裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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少しづつ調子は戻ってきてるんですけどね、肝心の進みが遅くなって申し訳ない。
ということで、短めですがご覧ください。


-22-おっぱじめる前にしなきゃいけないことのその2はブリーフィングも兼ねた情報のすり合わせだぜ

 

 

 

 一報を受け、俺たちはクルーガーから提供された情報をもとに必要な装備を整え、スケアクロウが運転するオンボロで現場へと向かっていた。

 

 元々がでかいボディなのを生かし、今回付随するサイドカーには色々とたくさんのアイテムを詰め込んできている。愛銃の弾薬を数十セットにグレネード系の装備各種、マグナム弾を撃てる自前のL96AWMライフル、そしてオンボロで逃走しながらの銃撃戦に備えてギルドから機関銃も借りてきた。サイドカーの先頭部に装着し、支援攻撃もこなせるというわけだ。ドライバーの右側には俺が立ち上がって撃たないといけないけどな。

 

 過剰な火力だって? いつものように忍び込んで抹殺みたいな仕事ならともかく、ドンパチする可能性もある時はこれくらいでいいんだよ。ない袖はどう頑張ったって振れねえんだから。

 

 

 さて、そもそもわーちゃんがロストする前に従事していた任務ってのは、早い話グリフィンに喧嘩を吹っ掛けてきたギャングの首領および中心人物らの暗殺だ。

 首領を筆頭にグループの思想が反人形過激派、つまり現代の人形が社会の歯車になってる状況を快く思わないどころか殲滅したいと本気で思ってる連中である。

 そんな奴らがどういうつもりかグリフィンに向けて”組織首脳同士で会談をしたい”という旨の招待状を送ってきた。額面通りに受け取れば人形の社会進出を推進する者と反対する者とでなんとか融和することが出来ないかとも取れるが、実際には奴らからグリフィンに対し事実上の果たし状を送り込んできたと取れるわけだ。

 

 あの筋肉ゴリラを暗殺するのはそうそう簡単に出来る事じゃないと思うが、G&Kは一部区域の統治権を入札し獲得している大手PMC。万一社長が暗殺されれば大混乱は避けられないし、G&Kの未来もお先真っ暗になるだろう。世代交代をするべきじゃないタイミングで無理くり交代しても、会社の中の歯車はきっと噛み合わない。そうなった先は会社の破滅ってね。

 

 

 そんなわけでトップを失うわけにいかないG&Kは、招待状という体の果たし状に書かれている会談には応じず、むしろ会談を行うとしている会場を武力制圧し、危険思想を持つギャング達を排除する方へと打って出ることとなった。

 

 

 で、会談当日。

 わーちゃん含むグリフィンのエース級ライフル人形が後方から狙撃、会場となる建物にはサブマシンガンやアサルトライフル等の人形が複数隊に分かれ突入、現場の制圧を試みる計画で始まった制圧作戦。

 最初は順調に進行していたのだが、作戦開始から暫く経過した頃に突如ライフル人形達の反応が揃ってロストしたことで歯車が狂い出す。

 

 原因は予め狙撃に適したポイントをギャング側が既に割り出しており、グリフィン側に突入されたタイミングで秘密裏に拘束部隊をライフル人形達のいるポイントへ送り込まれた事、そして移動手段に旧時代に街の地下に張り巡らされた水道を利用され、ギリギリまでもしくは完全に発見出来なかった事。

 

 

 ライフル銃自体が最接近された敵の迎撃に適していない事も災いし、おそらくほとんど抵抗をする間もなく拘束されたと思われる。

 いくら練度が優れていても反撃できなきゃ何の意味もねえし、なにより反人形派の中でも過激派に位置するこのギャングのことだ。人形の電脳に直接干渉する電波を発し、行動を阻害する『ドールズジャマー』と呼ばれる機器を持っていてもおかしくはない。

 

 クルーガーの言う当時の状況が事実とするなら、狙撃隊に加えられたライフル人形達はいずれもかなりの練度を持っていた。しかも彼女達は人形なのだから、どんなに人間が本気の人力で押さえ込もうとしても、それこそ5人以上で一斉にのし掛かるとかでもしない限り人形のパワーには敵わないはず。

 

 それがあっけなく一斉にロストしたとなれば、もうそれ以外に説明出来ないだろう。仮に護衛役がいたとしても、そいつも人形だったら結局ジャマーの影響をもろに食らって抵抗なんか出来るわけないしな。

 

 

 会場の制圧は多くの被害こそあれど完了したらしいが、自軍の被害に見合った損害を敵に与えられたかというと大いに怪しい。むしろライフル人形達をかっさらって行く方が本命の目標だったとすら言えるかもしれない状況に、グリフィン側はとてつもない苦渋を飲まされた格好だ。

 

 人形を憎んですらいる奴らが人形を掻っ攫って何をするか、はっきり言って想像も出来ないね。

 マーケットに売り払って組織の活動資金にするならまだマシな方で、下手すりゃ散々”お楽しみ”した後に四肢を捥いで失血死させるとか、首を飛ばすとか、胸をぶち抜くとか、猟奇的欲求をここぞとばかりに発揮するやつが面子に加わってたらもう最悪だ。

 なんとしてでもそんなことをされる前に救出しなきゃいけない。

 

 

 狙撃隊の一人、わーちゃんが潜伏していたポイントへと到達した。ここからは愛銃らを持って動いていく。

 グリフィンは現時点で、拘束されたライフル人形達がどこへ攫われたのかを把握できていない。つまり、俺の仕事の中には潜入とギャング達の残した痕跡を辿って追跡することも含まれている。

 それに聞いた限りの状況だと、スケアクロウを同行させるリスクが大きすぎるのも悩みどころだ。

 

 ドールズジャマーは機器のサイズにもよるが、下手すると強力な電波で物理的に人形頭部の配線を焼き切る事も出来る代物だ。

 今回は複数のライフル人形を一斉に捕らえることに使われたと思われるため、動きを抑えるどころか配線を焼き切る程の凶悪なジャマーは恐らく持っていないとは思う。が・・・。

 

 

「犯さなくていいリスクをわざわざ犯す理由も無いな。スケアクロウはここでオンボロと一緒に待っててくれ。ここからは俺一人で忍び込む」

 

「貴方はバカなんですの?」

 

「ばっ・・・。ジャマーの電波を食らったら人形のキミは堪ったもんじゃないだろう。下手すりゃ頭をパーンとやられるジャマーも現実に裏には出回ってるんだ。こんなくっだらない思想の連中にキミを壊されるなんて、それこそ冗談じゃない」

 

 

 間髪入れずにバカと言われて一瞬戸惑ったが、規模はともかく敵のもとにジャマーが配備されてるのは間違いない。その効果圏内に彼女を連れていく事がハイリスクなのも理解してほしい。

 しかし俺の説得もこの体たらくでは彼女の心に響かせる事は出来なかったらしい。呆れ顔とジト目、そして僅かにヒクつき始めた目元という三連コンボで反論してきた。つらい。

 

 

「百歩譲って貴方が100%の健康体であれば引き下がっていた所ですが、まともに前傾姿勢も取れないバイクも運転できない今の状態でほざくのも大概にしやがれってんですわよ」

 

「・・・もしかしなくても怒ってる?」

 

「ご存知でして? 私、頭に血が登ると目元が痙攣する癖がありましてよ?」

 

「・・・よーく知ってる」

 

 

 いつもの調子で説得してもダメっぽいな。

 仕方ない、ちょっと強めにはっきり言うか。

 

 

「スケアクロウ。キミが俺のコンディションを気遣ってくれてるのは重々承知の上だけど、人形である以上キミはジャマーの影響を大なり小なり受ける事になる。その結果キミという個体が死ぬ可能性だって無いわけじゃないんだぞ?」

 

「ジャマーがあってもなくても健康な兵士より死ぬ可能性の高い今の貴方には言われたくありませんわ。それに、私の型で想定されている戦局での運用法をお忘れですの?」

 

 

 キッツイ毒舌ありがとうスケアクロウ、事実だからなんも言えねえ。・・・想定されている運用法? キミは電子戦モデルだろう?

 

 

「ええ、私は電子戦もこなせるハイエンドモデルでしてよ。対ハッキングはもちろん、ある程度のジャマーに対する耐性も他のモデルより強固に設計されています。貴方が考えている心配はそこまでの物でもありませんわ」

 

「・・・そこで絶対心配無いと言わない辺り、程度によっちゃダメージを受ける可能性もあるってことか」

 

「ええ、私も所詮は人が作った物ですから。完璧はあり得ません。ですが・・・」

 

「限りなくそれに近づける事は出来るってか・・・」

 

 

 ふぅ、これ以上ここで喧嘩してる時間も惜しい。そこまで言うなら覚悟を決めよう。

 二人で武器持って追跡といこうか。

 

 

「オーケイ。それじゃあサポートは任せるけど、くれぐれも無理はするなよ」

 

「どの口が言うんですの? 四の五の言わずに行きますわよ」

 

「・・・あい」

 

 

 青筋立てながらフヨフヨと現場を離れていくスケアクロウ。ってかペース早っ、おーい待ってくれーい!?

 

 

 

 




次回こそ、ドンパチに突入する予定(訳:長引いてゴメンなさい)

P90に名前を付けるとしたら?

  • そのまま『P90』でいんじゃね?
  • 『ナインティ』でいんじゃない?
  • ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
  • いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
  • 良いアイデアがあるから感想に書くぜ
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