裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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 お待たせしました。
 前回のお話では結構意見の分かれる所だったと思いますが、ご不快になられた方がいらっしゃったら申し訳ありませんでした。改めてこの場を借りてお詫び申し上げます。

 最新話となります。前話から引き続きシリアスなムードからのシリアル突入に(少々強引に)引っ張っていきまして、シリアルからのほのぼのに戻せるような仕込みのお話ですね(大汗)

 今回も8千字近くある長文ですが、ご覧下さいませ。


-24-”事”が終わったら武器や道具はもちろんだが心と体のメンテもしないといけないんだぞ・・・えっお前が言うなって?

 

 

 

 反人形過激派のギャングたちによる誘拐事件から一夜明け、クルーガーに依頼の結果報告をする。はっきり言って成功とは到底呼べない結果に終わったが、俺が一番危惧していた最悪の展開、猟奇的欲求によるこれよりさらに凄惨な事態にならなかったことが唯一の救いか。

 突入時の全力疾走でますます背中を痛めたり、スケアクロウが体調を悪くするなどのアクシデントはあったが・・・まずは依頼人への報告だ。

 

 

「・・・以上で、本件の最終報告を終わります。今回の依頼、救出対象者を”無事に”救い出すことが出来ず、申し訳ありませんでした」

 

『そう、か・・・。いや、君が出来る限り迅速に依頼を遂行しようとしてくれた事は分かっている。むしろ、体を痛めている中でオーダーに応えてくれた事にこちらが感謝すべきだろう』

 

「いえ・・・」

 

 

 いつにも増して神妙な面持ちのクルーガー。自分たちが運用している人形たちがこのような目に遭わされたという現実に、思わず頭を抱えずにはいられないといった様子。単純に被害を受けた会社の有する戦力(人形)の減少はもちろん、この事件を知った他の人形たちのメンタルに影響を及ぼさないかなど、今回の事件は人形肯定派の陣営や組織にとって非常に苦悩させられる楔となった事は言うまでもない。

 

 

『とにかく、無理を押して依頼を受けてくれた事、本当に感謝している。依頼はこれで完了だ・・・と言いたいところだが、不躾なのを承知の上で一つ、君にもう一つだけ依頼したい』

 

「お待ちください、クルーガー社長」

 

 

 クルーガーの言葉に被せる形で、スケアクロウがズイっと俺の前に浮かぶ。まるでクルーガーの視界から俺を隠すように、正面から仁王立つように浮いていた。

 彼女の振る舞いに怪訝に思ったのは俺もクルーガーも同じ。クルーガーは眉間に少しだけシワを寄せ、スケアクロウに問いかけた。

 

 

『・・・うん? 君は彼の人形だな。何か私に言いたい事でも?』

 

「ええ。単刀直入に言えば、これ以上私の主人を使おうとするのはやめて頂きたいですわ」

 

『うむ・・・その点に関しては申し訳無いと思っている。だが、これからさらに私が依頼したい事は断じて彼の肉体を痛めつけるものではない。話だけでもさせてくれないか?』

 

「お断りしますわ」

 

「お、おい、スケアクロウ?」

 

 

 間髪入れずに拒絶の言葉を放ったスケアクロウに俺も、空中投影された映像の向こう側のクルーガーも面食らう。こんなにはっきりと意思を示す彼女の姿もそうそう見られない。相手を射抜くような強い視線を映像の向こう側へと合わせ、静かな口調で話し出した。

 

 

「彼は本来、安静にしていなければならない状態です。それこそ、あのバイクを運転する際の前傾姿勢すら取るのも辛い程ですわ。そんな状態の中で命を懸けた戦いに送り込まれた挙句、さらにお金を出すからもう一つ依頼を受けてくれですって? 貴方は私の主人を都合のいい駒か何かと勘違いしてますの?

 彼も人間であり、限界はある。それでも大切にしていた”弟子”のために、痛みに堪えて無理して戦ったのですわ。貴方はその事情を知っているはずなのにさらに依頼をしようなんて、人としての性を疑わざるを得ませんわ」

 

『・・・』

 

「いいですこと? 私の主人は、彼は今体力の回復が必要な状態なのをくれぐれもお忘れなきよう。完治したらこちらの方から貴方に連絡差し上げますので、それまでは一切こちらにお話を持ってこないでくださいな」

 

『なっ、ちょっt』

 

 

 言うだけ言って回線をブツりと切ってしまった。

 あれー・・・。思わぬ展開に口をあんぐりと開けてしまう。取引先が一つ減っちゃったらどうするよコレ。いやもちろん、俺の身を心配してくれたからこその行動ってのは理解してるが、だからって金が無きゃ人間食っていけねえからな・・・。ローンも支払い終えてねえし。

 仕方ない、後でギルド経由で謝罪をクルーガーに送るよう手配しないと。

 

 

「スケアクロウ」

 

「っ、なんでしょう?」

 

 

 名前を呼んだ瞬間ビクンと肩を跳ねさせたスケアクロウ。・・・感情と勢いに任せてついやっちゃったって感じの反応だ。

 

 

「・・・次からはああいう行動は止めてくれ。取引先が減るとキミのローンを払えなくなる」

 

「・・・ごめんなさい、軽率でした。でも、貴方の体調を知っててさらに依頼をしようという態度に、私どうしても耐えられなくて・・・」

 

「俺の身を気遣ってくれたんだろ? それは分かってる。だから、次同じことを繰り返さなきゃそれで良いよ」

 

「・・・」

 

 

 しょぼーんとしてしまったスケアクロウ。俺の体調が原因であの行動をしただけに彼女を注意することへ罪悪感はあるが、やっちまったのは取引先との信頼関係に直結するヤバい行いの一つだし、言うべきことは言わないとな・・・。

 

 もっともそれを抜きにしても、スケアクロウは先ほどからジャマーの影響なのか、それともあの凄惨な光景を見て思うところがあったのか、どうにも体調が芳しくない様子だ。どちらにしても、これ以上ここにいる理由はない。グリフィンの増援も駆けつけた事だし、潮時だな。

 

 

「それじゃ、申し訳ないが俺たちは体の調子がよろしくないんで、先に上がらせてもらうよ」

 

 

 そう言って立ち上がると、ローブを羽織ったライフルたちが一斉に俺たちの方へと向き直った。わーちゃんとスプリングフィールド、二人が俺のもとに歩み寄り、ボロボロではあるが可憐な笑顔を浮かべた。

 

 

「その、みっともないトコ見せちゃったけど・・・。レイ、こんな状況だったけど会えて嬉しかった」

 

 

 泣いて少しだけスッキリしたのか、ボロボロでも少しだけ朗らかな笑顔を浮かべるわーちゃん。トラウマが消えるか、あるいは軽減されるにはまだ時間は必要だろうが、離れたらすぐに壊れてしまいそうな、そんな悲痛な笑みではない事に少しだけ安心した。

 

 

「そう言ってくれたら、俺も全力で助けに来た甲斐があったってもんよ」

 

 

 その笑みに報われた今日の労を思いつつ、俺も彼女に笑みを返す。

 

 

「それと、次会った時はね?」

 

「会った時は?」

 

 

 一呼吸置いて、ビシィッとスケアクロウを指差すわーちゃん。そしてもう片方の手を腰に当て、声高らかに発する。

 

 

「レイの隣に浮いてるそこのアンタ、なんでレイの隣に居るのか詳しく聞かせてもらうからね!」

 

「詳しくも何も、私が彼の隣にいる理由は簡単でしてよ。彼が私のご主人様(オーナー)ですから」

 

「えっ・・・」

 

「まぁ・・・」

 

 

 間髪入れずに返された唐突なご主人様宣言に、わーちゃん以下ライフル達はそろって驚きの声を上げる。スプリングフィールド辺りは如何にもな所作で口に手を当て驚いてるし。うん、事実だよ。事実なんだけども何かとても面倒な展開になりそうな気がする。

 

 

「なっ、なんでよレイ! わ、私が最強のWA2000になったら、誓約してくれるって約束したじゃない!」

 

「むっ?」

 

 

 誓約という単語が出た瞬間、強力なジト目をスケアクロウから向けられる。そんな目を向けられたって俺には全く身に覚えがねえ。

 あぁもう、せっかくの笑顔だったのにわーちゃんまた目尻に涙溜めてるし・・・。そういう顔されても、約束って一体なんの話だ?

 

 

「・・・誓約って、I.O.P.から人形を買い取る手続きを取るアレのことか? そんな約束した覚えは・・・

 

 

 いや、待てよ????

 

 

 

 -----

 

 

 

「私が将来、すべてのワルサーWA2000の中で最強のWA2000になったら!!」

 

「・・・なったら?」

 

「私の、わたしの、わた、しの・・・」

 

「・・・私の?」

 

 

 頑張って伝えよう、その想いのもとまっすぐ見据えてきてたはずのわーちゃんの視線がどんどん下に下がっていき、同時に顔もリンゴみたいにどんどん赤くなっていく。そりゃもうふしゅーふしゅーと湯気でも出そうなレベル。おーい?

 

 

「うぅぅぅぅぅやっぱりムリぃぃぃぃぃぃッッ!!!!!」

 

 

 ・・・何を俺に伝えたかったのかさっぱりだが、なんだか当人の中ではもの凄く恥ずかしい事を言おうとしてたらしい。結局言えずじまいでピューっとダッシュして行っちまったんだが、わーちゃん本当に何がしたかったんだろう・・・。

 

 

 

 -----

 

 

 

「・・・もしかして、別れ際に言い淀んだ挙句結局言えずじまいだったことって、ソレ? なに、俺に買って欲しかったの?」

 

「言えずじまいじゃな、く、て・・・あれ・・・?? 私、言ってない・・・???

 ・・・ぴゃああぁぁぁぁっ!?!!?」

 

 

 わーちゃん、大自爆。

 どうやら数年経つ内に、自身の想いを伝えて約束をしたという風に勝手に思い込んでしまってたらしい。ハハハ、人間でもまあまあ起こる現象だな。思い出すうちにみるみると顔がりんごちゃんになっていき、ワナワナと顔が、肩が、全身が震えだした。・・・おーい?

 

 と思った次の瞬間、ムッスーとした顔つきで俺をにらんだかと思えば、それはそれはもうかつての天狗わーちゃんを彷彿とさせるような罵詈雑言の嵐が飛んできた。

 

 

「バカ! ボケ! ナス! 私の気も知らないで! 浮気者! アホ! あんぽんたん!」

 

 

 う、浮気者ぉ!? なんでだよ! それにあんぽんたんって、そんなこと言われたら俺凹むぞ!

 

 

「・・・自分で伝えられなかった事の責任まで俺が取らなきゃダメなの?」

 

「察しろ! ・・・バカレイ」

 

 

 乙女心的には責任を取るのが正しいらしい。いや知らんがな。なんで本人がまともに伝えられないことまで察しなきゃいけないんだわよ、それで事が済むなら、全世界の告白したい男女の悩みの大半は解決するだろうて。

 そして遂にバカレイとまで呼ばれてしまった。泣くぞオイ。心の中で。

 

 

「・・・つーん」

 

「ちょっと待て、なんでスケアクロウまで拗ねる」

 

 

 そんなわーちゃんのオトメな気持ちに思うところがあるのか、ジト目から遂に拗ねモードスイッチが入ってしまったスケアクロウさん。・・・理不尽だ、人格が男性の人物には理解し辛い領域の感情を察しろなんて、よほどのプレイボーイでなきゃ無理だろ。

 ”裏での付き合い”だけで言えば俺もそれなりに”経験”はあるが、こういう甘ったるい関係はド素人なヤツに対して、お二人とも要求するハードルが高くありませんかね?

 

 

「あらあら・・・」

 

「スプリングフィールドたちも見てないで助けてほしいんだけどな」

 

 

 さっきからあらあらとしか言わないスプリングフィールドさん。困っちゃいましたねって苦笑いしてる。いやあのだから、困っちゃいましたねってのが分かるんなら助け舟を出して欲しいわけよ。他のライフルたちに視線を合わせると全員プイっとそっぽ向かれた。ちくしょう、こいつら俺を出汁にして楽しんでやがる。

 

 

 こんなやり取りしてるせいで、さっきまでのシリアスな空気感があっという間に崩壊してしまった。なんでやねん。思うだけじゃなくて、ちゃんと言わなきゃ人間通じ合えねえんだぞ?

 

 ・・・まあ、俺が出汁になることで少しだけでも受けた痛みから意識を離してられるんなら、依頼に失敗したせめてものアフターフォローとして精一杯道化になってやろうと思うけどなイテテテテ

 

 あークソ、さっきまでアドレナリンで誤魔化してきてた背中の痛みがまたぶり返してきやがった。痛み止めを飲みたくなる位の強い痛みに一瞬顔をしかめる。

 

 わーちゃんもスケアクロウも、そんな俺の様子を見て直ぐに罵倒?を止めてくれる。

 

 

「ど、どしたの? まさか、私の悪口が心に・・・?」

 

 

 ・・・わーちゃんよ、メンタルに負ったダメージが直ぐにカラダの痛みになって現れるってのは聞いた事ないな。ストレスになって段々積もり積もって、間接的に胃潰瘍とかの原因になってってなら分かるが。

 

 

「大丈夫ですの? 立てますか?」

 

 

 ジト目から打って変わって俺を心配する目になったスケアクロウさん。いやいや、キミもあんま体調よろしくないでしょ? そっちこそ無理しちゃダメ。

 幸い、歩くのに支障がある程じゃあない。だけど、これは寝ぐらに行かずに病院直行ルートかねぇ。

 

 

「ああ、なんとか歩ける。それじゃあ改めて皆、申し訳ないけどここらで先に上がるよ。わーちゃん、また会うときまで元気でな」

 

「ほ、本当に大丈夫なの?」

 

「心配すんな。寝てりゃじき治る」

 

「そ、そっか・・・って!」

 

「うん?」

 

 

 ほっとしたわーちゃんは直後何かに気付き、頬を膨らまして俺にこう言った。

 

 

「わーちゃん言うな!!!」

 

「分かったよWA2000。でも俺はこれからも心の中ではわーちゃんと呼ぶ」

 

「心の中でも呼ぶな!!!」

 

「えー」

 

「えーじゃない!!!」

 

 

 わーちゃんと呼ばれる事に何か不満でもあるのだろうか。カアイイあだ名で親しみやすいと思うんだがな。

 ともかく長居は無用。さっさとオンボロの元へと歩いてきましょ。

 

 

 部屋を出る直前、スプリングフィールドがわーちゃんのことをわーちゃんと実際に呼んでからかう声が聞こえた。釣られて他のライフルたちも笑う声が聞こえる。

 ・・・空元気だったとしても、周りが暗くならないように振る舞える女性(ヒト)って強いな・・・。自分も被害者なのにああやって振る舞える人間はそう多くない。俺が彼女の立場だったらああ出来るかと問われればまず無理だ。

 

 

「女ってすげえなぁ・・・」

 

「・・・どう言う意味ですの?」

 

 

 口を吐いた言葉に目元のヒクついたスケアクロウが、横倒しにフヨフヨしながら食いつく。あれキミ、心なしか青筋も浮いてない? 別に変な意味じゃないってばよ。

 

 

「そのままの意味さ。自分を人とすらも見ない奴らに”された”後でも、ああやって明るく振る舞える女性(ヒト)は強いんだなって」

 

「あっ・・・」

 

「事が終わった後、絶望して死を選ぶ奴だっているだろう。それでも周りの空気を明るくしようと、たとえ空元気でもああやって振舞うのってよっぽど心が強くないと出来ないことだからな。人間人形関係無く、俺は素直に尊敬するよ」

 

「・・・ですわね」

 

 

 

 しばし無言のまま、オンボロへ歩くこと数刻。わーちゃんが最初に潜伏していたポイント辺りに来ると、見覚えのある4人がオンボロの周りで思い思いに休息を取っているのが見えた。おい、俺のオンボロは休憩スポットか。

 

 

「あ、やっほーレイ。おかえりー」

 

「45姉、おかえりーじゃなくておかえりなさいだよ」

 

「やっと帰ってきたのね。早速だけど、このバカを起こすの手伝ってもらえないかしら? コイツったらあなたのサイドカーの中で眠っちゃって・・・」

 

「ぐー・・・」

 

 

 見覚えのある4人・・・404小隊が俺のオンボロを囲うようにして待機してた。しかもG11(ねぼすけ)に関してはサイドカーの椅子を完全に倒して爆睡モードに入ってやがる。持ち主のいないところで勝手にダラーっと寛ぐんじゃない。

 ところでキミ達、一体何の用でオンボロの周りにわざわざ根を張ってるわけ?

 

 

「404もこの辺で仕事が? ・・・例のライフル人形達の件か?」

 

「そだよー」

 

 

 そう答えたのは姉妹の妹のUMP9、姉からはナインと呼ばれている。姉と違って両側で二つ結びにした髪型と、姉と逆側にある目に刻まれた一筋の傷跡が特徴だ。姉は本性を掴ませない飄々とした感じの性格だが、ナインの方は明るくとっつきやすい印象だな。イイ笑顔で敵兵ブチ抜いちゃうサイコな一面もあるが・・・まあそこは今はいい。

 

 

「レイには社長から依頼が来たと思うけど、私たちにも捜索に協力するようにオーダーは来てたんだ。ただ、ここに来る前に別件の”お仕事”をしてたから到着が遅くなっちゃって。で、着いた時にはもうレイが粗方解決しちゃってたっぽかったからさー」

 

 

 潜伏ポイントの建物を囲うボロボロのコンクリ塀に腰を下ろし、両足をぶらーんぶらーんと振るUMP45とUMP9。なるほどねぇ、俺がもし断ってたら捜索隊は404が務めることになってたわけね。

 つかお前ら、タイツ履いた足でブラブラさせてたらその内塀の凸凹に生地引っ掻けるぞ。しかもスカートだっつーのに、そんな大きく足をブラブラさせるんじゃないの。お前ら俺に中身見せたいワケ? まあいいや、言っても聞かなそうだし話の続きを聞こう。

 

 

「だからオンボロの周りで寛いでると?」

 

「そ! レイのことだから昼夜問わず人目につきにくい所にきっとバイクを置くだろうなぁっと思って、目安つけて探したら大正解。私たちもあんまり人目に付きたくないから、それならちょっとでも楽に過ごせる所で時間を潰す方がイイじゃない?」

 

「言わんとしてることは分かる。オーナーがいない所で勝手に人の車を集会場にしてるのは納得いかないが」

 

「んもぅ、ツレないんだから・・・」

 

 

 唇をとんがらせたUMP45。キミがそんな顔しても胡散臭さが増すだけなんだけど、自覚ある?

 

 

「いいからどいたどいた。G11も起きろ。もうお別れだ」

 

「いやだ〜・・・わたしはレイのベッドで寝るんだ〜・・・」

 

「・・・今すぐこのバイクの進路上にコイツ投げ捨てようかしら」

 

「やめてやれ」

 

 

 眠りのためなら本気も出しちゃうG11。この子をオンボロから引き剥がすのには少々苦労したが、段々キレ始めた416と一緒になんとか引っぺがせた。

 オンボロに乗る際、スケアクロウの体調を考慮して最初は俺が運転しようと申し出たのだが・・・。

 

 

「轢きますわよ?」

 

「ここんところ本当キミ容赦ねえな」

 

 

 というわけで行きと同じく俺はサイドカーに乗車、運転はスケアクロウがやってくれることとなった。その光景を見ていた404は、珍しいものを見たという顔をしていた。

 

 

「レーイー? 随分とお尻に敷かれちゃってるね?」

 

「45姉! 夫婦って奥さんがしっかりしてると旦那さんはタジタジになるんだって!」

 

「大丈夫。貴方には完璧な私がついてるから」

 

「抱き枕要員としてわたしもついてるぞ〜。そしてレイのベッドでお休みするんだぐ〜・・・」

 

 

 言ってることが訳分からんちんである。確かに最近もうソロ体制に戻れないんじゃと思うくらい、彼女の力を借りっぱなしになってる実態はあるけど。尻に敷かれてる? 旦那がタジタジ? 鬼嫁と恐妻家みたいじゃねえか。おっかねえ・・・。

 あと416、貴方の仰ってることが一番訳分からんちんで困る。完璧な私がついてるってどういうこと? それでどうなるのよ? そしてG11、お前は俺の寝具になるのが夢なの?

 

 

「・・・では、行きますわ」

 

「あいよ。安全運転で、無理せずな」

 

 

 アクセル吹かしてこのエリアを出立する。

 本当、ついこの間乗り方を覚えた初心者ライダーとは思えねえ安定した走りだな。やっぱりこの子筋良いわ。

 

 次は四輪の乗り方でも教えるかなんて考えてると、大事な事を忘れてる事に気がついた。

 

 

「なあスケアクロウ。クルーガーに連絡したいんだけどさ」

 

「体が治ってないのに社長に連絡するんですの?」

 

 

 チラリと向けられたその横目が強力なジト目だったことにちょっと凹む。

 

 

「いや、俺は身分証無いからさ。どのみち病院行くにしてもクルーガーのコネがねえと話にならねえなって話」

 

「あっ」

 

 

 という事でクルーガーに無線をつなぎ、先ほどの非礼を詫びると同時になんとかコネをもっかい使わせてくれないかと頼むと、あんな失礼な真似をされたのにも関わらず答えはOK。そのまままっすぐ病院に行ってほしいと言われた。ついでにそこで面と向かって話したい事があるとも。

 

 面と向かってという部分でスケアクロウがピクリと目元をヒクつかせたが、そうしないと話が進まないから仕方ない。

 

 

 一体何を頼まれるんだかと思いつつ、病院で医師の診察を受けた直後。

 前回とは違う医者に開口一番こう言われた。

 

 

「即入院。異論は認めないよ」

 

 

 有無を言わせぬ気迫、まさかこんなセリフを俺が言われることになるとは思わなかった。

 ってなわけで、入院が確定しました。

 

 

 




 ほとほと自分の文章力のなさにあきれ果てる執筆日和です。中々書きたい事がまとまらない、まとめようとしても今度は似たような言い回しばかりで読んでて疲れる文に・・・。書くのって本当に難しい。

 次回、強制入院を命じられたレイ、面と向かって話したいと言っていたクルーガー社長。どんな展開が待っているのでしょうか? 


 今回も読んでいただきありがとうございます。

P90に名前を付けるとしたら?

  • そのまま『P90』でいんじゃね?
  • 『ナインティ』でいんじゃない?
  • ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
  • いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
  • 良いアイデアがあるから感想に書くぜ
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