女子小学生に大人気の官能小説家!?   作:暮影司

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血の繋がらない姉弟たちの情事

「よし。それでは二人とも、覚悟はいいか」

「「はい」」

「俺のお姉ちゃんとして相応しいか、試させてもらう」

「「はい」」

「「って、ええ!?」」

 

 すごいハモリっぷりだ。

 ふわふわ茶髪ロングヘアーのお嬢様、グラマラス小学生の清井真奈子ちゃんと、黒髪ショートヘアでボーイッシュ、超低温スレンダーガールの網走沙織ちゃん。

 この二人のどちらが俺のお姉ちゃんに相応しいのか。

 その戦いの火蓋が今、切って落とされる!

 と脳内に野太い声のナレーションが流れるが、その二人にはそのテンションがまるで伝わっておらず、ぽけーっと呆気にとられている。

 プロレスみたいにリング入場から始めればよかった。

 

 困惑している二人を見て、俺も困惑してきたところで、妹がおずおずと手を挙げる。

 

「あのー。どっちが姉に相応しいと思うか聞いたのは、私の姉という意味で、お兄ちゃんの姉という意味じゃないんだけど」

「んなことはわかっている」

「じゃ、じゃあなんで……ひょっとして、私のために?」

「んなわけないだろ」

「んんっ」

 

 意味のわからない事を言う妹をツッコむ。喜んでいるように見えるが、喜ぶ要素がない。妹のことは考えても無駄だ。人間の理解を越えている。

 

「俺が言いたいことは」

 

 何を言うのかと身を乗り出す小学生の二人。顔は真剣そのもの。それほどまでに詩歌の姉になりたいのか。変な妹なのに。

 

「詩歌の姉に相応しいのは、俺のお姉ちゃんとしても相応しい方ということだ」

 

 眉毛をキリッと上げて、シャキーンと本気の顔を見せる。俺は本気なんだ。俺はマジで女子小学生の弟になりたいんだ。もちろん個人的な願望ではない。女児向け作家としての職業的な成長のためである。

 

「ちょ、ちょっと待って」

 

 巨乳すぎるカメラマンが手を上げた。そこまで大きくはないのかもしれないが、女子小学生の身体を見慣れてしまったので。

 

「だったら自分もやる」

「「なっ!?」」

 

 小江野さんの提案にどよめく小さな女の子たち。なぜそんな提案を。そんなにうちの愚妹を妹にしたいのですか?

 

「オーディションを受けるのは自分だから、その練習」

 

 そういえばそうだった。そういう理由なら納得だ。

 真奈子ちゃんと沙織ちゃんは顔を見合わせると、一度頷きあってから、がっちりと握手をした。いつの間にか仲良くなったぞ。女の子たちの気持ちはよくわからないな。やはりもっと調査が必要だ。

 

「はいっ! はいっ! 先生!」

 

 突如、小学生のように手を上げる真奈子ちゃん。いや、正真正銘の小学生なのだが。授業中みたいですね。

 

「はい、清井さん」

 

 俺は教師もののアダルトビデオのように、下手くそな演技で真奈子ちゃんの発言を許可する。

 

「先生の本名はなんですか。しーちゃん先輩は教えてくれないんですっ」

「そういえば変態の名前は知らなかった」

 

 ふむ。そういえば教えていなかった。作家としては本名など知られても面白くないが、このタイミングであれば答えざるを得ない。兄のことをお兄ちゃんと呼ぶことはあっても、弟のことと弟ちゃんとは呼ばないからだ。つまり、姉を演じるために必要な情報なのだ。

 俺ももともとはエロゲーを本名でプレイするタイプ。ここは恥ずかしがらずに、答えるべきだろう。

 

「賢者と書いてさかひさだよ。ね、東方賢者(ひがしかたさかひさ)くん」

「なんで小江野さんが言っちゃうの!?」

 

 驚く俺。せっかく俺が気合を入れたのに。

 俺は自分の名前が恥ずかしいのだ。だって賢者だよ? 賢者モードだよ? 毎朝ヌイてから学校行ってるみたいだよね?

 詩歌なんて勉強全然しなくても楽しく生きればいいじゃんって感じの名前で羨ましい。

 

「ちっ」

「……ちっ」

「はぁ、はぁ、んっ、んっ」

 

 えっ、今舌打ちした? 沙織ちゃんだけじゃなくて真奈子ちゃんも舌打ちした? そんなに俺のツッコミ下手だった?

 

「そりゃ同じ学校だから知ってるよ……むしろペンネームを知らないんだけど。先生とか変態とかしか言ってないし」

 

 そういやそうだった。

 

四十八手足(よそやてあし)よ」

四十八(しじゅうはち)に手足でよそやてあし先生です。4本の手足じゃとても書けないくらい沢山の小説を書くという意気込みに溢れた素敵なお名前なんです」

「へー、そうだったの!?」

 

 えっ、そうだったの!?

 小江野さんより俺のほうが驚きだよ。そんなふうに思ってたんだ。いい名前だなー。俺はふざけて付けたつもりの筆名なのになー。手はともかく、足じゃ書けないけどなー。

 

「じゃあ、私から……」

 

 トップバッターは真奈子ちゃんらしい。沙織ちゃんは無言で頷く。沙織ちゃんがそれでいいのなら、それでいいのだろう。小江野さんも特に異論はない様子。

 

「では、こほん」

 

 これからお芝居に入るぞ、という意思表示の咳払いであろう。可愛らしいなあ。

 

賢者(さかひさ)くん、おいで」

 

 ソファーに深く腰掛け、俺においでおいでをする。うーん、これが姉なのか……。

 

 とりあえず隣に座る。なんかキャバクラ的な緊張感があるが、気のせいだろう。隣りにいるのはドレスを着たお姉さんではなく、女子小学生だ。

 

賢者(さかひさ)くんは、面白い小説をいっぱい書いて、偉いね」

 

 なでなで。

 頭を撫でられる。

 あぁ……

 俺がアンデッドだったら浄化されてしまうところだ。

 なんということだ、姉がいたらこんな感じなのか。あまりにも嬉しすぎて死にそうだ。しかしここは、弟らしさを出したいところ。

 

「そんなことねえよ。たいして面白くもないし、偉くもない」

 

 ぶっきらぼうに言ってみる。微塵も思っていない。

 

「んーん。そんなことあるよ。とっても面白いし、偉いよ。お姉ちゃんの自慢の弟なんだから」

 

 そして、頭はふとももの上に。いわゆる膝枕状態で、頭を撫でられる。あー、なんてこった。弟ってのはこんなに幸せなのか。そして女子小学生っていうのはこんなに甘えられる存在だったのか。マジ天使。

 その態度を表してしまったらおしまいなので、俺はあえてふてくされることにする。

 

「嘘だね。どうせ口だけなんだ」

 

 うわー。むかつく弟だぜ。俺だったら殴るね。しかしスラスラとセリフが出てくるあたり俺はさすが小説家だね。今度おねショタものに挑戦してみようね。

 

「ほんとだよ~。お姉ちゃんはね、賢者(さかひさ)くんの小説がだぁ~い好きなんだよ~。初めて読んだときから、大好きで、もう何度も何度も読んでるんだよ」

「ほんとかな」

「ほんとほんと」

 

 やっべー。もう死んでもいいね。口がにやけすぎて液状化して顔が無くなりそうです。本名を教えてよかった……

 

「な、なんというお姉ちゃんっぷり」

 

 声優科の小江野さんが驚くほどの演技力であるようだ。そりゃそうだ、俺はもう延長料金を払う気満々だ。世の中に借金が無くならない理由が今理解できたね。

 

「そんなもんでしょ。次は僕」

 

 おっともう終わり? 回転早いね? ってキャバクラじゃなかった。

 今度は沙織ちゃんがお姉ちゃんらしい。楽しみだなあ。

 どれだけ甘やかしてくれるのかと思ったら、やおら沙織ちゃんはソファーにうつ伏せに寝そべった。俺が座る余地はない。

 

賢者(さかひさ)ー。コーラ持ってきてー」

 

 リアル!?

 妹が買った雑誌なんかをなんとなしに見てる感じが超リアル。

 これはいわゆるリアル姉パターン。実際に姉のいる弟に聞くと姉ちゃんなんてそんないいもんじゃねえってとか言うやつらが言うエピソードの一つ。弟使いが荒いお姉ちゃんというやつだ!

 デニムのミニスカートから覗く長い素足が目に眩しく、ぴこぴこと無駄に上下に動かすところから目が離せない。

 

「あいよ、姉貴」

 

 何気なく言ったが、なんかいいぞ!? 女子小学生に姉貴とか言っちゃうのいいぞ!? 忠実なしもべとしての喜びを感じつつ、冷蔵庫とソファーを往復。

 

「ん」

 

 ありがとうとかお礼をすることはなく、ストローをずちゅーと吸う。ある意味普段どおりの沙織ちゃんなんだが、姉だと思うと気分が違いますね。

 

賢者(さかひさ)、マッサージして」

「へっ」

 

 当然だが、俺は妹にマッサージを依頼したりしない。

 そして沙織ちゃんは俺にお願いなんかしない。命令したほうが早いからね。

 しかし姉は弟に頼むものなのだろうか。

 沙織ちゃんがあまりにも自然な態度なので、姉とはそういうものだという気がしてくる。

 どこから揉んでいくか……胸、は無いから揉めない……ソファーの上で足をぴこぴこさせているところからすると足からやれということかもしれない。

 

「しょうがねえなあ」

 

 一応、弟っぽいことを言ってみる。

 はっきりいってしょうがないどころか全然やぶさかでない。

 

「ん」

 

 上を向いたまま止まった足を手に取る。小さい。

 足の裏からじっくりと指で押していく。

 

「……」

 

 なんと無言。

 まぁまぁ強めに押しているのだが、「痛っ!? 初めてなんだから優しくしてよぉ」とか「んっ……あっ……気持ちいい……もっと、もっとぉ」みたいな、いわゆるえっちと勘違いするようなセリフは出てこない。さすが沙織ちゃんだ。

 続いてふくらはぎを揉んでいく。

 まーなんともすべすべしていて、無駄な肉がないけど柔らかい。今度は弱めに、ソフトタッチだ。

 

「……」

 

 やはり無言。

 聞こえてくるのは、ぺらりぺらりという雑誌をめくる音と、俺と沙織ちゃん以外の三人が固唾を呑んでいる音だけ。

 ふくらはぎを揉み終わったので、指先だけのフェザータッチで膝裏をなぞる。

 もはや揉んでいないのだが、「ちょっ……なんか、触り方が、え、えっちっぽい……」などとは言わないのだ。さすが沙織ちゃんです。

 

「なるほど……」

 

 必死にメモをとる小江野さん。確かにリアルな姉としての完成度が高いとは思うが、無言の芝居なので声優として活かすのは難しいだろうな。勉強熱心なのかアホの子なのか……なんとなくどっちもな気がする。

 次はお待ちかねのふとももだ。

 片足を取って、ソファーに座り、膝を立たせてから太ももを身体に引き寄せると、とうぜんながらデニムのミニスカートがぱかっと開く。

 ま、やっぱり無言で見せてくれるのだろうし、とりあえず後学のためにチェックしておこう。女子小学生向けの小説を書く仕事をするからには、生の女子小学生のぱんつは見ておくべきだ。

 

「見んなバカ」

 

 げしっと素足で顔を蹴られた。なるほど、ここは蹴りが正解か!

 弟にぱんつなんて見られたってなんともないから、黙ってると思っていた俺はなんと浅はかなのだ。

 あっさりぱんつを見せてくれる姉より、「見んなバカ」と言って顔を蹴ってくる姉の方がいいに決まっている。

 

「な、なるほど……」

 

 小江野さんも感心している。やはりわかりますか。この素晴らしさが。

 

「え、何を見ようとしたの?」

 

 妹に質問する真奈子ちゃん。教えなくていいぞ。

 

「え? ぱんつ?」

 

 教えちゃったよ。なんで教えてんだよこの愚妹が。

 

「お姉ちゃんが見せてあげようか?」

 

 見せてくれるのかよ。さすが真奈子ちゃん! よくぞ教えた我が妹よ!

 

「見んなバカ」

 

 なるほど! さすが沙織ちゃん! もう一度蹴られてラッキー!

 さて、この二人ともが全然違いながらそれぞれに最高の姉だったことを受けて、曲がりなりにも声優志望はどんな演技をみせてくれるのか。

 

 小江野さんは遠くを見ながら「ごくっ」っと音を立てて喉を鳴らした。誰の目にも明らかなくらいに緊張しているようだ。大丈夫かよ……。

 





お気づきかもしれませんが、筆者には女姉弟がいません。
JSの姉さえいればいい、の気持ちで書きましたね。
このお題ならいくらでも書けそうな気がします。

次回予告

女子小学生二人の演技に影響を受けた声優志望の小江野忍琴は、負けてなるものかと出来る限りのお姉ちゃんっぷりを発揮する。しかし彼女はグラビアアイドルとして活躍できる身体であることを自覚していない……!

女子小学生に浪漫の嵐!
(新サクラ大戦をクリアしました)
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