裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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キーボードに向き合うと急に書く意欲が失せるこの症状に名前をください。
そして自分の知識不足でありきたりな文しか書けない事にも自己嫌悪…もっと面白くしたいのに腕がついてかない悲しみ。


最新話でっす(・–・;)ゞ

20/07/30 本文内におっソロシイ矛盾箇所があったので修正


-54-ヘルパー現地入り

 

 

 

 コーラップスの汚染が比較的少ない森林地帯。少し離れた森との境目には、かつて人が暮らしていた集落の跡地もある。

 鉄血の人形はこの遺された建物らを拠点として利用しているようだ。斥候役のスカウトやリッパーたちが集まっているのが分かる。

 

 

 S-09地区と呼ばれるエリア一帯は、現状そのほとんどが鉄血人形の勢力下にある。

 

 クルーガーの話から類推すると、鉄血のテリトリーとなった地域に敵対組織(G&K)のエリート部隊が紛れ込んだのは数十日前のこと。鉄血は招かれざる客である”彼女たち”を見つけようと、下級人形(ノーマルモデル)を駆使して血眼になって探しているらしい。空から探索が出来るスカウトや、使用する武装の性質的にネズミ探しに適したリッパー。S-09地区自体が広大なエリアとはいえ、捜索のために派遣された人形たちの数は俺が想定していたよりも多い。

 クルーガーが何としても回収したいAR小隊・・・の隊長機のM4A1とやらは、どうやら鉄血にとって見過ごすことのできない余程の何かを抱えながら潜伏しているらしい。ここまでの兵力をたかが数体の人形を探すだけに派兵していることからも、鉄血の本気具合が見て取れるというわけだ。

 

 

『・・・3時の方向約600m程にリッパー一体。警戒を』

 

「了解」

 

 

 とはいえ、俺たちのやることは彼女(M4A1)を救い出すまでは終わらない。出来ることなら交戦を避けて隠密に事を進めたいところだが、状況的にドンパチは避けられないだろう。

 如何に消耗を少なく抑え、目標を丁重にこちらのテリトリーまで連れ帰るか。そのためにどう動くべきか、ということで俺たちはそれぞれに役割分担をした。

 

 

 まず、実際に現場に潜伏し目標への接触を図る役。これは俺が行う。次に、上空から戦況を俯瞰して逐次俺に共有する役。俺たちの中で宙に浮けるのはスケアクロウのみなので、電子戦モデル(演算能力が高い)というのも考慮し彼女に任せる。で、残るP90は俺の護衛役だ。

 俺はスナイパーの様に服装はもちろん顔にもペイントを塗り、徹底的に発見されるリスクを抑える身なりを整えている。さらに機械を相手にするため、赤外線による熱量観測も誤魔化せる専用のカモフラージュマントも、依頼人(クルーガー)に”必要経費”として用意させた。ここをケチって現場で見つかり死にましたじゃ、それこそ本末転倒も甚だしい。

 そして使える戦術(やり方)に幅を持たせるため、今回は愛用のP90を封印し、狙撃用のL96ライフルとFive seveNで出張ってきている。なので、万が一敵に最接近された時に対処するのは実戦初参戦のP90の役割となる。

 

 スバイパーとして遠距離の敵を仕留める俺、レーダー役のスケアクロウ、俺のそばで万一に備えるP90。今回はこの様な布陣での出撃となった。

 

 

「ご主人、リッパー仕留める?」

 

「やり過ごす。必要も無いのに殺し回っても跡が残るだろ?」

 

「りょうかーい」

 

 

 フフンと笑うP90。だがすぐに真面目な顔付きに戻って周囲に意識を巡らし始めた。

 この辺りの切り替えをボコボコに訓練してる時に体で覚えてくれたのは嬉しい。何故なら今は一時も気を抜いていい場面じゃない、いつ敵に見つかっても即座に対応できる様に備え続けなきゃいけないのだから。スケアクロウの観測を信頼してないわけじゃない。が、世の中に完全絶対はあり得ないのだ。常に最悪を考え動く、命のやり取りをする場面での鉄則だ。

 

 

『・・・先ほどのリッパーが貴方と反対方向に向けて行動開始。動きに不審箇所もなし、気付かれた様子はありませんわ』

 

「了解。引き続き潜伏場所に向かって進む」

 

『気を付けて』

 

「そっちもスカウトの動きには気を付けてな」

 

『心得てますわ』

 

 

 交信終了。

 周囲に誰も存在しないのを確認し、森の木を背にコンパスと地図を取り出す。

 あまり多くの物資を持ち歩くことは出来ない。バッテリーの消耗を出来る限り抑えるため、端末の使用は必要最低限にしないといけない。それにデジタルは便利だが、アナログはアナログにも使い勝手の良い所はある。

 ふむ・・・目指す場所まではあと15km程度ってとこか。歩いて行くにはまだまだ時間の掛かる距離ではあるが、オンボロを置いた地区との境界線からここまで数十キロ、我ながらよく頑張って歩いてきたもんである。こんな状況ゆえレーションしか食ってねえから空腹感が強いが、それもあともう少しで蹴りがつくと思えば気分も晴れる。

 

 

「あと15km、気を引き締めていこう」

 

「らじゃー」

 

 

 さて、進むか・・・。

 

 

 

 -----

 

 

 

 逃亡生活に入ってから今日でちょうど70日。

 AR小隊のみんなと別れてから今日まで、私はひとりでこの地区に潜伏し逃げ続けてきた。

 鉄血の偵察網に引っ掛からない様にサイレントモードに切り替え、ツェナープロトコルはもちろん、持ってる端末や無線機の全ての通信機能もカットした。

 

 最初の頃は近くに現れる鉄血の数は確かに少なくなっていったわ。それはM16姉さんたちが命を張って敵を引き付けてくれたから。でも暫くするとまた人形たちは増えだした。

 

 一度だけ、見つかるリスクを覚悟してペルシカさんに通信を試みたけど、ペルシカさんからは『グリフィンは既に動いている』という返答があった。『角砂糖』というコードで救援任務が進行しているとも。

 けれど今日まで私はグリフィンの人形と接触できていない。それどころか、憂慮しなければならない新たな問題が起こり始めている。

 

 

 10日ほど前から、私を探す『スカウト』の数が一気に増えた。

 考えられる理由はハイエンドモデルの戦線投入・・・つまり、いよいよ私の捜索に本腰を入れてきたという事だろう。

 投入されたハイエンドの種類(モデル)が何かはどうでもいい。今出会ってしまえば、どのみち私に為す術は無いだろうから。だからこそ、事態が最悪となる前に速やかにこの地区を脱出しないといけない。

 

 とはいえ、どう道を切り開くか・・・。

 その時私はふと、隠れていた民家の窓に視線を向けた。

 

 

「あのぅ、特に信号とか無くないですか?」

 

「あれ、おかしいな・・・? 確かにあったはずなのに、信号が消えちゃった?

 さっきまでは確かにあったんだけどな〜」

 

 

 窓の外にいたのは『FN49』と『FNC』と呼ばれる”グリフィンの戦術人形”たち。

 私の発する微細な生体反応をどこかでキャッチし、この近くまでやってきたらしい。

 

 勢力圏の外れとはいえ、やっとここまでグリフィンが来てくれた事に嬉しさを感じる反面、私を探し続ける鉄血の規模やハイエンドの性能が分からない以上、今彼女たちに簡単に接触するわけにはいかない。

 恐らく彼女たちは例の『角砂糖』とは別に、鉄血からのS-09地区解放を目的に派兵された部隊。誰かを探すという目的が明確に行動に現れてないから、私の救出が彼女たちの主目的ではないはず。

 

 でもせっかくここまで味方が来てくれた、これを活かさない手は無い。

 ・・・賭けてみるか。

 鉄血とグリフィン、どっちが先に私を見つけ出すか。

 

 

 

 -----

 

 

 

 ・・・? G&Kの人形?

 後ろを歩くP90に伏せるよう合図し、匍匐姿勢で人形らしき人影のいる方角へ向く。

 

 アイバイザーの望遠機能を使い、可能な限り像を拡大する。映ったのは、何かをモゴモゴ食ってるアサルトライフル使いの人形と、対照的にオドオドした雰囲気のライフルを持った人形だった。

 ・・・戦場に出張ってるのにハイヒールとは、流石にそのセンスには付いていけねえぜ。

 

 彼女たちは近くに建つ民家をキョロキョロ見渡しながら、何かを喋っている。唇の動きから察するに何かの反応を一瞬だけ検知したとか、恐らくそんなような事を話しているのが分かった。

 まさか彼女たちが実はとっくに俺の存在に気付いていて、俺を嵌めるために敢えて口で喋りながら人形間通信(ツェナープロトコル)で全く別の会話をしてるなんてことは多分無いだろうから、恐らく俺の見立ては合っていると思う。

 

 人が消えて久しいこのエリアで何かの反応をキャッチ、それも”わざわざ”民家の近くで探してみようと思考させる程のモノ。

 ・・・アタリを引いたかな?

 

 暫く観察を続けていた人形たちだが、やがて気のせいだと判断したよう。隊列を組み直し、本来の目的に向かって進軍し始めた。

 彼女たちが遠ざかるのを確認し、周囲に敵らしき者がいないのも確かめスケアクロウへと通信をつなぐ。

 

 

「スケアクロウ。俺から見て正面方向、距離およそ13kmにあるコテージに接近、敵に見つからない様にスキャンしてくれ。俺の見立てが合ってれば、恐らく”居る”はずだ」

 

『了解。すぐに始めます』

 

 

 彼女にスキャンを任せている間に、俺たちは再び民家に向けてゆっくり歩き始める。

 今この時は管制官がいないため、先ほどよりもずっと気を張りながら。慎重に歩みを進めていく。

 暫くして、近距離通信の出来る距離まで戻ってきたスケアクロウから報告が入る。

 

 

『スキャン完了。中に人型の反応一つを探知しました。恐らく、ビンゴですわ』

 

「OK。ってなれば、あとは回収するだけだが・・・」

 

 

 問題はどうやって回収するか、だ。

 俺自身がG&Kと全く無関係の仕事人であること、同行するスケアクロウの存在、P90が戦術人形としてまだI.O.P.のラインナップに加わっていないこと、これらの部分だけでも俺たちはM4A1から見たら不審極まりない集まりに見えることだろう。

 なにせ逃亡生活をする中で、味方とのやり取りもロクに出来てないはず。どれが味方でどれが敵か、彼女からのぱっと見の第一印象では俺たちは”敵”だと判断するに十分な要素を抱えてしまっている。

 

 故にどう動くべきか。彼女に俺たちが味方だと判断してもらうには何が一番手っ取り早いか・・・と言ったら、鉄血をボコボコにして彼女をサポートすることだ。

 

 味方の人形が自分の潜伏するすぐ近くまで戦線を押し上げてきたという状況、これを活かさない手は無い。恐らく遠くない内、味方に何かを伝えられる様なアクションを取るだろう。それを見逃さず、彼女の後方から援護しつつ回収の機会を伺うとするか。

 ・・・ここまでレーションと僅かな飲み物だけでやり過ごしてきたが、そろそろモードを切り替えさせてもらおう。

 

 

「スケアクロウ、コテージの中にいる”人型”の動きを注視し続けてくれ。近い内に必ず何か動くはずだ、それを見逃すな」

 

『心得ました』

 

「P90は引き続き護衛を。歩くペースを速めるから、くれぐれも周囲の敵の気配を見落とすなよ」

 

「らじゃー!」

 

 

 どうか、簡潔にコトが終わってくれますように・・・。




ちなみに、今話より人形之歌設定も加わります。

追記:P90の名前についてのアンケートは締め切りました。
ご協力ありがとうございました〜。
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