それも何人も」

 

 

 いくつか例を出し、ついでに店に飾ってあったコインを持ち出したエージェント。まるで理解ができないが、要はそのコインの力が働いて別の世界から迷い込む奴がいるってことかい。えぇ・・・。

 とにかく、帰ることができるという情報がもたらされた事に安堵する。ちなみに帰るまでの時間はケースによってまちまちで、ほんの数時間の場合もあればほぼ一日の場合もあるとの事。

 

 

「ふふっ、まぁここに来たのも何かの縁、今日はゆっくりとくつろいでいってください」

 

「ああ、恩にきるよ」

 

「助かります」

 

 

 そういう話なら、時間までゆっくり寛がせてもらおう。

 元の世界じゃ、まともな豆から焙煎したコーヒーなんて高くて滅多に飲めたもんじゃないからな。

 

 

 

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「ちくしょー! なんでこんなの着なきゃいけねえんだ!」

 

「自業自得でしょう、むしろ私もとばっちりなのですが?」

 

「でもスケアクロウは雇い主だよね? じゃあ一緒に責任とらないと!」

 

「わぁ、レイさんもスケアクロウちゃんも似合ってますよ!」

 

 

 表に戻ってみれば、この世界の”俺たち”がコスプレさせられてた。罰ゲームって奴だな。俺も拳銃引っこ抜いちまったとはいえ、撃ったのはアイツだけだし、ご愁傷様である。

 ・・・ちょっと待て、エージェントがもう一人いるぞ!!?

 

 

「「えぇ・・・・・・」」

 

「ふふふっ、ではお願いしますね二人とも」

 

 

 ・・・やはりここは異世界なのだと実感した。俺の知ってる限り文字通り目が飛び出る価格(のはず)のエージェントが二人、片方は素直というか明るい女性という感じの性格のようだ。あぁ、この素直な方もクールな方も、俺たちのいた世界のエージェントを見たら卒倒するんじゃなかろうか。

 

 しっかしこうしてみると変な感覚だ。顔を真っ赤にしながら地団駄を踏むホストのような格好の”俺”と、その隣でやや顔を赤らめながらため息をつくチャイナドレスを着たスケアクロウ。その横でもしかしなくてもツヤツヤ顔になってるマヌスクリプトと、純粋に褒めている素直な方のエージェント。

 自分自身を映像ではなく直に第三者の視点から見るということ自体にも違和感バリバリだが、他ならぬ”俺”が真っ赤になってキザな接客をしているのがこうも面白く映るとは。まあ別に俺はホストの格好をさせられても特に抵抗は無いが。昔仕事のために必要にかられて女装したのと比べれば随分楽なものである。

 

 

 一方、この衣装の仕立て人である(らしい)マヌスクリプトはこちらを見つけると軽やかな足取りで近づき、興奮交じりに喋りだす。

 

 

「ありがとう代理人! まさかこの服が日の目をみるなんて思ってもなかったよ!」

 

「ええ、喜んでもらえて何よりです」

 

「「いや、喜んでない(ません)!」」

 

 

 二人はこのコスプレは大変お気に召さなかったらしい。

 彼らにとっちゃたまったものではないみたいだが、実銃を撃っちまった代償がこのくらいで済んでむしろよかったと思うべきだろう。スケアクロウは本人も言う通り、”俺”がやらかした事の完全なとばっちりだけど。

 

 しかし客にとっては大変好評のようだ。俺たちも席についてコーヒーとココア(今度は温くしてもらった)を啜りながら見るが、”俺”は本当にホストのようで女ウケが良く、スケアクロウのチャイナドレスは相当きわどいスリットのおかげで男どもの目線を釘付けにしてらっしゃる。

 ・・・俺の相棒がああいうタイプの服を着たら似合うかねぇ? 少なくとも今それを着てる”俺”の相方よりも更に顔赤くするのは断言できるな。

 

 

「・・・・・どこを見てますの?」

 

 

 後ろから心なしかドスの効いた声にビクリとする。・・・嫌な予感がするぞオイ。

 

 

「へぁ? い、いや、それはだな・・・・」

 

「つーーーーん!」

 

「まじかよ・・・」

 

 

 案の定だよ。

 仕方ねえな。少々値が張るが甘いものでご機嫌とるか・・・。

 

 カウンターに立つエージェントにケーキを注文し、届いたそれをフォークで刺して彼女の真ん前に差し出してやる。

 まだ拗ねモードが継続中なのか頰を膨らませたまんまだが、パクリと一口食べた途端パァっと表情が明るくなる。ほう、このケーキはそんなに美味いのか。

 もう一本フォークをもらい、少しだけ切り分けて口に運ぶ。あぁ・・・。これを食べた途端、俺の中で元の世界の『ケーキ』が『ケーキ(笑)』にレベルダウンしてしまった。天然物の素材で作った食べ物ってこんなに美味いものなんだな。

 

 さて、甘いものを食べたら口直しに苦味が欲しくなるというもの。当たり前だがコーヒーにも産地によって銘柄というものがそれぞれある。せっかくの機会、さすがに全部を頼むというわけにはいかないが、カフェイン中毒にならない程度にエージェントオススメの銘柄を数種類見繕ってもらう。

 

 

「では、まずはこちらをどうぞ。『キリマンジャロ』になります」

 

「ありがとう、いただきます」

 

 

 熱いコーヒーを一口含む。先ほど”俺”がここに来る前に飲んでいたコーヒーとはまた違った味わい、具体的にいうと酸味が強く出ている印象だ。だがそれと共に甘味も加わっていて、苦味と酸味と甘味、この三種の味わいが絶妙にマッチしている。スッキリとした味で、口に含んだものを飲んだ後に残る後味も良い。

 本物のコーヒーはなんて美味いんだろうか。俺はあっという間に一杯目を飲み干してしまう。

 

 エージェントはそんな俺の動きも予測していたのだろう。熱いものに触れていた口内を冷ます冷たい水と共に、二杯目のコーヒを入れてくれた。

 

 

「お口直しにこちらのお水を。続いてお出しするのは、一般的に『コロンビア』と呼ばれているものです。厳密にいうと同じ名前でも採取した地域によって若干味が異なるのですが、今回は原産国内の北部地方で取れる豆を使いました」

 

 

 さりげなく浮かべる微笑・・・この店の常連の男たちはこの笑顔を見るために来てると見た、なんてな。

 改めて出されたコーヒーを同じように一口啜る。このコロンビアというコーヒーは苦味と酸味のバランスが取れていて、クセが少なくきりっとしている。うん、これもとても飲み易いな。

 

 一人ウンウンと頷きながら至福の一杯をじっくり堪能していると、いつの間にかココアを飲み終えたスケアクロウがジト目でこちらを見ていらっしゃった。・・・なんぞよ?

 

 

「・・・そんなにコーヒーが美味しいんですの? 苦いだけの茶色い液体じゃありませんか」

 

「んなこと言ったらココアだって甘いだけの茶色い液体になっちまうでしょうが」

 

「・・・どうせ私はお子様舌ですよーっだ」

 

「んなこと一言も言っとらんに・・・」

 

 

 いつもみたいな『つーん』でも『フンっ』でもなく、プイッとされちまった。いやいや、好みはそれぞれなんだから良いじゃないの。キミは甘いものが好きで俺はブラックもイケるってだけの話だ。

 コーヒーが苦手=お子様舌と揶揄うヤツも確かにいる。もっとも俺はそんな気は更々無いんだが、多分今それを彼女に言っても余計に拗ねて『つーん』にレベルアップしそうでならない。なんつうか、ウン。困ったちゃんである。

 

 

 

 そんなこんなで気付けば陽も傾いた夕暮れ時。天然物のコーヒーにどっぷりハマって何度目かのお代わりをもらっていたが、不意に聴き馴染んだ重く響く音が聞こえ、慌てて席を立つ。

 

 

「これは・・・・・オンボロのエンジン!?」

 

「まさか、誰かが勝手に!?」

 

 

 急いで外に出ると、そこにはエンジンがかかったオンボロが。ところがその周りには誰もおらず、しかも確かにポケットに仕舞ったはずのキーまでしっかりと刺さっていた。

 まるで、何かの合図のようにアイドリング音を周囲に響かせていたのだ。

 

 

「おや、もしかしたらそろそろお時間なのかもしれませんね」

 

「え、時間?」

 

「はい・・・・・・少々お待ちを」

 

 

 そう言ってエージェントは一度店に戻り、程なくしてコーヒー豆の入った瓶を持って現れる。その後ろには、”俺”とこの世界のスケアクロウも。

 

 

「今なら、元の世界に帰ることができるはずですよ。これはお土産に」

 

 

 エージェントは俺たちにコーヒーの瓶を渡そうとしてくる・・・が。

 

 

「いや、俺たちまだ代金も払ってないんだが」

 

 

 そう、オンボロが盗まれるかもしれないと思い慌てて出てきたはいいが、俺たちはまだこの店で提供されたサービスの対価を支払っていない。俺はいろんな悪事に手を染めてはきたが、無銭飲食などというあまりにみみっちい罪は犯したことが無い。というか犯してたまるか。そんなことしでかした日には小っ恥ずかしくて裏稼業なんか名乗れねえ。

 財布を取り出そうとするが、ポケットから出しかけたところでエージェントに手を添えられ、そして彼女は僅かに首を横に振る。

 

 

「サービスです。 遠いところから来ていただいたお礼に」

 

 

 それに、お二人の世界の通貨がこちらで使えるとも分かりませんから。

 彼女はそう呟きつつ、半ば押し付ける勢いで強引にコーヒーの瓶を渡してきた。そしてそのまま下がると、入れ違いに”俺”たちが前に出る。

 

 

「もう帰るのか、達者でな」

 

「・・・・ああ、お互いにな」

 

「お元気で・・・・・・それとそちらの私」

 

「・・・?」

 

 

 この世界のスケアクロウは、俺の横でフヨフヨ浮いてるスケアクロウへと近寄り、その耳元に口を寄せる。何事かと怪訝な表情になるスケアクロウに、小声でそっと何かを伝える。

 

 

「・・を伝え・・ら、・・・りよく・・よ・・・・・応援して・・ね」

 

「へっ!?」

 

 

 一気に赤面して目を見開くスケアクロウを見て、クスクスと笑いながら下がるチャイナドレスのスケアクロウ。俺も”俺”も互いに首を傾げるが、何を言ったのかと聞いても、お互いのパートナーに野暮だと言わんばかりのムッスリ顏でそっぽを向かれてしまった。

 

 伝える? 応援? ・・・りよく? 思い切りよくとか言ったのか? で、何を誰に伝えるって? ・・・今聞いても絶対答えてくれないだろうから、気にはなるがとりあえずは頭の片隅に止めておこう。いつか聞き出してやるからな、なんてね。

 

 そんな折、スロットルに触れてもいないのにひときわ大きくエンジンを吹かすオンボロ。なんで触れてもねえのにブォンブォン吹かしてるのよ相棒・・・。

 

 

「ふふ、ではこれでお別れですね」

 

「そうみたいだな、世話になった」

 

「ご馳走様でした、代理人(エージェント)

 

「ええ、またお待ちしております」

 

 

 スケアクロウがサイドカーに乗ったのを確認し、アクセルを吹かして発進させる。最後に挨拶代わりに右手をあげると、そのまま狭くて曲がりくねった・・・本当クソみてえな構造してやがんなこの路地。ちくしょう、エージェントに何か楽に動ける裏道かなんか聞いとけばよかった。

 

 なんとか頑張って一度もぶつける事なく脱出し、地区を出て寝ぐらのある辺りへと走ること暫し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちゃんと”俺たちの世界”にある俺たちの寝ぐらに到着した。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・なんでやねん。

 

 

「・・・随分とおかしな体験をしたものですが、ここにある物は紛れもなく普段から私たちが使っている物ですわ。どうやらあちらのエージェントの言う通り、無事に元の世界に帰ってこれたようですわね」

 

「ああ。どういう理屈でなにがどうしてああなったのか、まるで理解不能だけどな・・・うん?」

 

 

 ガレージに収めたオンボロからキーを抜き取り、ポケットに入れようとすると、運転中には気づかなかったがポケットに異物感がある。

 はて、ここには何も入れた覚えがないんだけどな。そう思いつつ中の物を出してみると、『喫茶 鉄血』でエージェントに見せてもらった不思議なコイン、それを一回り小さくした物が入っていた。

 

 

「これは・・・」

 

「ふふ、もしかしたらこのコインが縁となって、またあの世界の私たちに会えるかもしれませんわね」

 

「・・・そうかもしれないな」

 

 

 何せ全く身に覚えのない内に勝手にポケットに入っていたんだから。もう今更ツッコム気も起きないが、もうあれだ、理屈で考えてもどうしようもねえ。『不思議パワーが働いてああなった、おしまい』でいい事にしよう。じゃないと頭が痛くなる・・・。

 

 

「とりあえず、見える場所に飾っておくか」

 

「そうしましょう」

 

 

 リビングにあたる部屋の壁にチョチョイと細工をして飾る。

 摩訶不思議な経験をしたものだが、いずれはきっといい思い出になるだろう。

 

 それに、こっちじゃ貴重なコーヒー豆ももら、った・・・あっ!!?

 

 

「? どうしましたの?」

 

「豆を飲み物(コーヒー)にする道具が無えじゃねえかッ!!?」

 

「あっ」




無事に帰れました。と同時に、伏線も張りました(という名の後付けで、とりあえずこの先何か出来そうなオブジェクトだけ置きました)

改めまして、今回のお話にご協力頂いたいろいろ様には感謝を・・・。
あと、他にもコラボとかあったら余裕があれば頑張りますぞよ。

これからも本作(と『喫茶 鉄血』もね)をよろしくお願いします。
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