裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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 投稿が遅れて大変申し訳有りません。
 そして今回も長い、そして二度目のカカシ未登場回です(殴


-28-残念なメイドはやっぱり残念でそれは分かりきってる事だったんだけどあの鉄血が造った人形にはやっぱりHENTAIしかいないんじゃないかと思えてきちゃんだよね

 

 

 スケアクロウと別れた後、今日彼女に行うメンテナンスの概要を説明してくれるというエージェント達。俺は会議机の上に筆記用具類を出し、彼女達と、自分の正面に投影された空中ディスプレイから与えられる情報を書き連ねていく。

 スケアクロウは今や命を預ける俺の大切なパートナー。何かあったときのために、せめて応急処置くらいのことは出来るようになりたい。

 

 そのために、彼女の構造を理解するというのは必要不可欠だ。

 

 

「・・・以上が、本日行うメンテナンスの概要となります。何かご質問はありますでしょうか? 弊社の機密情報に抵触しない範囲で、可能な限りお答えします」

 

 

 ふう、体が強張っている感覚がする。腕時計をみると、説明が始まってからもうすぐ一時間が経とうとしていた。そりゃ体も硬くなる、少しばかし長い時間机に噛り付いていたな。

 

 で、質問はあるか?という問いだが、話を聞いてる中で質問したいと思う所は特になかった。そもそも専門用語やそれに近い難解な単語については、注釈という形で正面に投影された小さなウィンドウに意味が表示されるようになっており、さらに言えば二人のハイエンド達の説明もとても分かりやすく綺麗に纏められていたので、与えられた情報の内容を理解し納得するのはそこまでの労ではなかったのだ。

 

 頭の中で浮かんだ疑問も話を続けている中で自然に解消出来るように、上手いこと順序を組み立てられた説明。さすがハイエンドモデル、演算能力たっけえわ。

 

 

「いや、質問は特には無いな。ここに出てるウィンドウでの注釈もそうだが、何より二人の説明がとても分かり易かったからな、素人としちゃとても助かったよ」

 

「お褒めに預かり光栄ですわ」

 

「いやいや、それほどでも・・・あるよ!」

 

 

 あるんかい。

 ニヒヒとイイ笑顔で答えるアーキテクト。

 

 それはそうと、俺が聞きたい本題について尋ねてみる。

 

 

「ところで、一つメンテナンスとは別件で聞きたいことがあるんだが」

 

「なんでしょう? アーキテクトのスリーサイズですか?」

 

「うひゃぁっ!?」

 

 

 まーたぶっ込んできたよこのメイド。しかもバラすのは自分じゃなくて他人のサイズかいな。

 突如自分の体型情報をバラされる危機に瀕したアーキテクト。普通何かしら声を張り上げたり人によっちゃその場で叩いたりもするもんだが、彼女自身は指をチョンチョンしながらモジモジするだけだった。

 あぁ、この子はスケアクロウのようにビシィッと突っ込むタイプじゃないんだな。最初はキャピキャピした女子ってイメージだったが、どうやらその認識は彼女の正しい姿ではないようである。それかあれか? セクシャルな話題だからたまたまこんな反応を見せてるだけだったりして?

 

 

「違う。もし仕事で何かあったとき、スケアクロウの応急処置を出来るようになりたいと思ってな。人間相手の止血法なんかは会得してるが、人形だとまた勝手が違うだろ? もちろん本格的な修復作業は工廠に運び入れてからだが、そこまでの間に出来る処置の一つや二つはあるだろう」

 

 

 いざという時、助けるために間違った処置をしちまったら本末転倒も甚だしい。適切な方法があるのなら是非とも教えていただきたいところだ。

 

 しかし、そう言われたエージェントの顔はというと、はて?どうして説明するべきかといった様子。まるで俺が考えている事は実は杞憂であると示すような彼女の反応に、俺は少しばかし目を細める。

 

 

「失礼しました。ですが、私とスケアクロウに関しては最初期に造られたボディですので、その後に造られた人形と異なり構造が特殊なケースなのです」

 

「特殊なケース? 話せる範囲で具体的に言うと?」

 

「私たちが生まれた当時というのは、まだ弊社の中でも人形製造技術の根幹となる要素が研究しきれていなかった時代でした。

 要するに、独自の工夫を駆使してより強力な人形を作るためのノウハウが圧倒的に不足していたのです。その結果、私とスケアクロウのみとなりますが、内部構造は”人間の構成そのまま”を模して体を製造しておりますわ」

 

 

 人間の構成そのままを模して?

 ということは臓器から血管の配置まで、人間と同じように作ってあるってことだよな。一部の臓器は必要が無くてオミットされてるものもあるだろうが、心臓や肺、食べたものを消化しエネルギーを取り込むための最低限必要な胃や腸なんかはそのままそっくりに作ってパーツとして成り立たせてるってわけか。

 

 

「・・・つまり、止血法などの応急処置は人間と同じやり方同じ加減でやって良いと?」

 

「そういうことになりますわ」

 

「・・・なるほど、それは楽で良い」

 

 

 ただ、このパターンはエージェントとスケアクロウにしか通じないそうなので、・・・もしツインテセーラーとかがメンバーに加わるなんて事態になった場合は、また別にやり方を聞く必要があるわけだな。もっとも、今の状況であの超高いウロボロス(ツインテセーラー)までお買い上げしようものなら、今度こそオンボロを手放さないと生活できなくなるが。

 

 さーて、今日聞きたいことは概ね聞けたので満足である。

 そろそろ次の動きに移ろうじゃないの。

 

 

「ありがとうエージェント、アーキテクト。おかげでスケアクロウのメンテの内容は十分理解できたし、俺自身が聞きたかったことも聞けて満足だ」

 

「それは良かったです・・・あら」

 

 

 ピピピっとどこからか音が鳴る。

 発信源はエージェントの持っていた小さな端末だったらしい。何か連絡でも来たのか?

 

 

「スケアクロウのコンディションチェックが完了した様ですわ。精密検査の結果をそちらのディスプレイに送ります」

 

「あ、ああ。ありがとう」

 

 

 早速転送されたデータを見る。

 レポートによると、腕や足の関節部や節々の部分にある小さなジョイントパーツの幾つかに磨耗が見られるらしい。今の所すぐに交換が必要な部品は無いが、磨耗がこのまま続くと正常な活動に支障をきたすでしょう、と。いや、そりゃそうだわな。

 そのほかには潤滑油の交換だったりといった、彼女の体を構成する消耗品類のチェック結果が書かれており、工賃込みのトータルでは少しだけ高めのお値段が見積もりとして出されていた。

 

 

「この内容でよろしければ、こちらの書類に同意のサインをお願いします」

 

 

 引き出しよりヒラリと一枚、エージェントが上質な紙を取り出す。

 鉄血のことは信頼しているが一応の確認をする。書いてある内容におかしな所はないだろうな?

 こういうのに限らず契約ってのはなあなあで締結すると後々エライことになるかもしれない。こうしたモノは特に注意深くしておくのだ。どれどれ・・・

 

 

 

ーーこの書類(以下本書と表記する)は、鉄血工造株式会社(以下弊社と表記する)が製造した戦術人形において、運用中に発生したトラブルや異常などにより人形が正常な活動が出来ない、または定期整備等の理由によりメンテナンスを行う際に、弊社と人形の所有者との間にメンテナンス実施の契約の締結、およびメンテナンス実施に所有者が同意することを正式に証明するものである。

 

弊社担当者は本書の修理実施欄に当該人形に求められるメンテナンスの内容を不備なく記載し、当該人形の所有者に対し不足のない対応をしなければならない。

当該人形の所有者は弊社担当者から必要な説明を受け、不明な点は理解できるまで質問する等し、メンテナンス実施におけるトラブル発生の防止に努めなければならない。

 

上記内容に同意できる場合のみ、下記署名欄に当該人形の所有者または法人の代表者の署名をフルネームにて署名すること。この署名を以って、メンテナンス実施契約の締結、および所有者の同意が同時になされたものとする。

 

 

追伸:このメンテナンス実施同意書の署名欄に当該人形の所有者が自筆でサインをした時点で、”弊社が開発した戦術人形『SP47 Agent』を同時に購入する事にも同意したと見なす。”ーー

 

 

 

 ・・・おかしなところがあったよ。あっちゃったよ。

 なんでやねん、なんでメンテナンス契約を結んだ時点でエージェントを買うことになってるんだわよ。

 っていうか、明らかに元々の同意書に書き加えた跡もあるし。

 

 呆れ半分哀れみ半分の内心ブルーな気持ちで、とんでもない契約を結ばせようとしてきたエージェントを静かに見つめる。

 

 

「・・・頼むから本来の同意書を渡してくれないか?」

 

「・・・またしても私をお買い上げされないのですね」

 

「そういうことは自分のお値段もっかい見直して価格改定してから言ってください」

 

「どんどん行き遅れる鉄血最強(笑)・・・フフ、フフフフ」

 

「とうとう自分で言いおったよ・・・」

 

 

 いよいよもって諦めの念の籠ったオーラを全身から漂わせ始めるエージェント。大人しく本来の内容の同意書を取り出し、渡してくれる。

 署名欄に名前を記入し、エージェントに返す。

 

 ドヨーンとしたままの彼女は端末に書類をスキャンし、スケアクロウのメンテナンスを実施するようにコンソールから指示を出した。

 

 ・・・空気が重たいぜ。

 次のテーマに移って少しでも気分を変えよう。

 

 

「さて、そろそろアーキテクトとのお話ってのに移ろうと思うんだが・・・。フィードバックと言うが、例えば何を話そうか」

 

 

 次の瞬間、キランと目を輝かせて猫みたいに口を窄めたアーキテクトが『カササササ』と詰め寄ってきた。会議机の上に四つん這いに飛び乗り、そのまま高速移動で一気に来た。

 ・・・結構硬いはずの会議机を四つん這いで走ってきてるのに、なんで音が『ゴンゴン』じゃなくて『カササササ』なんだろうか。もしかしてゴキブリ的なあれか?

 

 

「・・・むっ? 今私のことゴキブリみたいって思ったね?」

 

 

 ・・・考えてることが見破られるのは姉妹ゆえ? エージェントといいスケアクロウといいアーキテクトといい、なぜ俺の思考をこうも的確に読むのだ。俺の脳内のプライバシーは実はスッケスケ?

 当の本人はゴキブリと言われてご立腹といったお顔である。はっきり分かるほど頬を膨らませ、言葉を当てはめるなら『ぷんすこ』という擬音が適当だろうか。

 

 

「なんでこんな硬い机を四つん這いで詰め寄ってきてるのに足音がカササササなのかと思ってな。人間の形してたら普通ゴンゴンいうもんだと思うんだが」

 

「それはアーキテクトの七不思議ってことで覚えておくといいよ! 他にも私にはたくさんの秘密があるからね! 私をお買い上げしたらその秘密も明らかになる・・・かも?」

 

 

 この子、売れないことを気にして落ち込んでる奴がいる側で、さらっと自分を売り込んできたぞ。弄られたことへの仕返しをこんな形で返すあたり、実はなんだかんだ言ってエージェントに対し思うところの一つ二つはあるのかも。姉妹の間柄が仲良しの範疇に収まってればいいんだが、少々心配になってきた。

 

 

「それ以上言うとまた姉にセクハラされるぞ。でだ。アーキテクトが聞きたいのは、もし人形に搭載されてたら良さそうだと思う機能とか無いか?って話だったな」

 

「そそそ! やっぱり身内だけだとどうしてもネタに詰まるんだよねぇ」

 

「・・・ネタ?」

 

 

 ネタに詰まるってのは、予算やら生産性やら効率性やらを完全度外視してとりあえず作ってみたいとか、そういうアイデアを出す段階での話か?

 だが、アーキテクト当人がニヒヒというイタズラな笑みを浮かべてるのを見るに、どうにも何か引っ掛かるモノを感じるのは気のせいだろうか。

 

 

「うん。まあ私らも一応企業ということでさ、あんまり利益の取れない物は販売の許可は当然降りないんだけど。

 ”それはそれとして”だね? とりあえずこのアイデアが実証可能で製品として発表しても問題無いかっていうのを”実際にチェックしないと”分からないじゃん?

 だから色々テストで作ってみては失敗してってのを繰り返してるうちに、なんだかんだ頭が凝り固まってきちゃうってモンなんですよ〜これが」

 

「・・・言いたい事は分からなくもないんだが、一つ聞きたい。企業として出来る裁量に限度があるのを分かっているなら、”実際にチェックしなくても理論だけでおおよその検討は付けられる”んじゃないのか?」

 

「いやいやいや〜。そこはそういう風に分かっていてもだね、ロマンがあるかどうかっていうのを”実際に見てみない事には分からないじゃない”ですか〜。それに実用性もちゃんとある製品になってるかどうかって見るにも、ちゃーんと実物でテストをしないことには判断のしようがないと思うんですよ〜」

 

 

 分かった。この子アレだ。

 カッコイイとかイカツイとかスタイリッシュだとか、いわゆるロマンをとことん追い求める変態(HENTAI)だ。

 考えてみりゃ、この子を作った親がアレだもん。戦闘特化とはまた異なる、エンジニア系統のスキルを持ったハイエンドモデルというなら、あの変態達(HENTAI-SAN)がロマンをとことん追い求める人格にしない理由がない。

 

 俺も男だからそういうロマンは十二分に理解も共感も出来る。でなきゃあの人の忘れ形見とは言え、下手すりゃ重戦車級の燃費になるオンボロには乗ってない。あれの維持費だけで結構な額が吹っ飛ぶのだから、オンボロはまさにそういう意味でもロマンの塊の一つだ。

 

 

 が、鉄血工造は企業である以上、最低限度の利益は全力を持って追求していかなきゃいけない。新規に製品を作るとはいえ、制作や研究なりテスト稼動に掛かる諸経費というのは少ないに越したことはないのだ。

 

 だからこそ、まず作る前に理論と材料等から掛かる経費を算出して、それから作れるかどうかの判断を検討するのが普通なのだ。

 

 ところが今聞いたアーキテクトの言い分だと、そもそも初めに理論でどうこう考えるよりも”まず作る”→実際に完成させてテストしてみる→良さそうなら上層部にアイデアを提出 or フィーリング的にダメなら没、という進め方をしていることになる。

 

 

 つまるところ、会社の予算をフル活用(究極のムダ遣い)してるという結論に落ち着くんではなかろうか。

 

 そう思う理由? だってさっきからアーキテクトの後ろにいるエージェントがさ、スカートたくし上げて”白”のパンツとアーム四本フルで出してんだもん。アームの銃口には赤黒いエネルギーが光ってるし、エージェント自身の表情もおふざけモードじゃなくてガチギレの能面になってるし。

 

 ・・・表情のないお顔は先ほど見たスケアクロウのそれとよく似てた。さすが姉妹。

 あとあんた、前に俺にアームと一緒にパンツも見せてきた時は”黒”を履いてなかったっけか? 人形もその日そん時の気分で下着の色を変えるんかね? 本人には口が裂けてもぜってえ聞けねえけど。

 現実逃避はこの辺にしとこ・・・。

 

 

「アーキテクト」

 

「何かな? レイさん」

 

「今言ったことと同じ内容、後ろを向いた状態でもう一度言えるのか?」

 

「後ろを向いた状態でもう一度言えるのかってどういうこ、と・・・」

 

 

 言われてクルリと体の向きを変えたアーキテクトは、今この瞬間自分がクラッシュさせられそうになってることを理解した。

 刹那、人間では決して真似できないスピードで速攻の土下座を敢行する。

 

 

「申し訳ありませんでしたぁッッ!!!」

 

「誠意が足りませんねぇ????」

 

「頭が高くてゴメンなさい!!?」

 

 

 と思ったら、実に流動的かつ刹那的に土下座から土下寝にトランスフォーム。

 エージェントは土下寝したアーキテクトの頭をアームの先っちょで突ついてる。能面で、もちろん砲のエネルギーも充填されたまま。・・・こえぇぇぇぇぇぇ。

 

 たとえ姉妹の中では残念な姉であったとしても”鉄血最強”の攻撃力は伊達じゃない。現在進行形でそれを身を以って学んでいるアーキテクトは、いつ自分の身が吹っ飛ぶかという恐怖に全身を震わせている。

 アームで頭をチョンチョンされてるせいで、せっかくのツヤツヤで綺麗な黒髪も所々焦げてきてるし。

 

 

「・・・エージェント。話が進まないからとりあえずここは、な?」

 

「・・・確かに、レイさんのお時間を無駄に使わせるわけにもいきませんね。アーキテクト」

 

「は、はいぃっ!」

 

「・・・後で覚えておきなさい」

 

「あっ」

 

 

 ハイエンド姉妹の長女より下された死刑宣告。ズギャーン!!!という効果音の付きそうな壮絶な表情をしたかと思えば次の瞬間、気絶してポテンと横に倒れた。

 

 

「・・・とりあえず、この子は自室に放り込んでおきましょう」

 

 

 アーキテクトの胸の上に手をかざすエージェント。もう片方の手で祈る様に十字を切ると、アーキテクト本体がまるで最初からそこに無かったかの様に転移した。

 ・・・前に不法侵入された時も思ったが、転移って一体全体どういう理屈で出来てんだよ。

 

 

「その、あんま酷いことはしてやらないでやってくれよ」

 

「・・・元はと言えば、アーキテクトの人格を理解した上でそのノリに乗っかった弊社のバホな技術者が悪いですから。後でするのはお小言程度に済ませますわ。本命のお仕置きは先ほどしましたからね」

 

 

 なるほど、ね・・・。

 一弾の威力が途轍もないエネルギー弾を充填しかけてるアームで頭をチョンチョンなんてされた日にゃ、俺なら下手したらチビるかもしれない。少しでも言葉の選択肢を間違えれば即召される(・・・・)、想像もしたくない最低最悪のシチュエーションだよ。

 ともかく、あくまで灸を据える目的でというなら特に何も言うまい。やり方としては若干オーバーな気もするが、経費の使い方ってのは最悪自分を作った会社の経営を圧迫しかねない。それで立て直せればいいが、転覆しちまったらいよいよ取り返しがつかなくなるしな。

 

 ・・・アーキテクトを焚きつけた技術者様には後で合掌を捧げよう。あなた方はエージェントを怒らせましたよ。

 

 

「さて、身内の騒動で失礼を致しました。では、スケアクロウがメンテナンスをしてる場所の隣にある控え室へご案内します」

 

「聞き手がいなくなっちまったが、お話ってのはどうするんだ?」

 

「ふむ・・・それでしたら、私が聞きましょう。スケアクロウに何か新たに搭載してほしいと思う能力等はありますか?」

 

 

 廊下をテクテクと歩きつつ、問いかけられた事への答えを考える。

 スケアクロウが覚えていると良さそうなスキルねぇ。バイクの運転はこの間仕込んだだろ? ビットの使い方は完全に専門外だから何も言えないとして、彼女が新たに覚えていると仕事で役立ちそうなスキルって何があるか。

 

 

「私が今思いつく限りですと、あくまで参考までとなりますが、スケアクロウ自身にも武装を装備させるというのはどうでしょう?」

 

「それは周囲に展開するビットとは別で?」

 

「ええ。演算モジュールを追加装備する事で、ビットの操作と自身での銃撃とを両立するといった感じですわ」

 

「確かに、SP65型は直接面と向かってドンパチするのは苦手だってさっき言ってたな。しかし、それなら近接格闘術でもインストールした方がまだいざという時に役立つんじゃないか。武器は俺が持ってるものを貸せばいいし、なにせ彼女は狙撃の観測主だってこなせるくらいには知識がある。

 ハイエンドモデルとしてそれぞれ特化した設計コンセプトからは少し外れるかもしれないが、敢えて軍の兵士が訓練で体に叩き込むものを彼女に教えるのもアリかもしれない」

 

「なるほど・・・。参考にさせていただきますわ。さあ、こちらがメンテナンスルームの控え室になります。室内にはなるべく時間を潰せるものを揃えてありますので、スケアクロウのメンテナンス終了までごゆっくりおくつろぎ下さいませ。

 トイレ等もこの部屋にありますのでご自由に、何かありましたらこちらの内線にて私をお呼び出しください。コードは『00#47』で私の回線に直通します」

 

「おう、それじゃあしばらく待たせてもらうよ。今日は教えてくれたり案内してくれたりと、色々ありがとう」

 

「いえ、これも未来のご主人様への”営業努力”ですから。それでは」

 

 

 綺麗な一礼と共に、部屋の扉が閉まる。

 上質な一人掛けのソファー、上質なガラステーブル、取り揃えられた書籍やPCに、部屋全体にサラウンド効果を生み出すよう配置された複数の大きなスピーカーやウーファー。

 人形のオーナーを待たせる間も精一杯もてなそうという心意気がこれでもかと伝わってくる内装、金持ちはこんな空間でずっと暮らしてるのかなんて事を考えながら、フカフカのソファーに腰掛け一冊の本を取り出す。

 

 

 わざわざこの部屋に案内したという事はまだ暫くメンテナンスに時間がかかるんだろう。それなら、ここまで用意されたもてなしの気持ちをしっかり受け取らせて頂く事にする。




 活動報告には一応書いてたのですが改めて、ここまで投稿が遅くなった事の説明を・・・。
 私事で恐縮なんですが、実は今月の4日に祖母が亡くなりました。

 通夜と告別式を行うために田舎に急遽飛んで行って、かと思えばお寺と葬儀業者の都合で死亡日から通夜まで数日間が空いてしまったり、いざ当日となったら会葬者に振る舞う料理はどうするだのなんだのと、本当にバタバタした日々を過ごしておりました。

 正直執筆に割ける時間がまるで無く、今日仕事帰りになんとか回らない頭で必死にまとめて投稿している所でございます。

 読んでくださってる方にお願いです。
 お爺ちゃんお婆ちゃんが元気な方、どうぞ積極的に電話をかけたり手紙を送ったりしてあげてくださいね。
 亡くなって声が聞けなくなってからでは遅いです、元気なうちにたくさんお話しして、たくさん顔を見せてあげてください。
 後悔ばかりの悲しい別れは、ものすごく辛く悲しいですから・・・。

P90に名前を付けるとしたら?

  • そのまま『P90』でいんじゃね?
  • 『ナインティ』でいんじゃない?
  • ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
  • いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
  • 良いアイデアがあるから感想に書くぜ
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