女子小学生に大人気の官能小説家!?   作:暮影司

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ベッドの上で激しく出し入れ

 

「じゃ、始めて」

「始めて、と言われても……」

 

 沙織ちゃんが始めろと言っているのに、ただまごまごするばかりの小江野さん。そんなことで声優が務まるとでも?

 俺たちはリビングから移動して、現在は俺と詩歌の部屋だ。

 俺のベッドの上に小江野さんと沙織ちゃんが座っている状況。ここで始めろと言われたらそりゃあ……おっぱじめるしかないでしょう。え? 何を? よく考えたら俺も小江野さんと一緒で困惑です。

 

「姉妹なんていないし……」

「は? バカなの?」

 

 大きな胸の割に情けない顔をしている相手に対して、容赦のないセリフ。沙織ちゃんの方が声優に向いているのでは?

 そしてまた、これから何が始まるのかさっぱりわからない状況でありながら少しも動じることなく、ただ微笑を称えている真奈子ちゃんも大物の予感。

 しかし実の妹がいる俺でもこの状況でどうしていいかなんてわかりませんが。妹とベッドの上でやることって何?

 

「姉妹とかどうでもいいでしょ」

 

 なんと、どうでもよかった。

 そうだそうだ、当然だという顔で俺も頷いているが、本心は小江野さんと同様に動揺している。DOすんだYO!

 

「女の子を好きになった女の子の役を演じるんでしょ?」

「あ、そうだった」

 

 おお、そういやそうだったな。好きな女の子同士が義理の姉妹になるという話なだけだ。

 単純に好きな相手とベッドの上で何をしたいかということだ。うーん、なんでしょう? 官能小説家の俺には検討もつかないな。

 

「真奈子を好きな人だと思って、始めて」

「うーん、そう言われても……」

「なに? まさか男も好きになったことないとか?」

「いやっ、そのっ、なくはないけど……」

 

 両手の指をくっつけて恥ずかしがる小江野さん。

 それを冷ややかに見つめ、失笑する沙織ちゃん。

 そのやりとりを、菩薩のように見守る真奈子ちゃん。

 俺はなんとなく腕を組んで考える素振りを見せるが、何も考えていない。ふーむ……。

 

「ま、真奈子ちゃんはどうかな。好きな人いるのかな?」

「いますよ」

 

 即答だ。

 小江野さんはちょっとだけ驚きつつも、助かったと安堵を示している。

 

「じゃあその好きな人としたいことを、自分にもしてくれるかな」

「はい、わかりました」

 

 素直だなあ。いい子だなあ。

 そんな真奈子ちゃんは、好きな人に何をするんだろう。

 

「じゃ、舌を出してください」

「へ? 舌?」

 

 小江野さんは、検討もつかないことを言われた困惑しつつも、んべっと舌を出した。ふーむ、グラビアアイドルが舌を出すとなんかこうスゴイですねぇ……。

 それにしても舌なんか出させていったいぜんたいどうするつもり? ふえぇ、ぼくは児童向けの小説家だからこんなとき顔射くらいしか思いつかないよぉ……。

 

「ぺろ」

「んん!?」

 

 舌を舐められた発育のいい女の子は、驚きのあまり刮目した。まぁそうだよね。俺もなにかに目覚めそうです。

 一方、網走プロデューサーは当然のことが起きただけという態度でなんということもなく目を閉じた。これは予測の範疇なんですね? 敏腕すぎますよ。

 

「ぺろぺろ」

「あ、ああ……」

 

 ああ……女子小学生から一方的に舌を舐められるとこうなるのか………小江野さんはベッドの上でぺたんと座ったまま、出した舌を引っ込めることもなく、ただただ呆然としているばかりだ。

 全身から力が抜けて、どこか遠くを見ている。

 おそらく生まれて初めての経験なのだろう。

 俺が初めて舌を舐められたときはびっくりしたものだ。

 

「ぺろ、ちゅっ」

「んん……」

 

 ちょっと舌を吸っただけ。

 吸っただけなんですね。

 真奈子ちゃんはあのときも舌を舐めただけのことだとあっさり言っていたが、今回も初対面の年上の同性相手に平然としたものだ。

 あのときはなんかドキドキした、と言っていたが……今は淡々と、事務的に。本当に舌を舐めているだけ、吸っているだけという感じ。

 沙織ちゃんは静観しているし、小江野さんもされるがままだ。

 ふーむ、舌を舐めあうという行為をキスよりエロいと思っているのはこの世で俺だけなのかもしれない。

 

「れろれろ」

「ああ……」

 

 舌を絡ませただけ。

 絡ませただけですよ。

 焦るんじゃない。

 俺はただ、美少女たちが舌を絡ませてるのを見ているだけだ。

 そんな冷静を装う俺の隣から、困惑の声が。

 

「やりすぎ、のような気が」

「やっぱり!?」

 

 網走ディレクターの意見に賛同です!

 うすうすそうじゃないかと思っていましたが、それを言えずにいました!

 さすが沙織ちゃんだ! 俺の言えないことを平然と言ってのける!

 

「真奈子ちゃん、ストップストップ」

「はへ」

 

 真奈子ちゃんは、舌をしまうと口の周りをハンカチで拭いた。

 小江野さんは、舌を出したまま放心状態だ。遅すぎたんだ!

 

「小江野さーん! 小江野さーん!」

「はっ……自分は一体……」

 

 背中をぽんぽんと叩いてあげたら、なんとか目に光が戻った。あぶねー、あやうく昇天してしまうところだった。

 しかし、ここまでの状態にしてしまう真奈子ちゃん、おそるべし……。

 完全に事後という状態の二人を見た沙織ちゃんは、ふむんと息を漏らす。

 

「正直なところ、ぼくが読んでる小説にこういうシーンはなかった」

「だよね」

 

 あったらやばいよね。俺が言うのもなんだけどね。こういうシーンばっかり書いてるけどね。

 

「でも……なんかイイ気がする」

「えっ」

 

 驚いて沙織ちゃんの顔を覗き込むと、少し頬を赤らめている。沙織ちゃん? 目覚めちゃったの?

 

「それで……わかったの?」

「へっ!?」

 

 沙織ちゃんの質問に答えられない小江野さん。何をやっているんだまったく。それで、なんのことなんでしょうね。

 

「真奈子が好きな人としたいことをしてみて、とリクエストしたのはおっぱいでしょ」

「あ、うん。そうだね」

「……」

 

 無言で見つめる沙織ちゃんだが……

 

「えっと、よくわかんなかった……あはは」

 

 笑ってごまかすとはなかなかやるね。俺には無理。

 

「……」

「あはは……ごめんなさい」

 

 ごまかせなかったようだ。やっぱりね。

 

「うーん、なんていうか、男の子ともしたことないことだったから、違いがわかんないっていうか……」

「じゃ、変態と同じことしたら」

「え!?」

「ええ!?」

 

 沙織ちゃんの命令は絶対とはいえ、それはヤバいのでは!?

 いや、それよりも。

 

「小江野さんは、嫌だろう……」

 

 俺と舌を絡ませたいと思うわけがない。

 諭吉を三枚ほど渡してようやくってところじゃないだろうか。ホテル代、別で。

 

「うう……」

 

 目をぎゅっとさせ、俺のベッドの上でシーツを握る小江野さん。ますますホ別三万という雰囲気が漂ってくるのでやめて欲しい。

 

「はいっ、私は嫌じゃないです」

「え!?」

 

 なぜか真奈子ちゃんがしゅたっと手を上げた。

 

「ぼくも嫌じゃない」

「ええ!?」

 

 腰のあたりで小さく手をあげたのは沙織ちゃんだ。どういうことなの。

 

「じゃ、じゃあ、自分も」

「「どうぞどうぞ」」

「ダチョウ!?」

 

 まさかそう来るとは。網走ディレクターはバラエティ番組もできるんですね。さすがです!

 

「じゃ、座って」

 

 とりあえず沙織ちゃんの指示に従う。

 なんか緊張しますね……。俺の緊張をほぐすために監督は全裸になるというのはどうだろう。いや、沙織ちゃんがパンツ一丁でカメラ持ってたら、もっと緊張するな。

 

「真奈子、手本を見せて」

「がんばります」

 

 ぐっとガッツポーズを見せる真奈子ちゃんは、俺の前に立つと、そのまま俺の膝に乗った。なにこれ、なにこれ!

 

「失礼しますね、先生」

 

 そのまま俺の首に両手を回す。これじゃ完全におっぱいパブだよ! やばいよ!

 しかし、そんなこと言ったらここで三人におっパブについて説明するというのも地獄なのでここは黙っておこう。

 

「ちょ……本当にするの?」

 

 焦ったように言う小江野さんだが、実は真奈子ちゃんに舌を舐められることはすでに経験済みなので、この行為がヤバいものだということになるとマズいのだ。

 

「お前のオーディションのためだしな」

「賢者くん……」

 

 そう。これはすべて小江野さんの芝居のためなのです。表現者として俺にできることならしてあげたい。そのためなら可愛い女子小学生に舌を舐められるくらい、全然大丈夫なんですよ。

 

「んべー」

 

 目の前の少女が舌を出したよ、可愛いね。

 

「えっ? 俺からすんの!?」

 

 されるものだと思ってたら、俺がするとは!?

 されるならともかく、俺からいっちゃったらマズくない!?

 

「なにか問題でも?」

 

 沙織ちゃんが小首をかしげる。

 そうだそうだ、何を言っているんだ俺は。舌を舐めるだけだ、なんの問題もなかった。あぶないあぶない。

 

「じゃ、じゃあ……」

 

 細い肩に手を置くと、真奈子ちゃんは目を閉じた。

 うう……なんかキスするみたい……。いや違います。キスなんかじゃないです。ただ舌を舐めるだけの安全で健全な行為だった。

 キスよりエロいと思ってるのはこの世界で俺だけ! 官能小説の読み過ぎでおかしくなった俺だけ!

 女子小学生の舌を舐める、ヨシ!

 

「ぺろ……」

「んっ」

 

 びくん、と身体を震わせて悩ましげな声を出す真奈子ちゃん。なんかイケないことをしているような気がするからやめて欲しい。

 

「ちろちろ」

「はあっ、んっ」

 

 あえぎ声のような声を出さないでくれないかな……さて、がっつり舌を絡ませるか。

 

「れろれろれろ」

「んんんん」

 

 真奈子ちゃんの表情はさっき小江野さんとしていたときとはまるで違うものだった。

 まるで恋人と前戯をしているような表情だが……いや、気のせいだな。やれやれ、官能小説家の悪い癖だ。なんでもエロく感じてしまう職業病ってやつだね。

 

「ふー。よし」

 

 こんなもんか。舌をしまって身体を離す。

 

「はぁ、はぁ……」

 

 目をとろん……とさせた真奈子ちゃんは、舌を出したまま息を整えていた。エロ……くない。まったくエロくない。

 

「通報したほうがいいんじゃ……」

「そうだね」

「ちょっと!?」

 

 スマホをしまえ!

 俺はただ、女子小学生と舌を絡ませただけなんだ!

 

「いや、これは自分のためだった、気がする」

「ぼくがやれって言ったことだった、気もする」

「そうだよ!」

 

 あぶねー。

 絶対無罪だとは思うが、通報された時点でヤバいからな。

 

「じゃ、じゃあぼくも」

 

 おずおずと恥ずかしそうに、俺の膝の上に乗ってきた。

 通報しようとしてたとは思えない。

 おずおずとおっかなびっくり舌を出す様子を見ていると、なんかイケないことをしているような気がしてドキドキしますね。

 でも、女子小学生と舌を絡ませるなんてことは、俺はもう慣れたもんですよ。

 

「んっ」

 

 彼女の舌に俺の舌を当てただけで、目をぎゅっと閉じて身体を縮こませた。感じているのかな……。

 舌を絡ませると、サイダーの味がした。

 

「ふうんっ」

 

 ぎゅっと抱きつかれる。

 急に顔が近づいたので、沙織ちゃんの舌が俺の口の中に入ってきた。せっかくなので吸ってみる。

 唇も触れ合うが完全に塞ぐ形になり、女子小学生の口の小ささを感じる。

 

「あー! ちょ、それキスじゃないですかー! ずるい!」

 

 真奈子ちゃんが何やら抗議をして、沙織ちゃんは俺の膝から強制退去。

 そうか、キスはしちゃったらマズかったのか。難しいですね。

 

 沙織ちゃんはへたりと力なく倒れた。腰砕けというような感じ。

 真奈子ちゃんは、珍しくぷんすか怒っている。

 そして、小江野さんは両手で顔を覆っていた。おいおい、何やってんだ。

 

「小江野さん、ちゃんと見てた? お手本だよ?」

 

 俺がベッドの上でそう言うと、彼女はとんでもないことを言った。

 

「そ、そんなえっちなこと、恥ずかしくてできない……」

 





今日関東はすごい豪雪です。
JS達がスキーウェアで雪だるまを作っていました。

桜を見ながら花見酒
雪を見ながら月見酒

今日はどちらもできるわけですが、
JS酒が一番美味しいかもしれませんね。

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