女子小学生に大人気の官能小説家!?   作:暮影司

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純粋で卑猥な少女と、妖艶で純潔の少女

 

「もっとエッチなこと、教えて下さい」

 

 そう言う小学五年生の美少女、小和隈(こわくま)あげは。

 しかしこれは決して俺に性的ないたずらを要求しているわけではなく、小説のえっちな部分の解説をお願いしているのである。そこは絶対に間違えてはならない部分だ。

 

「わかった、もっともっと教えるね」

 

 俺も男だ、据え膳食わぬは男の恥……ではなく、これは義務というべきものだろう。作者として、ファンに対しての必要最低限やるべきことなんだ。

 

 ごくり。

 

 俺とあげはちゃんは、お互いに意識してか知らずか唾液を嚥下すると、見つめ合ってその身体を近づける。

 

「ちょ、ちょ、ちょ~~~~っと待ったぁ~~~~!」

 

 ムードをぶち壊す大音量を上げるのは廊下に現れた、我が妹である中学一年の詩歌。

 

「お兄ちゃんのファン壱号、参上!」

 

 戦隊ヒーローの決めポーズみたいな格好で廊下にひざまずいている。アホかな?

 

「そして、ファン弐号参上!」

 

 アホの隣に居たのはちょっと天然なお嬢様の小学六年生美少女である清井真奈子ちゃんであった。妹に感化されたのだろう、両手を上げて妙ちきりんなポーズをとっている。なにやってんの?

 

「いや、まじでどうしたの? 詩歌は本当はアホの子だって俺は知ってたけど、真奈子ちゃんまでどうしたの?」

「えっ、アホの子……?」

「えっ、しーちゃん先輩にこうすれば全部上手くいくって……」

 

 二人とも、後ろから爆煙が出そうな格好のまま固まっていた。出ていないからマヌケだ。

 

「ふふっ、ふふふっ」

 

 愉快そうに笑ってはいるが、嘲笑にしか思えない表情のあげはちゃん。いや、しょうがないけどね。今ココにいる中で精神的に一番大人である女の子は間違いなくあなたです。

 

「そこの少女! ファン壱号と!」

「ファン弐号を差し置いて、何をやってくれているんですか!」

 

 ……なに、練習したの? ポーズを変える二人。格好良くはない。

 唖然とするだけの俺に対して、あげはちゃんはそれはもう大人過ぎる対応だった。

 

「あげはと四十八先生は、トクベツな関係ですから」

 

 そう言って、俺の腕を胸にぎゅうっと抱きしめる。そうしてもなお腕に胸の感触は皆無です。今なら妹が男の子と間違えたのも仕方ないと思いますね。

 

「わたしだって特別ですもん! 負けないもん!」

 

 なぜか幼児退行する真奈子ちゃん。なんで? 年下が大人っぽいからってなんで子供っぽくなるの?

 彼女の格好は白いワンピースであり、清楚極まりなく、お嬢様感たっぷりで決して子供っぽいことはない。そして胸の部分も決して子供っぽくない。

 

 ポーズを解いた彼女は、ずかずかとやってきた。ソファーの右隣はあげはちゃんが牛耳っているのだが、左隣に真奈子ちゃんが座り、対面にはファン壱号を名乗るものが座った。なんだなんだ、どうしてこうなった。

 

「あげはが特別なの。弐号さんはお呼びじゃないの」

 

 そう言って、ますますギュッと俺の腕を抱きしめるあげはちゃん。胸部を構成する骨の感触がわかりますね。あと、弐号の意味もあげはちゃんが言うと意味が変わりますね。問題は壱号は妹だということだけど。

 

「わたしだって」

 

 真似をしているのか、同じようなことをする真奈子ちゃん。……全然違う! これはマズイって! 止めてくれ、詩歌!

 

「私より年下の美少女が、お兄ちゃんを取り合っている……うふふふ」

 

 妹は何やらぶつくさ言いながら、笑っていた。怖い。放っておこう。それにしても左腕が気持ちいい。

 

「っていうか、どうしたの真奈子ちゃん。なんで突然」

「突然じゃないですよ! しーちゃん先輩から連絡を受けたんです、なんかその、プレイ? をしてるって!」

「プレイって……意味理解って言ってるのかしら」

「なんなのよ~、あなたみたいなお子様に何がわかってるっていうのよ~?」

 

 何がわかってるかと言うと、真奈子ちゃんがわかってないことが全部わかっているんだよなあ。

 

「あ、まなちゃん。プレイっていうのは、なんか二人で舌を出してたの。多分、小説のあそこの部分だよ」

 

 詩歌がいうところのプレイとは、小説の再現プレイを指しているようだ。

 

「あ、あ~。メイちゃんがご主人さまの舌を美味しそうに見るところ!」

 

 うん。でも、そこまでわかってたらわかってそうなものなんだけども。小説の中で行われている性的なプレイの再現プレイですよ。

 

「牛タンが美味しいのはわかるけど、ご主人さまの舌を見て美味しそうなんて、ほんとメイちゃんって食いしん坊ですよね!」

 

 あー。へー。そうなるんだね。すごいね。人間の舌を見て牛タン食べたくなるんだ、メイちゃんって。作者の俺は知りませんでした。

 

「ぷっ、くくく」

 

 完全にマウントを取ったと確信するあげはちゃん。是非もない。

 

「なに? なんなの?」

 

 露骨に不機嫌になる真奈子ちゃん。やむを得ない。

 

「食欲しかわからないおこちゃまなんですね」

「な、なにをー!?」

 

 俺の腕を引っ張り合う女子小学生。どうしてこうなった。

 

「さっきのを見せてあげましょうよ」

「え、ええっ!?」

 

 小学六年生と実の妹がいるのに、舌を出して近づけるとか正気の沙汰じゃないよ! そう考えるとさっきの行為も完全にNGじゃん! 何やってんだ俺は!

 

「ほら、んべっ」

 

 くうう。小学五年生の女の子だけに恥をかかせるわけにもいかない。これは作家としてではなく、男としてヤラなければならない行為! 少しもいかがわしい気持ちはないんだよ。

 

「んべ」

「んふ」

 

 舌を出したまま笑う彼女は、さっきよりも更に魅惑的な表情を浮かべていた。俺は冷や汗モノなんですけども!

 残り10センチというところまで近づけると、にや~っと笑ってあげはちゃんは真奈子ちゃんを見た。なんと挑発的な……。

 さぞや驚いているだろうと左を向くと、意外にも彼女はきょとんとしていた。

 

「んべ?」

 

 無邪気極まりなく、舌を出す真奈子ちゃん。おいおい、真似をしようっていうのか。しかし、ここで出さないと露骨に贔屓していることになってしまうので、俺は出さざるを得ない。

 

「べ」

「んー」

 

 自然に首をかしげる真奈子ちゃん。こうして間近で見ると、改めて可愛い女の子だなあ。

 

「ぺろ」

 

 ――――え?

 

「ぺろぺろぺろぺろ」

 

 な、なななな!? なー!?

 

「なななな!?」

「あわわわ」

 

 なんと、真奈子ちゃんは俺の舌を舐め始めた。俺も初めてのことに動揺を隠せないし、なんかとっても気持ちがいいです! こんな感じだったのかよ、ご主人さまとメイちゃん!

 

「ぺろぺろぺろぺろぺろぺろ」

「は、は、はあ……ああ……」

「ななななななな!?」

「あわわわわわわわ」

 

 ひたすら無邪気に俺の舌を蹂躙する真奈子ちゃんと、何も考えられなくなった俺と、とにかく困惑するあげはちゃんと、とんでもないことになったと慌てふためく妹である。俺が言うことでもないけど、誰かこれを止めなくていいの!?

 

「ふー。なんかドキドキしました、えへへ」

 

 ようやく舌を離した真奈子ちゃんは、頬を赤らめてはにかんだが俺はそれどころではない。人生でこんなに心臓がバクバクしたことがあっただろうか。それにしてもなんとあっけらかんとした態度。

 

「な、何をしたかわかってるの?」

「へ? 舌を舐めただけですよ」

 

 舌を、舐めた、だけ。

 舌を舐めただけですよ、と来たよ。こいつはとんだビッチですよ。俺の小説に登場させたいね。しかしながら、これは真逆! 彼女はこれを少しもえっちだと思ってないからやったということだ! なんということでしょう!

 

「それならっ」

 

 ぐいっと顔を横に向けられる俺。

 さっきは余裕だった表情のあげはちゃんは、打って変わって必死な顔だった。

 

「んー」

 

 おいおい、ぎゅっと目をつむって舌を出して俺に顔を近づけてきているよ。

 思わず肩を掴むと、びくっと身体を硬直させた。どれだけ勇気を振り絞っているのやら。

 

「んー、んー」

「無理しなくていいよ」

「ん、ん、ん~~~」

 

 あげはちゃんは、悔しそうな顔をして舌を仕舞った。なんということだ、彼女はこれが性的な行為だとわかっているが故にそれが出来ず、真奈子ちゃんはわかっていないが故にしてしまったのだ。どちらが大人なのか、それは俺にもわからない。

 

「え? なんでなんで? したらいいのに」

「く、くくく、ぐぐぐぐ」

「くちゅくちゅ」

 

 真奈子ちゃんの率直な感想を受けて、歯を食いしばるあげはちゃん。くちゅくちゅっていう音はよくわからない。左右ではなく正面から聞こえるような気がする。

 

「四十八先生の小説は、読んでるとドキドキするんですけど、今もなんかドキドキしてます」

 

 うーむ。なんかよくわかんないけど、ドキドキしてくれる真奈子ちゃん。豊かな胸を手で押さえている。俺はドキドキしまくりだよ!

 

「な、なにもわかってないくせにぃ」

 

 そして、よくわかったうえでなお小説のことを教えて欲しいと言ってくるあげはちゃんか。今は悔しそうに親指を噛んでいる。いや、絶対に身体は大事にしたほうが良い。君は正しいよ。真奈子ちゃんが純粋にもほどがありすぎて好きでもない男と舌を絡ませたんだ。そう考えるとなんかとんでもないことをしたような気がしますね!?

 

 どちらにせよ俺に対する気持ちは恋愛のそれでは勿論なく、作品をより理解しようとするファンの気持ちであることは間違いなかった。

 

「うーん、俺は幸せものだなあ、こんな素敵なファンに囲まれて」

「素敵なファン!? 私のこと!?」

「あ、ごめん詩歌、居たの?」

「ええっ!? そこにはファン壱号が含まれてないのぉっ!? あ、ああ、ん、ん~~~ッ!?」

「詩歌? なんで目をぎゅーってしてるの? 目にゴミでも入ったの?」

「はあ、はぁ、あーっ、良かったぁ、まなちゃん連れてきて……」

「お、おう」

 

 彼女は俺と舌を絡ませあってるという状況なのに、連れてきてよかったってこいつは大丈夫か?

 兄貴が自分の連れてきた可愛い後輩の小学六年の女の子とぺろぺろぺろぺろしていたら、普通後悔しませんかね。いや通報されても仕方ないくらいなんだが、やはりこいつはアホの子なんだろうか。

 

 




これでひとまず最初の部分のキャラ紹介といったところです。
真奈子ちゃん派とかあげはちゃん派とか妹派とか、そういう感想が欲しいんですよ!

二次創作がちょっと止まってるからそっち書かないと……
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