裏稼業とカカシさん(旧題:裏稼業の何でも屋が出向く先には必ずカカシが待っている件)   作:chaosraven

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 お待たせです。
 今回はここ最近では珍しく5000字行ってませんので、お手軽に読めるかと(殴

 前回大事な事言い忘れてたので発表します。

 グリージョ(CV.速○奨)のイメージでお届けしております(レイの声は未定)。


-72-灰色と黒〜邂逅〜

 

 

 

 月夜に照らされた教会、その礼拝堂。

 十字架の上のステンドグラスから、明るく輝く月明かりが奴に向かって降り注ぐ。

 スポットライトの様で、故に俺は奴の姿をよりはっきりと目の当たりにすることとなっている。

 

 

(顔の違いはほぼゼロ・・・似てない所を探す方が難しい。強いて言うなら俺にあるキズが奴には無い位か)

 

 

 だが、目立つ差と言えばそれだけだ。

 何から何まで俺とそっくり。もはや双子を超え、クローンかなにかと言われても信じられる程だろう。

 俺に()()()()()()という事実を除けば、な。

 

 

「兄弟・・・だと? それに、ネロ?」

 

「見ての通りだ。何故俺と君がここまで似てると思う? 大凡見当は付いてるんじゃないのかな?」

 

「ほざけ。俺に兄弟なんていない。俺の子供の頃からの家族は、俺を育ててくれた”あの人”だけだ。本当の親父もお袋も、とっくに誰も追えないどこかに消えた」

 

 

 俺の本当の親父もお袋も、赤ん坊の俺を見捨ててどこかに消えたのだろうと”あの人”は予想してた。

 荒れ果てた道端に捨てられてた俺を見つけた時、周りには人っ子一人いなかったらしい。拾われようが死のうがどうでも良いから捨てた、状況からそう判断するのは道理だ。

 

 俺の答えを聞いた奴は、何かに触れたのか急に高笑いし始める。

 

 

「”あの人”・・・ね。ハハ、ハハハハハハッッ!!」

 

「何が可笑しい!?」

 

「哀れだな。あの男の犯した所行を全く知らずに、自分が自立できるまで育ててくれた大恩ある”父”だと思っている。それこそがあの男の生み出したマヤカシだと言うのに・・・」

 

「んだと・・・!」

 

 

 父親を蔑む様な言い方をする奴に怒りが込み上げ、Five seveNを握る手に力が篭る。

 お互いに相手に銃口を向けたまま。撃とうと思えばいつでも撃てる状況だ。

 

 けれども、俺の右人差し指はトリガーを引き絞れない。

 銃弾弾き(ビリヤード)を初見の相手に為せる様な敵に、もう一度銃を撃った所でまた無力化されるのが関の山だと分かっているから。

 

 奴もそれを分かっている。しかしそれでも油断無く俺の手元へ視線を向けている。悠々とした佇まいを崩さぬまま。

 

 

「・・・時に」

 

「あ?」

 

「君の”父”は己のことを『guilt(ギルト)』と名乗っていたのではないかな?」

 

 

 ・・・当たってる。

 確かに”あの人”は自分のことをそう名乗ってた。なんで(guilt)なんて名前を名乗ってるのか、聞いてもはぐらかすばかりで答えてくれなかったけどな。

 何か訳あってのことだとは察してたが、その名で呼ぶことは”父”を罪人呼ばわりするみたいで、俺は”あの人”のことをそう呼んだことは一度もない。

 

 

「・・・だったらなんなんだ?」

 

「滑稽だと思っただけさ。何を一丁前にそんな名前を名乗るのかと、な」

 

「テメェ・・・」

 

 

 理解できない、納得できない、道理じゃない、顰めっ面を浮かべる奴の顔にはこんな様な感情が浮かんでいた。

 奴は”あの人”の何を知ってる? 滑稽? 犯した所業? ()()()()

 

 

「奴が行ってきた数々の行い、その全ては我々が目指す()()()()()の礎となる物だ。だが奴は裏切った。何をトチ狂ったのか己の行いを罪と断じ、我々の理想を阻もうとした。

 我々の元を去った奴は、罪を背負い、一生を掛けて償うつもりでいたのだろう・・・だがそんなもの、所詮は夢物語だ。闇にどっぷり浸かっていた奴が、光の中で真っ当に生きていける訳がない。

 故に己の希望を後世に託したのだ。育てた”子”に本当の名とは別の名を、君にね」

 

 

 そうして、”あの人”が名付けてくれた俺の『レイン』という名にまで言及する。

 

 

「・・・さっきから何なんだお前は。何が言いたい? 何をしたいんだ?」

 

Everything will be as right as r()a()i()n().

 

「あ?」

 

「すべて上手くいくだろう、簡単なフレーズだ。お前ならきっと上手くやってくれると信じて、自分の尻拭いを君に託した・・・実に安直なネーミングだよ。けれども君はそうとも知らず、奴を父として尊敬している。全ての経緯を知っていれば、誰もが滑稽だと嘲笑うだろうね」

 

「・・・」

 

 

 訳が分からない。

 俺の知らないことを奴は知っていて、故に”あの人”と俺の関係を滑稽と切り捨てている。

 何故? 奴の言い方や表情から、”あの人”に何らかの負の感情を持ってるのは間違いないだろう。けどその内実はなんなんだ?

 

 

「ふむ、奴が俺に何をしたのかと疑問に思うか」

 

「当たり前だ」

 

「はぁ・・・本当に何も知らされてないのだな、兄弟」

 

「っ! 俺はお前の兄弟じゃ「ないとどうして言い切れる? 瓜二つの顔、髪、体格、多くが似通ってるという最大の状況証拠があるのに」くっ・・・」

 

 

 なんなんだよ・・・なんなんだ一体!

 俺は頭の中で、自分という存在そのものの前提が崩壊していくのを感じた。

 俺は誰だ? 俺は何だ? 自分って・・・一体?

 

 自分()という人格を形造っていた全ての経験。”あの人”との出会い、生活、ギルドへの加入から初仕事、組合員として生きてきた時間、”あの人”が突然死んだ時、それからの時間・・・それらが頭の中で巡り巡る様にフラッシュバックしていく。

 その中に浮かぶのは”子”の俺を優しく見つめてくれる”あの人”の顔、生き残るために厳しく接してくる険しい顔つきの”あの人”、俺が死にかけた時に涙まじりに本気で叱ってくれた”あの人”の顔・・・どれもこれも”父”として俺に見せてくれた顔だった。

 

 良い思い出もあれば嫌な思い出もある。

 同じ人間。俺と”あの人”はそれぞれ別の『個』だから、時に笑い合う事もあればぶつかり合うことだって当然あった。

 けれども、俺たちには確かな親子の『(つながり)』があったはずなんだ。俺はずっと信じてきた。俺を育ててくれた”あの人(父さん)”のことを・・・。

 

 

 

 

 

・・・なぁ、父さん。

アンタは過去に何をやったんだ?

 

 

 

 

 

「心中お察しするよ。俺が君の立場なら、きっと同じ様に自分が何なのか分からなくなっていただろうからね」

 

「・・・黙ってろ。お前に何が分かる」

 

「分かるとも。言っただろう? ()()()()()()()と。俺も君も、そして俺たちの()()も、全ては同じ存在なのさ」

 

「黙れッッ!!!」

 

 

 お前と俺が同じ存在??

 ふざけんな! 同じな訳が無い!

 

 

「・・・受け入れるには時間が必要、か」

 

「ふざけるな! 誰がそんなこと認めるか!」

 

「君が認める認めないは問題ではない。それが紛れもない事実であり、変えられない事象だ」

 

 

 奴は一度目を閉じ、銃を下ろしたかと思うと今度は右手を目の位置まで掲げ、()()()()()()()()()()()()

 

 

「兄弟。お前に俺達の”チカラ”を身を以て教えてやる」

 

「なに・・・ッ!?」

 

 

 直後、右手が開かれると同時に指先から紫電に光る何本もの鞭が現れる。

 

 指先から流れ出る、バチバチと音を立て視覚化するほどのエネルギーを持つ稲妻の鞭。生まれ出る電磁力は、土が見えてる教会の床から砂鉄を掬い上げるほど。

 奴が何をするつもりなのか、考える間は無かった。

 腰を落とし、後ろ手に右腕を持っていった次の瞬間、目にも留まらぬ勢いで()()()()()から。

 

 

 


 

 

 

「ぐああああぁぁぁぁァァァッッ!!!!」

 

 

 稲妻の鞭は、レイの体を高電圧高電流の強大なエネルギーで文字通り焼いた。

 全身に走る熱と激痛に叫ぶレイ。数秒にも満たない時間の感電。しかし彼を・・・いや人間を行動不能にするには十分過ぎた。

 一瞬で意識を混濁させ、前から倒れ伏したレイ。その元へゆっくりと歩み寄るグリージョ。彼は動けないレイを仰向けにすると、片手で首を握って体を持ち上げた。

 

 

「あぐっ・・・」

 

 

 気道を圧迫され、苦しげに呻くレイ。

 体は細かな痙攣を繰り返して、心肺機能が正常に生きていることが奇跡と言えるほどの大ダメージを負っていた。

 足が付かない高さまで持ち上げられ、手足はぶらんと垂れ下がるばかり。抵抗などまともに出来るはずも無かった。

 

 

「・・・んん? 兄弟、()()()()()()()()もう動けなくなるのか?」

 

「ぅぐっ」

 

「なんと、意識まで混濁しているとは・・・これは一体???」

 

 

 だが思っていたビジョンと違ったのか、怪訝な顔を浮かべ、レイを睨むグリージョ。

 首を傾げたその時、突如彼の背後に”大出力のプラズマ弾”が着弾し、爆ぜた。

 

 

「がはっ!!? チィっ!」

 

 

 思わずレイを手離してしまう。

 吹き飛ばされたグリージョは、同じ様に飛ばされたレイを捕らえようと駆け寄るが、それより一歩先に奪い取った存在がいた。

 

 

「サーリャ!!!」

 

「ええ!!」

 

 

 天井に開いた穴から、出せるギリギリのスピードで内部に突っ込んだのはスケアクロウ。彼女は手を掴んだレイの体を自身の力で浮かせながら、グリージョの手が届く前に扉から脱出。

 そこで武装アームを構えて立っていたエージェントも浮かせ、フルスロットルで夜空へと見る見る内に飛び去っていった。

 いくら規格外の身体能力を持っていても、空を飛ばれては流石のグリージョもどうしようもない。

 

 呆気なく持ち去られてしまったことに一瞬呆けていたが、やがて事態を飲み込むと大きくため息を吐き、床に置いたデザートイーグルをホルスターに収めた。

 

 

「・・・やれやれ、何処から来たんだか。見事に横から掻っ攫われてしまったな。

 にしても『サーリャ』、ね・・・」

 

 

 扉の先に広がる、スケアクロウ達の飛び去った空を見据えるグリージョ。その顔には笑みが浮かぶ。

 

 

「ルード・ジーバンが命掛けで守ろうとした『最初の姉妹』。世が世なら正当な”資格者”だったかもしれないのに・・・フッ、過ぎた事か」

 

「あらあら、逃げられちゃったわねぇ」

 

 

 ヌルリヌルリ、独特な音を立てて近づく巨大な影。

 言わずもがな、赤に染まったタコの触手を持つロッソである。

 

 

「ほっとけ。そっちは終わったのか?」

 

「ま〜〜〜ったく問題なーし。『彼』を呼び込むための女医(エサ)は始末したわ。

 ねぇそれよりもさぁ? グリージョが言ってた割に彼、随分電気に抵抗無いみたいだったけど」

 

「あぁ。あの程度の電力ですぐくたばりかけるとは俺も思っていなかった。

 だがロッソも見ただろう? 俺とそっくりの顔、十分に優れた身体能力、体格、殆どが似通っている。唯一、声だけは似なかった様だけどね。

 いずれにせよ、(レイ)(ネロ)であることは間違いない。それが分かっただけでも動いた甲斐はあった」

 

「それはそうかもしれないけど・・・彼、()()()に付くの?」

 

「・・・フッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネロの意思なんざ知った事じゃない

どう思っていようが、必ず此方に付かせるさ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう呟いたグリージョの口元には、狂気のあまり醜く歪んだ笑みが浮かんでいた。




 たびたびお世話になってる喫茶鉄血の世界線で、様々な迷い人達に向けて緊急招集が掛かってましたね。
 参加したい気持ちもありましたが、ぶっちゃけ本編書くのも週一がやっとなのに大型コラボなんて手出したら、マジで首回らなくなるので・・・・・・

           チーーーーン....
 結論:諦めました _ノフ○


 まぁどう考えてもテロの首謀者側が地獄見るようなメンツが揃ってるし、なんとかなるべ()
 後は、追い詰められた結果漏れ出ちゃった変態隊長達の欲望が『This book(マヌちゃんの) is brought(提供で) to you by(お送りする) Manu Chan(ウスーイ=ホン).』のネタ候補にならないかとか、その辺りのことを代理人が目を光らせてれば万事上手く収まるのではないでしょうか()

 ・・・ゲッコーとマヌちゃんの実戦デビュー +(0゚・∀・) + ワクワクテカテカ +
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