女子小学生に大人気の官能小説家!?   作:暮影司

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恍惚とした顔の動画を晒される

 とある事情によりおしっこは座ってしにくかったので、立ったまま行った。なんとか零すことなく用を足すことが出来た。トイレを出てすぐに向かいにあるパウダールームへ。手を洗ってから、手を拭いたタオルで、お腹も拭く。唾液と溶けたアイスキャンデーで、べったべただ。

 洗面所の鏡を見て、ため息をついた。なんて俺はイケメンなんだ……と思ったわけではないぞ、残念ながら。冷静になればなるほど現状を理解できないためだ。

 そもそもの問題としては、官能小説のヒロインとして書いたメイという十六歳のキャラクター並みにマイという十二歳の女の子もドキドキさせなきゃいけないというミッションを編集から提示されており、ならば同じ年代の妹や女子小学生ならわかるだろうと協力してもらったわけだ。

 妹は耳に息を吹きかけたり足裏マッサージしたり二の腕を揉んだりしても、当たり前だがえっちだなとどは思わなかった。俺も同様だ。

 その後、三人の少女たちとは、ハグとチークキスを行った。まぁ挨拶だからこれは全く問題ないわけだが……本当に少しも全然完全に完璧に問題など無いわけだが……

 じゃばばばば!

 ふー。なぜか無性に顔が洗いたくなりましたね……きれい好きだからね……

 まぁ、改めて。あくまで挨拶は挨拶だからいいとして。お腹を舐められるというのはヤバい。それはヤバい気がする。しかも二人からされたところが更にヤバい。これは語彙力の低下ではなく、他の言葉で表現すると何か問題がありそうだからです。

 なんでこうなった……

 そもそも、俺が書きたかったのはメイドさんが頑張ってご奉仕しようとしたけどドジだから失敗しちゃってお仕置きされちゃうけどそれがむしろ快感……というこうして書くと身も蓋もない話だ。官能小説として書いたからそれは問題なかったが、もうそういうことを言っている場合でもないのではないか。当然すぎて何を言っているんだという感じだがローティーンの女の子向けの小説にエロエロな要素は不要だ。読者は絶対にヌかないのだ。まったく何のために書いたんだか。プンプン!

 ただし、読者はドキドキさせなければならない。そこが自他ともに認める俺の小説の一番重要な部分なわけだ。

 もちろん俺は最初から読者をドキドキさせようとして執筆している。だが、想定している読者は大人の男性であり、女子小学生をドキドキさせようとして書いたものでは決して無いわけだ。一巻はたまたま上手くいっただけで、二巻からはもう通用しないということだろう。読者にとって望ましい男女関係というのは、エロ漫画と少女漫画の性描写が異なるように、当然同じではないわけだ。

 それにしてもドキドキ……か。

 わからなくなってきた。

 メイがお仕置きされてドキドキしたのは何故だったのだろう。今、俺はなぜドキドキしているのだろう。

 こんなんじゃ、二巻を出せるのはいつになることやら……

 いい加減、鏡の中にいる男の不景気なツラを見るのが嫌になってきたので、とりあえず洗面所を後にする。

 

 部屋に戻ると妹を含む四人の少女たちは、録画した動画を再生しながらきゃーきゃー言っていた。

 

「どうしたの?」

「わあ、お兄ちゃんいつの間に戻ってきたの!?」 

 

 急いで隠す詩歌。なんでだよ。えっちな動画でもあるまいし。

 みんなの顔を見るとなにやら興奮した様子で頬を紅潮させていた。沙織ちゃんは笑いをこらえているかのように口に手をあてながら、

 

「変態が、変態な顔してた」

 

 そりゃそうだろう、って言うのも変だな。セリフからすると汚物を見るような目でもおかしくないが、むしろ嬉しそうに見える。そんな顔してこんなことを言う方が変態なんじゃないかと思わなくもないが、口に出すのはデリカシーに欠けるな。彼女は素直じゃないところがチャーミングなんだから。

 

「な、なんか先生が、すっごく可愛かったです」

 

 真奈子ちゃんが摩訶不思議なことを言う。俺が? 可愛い? 誰が誰に何を言っているんだ。

 

 あげはちゃんを見ると、俺が言いたいことがわかったのか、ちょいちょいと手招きした。さすが、あげはちゃん。心にちんこが生えてるだけのことはある。なんとなくこそこそと泥棒のように身を縮こませて抜き足差し足して近づき、中腰になると彼女が俺の耳に手を当ててこそこそ話。まぁ、みんな見てますけどね。堂々たる内緒話だ。

 

「さっきの動画をみんなで見てたんですね」

「うん」

「あげは達が乳首舐めみたいにおへその周りをぺろぺろしてあげてるときに勃起してたじゃないですか?」

「…………う、うん」

 

 いくらあげはちゃんでも、女子小学生から改めてこんなことを冷静に言われると死にそうになるな。俺にだって恥ずかしいという感情はあるんだよ? あげはちゃんだけならまだしも他の二人や実の妹にまで……はっ!?

 

「ま、まさか」

「いえ、それはバレてません」

 

 ふー。よかった、勃起は妹や他の女子小学生にバレていないんだ……ってなんか最低の理由で安心してないか?

 あげはちゃんはぺろりと舌を湿らせると続きを話す。

 

「詩歌さんのカメラが捉えていたのは股間ではなく、四十八先生の顔だったんです」

「ん? うん?」

「わかりませんか? 要するにアヘ顔を見られたってことです」

「あ、アヘ顔!? 俺が!?」

「そうですよ、あげはの舌技で勃起してアヘ顔だったんですよ、うふふ」

 

 なんと……正直なところ勃起は真奈子ちゃんの水玉模様に包まれた超小学生級のお尻によるものだと思うんだが、アヘ顔とは。確かにただくすぐったいのとは違う気持ちだった気がする。つまり俺は女子小学生に腹回りを舐められて感じていたというのか……

 

「それでその表情を見てみんな騒いでるわけです」

 

 なるほど。俺のアヘ顔を沙織ちゃんは変態な顔だと思ったと。そりゃそうだな。そして真奈子ちゃんは可愛いと思ったわけか。可愛い女の子はなんでも可愛いと思っちゃうから困りますね。

 

「ほら、ほら~。カワイイ~」

「ほんと、変態」

「お兄ちゃん……こんなになっちゃって……ハァハァ」

 

 三人は動画を何度も見ている模様。恥ずかしいんですけど。あと妹は俺より遥かにアヘ顔な気がするんですが。気のせいか。

 

「ま、変態が変態な顔してるのは、ぼくのせいだからしょうがないか」

「いいな~、いいな~、わたしも先生にこんな表情させたいなぁ~」

 

 なぜか得意げに鼻をふくらませる沙織ちゃんと文字通り指を咥えて羨ましがる真奈子ちゃん。

 

「お兄ちゃんってば……うぇへへ」

 

 詩歌はだらしなく口を開けて、よだれを垂らさんばかりだ。妹にこんな表情をさせているのはどうやら俺らしいが、少しも得意げに振る舞える気がしないね。

 

「ふふふ、本当はあげはのテクニックなのに。まぁ、お子様達には夢を見させておいてあげましょう」

 

 あげはちゃんは長い黒髪をかき上げながら、俺にだけ聞こえるようにそう言った。違うけどね。まあ、あげはちゃんには夢を見させておいてあげよう。

 しかしなんでまた俺をアヘ顔させたことがこんなに自慢みたいになってるんだ?

 

「先生、わたしもぺろぺろしたいです」

 

 しゅたっと手をあげる真奈子ちゃん。俺は思わずへそを隠した。純真無垢すぎる君が本当に心配だ。

 

「えぇ~、わたしだけ駄目なんてズルいです」

 

 ちえ~っと唇を尖らせる。そんな顔されちゃうと困りますね。

 

「お腹が駄目なら、他のところでもいいですけど。どこが一番ドキドキしそうですか?」

 

 小首をかしげて上目遣いに聞いてくる。彼女とはすでに舌を舐められているわけで、それ以上の場所なんて……

 

「あ、今思いついたんですね、顔に出てますよ」

「いや、それは駄目! ダメ、ゼッタイ」

 

 俺はぶんぶんと顔を振った。何を考えているんだ俺は。いくら普段からそういうことばかり考えて執筆活動をしているからって。

 

「ダメですよ、それはあげは以外にしたら犯罪です」

 

 あげはちゃんだったら合法なのか……そんなわけがない。彼女は細長い手足に凹凸のない完全に子供なボディ。確実に犯罪だ。そしてあげはちゃんは口だけ番長だが、それは言葉だけは達者な人という辞書通りの意味であって、オーラルセックスが上手という意味ではもちろん無いのである。こんな当たり前すぎる解説必要なのかと自分でも思うが。

 いや、じゃあ真奈子ちゃんはスタイル抜群だからいいのかっていうとそういうことではないけどね?

 

 それにしても。俺は疑問に感じていた。

 なぜ彼女たちとえっちなことをしたら犯罪になってしまうのか……という疑問ではない。なぜ彼女たちがそれほど俺をドキドキさせたりしたいのかということだ。

 

「真奈子ちゃん、なんで?」

 

 俺は疑問をそのままぶつけた。恥ずかしがる顔が見たかったわけじゃない。その理由が小説の続きを書くためにとても重要な気がしたからだ。

 





いやー真面目な内容ですね~(どこがやねん)
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