裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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 えーお待たせしましてごめんなさい。
 話が纏まんなくて一話まるまる書き直して、ちょっと手直ししてから投稿しようと思ってたらインフルエンザでダウンしてました(滝汗)

 二週間も間空いちまった・・・。

(投稿時間0時ちょうどにしたのを日付修正するの忘れて即時投稿にしちゃったアホは私です。
 第一話はともかく、時間が半端になっちゃってるのなんとなくいけ好かないので上げ直しました汗)


-41-汗も流したしさ〜て帰ろうか・・・このご時世平和な帰路は無いよねぇ

 

 

 

 E.L.I.D討伐戦線での仕事を終え、ついでに風呂にも入って身も心もさっぱりした俺たちは、ご機嫌ムードでギルドへとオンボロを走らせていた。

 太っ腹な司令官殿のご厚意により、高級資源であるハイオクガソリンを相場よりちょっぴり安い単価で給油させてくれたのだ。手持ちの金はまた口座から下ろさないといけない位には減っちまったが、それでも一回の走行でもなんだかんだそれなりに食う高燃費バイク。

 補給できる時に補給はしておくべし、無い袖は振れないのだから。ということでオンボロは軽快にエンジン音を響かせながら、闇に覆われた帰路を走っている。

 

 

「・・・まずはお疲れさまでした」

 

「お互いにな」

 

 

 サイドカーにスケアクロウがゆったりと腰掛けている。スラッと伸びた脚を組み、風に煽られる髪に手を当てながら真っ暗闇の景色を眺めていた。

 相変わらずポーズが一つ一つ様になる美人さんだこと。ミラー越しに時々視線を向けるが、平和な世界ならモデルでも通じていただろうにと思ってしまう。・・・アンドロイドがモデルってのもどこか変な話だけど。

 

 ちなみに救援に駆けつけてくれたエージェント達ハイエンド姉妹は、基地を出立する直前に何処かから入ってきた通信に血相を変え、普段のバホ姉ムードから完全に切り替えた真剣モードでテレポートしていった。第三兵器産業廠で何か大きなトラブルが起こったのかもしれないが、いざという時はしっかりやるエージェントなら心配は無いだろう。そもそも俺は部外者だからどうにも出来ないが。

 

 

「色々大変な目にあわせて済まなかったな。今日くらい奮発して良いもの食いたい所だ」

 

「同感ですわ。たまの贅沢と言いますけれど、今日がまさに贅沢をするべき日かと」

 

「・・・っし! そんじゃあ、久々に滅多に食えない”天然物”に手付けてみますか!」

 

「!!」

 

 

 その瞬間、ガスマスク越しにも彼女が物凄い期待と歓喜を宿したのが分かった。クール系美人の普段の姿からは想像できないほど、目がキラキラ輝いてらっしゃる。

 普段から天然物なんてあっという間に破産しかねないが、こんだけ頑張った日くらい良いだろ? 欲を言うなら、こんな時こそ”異世界のエージェント”のもとに転移しても良いかも・・・とか思ったりしなくもない。狙って行ければ苦労しないけどさ。

 

 

 そうしてウキウキになりながら夜の荒野を走り抜けること30分ほど、ギルドのある市街地まで半分ほどの場所にある『居住可能エリア』へとたどり着いた。

 ここはガソリンをちょっとだけ補充してから出発みたいな事が可能な、いわば補給スポットの一つ。市街地というほどではないが、村や集落というほど小さくもない。ほどほどに人が集まり、なんとか生きていけているという場所だ。

 

 だが、夜中なりに建物の灯りくらいは点いていてもおかしくない時間なのに周囲は真っ暗、加えて俺たちを迎えたのは何故か風の吹く音だけという、人の住む場所にしては少し”過ぎた”静寂。オンボロのヘッドライト以外に光源はなく、オンボロの重いエンジン音が暗闇にやたらと響いてるのがより不気味さを際立たせる。

 

 何かがあった? 幾ら何でも住人の気配が全く感じられないのは流石におかしい。

 

 

「・・・どうしたのでしょうか?」

 

「静かに・・・オンボロから降りるな」

 

「!」

 

 

 俺は目を瞑り、オンボロのエンジン音の反響に意識を集中する。

 音が周囲に拡散してから物に当たってこちらへ跳ね返ってくるまで、その時間と反射の仕方から何がどこにどのように存在しているのかをレーダーのように知覚する能力。反響定位(エコーロケーション)を利用し、俺たちの周りがどんな状況になってるのかを調べる。

 

 即座に跳ね返ってきた音が俺の耳に今どうなっているのかを教えてくれる。・・・窓ガラスが割られている箇所がやけに多い? 窓が閉まっていると室内に響いた音はほとんど拾えないはずなのに、室内の様子が大雑把ながら拾える建物が多い。

 この時点である疑念を持った俺だが、拾った室内からの音から中に潜んでいると思しき者と床に倒れ伏している者の輪郭を捉えたところでそれは確信に変わる・・・次の瞬間、真正面からドロップキックよろしくオンボロに飛び乗る。

 

 

「きゃぁっ!!?」

 

「頭抱えて伏せてろ!!」

 

 

 オンボロの高排気量エンジン出力をフル活用し、一気にアクセル吹かしてこのエリアからの脱出を図る。

 ちっくしょう・・・まさか”野盗”がここを占拠してやがったとはな。彼奴らはそれぞれが建物の窓際に立ち、気配を殺して俺たちをどう殺すかを考えていたんだろう。中で倒れていた輪郭は恐らく住人のもの、先住人を殺害してここを通る者達から物資を強奪するのが狙いか。

 軍の基地でガソリンを入れておいて良かった。オンボロの燃料消費効率を考えると、補給無しでここに来てたら奴らを撒くのに燃料の余裕が無かったところだ。

 

 とにかく、今はオフロード仕様になっているとはいえ、本来は0-100km/hまで3秒掛からず到達できる性能をオンボロは持っている。今こそロマンを求めすぎたスペックを最大限に活躍させる時だ。同乗者にとっては恐怖のツーリングがスタートするが、四の五の言ってる場合じゃない。

 

 俺たちがいきなりとんでもないスピードで発進し始めたのを見て、待ち伏せていた奴らは大いに焦ったようだ。真っ暗闇なのも災いし、どこを狙って撃つかを考えてる間にオンボロはどんどん出口へ向かって駆け抜けていく。

 ようやく我に返り、出口に急ごしらえのバリケードを作り出し始めたところに猛スピードで俺たちが突っ込んでいく。あまりに急展開すぎる事態に、バリケードを作っていた『リッパーやイエーガー』の顔が驚愕に染まる。

 

 やむを得ないと判断し、それぞれの獲物でこちらを狙い撃とうとするものの・・・。

 

 

「ハイビームでも浴びてろ!」

 

「撃たせはしませんわ!」

 

 

 いきなり目に突きつけられたハイビームに加え、頭を屈ませながらも巧みに操作されるビットの援護射撃により、人形達が無力化されてゆく。

 その隙に製作途中のバリケードの隙間を縫うように、本来サイドカー付きで絶対やっちゃいけないドリフトを駆使してジグザグにすり抜ける。

 

 本当、バイクとは別にサイドカー側のエンジンにも”専用の駆動制御プログラム”を作ってあるオンボロにしか出来ない芸当だぞコレ。サイドカーが付いてる左側に曲がるのはともかく、右に思いっきり曲がる時にも、それに適した前輪の向きの角度変えとエンジン駆動を自動でやってくれるんだから。おかげでバイクと繋がる金具がイカれる事もなく、逝っちゃう一歩手前くらいの無理の範疇でバリケードを抜けきれた。

 

 

「・・・サイドカーでドリフトってバカなんですのっ!!?」

 

「死ぬより遥かにマシだろうが!」

 

「くっ・・・今のでちょっと酔いましたわ」

 

「悪いが休むのは後にしてくれ。追っ手が何か放ってきてるかもしれない、周囲の状況や空、ドローンとかにも目を光らせてほしい」

 

「・・・了解しましたわ」

 

「助かる。まずは生き残ろう」

 

 

 一瞬横目にスケアクロウを見て、彼女が頷いたのを確認して前へと視線を戻す。

 現在のスピードは120km/h・・・ギルドに着くまでに少し回り道をするか。敵を付いて来させてギルドの面々に迷惑掛ける訳にもいかねえからな。

 

 

「スケアクロウ! 少しばかし荒れた道を経由して戻る!」

 

「あーもうっ! どうにでもなれってヤツですのっっ!」

 

 

 直後、スケアクロウ自身から端末を経由してアイバイザーに転送された情報が表示される。

 追跡に来ているドローン二機、鉄血製の人形12体がバイクに乗って同じく追跡中? チッ・・・人形に仕事させて自分はドローンで高みの見物ってワケかよ。

 

 

「ドローンを落とせるか? 方法は何でも良い」

 

「分かりました」

 

 

 スケアクロウは首を後ろに向け、真っ暗な空の一点を見据える。こうまで暗いと此方では最早ミラーで確認するのも不可能だが、彼女にはきっと信号のルートを辿って位置を捕捉できているのだろう。

 ということはハッキングをしてドローンを電子的に使い物にならなくするという手段を講じるようだ。それならば、ネットワークの構成次第ではドローンから直接人形にアクセスして行動を妨害することもできる。っていうか、ドローンを導入しておいてそうしない道理は無い。

 人形達と直接リンクしていればドローンが得た俯瞰的情報をリアルタイムで共有出来るのだから、わざわざ間に指揮者(人間)を挟む必要性は薄い。

 

 彼女もそれを狙ってドローンへと右手を伸ばし、アクセスを試みた・・・が。

 

 

「バカなっ! 私の知っている鉄血のコードじゃない!?」

 

「なにぃっ!?」

 

 

 ってことは、こうなることも織り込み済みでメーカーに黙って魔改造しちゃった人形ってパターンか?

 しょうがねえなぁ・・・ハッキングで無力化出来るんなら危ねえ運転しなくて済んだんだが、どうやらそうもいかねえらしい。

 

 

「やむを得ませんわ! 折を見て私が撃破しますので、貴方は死なない様紙一重に決めて下さいまし!」

 

「よっしゃ言ったな! 覚悟しておけよ!」

 

 

 覚悟という言葉を聞いた瞬間、スケアクロウが俺の予備のアイバイザーをダッシュボードから取り出して装着した。オーケイ、これでぶっ飛ばす準備は出来たってことだ。

 

 

「さぁてっ!!! Nero Lichtstrahlの実力を見せてやるよ!!」

 

 

 その言葉と同時に、スケアクロウのビットから二本のレーザーが空へと放たれる。

 瞬く間に暗闇に飲まれたかと思った次の瞬間、一瞬だが大きな花火が二つ咲いた。僅かな時間だけ明るくなった後方をミラーでチラリ、追いかけてきてる奴らのバイクの特徴は大体察した。

 あとは、この巨体でどうやって小回りの効くバイクを撒いていくかだな。

 

 

 旧市街地エリアへと来た。ボロボロではあるが昔ながらのレンガ造りの家が今でも残る街並みで、当時のヨーロッパの雰囲気を面影だけ遺している場所。道も狭い、路面もレンガ状だから走りにくいという悪コンボ。だが・・・。

 

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

「大丈夫。俺を信じろ」

 

 

 明らかに小回りがきかないオンボロの方が不利な地形なのは間違いない。運転したことがなくても分かる事だ。だから何故敢えてこんな所に足を突っ込むのかと驚愕するのも分かる。答えはだからこそ、というべきだな。ドローンが居ないからこそ、入り組んだ街の地形は連中を撒くのに適している。

 そして加えて言うならば過去に何度も仕事でここを通った事がある。この旧市街地は言わば俺の”庭”みたいなもんさ。

 

 

「掴まってろ! どっちに曲がるかなんて一々言わねえぞ!」

 

「私の様にデジタルで直ぐに信号を出力できないのはこういう時に不便です痛ったぁっ!?」

 

 

 急減速からの急ドリフトで突き当たりを左に曲がる。その時掛かった衝撃で思いっきり舌を噛んだらしい。・・・一応言っといた方がよかったか。

 

 

「下手に喋ると舌噛むぞ?」

 

「言うのが遅えんですぎゃっ!!?」

 

 

 また噛んだ。

 普段のマスクに加えてアイバイザーも着けてるから顔なんも分かんねえけど、言葉遣いが明らかに荒くなったから多分今すごくキレてんな。

 やっべ、戻ったあとどーしよ。

 

 ピピっと、バイザーにスケアクロウからのメッセージが表示される。

 

 

『後の埋め合わせは高く付くので覚悟しておけと言っておきますわ』

 

 

 ひゅー・・・。

 

 

 左手で一瞬サムズアップを見せ、了承の意を伝える。

 プイッと拗ねた様子のスケアクロウは普段使いのシートベルトではなく、座席に付いている4点式のハーネスで体を固定した。

 

 お供のビット三機が後ろに向き、いよいよ彼女は狙撃に専念する姿勢に入った様だ。

 

 思わずため息を零した直後、三筋の光線が放たれる。追尾してきていたバイクの前輪を撃ち抜いてバーストさせたか。ナイスシュート。

 

 残るバイクはあと9機。おっと此処は右に急旋回っと。

 

 

「ぐぅぅぅっ」

 

 

 1tある鉄の塊が急激にハンドルを切れば、強力な遠心力が体に襲いかかる。体を固定しているとはいえ、こればっかりは慣れないと苦しく感じるものだ。

 

 

『もうちょっと余裕持って曲がれないんですの!?』

 

「キミが紙一重で決めろっつったんでしょうが!?」

 

 

 紙一重でと言われたので、曲がり切れる限界まで平静を保って次の瞬間キュッと曲がる運転をしていたのだ。あ、曲がりきれなくて2機転けた。すかさずレーザーが転けたバイクを射抜く。

 

 しっかし此奴ら・・・人形なだけあって本当に綺麗に乱れずバイク乗りこなしてやがる。

 鉄血の人形にもドライビングテクのプログラムはパッケージとして出てるんかね。

 

 ・・・おや、後ろのやつらが二手に分かれた。ほんじゃ奴らを”嵌める場所”も近いし、そろそろこのチェイスも終わらせようか。

 

 

『・・・貴方、さっきから同じ所を周回していません?』

 

「気付いた?」

 

 

 敵の動き、そして暗がりにもなんとなく見える輪郭から疑問を飛ばすスケアクロウ。さすが、パートナーが優秀で俺は嬉しいよ。見事な観察力だ。

 もちろん、同じところをグルグル走ってるのにも理由はある。

 

 

『もしかして・・・後ろの奴らが二手に分かれたのって、私たちを挟撃するつもりじゃ?』

 

「だろうな。正面0時方向に向けてレーザー発射用意」

 

『なっ・・・』

 

 

 何考えてるのという驚きが無線で飛んできて間も無く、正面からもハイビームで照らす敵の一派が走ってきた。

 オーケイオーケイ、計算通り。このまま挟み込んで滅多打ちにしてやろうって寸法なのかもしれねえが・・・。

 

 

「・・・生憎体は一つでね! 発射!」

 

『は、はい!』

 

 

 完全に挟み込まれたタイミングを狙ってレーザーを撃たせる。確かに射線がまっすぐ向いているのを確認した直後、右方向へ90度に急旋回する。アクセルはフルスロットル、前後どちらからも死角となって見えない”第三の道”へと、暴走一歩手前のまま駆け抜ける。

 

 次の瞬間、スケアクロウの放ったレーザーがバイクの一台に直撃、爆発した直後、挟み込む形で接近していたバイク達がお互いに突っ込んでしまう。

 

 

『終わりでして・・・よ!!』

 

 

 そこへ止めの一撃を撃ち込み、爆破した。

 あぁ、ガソリン勿体無いなぁ・・・仕方ねえけど。

 

 

「・・・よし、改めて敵影はいないか確認を頼む」

 

『・・・通信ネットワーク上にも、物理的にも付近に未確認及び敵性反応は見られませんわ。早く帰りましょう』

 

「りょーかい。んじゃ、気を取り直して帰ったら美味いもんを食おう」

 

『ええ』

 

 

 やれやれ、あんだけ仕事した帰りにもこうなるとはな・・・。

 ともかく、まずはギルドに帰ってやることを済ませないといけねえし、結構無茶な動きやったからオンボロも一回ウラカンに見せた方が良いか・・・。




 超超久しぶりの主人公登場()
 インフルでくたばってる間にイベントが終焉を迎えたという悲しみ、そして物資箱開けてもバリスタは四体出てくるのに獲得報酬の人形がコンデンターとRFB一体ずつってどういうことよ(悲しみ)

 サトハチカリバーが出てこないってどういう事だってばよ(物資箱の回収だけは体が怠くても欠かさずやって回してたのに...グスン)

P90に名前を付けるとしたら?

  • そのまま『P90』でいんじゃね?
  • 『ナインティ』でいんじゃない?
  • ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
  • いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
  • 良いアイデアがあるから感想に書くぜ
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