裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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 このお話は-44-と同時投稿ですので、-44-を見ていない方は先に其方から読んでくださいね。

 注:グロテスクな描写があります。お読み頂く際はくれぐれもご覚悟願います。
 前書きにも小説情報にも『残酷な描写』のタグを付けて注意書きしておりますので、クレーム等は一切受け付けませんことを予めご了承ください。


-45-会敵

 

 

 

 ダクトの中を息を潜め、慎重にゆっくりと進んで行く。衣擦れの音すらも極力出さないように、最低限の動きだけで前へ進む。

 今回ばかしは敵に見つかれば確実に死ねる。一切の慈悲容赦なく死が降りかかってくるだろう。俺たちはいつも以上に張り詰めた緊張感を宿しながら、目的とする場所へ通ずるダクトを匍匐で進んでいた。

 

 

ーー暴走を起こした鉄血人形たちの防御態勢が整う前に第三兵器産業廠へと潜入し、工場内の端末にアクセスし情報を入手せよーー

 

 

 俺たちに与えられたミッションは要約するとこうなる。

 工場と本社とのネットワークが生きているのならば、工場から本社内のメインコンピューターにアクセスしてマザーAIの状態を調べられるかもしれない。人形たちからすれば、鉄血の中枢がある本社から工場へ命令を出す事を考えると、敢えて意図的にネットワークを切断するメリットは少ないからだ。

 それに鉄血の暴走事件によって少なからず混乱している人類が、強力な武装を持った人形たちの巣と化した工場にわざわざ侵入を企てる可能性は低い。万が一侵入してきたとしても、人間より優れた感覚センサーを持つ人形ならば”ネズミ”を見つけ出すのは容易であり、故に工場と本社とを繋ぐネットワークを接続自体切ってしまう必要性までは無いと言える。アクセス可能な端末周辺の警戒は当然厚くしている筈だしな。

 

 そう思ってるであろう人形たちの真上を、俺たちは息を潜めながら匍匐し続けている。ルート上に点在するダクト内のシャッターをスケアクロウにハックで開けてもらいつつ、本社へのアクセス権限を持つ唯一の端末・・・工場長執務室にあるメインコンピューターを目指していた。

 

 

『・・・警戒用の小型ロボットの一台位はいると思ったのですが』

 

 

 声を出すのもリスクが伴う状況のため、前を進む彼女からデジタル信号に変換して送信された声が耳に差し込んだ無線用のイヤホンに届く。

 確かに、ここまでの潜入は時間は掛かれど敵とは一体も遭遇していない。スケアクロウの言う通り、ダクトを通れるサイズのロボットですらだ。

 暴走した人形たちにとってもこの工場は重要な拠点となるはず、なのにもっとも侵入されやすいルートの一つであろうダクト内に警備ロボットが一つも存在しない?

 

 ・・・ひょっとして、俺たちのように侵入を試みる奴らを敢えて工場へ誘き寄せている?

 人間へ明確な敵対意思を持って攻撃を始めた人形たちの重要拠点で、ダクトという狭い通路とはいえ果たして警戒設備が侵入防止用のシャッターだけなのか?

 

 どうにもキナ臭い予感がする。何かこう、これからとてつもなくヤバイ局面に足を突っ込もうとしてるような。

 こんなミッションを言い渡された時点で分かりきっていたとはいえ、いよいよ己の運命がどうなるかに不安も感じてくる。

 

 スケアクロウのビットの一機がこちらへカメラを向ける。俺からの指示を仰ぐためだ。

 俺はビットを通して、ハンドサインで彼女に引き続き進むよう伝える。

 それを受けて、スケアクロウは再び前へと進み始める。慎重に、けれどもなるべく早いペースで着々と。

 

 

 しばらく進むと、俺たちは工場内の通路の真上に来たらしい。

 鉄血人形たちが複数集まり、なにやら人形同士でのおしゃべりに興じているようだ。

 今こちらの存在を勘付かれてはマズイ。絶対に気付かれないよう気配を消すことに集中しつつも、人形たちがなにを話しているのかに気を向ける。

 

 

「・・・工場長執務室にいた未確認の”敵”だが」

 

「いつの間にかこの工場から姿を消していた様だ」

 

「我々が出口という出口の全てを封鎖し監視しているというのに」

 

「どうやってこの工場に侵入した? そしてどうやって脱出したのだ?」

 

「しかし、執務室前に広がっていたあの光景。お前もリンク映像で見ただろう?」

 

「おおよそ・・・人の力で出来ることではないな」

 

「そして人間よりも優れた性能を持つ我々をああまで木っ端微塵に砕ける・・・」

 

「・・・まだこの工場のどこかに潜んでいるのでは?」

 

「可能性は否定できない・・・故にマザーからの命令に従い、我々は工場の警備を強化しなければならない」

 

「我々の同胞をああまでやってくれた未確認の”敵”を速やかに排除し、マザーの目指す理想のために貢献しなければ」

 

「同意」

 

「同意」

 

「警戒を続けよう。何かおかしな事があれば直ちにリンクを」

 

「了解」

 

「了解」

 

 

 人形たちの気配が離れていくのと同時に、俺たちにはある疑問が生まれた。

 人形たちのいう未確認の”敵”とは何だ? 執務室前に広がっていた光景、そこになにがある? 人の力で出来る事ではないとは? 人形をああまで木っ端微塵に砕けるだって?

 この事件・・・少なくともこの工場で起こった出来事に於いて『第三者が関わった可能性』が出てきやがった。一体なにがこの工場で起こった? エージェントたちがテレポートした後で工場内に何者かが侵入したのか?

 

 ちっくしょう・・・。執務室に未確認の”敵”がいたってことは、本社へアクセスできる唯一の端末に何か細工された可能性も否定出来ない。中のデータも何もかも全て消されてるかもしれないし、下手したら物理的に叩き壊されてることも有り得る。

 

 スケアクロウには彼女が電子戦特化モデルなのを考慮して一緒にきてもらったが、今の人形たちの会話を聞くに、彼女がやるより俺が直接端末を操作したほうがリスクは少なそうだな・・・。第三者が仕組んだトラップのせいでスケアクロウまで俺を殺しに掛かるような事態になったら、それこそ冗談抜きで目も当てられない。

 嫌だぜ・・・付き合いの長いパートナーをこの手で介錯するなんて事は。

 

 

 とにかく進んでみなければ何もわからない。彼女の足を軽く叩き、目的地まで進むように促す。

 スケアクロウも予期せぬ事態に焦りを感じていたようだが、ハッとしたようにゆっくりと進み始めた。

 

 やがて、結局大した妨害も無いままに工場長執務室の真上に到着。

 アイバイザーの赤外線モードで自分たち以外に誰もいない事を確認し、通気口の蓋を慎重に取り外して部屋に降り立った。

 

 広々とした空間に敷かれた大きな真紅のカーペット。デスクの真後ろには一面ガラス張りの開放感あふれる大きな窓が広がっているのだろうが、人形の暴走が起こったのもあってか、おそらくはルードの手によってカーテンが閉められていた。外から直接俺たちの姿が丸見えにならないのは有難い。ここまで来て見つかる訳にもいかないからな。

 そんな中、窓のそばにポツンと立つ工場長用の執務机。質の良い木材を使用しているらしく、見た限り手触りも良さそうだ。普段は彼がこの机で書類を決済していた様子が何故かはっきりと思い浮かぶ。スケアクロウは手袋越しに机に触れ、ここにいないこの部屋の主へ祈りを捧げるように目を閉じる。

 

 

「・・・お父様」

 

 

 哀しみの籠った声色に俺自身思う事はあれど、ここは敵地のど真ん中であるのを忘れちゃいけない。早く目的を達成してここを脱出しなければ、俺たちの命はその分だけ危険に晒され続けるのだ。

 執務机と一体化した構造のPCを見つけ、電源ボタンに触れようとした次の瞬間。

 

 

「っ!? 痛っつ・・・」

 

「だ、大丈夫ですの?」

 

 

 青白い電流がはっきり見えるほどの強烈な静電気が発生し、バチンという音と共に俺の手を弾いた。まるで”何か見えないモノに触れてしまって、俺の手がそれに弾かれた”様な・・・。

 しっかし随分痛い静電気だったな・・・。無いとは思うが、今の電流でまさか中のストレージのデータが吹っ飛んだとか言わねえよな・・・?

 

 

「あ、ああ。大丈夫だ。・・・痛ってえな」

 

 

 手をさすりながらOSが起動するのを待つ。さすが工場長専用の端末というだけあって、起動自体は10秒も経たずに完了する。

 もっとも、セキュリティのためにユーザーアカウントにロックが掛かっているが・・・。

 

 

「パパパッと入ってしまえ・・・」

 

「・・・え?」

 

 

 俺の端末を接続し、パスコード解析用のプログラムを起動する。

 仕事柄こういった形でPCのデータを抜き取る依頼も多いため、俺が一から製作したハックツールの一つだ。

 もっとも、2010年代の時点で『時間さえかければパスコードの文字を発見して打ち込むプログラム』ってのはすでに開発されていた様だが、俺が作ったコレはコードの解析時間を大幅に短縮した”超”改良版である。

 PCを開くただそれだけの作業に30分も1時間も待ってられないのだ。

 

 有線で繋がれた端末からPCへ、次々とコードが打ち込まれていき、1分も掛からぬ内にロックを解除できた。

 

 隣で呆れたスケアクロウのため息が聞こえた気もするが、御構い無しに端末の中のデータを覗いてみる。

 

 だが・・・残念ながらこの事件に対して役立てられる様なデータは特に見当たらなかった。工場建屋の設計図面やここに勤める従業員のリスト、ハイエンドを含む人形の設計図面データなど、今早急に必要としている類のデータを発見する事は出来なかったのだ。

 おまけに、端末と本社を繋ぐネットワークも見たことの無い複雑な暗号コードで構成されており、敵が未だに闊歩しているこの状況下でハッキングを仕掛ける事もリスクが大きすぎた。

 せめて時間に余裕があってかつ安全な状況であればハッキングしても良かったんだが、恐らくネットワークへの侵入に気付かれた時点で即座にここにいる人形たちが執務室へ急行してくるだろう。スケアクロウ一人だけで押し寄せてくる相手を捌くにも限界がある。

 ここまで来たのにこの結果とはな・・・クソっ、頭が痛くなってきた・・・。

 

 そんな中、不自然にデスクトップ上に残されていた映像ファイルに気が付いた。

 

 

「・・・なんだコレ?」

 

「! もしかしたら、お父様が残されたメッセージでは!」

 

「とりあえず、PC内のデータのコピーと並行してファイルを再生してみよう。・・・何が出てくるやら」

 

 

 残っていたデータのコピーをしつつ、繋いだ端末片手に恐る恐るファイルの再生を始める。

 映し出されたのは、テレビ会議用にデスクに付けられたカメラに映るルードの姿。その手には何かを握っているが、彼の表情は絶望に満ちている様にも見える。

 

 

『・・・よもや、これを押す機会が来るとはね』

 

 

 ルードはそう言って握っている何かの上部についたカバーを指で弾く。新たに見えたのはスイッチらしきモノ。・・・まさか。

 

 

「あれは、工場の爆破スイッチか・・・?」

 

「恐らく・・・」

 

 

 しばらく逡巡してる様に見えたが、やがて決心を決めたルードはぎゅっと目を瞑り、スイッチを押し込む寸前で彼の右腕に()()()が絡みついた。

 

 

「・・・あ?」

 

「・・・え?」

 

『ちょーっと待ってくれるぅ? お姉さん的には〜そのスイッチ押されちゃうとぉ、すっごく困っちゃうんだけどなぁ〜?』

 

『・・・・・・な、に?』

 

 

 タコの触手らしきモノがルードの腕に絡みつき、スイッチを押し込もうとしている彼の親指との間に先端を割り込ませている。

 そして突如画角の中に現れた美女。だが、その下半身はヒトとは呼べない姿をしていた。

 

 テラテラと光る粘液に覆われ、綺麗に並列に並んだ吸盤を持つ8本の足。人を丸々絞め殺せる程の大きさのそれが、誰もが認めるであろう美女の腰から伸びていた。

 タコと人間を融合させた化け物。おとぎ話か、ファンタジーでしか見ない様な異形が、ルードの前に現れている・・・。

 

 あまりにもふざけた展開に、俺もスケアクロウも声を発する事はできなかった。

 

 

『な・・・なんだ、君は・・・』

 

 

 震える声で問いかけながらも、指に力を込めてスイッチを押そうとするルード。

 だが、指とスイッチの間に割り込まれた触手の先端が、ルードの指を力強く跳ね返している。けれどそれにすらルードは気付いていない様だった。

 当たり前だ。こんな化け物が目の前に現れて、どうかしない方が可笑しい。

 

 何度か押し込んでも何も起こらないのを見て、ルードはようやく自分の指に触手が触れていることに気付いた様だった。

 女はそれを見て、楽しそうに笑いながらこう言ってのけた。

 

 

『そーいうこと。もう一回言うけど、この工場を爆破されるのはお姉さん的にすっごく困るんだよねぇ・・・。だから、大人しくスイッチから手を離して欲しいんだけどなぁ〜?』

 

 

 そして、あろうことかスイッチを寄越せとジェスチャーまでしてみせる。

 ルードにはどう足掻いてもこの場の優位性を取り返すことは出来ない、それが分かっているからこその”笑み”。

 

 ルードは殺気混じりに女を睨むが、それすらどこ吹く風といった様子。それどころか、むしろ彼を煽り立てる。

 

 

『あなたの作った人形達って、もともと人を殺すために生まれてきた筈よね? 制限なく好きなだけ殺せるんだから、むしろ人間の作った鎖から解き放ってあげた方が良いんじゃないかしら?』

 

『ふ、ふざけるなぁっっっ!!!』

 

『ふざけてるのはあなたよ??』

 

 

 直後、ルードの姿が画角から消えた。

 いや、右腕に絡みつかせていた触手を目に見えぬスピードで引っ張ったのだ。

 肩を脱臼しかねない勢いで壁に全身を叩き付けられただろうルード。一瞬にして瀕死のダメージを負ったのは間違いなかった。

 

 カメラが持ち上げられる様に画角が上方向に動いたかと思うと、クルリと向きを変え、激痛のあまり呻きながら這いつくばるルードの姿が映される。

 

 

「っ!!? あ、あぁ・・・」

 

 

 映像が揺ら揺らと動くのに合わせ、なんとも形容しがたい何かが滑る音が入る。

 タコの足で床を滑るように動いてるのか? そんな疑問をよそに、カメラはルードが持っていたはずの工場の起爆スイッチを映し出した。

 投げ飛ばされた拍子に手放してしまったソレを触手で拾い上げると、女は嬉しそうな声をあげてルードに話しかける。

 

 

『ンフフ・・・これ押したいんだ? でも、ダーメ』

 

 

 触手でスイッチを包み込んだかと思うと、バチバチとショートする音をマイクが拾う。やがて黒煙が出始めると、興味をなくしたらしい女はスイッチだったモノをポイと投げ捨てる。

 

 

『ざーんねん。これを押されちゃうとぉ、お姉さん的にはすっごく困っちゃうの。だから無理やりやっちゃったんだけど、許してね?』

 

 

 ルードの顔は絶望に染まるものの、それでもなお、女を睨むことを止めはしなかった。

 

 

『生意気なお顔・・・そういう目を見せられちゃうとお姉さんゾクゾクしてきちゃう・・・アハっ!』

 

 

 急にイかれた奇声を上げた女は、ルードの両頬に手を添えると自分の腕力だけでルードの体を持ち上げて見せた。

 首に自分の全体重が掛かったルードは痛みに顔を歪めるものの、それでも、それでも女を睨むことだけは止めない。

 

 すると突如映像が小刻みに揺れ、かと思うとグワングワンと大きく震えだす。

 

 

『あ、あぁっ、・・・イイわっ!!』

 

 

 カメラの揺れが収まり、女は何度も深呼吸を繰り返す。

 そこで唐突に、意味の分からない事を口にした。

 

 

『お姉さんを睨みだけでイかせちゃうなんて♪ ・・・さてとぉ、それじゃあそろそろメインディッシュの時間にしようかしら?』

 

『メインディッシュ、だと・・・?』

 

『・・・ねぇ、タコのお口ってどこにあるか知ってる??』

 

『・・・は?』

 

 

 触手がルードの体に絡みつき、逃がさないと言わんばかりにホールドする。

 そして映像がルードを真上から見下ろす視点になった次の瞬間ーー

 

 

『いっただっきま〜す♪』

 

 

 女は勢いよく腰を落とした。

 

 

「マジ、かよ・・・」

 

「う、そ・・・」

 

 

 想像もし得ない惨過ぎる結末に俺たちが固まる中、映像では女がカメラを動かし、あろう事か触手の付け根にある『タコの口』の様子を映し始めた。

 筆舌にしがたい断末魔を上げるルードを頭から喰らい、少しずつ体内に引きずり込まれていく彼の体。

 そんな様子をカメラに収めながら、女は心いっぱいの幸せを感じた様な声で一言。

 

 

『・・・ンフ♪ 美味しい♪♪』

 

 

 ・・・ここで映像は途切れた。

 ”父”と呼び慕う人物の凄惨な最後に、スケアクロウはボロボロ涙をこぼしながら膝から崩れ落ちる。

 

 なんて事だよ・・・。暴走した人形じゃない、それよりも遥かにヤバそうな化け物に工場長は喰われちまったってのか。

 あんな化け物は一度も見た事がない。なんなんだアレは? E.L.I.D? あるいはそれとは別の生物兵器? だが女には会話もできる程度の知能がある様だったし・・・そもそもあのサイズの生き物を管理できる施設がどれほどある? なんのために生み出された?

 

 

 ゾクリーー

 強烈な悪寒が走った。

 

 

 

 

 

『・・・工場長執務室にいた未確認の”敵”だが』

 

『いつの間にかこの工場から姿を消していた様だ』

 

『我々が出口という出口の全てを封鎖し監視しているというのに』

 

『どうやってこの工場に侵入した? そしてどうやって脱出したのだ?』

 

『・・・まだこの工場のどこかに潜んでいるのでは?』

 

『可能性は否定できない・・・故にマザーからの命令に従い、我々は工場の警備を強化しなければならない』

 

『我々の同胞をああまでやってくれた未確認の”敵”を速やかに排除し、マザーの目指す理想のために貢献しなければ』

 

 

 

 

 

 ”いつの間にか姿を消して”いた?

 ”出口という出口の全てを封鎖し監視している”のに?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タコ女はまだ、工場のどこかに潜んでいる??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バ〜レちゃったぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チィッ!!」

 

「ぐぇっ!!?」

 

 

 殺気を感じたその瞬間、体は勝手に動いてた。

 崩れ落ちていたスケアクロウの首根っこを思いっきり掴み、全速力で執務室の扉に向かって駆け出す。データのコピーも終わってねえってのにっ、なんて事だよちくしょう!

 

 直後、スケアクロウのいた所目掛けて目に捉えきれぬ速さで触手が伸びてきた。俺が無理やり引っ張り込んだためにスケアクロウを絡め取る事に失敗する触手だが、紙一重の差で気付くのが遅れていれば最悪の事態になっていただろう。

 クソッタレ!! 殺気が向けられた瞬間まで全く存在に気付けなかった! 奴は何者なんだ!?

 

 

 ダクトに戻って隠れてなんてやってる場合じゃないっ、人形に見つかるとか考えてる余裕もねえ!

 執務室の扉を文字通り蹴り開けた瞬間、破壊された人形たちの残骸の山が目に入る。

 だが、今はエントランスに向かってとにかく駆け抜ける。アレに追いつかれたら・・・死ぬ。

 

 

「あの女・・・!!」

 

 

 状況を理解し、首根っこを掴まれたまま体だけ浮かしてくれるスケアクロウ。

 その顔は見なくても分かる。ルードを食い殺したタコ女への憎悪に染まってるだろう。

 

 

「逃げるのが最優先だっ!! 今ここで敵討ちなんてバカな真似考えるなよ!!」

 

「でもっ!!」

 

「でもじゃねえェッッ!!! アレにどう抵抗するんだ!? あのスピードで触手が飛んできたときに避けられるか!? 今ここで無駄死にするなんてクソな真似、神が許しても俺が許さねえぞ!! 目的を見失うな!」

 

「くッ・・・・・・畜生ッッッッ!!!」

 

 

 彼女のありったけの感情が爆発した。目の前に敵がいてもどうにも出来ない無力さから、堪えきれない憎しみとやりきれない想いがひしひしと伝わる。

 次の瞬間、執務室の扉が叩き割る様にして派手に”粉砕”された。

 

 大きな八本の触手が現れ、その主である女からの絡みつく様な視線を感じた。

 

 

「・・・貴方達も食べてあげる♪」

 

 

 タコ女が舌を舐めずる音が、俺たちの背筋を震わせた。




後半部分のタコ女から逃げる時の推奨bgm ↓
♪ 攻撃隊発進! / 艦隊これくしょん −艦これ− オリジナルサウンドトラック 艦響 Disc2

P90に名前を付けるとしたら?

  • そのまま『P90』でいんじゃね?
  • 『ナインティ』でいんじゃない?
  • ナインとティを逆さにして『ティナ』とか?
  • いやいや変化球で『きゅーまる』はどうよ?
  • 良いアイデアがあるから感想に書くぜ
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