裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件) 作:chaosraven
今回から一気にキナ臭くなってきます。喫茶鉄血世界線らしからぬ闇がみえてくる・・・
傭兵レイとミセス鉄血の運命はどうなる?
「よぉーレイ。またそのばあちゃんをメンテするのか?」
スケアクロウと別れてからというもの、2時間掛けて馴染みの工場までオンボロを押し切った俺は、すっかり贔屓になっている技術者の爺さんに迎えられてオンボロをドック入りさせる。
ただ今日に限ってはいつもの様に中をちゃんと見なきゃいけないメンテではなく、タイヤを付け替えればすぐに終わること。
先ほどスケアクロウから俺の端末に高台にあるベンチ近くで待つとメールが来たので、とっとと用を済ませて彼女の元へと急がなきゃいけない。
クビを宣告されるにしろそれ以外の別のことを言われるにしろ、わざわざ場所を指定してそこで話すと言ったのだ。相手から真剣な話を受けるのなら、俺も誠意を持って接するべきだから。
「運が悪いことにな、ゲートに入る直前でタイヤがバーストしたんだ。ここに来る前に立ち寄った地区で本腰入れたメンテをしたってのに、幸先が不安でしょうがないよ」
「あぁ、そのボロッボロに弾け飛んだ前輪なぁ。丁度いいことに在庫があるぞ。料金は工賃込みでお得意様価格にしといてやる。取り掛かっていいな?」
「よろしく頼む」
爺さんは早速慣れた手つきでバイクからホイールを外し、絡みついたタイヤの成れの果てを取り除いていく。
さすがは熟練技師と思える早業で黒ゴムを取りきった直後、工場の床にカランカランと何かが落ちる音がした。
「ん? なんか落っこちたな今・・・あったあった。なんだこりゃ? もしかしてレイ、こいつを踏んだからバーストしたんじゃねえのか?」
「どれどれ?」
爺さんの分厚い手袋で摘まれたものは、赤みがかった色をした先の尖った金属の塊だった。形状は針ほど鋭くなく、一番太いところから先端へ滑らかなラインを描きながらだんだん細まっていくその構造。それはまるで
思い至った瞬間、俺は死に物狂いでスケアクロウの待つ高台へと駆け出した。
「お、おいっ!!?」
「後で受け取りに戻るっ!!!」
突然の行動に爺さんに呼び止められるが、そんなことに構ってる場合じゃねえ。
タイヤのバーストが初期不良のせいだとか、なにかあっても彼女ならきっと問題ないとかお気楽に考えてやがったさっきまでの俺を殴り飛ばしたい。
俺はどこまで平和ボケしてやがったんだ?
護衛のクセして何を呑気に捉えてやがった?
ちっくしょう!!!
公演の依頼自体がスケアクロウを釣るためのエサ、護衛役としてその可能性を一切考えてなかった過去の俺に虫唾が走る。
子供達のためにという大義名分を用意して、ノコノコこの地区に来たスケアクロウを仕留めるつもりか。
楽に確実に殺るには俺が常に付き纏ってたら邪魔。だから敵はゲート手前でオンボロの前輪を狙撃して、俺とスケアクロウが別行動をするキッカケを作ったんだ。
レッカー業者のコンピューターが異常を抱えてるってのも、少しでも俺と彼女が離れてる時間を稼ぐために不正アクセスを仕掛けたとするなら辻褄が合う。
もし俺がターゲットであるなら、そもそもオンボロを撃った時点でタイヤじゃなく”俺を”狙撃すればそれで済む話。そうしなかった以上、間違いなく敵の本命はスケアクロウだ。
仮にも世界中に名を轟かせてる彼女を殺れば、社会に与える影響は相応のものになる。それこそ彼女のスポンサーや関連グッズの製作でタイアップしてる企業とかはもちろん、彼女を製造した鉄血工造にも飛び火するのは避けられない。
だが・・・そうなったところで痛くも痒くもない、むしろ望むところと受け入れる連中に心当たりがある。
時代が進み、自律人形の社会進出が本格的に進行すると同時に現れだした、自律人形の存在そのものを否定する思想の持ち主達に。
がむしゃらに上り道をひた走る。何度も階段に躓きそうになっては無理やりバランスを取り直し、文字通り全身で息を吐いている位に荒い呼吸になって。
気抜きゃ意識が飛びそうになって、吐き気も強くて、それでも俺は止まるわけにはいかなかった。止まれるわけがなかった。
やっとの思いで高台へ着いた俺が目にしたのはーー
弱々しく立ち上がろうとしてへたり込んでしまう、辛うじて原型を留めている一体のダイナーゲート。損傷した部位からは時折小さな火花が儚く光り、ボディは今にも命尽きそうな程に痛めつけられている。
ダイナーゲートの周囲には他のお供たちのボディが打ち棄てられていて、遠目で見ても既に機能を停止させているのが分かった。けれども、
「・・・なん、だと」
彼らが身を挺して守ろうとしたマスターは、どこにも見当たらなかった。
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「・・・っ!? おい1号! 何があったんだ!?」
目の前の光景に硬直していた俺は、その間も立ち上がろうとし続けるダイナーゲートにハッとして駆け寄った。
俺の声を認識したのか、1号はアイセンサーの光を弱々しく点滅させながら俺の方へ体を向けようと動く。だが・・・
ガチャン
内部の様々な箇所にダメージが入っているせいで、もはや彼はまともに自身の姿勢制御すらも出来なくなってしまっていた。ヨチヨチと頑張って動こうとして、へたり込んでしまった1号。
体から弱々しく火花を散らしながら、ただただ光を点滅させ続ける。
彼が言葉を発することが出来たのなら、今の俺を見て何を言うだろう?
「・・・ごめんな、守ってやれなくて。護衛だってのに、一体俺は何やってんだろうな」
スケアクロウと初めて会ってから今日に至るまで、彼女のお供であるダイナーゲートとスカウトもまた大切な仲間として共に生きてきた。
それが、たった数時間離れただけでこんな終わりを迎えさせてしまった。
平和ボケしていた、完全に油断していた、今回の公演も何事もなく終わらせられると勝手に思い込んでいた。そうした俺の無意識な気の緩みが無ければ、決して彼女たちだけで打ち合わせには行かせなかっただろう。
堪えようのない悔しさに拳を握りしめ歯噛みしてると、膝に何かが優しく擦り付けられる感触があった。
見れば、ほとんど光の消えかけた1号が、まるで俺を慰めようとしているかのように体を擦り付けていた。果たして気にするなとでも言っているのか、スケアクロウを頼むと言っているのか・・・。
飼い犬が最期に飼い主へ甘えるようなそんな素振りに、火花を出し続けるボロボロの彼の体を抱き上げた。
「っ!!」
こんなになってまで俺の身を案じてくれる1号の優しさに、そして2号たちを逝かせてしまった愚かな自分への怒り。もう、限界だった。
無骨で硬い鉄そのもののボディを力一杯抱きしめる。今の俺にはそうすることしか出来なかった。
抱きしめられながらもちっちゃな足で俺の体を掴み、ゆっくりと何回も擦り付け続ける1号。残る力の限り、何度も、何度でも・・・そして。
「・・・? 1号?」
動きの止まった1号。覗き込んだ彼のアイセンサーにはもう、光は無い。
時折飛び散っていた火花もいつの間にか止まっていて、それは即ち・・・回路への通電が完全に止まったということ。
「・・・すまない、1号」
物言わなくなった1号を静かに地べたに下ろすと、夕日が沈み青い闇に包まれつつある街並みへと視線を向けた。
この街のどこかに、俺たちに敵対する存在が紛れ込んでいる。ここまでやられたからには、何もしない訳がない。
俺の命に代えてでも、必ずスケアクロウは生きて還らせる。それがこの事態を招いた俺の果たすべき責任。そして・・・
『彼女に限らず、鉄血工造を抜けた
そう言ってスケアクロウのボディーガードを任せてくれた、代理人への誓いでもある。
さて、スケアクロウを攫った連中の手がかりは何か無いか。
ざっと見回してみても、高台周辺には監視カメラの類は見当たらない。実行犯はそれを分かってここを誘拐場所に選んだのだろう。
ともすれば、お供たちのメモリー内部に何か手がかりは残ってないか? ボディの大半が死んでいるとはいえ、基盤だけサルベージして情報さえ引き出せれば、少しは希望も見えてくる。
問題は・・・
「チンタラ基盤を抜き出して端末につなげて、なんてやってる時間も惜しいんだがな・・・」
しかし、壊れたボディにそのままつなげて無理やりデータを抜き出そうとしても、通電時に異常が起これば最悪データが真っ白になる可能性もある。
安全策を取るか早さを取るか・・・クッソ、悩んでても仕方ない。爺さんに工具だけ借りてさっさと基盤を取り出すか。
これからの動きを決め、1号を運ぼうと抱き上げた直後、俺の端末が電話の着信を知らせるバイブを鳴らし始めた。
番号は非通知。こちらに少しの情報も与えたくない存在が相手ということ。
つまり、誘拐犯からの電話だ。
端末にインストールしてある逆探知用の回線解析ツールを立ち上げ、俺は電話への応答コマンドを入力した。
「・・・誰だ」
『想像はついていると思うが? 君が今最も会いたいであろう存在と共にいる者だよ』
案の定、パッと聞いた程度でも解析不可能なほどに加工されていると分かる声。老人なのか若者なのか、そもそも男なのか女なのかすらも判別不能な、独特のノイズを含んだ電子音声。
『だが、君が此方を呼ぶのに名前が無いのも不便だろうからね。そうだな・・・ここは『シャルフリヒター』とでも名乗ろうか』
・・・
自分は社会に”不当に”蔓延る人形を処刑する正義の使徒とでも言うつもりか。
通話を初めて早々胸糞悪い気分だが、ここで乗せられたらそれこそ連中の思う壺だ。
気持ちを落ち着かせろ、絶対に早まるな。
「・・・要件は?」
『怒らないのかね? 君が大切にしている
・・・チマチマチマチマ、いちいちカンに触る野郎だ。
「時間を浪費するのはお互いにメリットがない。要件は?」
『クックック・・・話が早いのは良いことだ』
ノイズ混じりのクツクツという笑い声の後に、相手はこちらが思いもしない要求を繰り出した。
『我々とゲームをしよう。今夜の0時丁度までに我々の元へ”一人で”来い』
「・・・なに?」
高額な身代金でも要求されるのかと身構えていれば、帰ってきたのは”ゲーム”と称した戯れ染みた要求だった。
スケアクロウを人質に、俺に銀行強盗でもなんでもやらせようと思えば従わせられる立場にいながら、何故ゲームとして自分たちの居場所に俺を招き入れるような真似を?
当然その答えがここで明かされるわけもなく、相手はこれ以上取り合うつもりはないと言わんばかりの態度になる。
『我々は今宵の
ふざけやがって。
余興くらいあってもよかろうだと? 人形相手なら何をしても許されると本気で思ってやがるのか。
それに
・・・いや待て。こいつは”ゲーム”と言った。
ならばゲームがゲームとして成立するように、何かしらこいつらでルールを設けているかもしれない。
「・・・ゲームっていうからには、もちろんルール位しっかりあるんだろうな?」
『もちろんだ。0時丁度、君が我々の元へ到着するまでは一切手を出したりしない。我々の
君に許されているのは己の力のみで道を切り開くこと。当然だが、誰かの手を借りるのは認められない。
それと一つ伝えておくが、この地区に来た時点で君は既に常時我々の監視下に置かれている。くれぐれもその点を留意した上で・・・19時丁度となったな。残り5時間、頑張ってくれたまえ』
「ちょ、おいっ!」
言うことだけ告げて一方的に切られた通話。
連中の思う通りに事が進んでいる事実に舌打ちしつつも、電話に出る前に立ち上げていた逆探知ツールを開くと・・・
「・・・当たり前か。俺の仕事を分かった上で仕掛けてきてるんだからな」
表示されていたのは『ERROR』の文字。こちらに発信してきた人物当人の元まで到達することは叶わなかった。
辿れる限りの範囲でアクセス形跡を見返すと、使われた基地局には
仮にこれを無理くり突破するには、それこそスケアクロウのような対電子戦特化モデルによるハッキングでなければ難しいだろう。それ専門ではない俺のスキルでは突破不可能だ。
しかし盲点かな。基地局から先を辿ることは出来なくとも、俺の端末に回線を繋げた基地局
「・・・まさか、軍用回線専用の基地局からとはな」
仮にも地区住民の血税で賄われている設備を、決して表沙汰に出来ない
つまるところ、軍内部で反人形思想を持つ人物が結託してこの事件を起こした可能性が出てきた。だとすれば、俺の置かれた状況はとても芳しくないと言わざるを得ない。
「俺を常時監視下に置いている・・・監視カメラが見当たらないこの高台でも監視できる、ということは・・・」
端末に表示させた地図と実際の地形を照らし合わせる。ここにいる俺を視界に収められる高層ビルが4棟、いずれも高台から見える場所に見つけた。
「あのどれか、あるいは全部から俺を見張ってるってか。クソッタレが・・・」
実に不愉快な気分だ。こうも手の上で転がされては胸糞悪くて仕方ない。そして、この事態を招いたそもそもの俺の間抜けさにも苛立ちが募る。
・・・とにかく、手段を選んでられる場合じゃなくなった。少しでも時間が惜しい。1号たちには悪いが、ハイリスクを承知で直接メモリー内のデータを繋げてサルベージさせてもらう。
基盤をボディから抜き出して〜なんてやってる時間は無い。端末とボディを直接ケーブルで接続し、給電しながらお供たちのデータを拾い上げる。
・・・頼むぞお供たち。通電不良でデータが吹っ飛ぶなんて事態は起こってくれるなよ。
「・・・あれ? なんか光ってる?」
鉄血工造本社・研究開発部門にある自身のデスクにて、彼女にしては珍しく真面目に仕事を進めていたアーキテクト。彼女はふと、モニターの片隅にある通知欄に新たな情報が出ている事に気付く。
ウィンドウを展開して確認すれば、『ESシグナル』と呼ばれるコードが鉄血の本社に向けて発信されたとの通知である。ESシグナルが発信されたという情報に、アーキテクトは豊かな表情そのままに露骨に眉を顰めた。
ESシグナルとは鉄血工造が開発した信号規格の一つで、正式名の『Emergency Satelite Signal』を略して呼ばれるもの。
有事の際、人形が発した救援信号を地球上空に浮かぶ通信衛星を介して、鉄血本社を中心とするネットワークに送信するための独自通信規格である。ちなみに、本来は『
何故アーキテクトは眉を顰める程に怪訝に思ったのか。その理由は単純で、この規格自体が量産型の鉄血人形に普及せずにお蔵入りした技術だからだ。
通信衛星を介するという性質上、一見するとどこでも助けを呼べると思われがちだが、実はこの規格を採用するためには人形のボディ内に高出力な通信を行えるユニットを搭載する必要が有る。
なにせ地上数十キロの高さに浮かぶ物体と直接通信を行うので、それ相応のパワーを出せなくては繋がるものも繋げられない。現代の軍事基地や電波基地でもパラボラアンテナが現役で稼働しているといえば、通信ユニットを人形サイズの物体に積むこと自体が常識的に可笑しな話なのは理解できるだろう。
さらに、衛星と人形が通信を行う物理的な関係柄、人形と衛星の間に厚い雲があったりするとそれだけでも通信強度に影響を及ぼしてしまう。雲の構成によっては下手すれば交信不能に陥る事もある。
本当に必要で助けを呼んでも、そうした天候では実際に救援するまで時間がかかってしまうという、規格そのものに欠陥を抱えてしまっている問題作なのだ。
これらの欠点は全て、実機のボディに搭載して実地試験を行った結果見つかった要素。これではいざという時に役に立たないと、試験機となったボディ以外にこの規格が採用される事はなかった。
だからこそ、アーキテクトはESシグナルという規格の救難信号が自身の元へ届いたという事実に困惑したのだ。イタズラにしてもやる意義を見出せない。誰が何のために、わざわざロクに知れ渡ってもいない規格で信号を送ってきたのか。
顎に手を当て、まじまじと画面を見つめ考え込むアーキテクト。
(ESシグナル自体、そもそもソレ用のモジュールを搭載したボディは実地試験を行った試験機数体のみ。その中で人形に搭載されたのは人型でごく初期に造られてたハイエンドの代理人とスケアクロウ、それと今は喫茶鉄血にいるリッパーとイェーガーの初号機のみ。
その後はプロジェクト自体が出来る限り通信ユニット小型化を目指すってコンセプトに移り変わってったから、その流れで新たに試験機になったのは第4期生産ロット初期機のダイナーゲートとスカウト二機ずつ。
ごく少数のボディにしか搭載されてないし、しかも外にも殆ど広まってない規格のはず。だったらなん、で・・・・・・っ!!?)
次の瞬間、アーキテクトは大きく目を見開き、普段のふざけた風の彼女からは想像できないほど鬼気迫った顔でタイピングし始めた。
人間には真似できないスピードで打ち込まれるコマンド。彼女が調べているのは、ESシグナルを採用したボディのロットナンバーだ。
目で追いきれないほど次から次へスクロールしていく文字の列。そして彼女は複数のウィンドウからデータを引っ張り出し、照合させる。
「・・・やっぱり! 急がないと大変な事になっちゃう!」
現れたのは、ESシグナル採用機のダイナーゲートとスカウトが今どこの所属なのかの検索に対する結果。ダイナーゲートたちは現在、スケアクロウのお供として共に行動しているというデータだった。
スケアクロウとお供たち以外のESシグナル採用機は喫茶鉄血で働いているが、もし店に何かあれば直ぐに本社に連絡が来るし、それに店に近いS-09地区の指揮官やグリフィン人形らも黙っていない。従って喫茶鉄血の面々から信号が来たというのは考えられない。
という事は、スケアクロウたちの身に危険が迫っているというとんでもない事実を表している。
直ちに信号の発信箇所を特定しようと動き始めるアーキテクト。だが、彼女の顔はすぐに焦燥に染まる。
「くっそ・・・信号が微弱すぎて正確に場所まで捉えられないよ!」
アプローチを変えてみようにも、衛星に送られる信号自体が微弱なのでは此方からはどうしようもない。
焦るあまりタイピングの勢いも激しさを増す。そんな尋常でない様子のアーキテクトに、サクヤと共に仕事場へ戻ってきたゲーガーが声をかけた。
「・・・アーキテクト? どうしたんだ一体」
「っ! ゲーガー!! スケアクロウの居場所がどこだか知らない!?」
「い、いきなりどうしたんだ本当に。・・・確か、ついこの間代理人のところに来たと聞いたが」
「オッケーありがとゲーガー! ちょっと代理人のところに行ってくる!!」
「お、おいっ!?」
聞くや否や、荷物をまとめ脱兎の如く仕事場から飛び出すアーキテクト。
いつもの彼女とは全く違った様子に、取り残されたゲーガーとサクヤはポカンとした顔で見送る事しかできなかった。