女子小学生に大人気の官能小説家!?   作:暮影司

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身も心もモンスターに

 大人の階段、の~ぼる~。

 古いボロアパートの、二階へと続く錆びた階段を登る。これほど緊張することはない。前回来たときは、お守りとしていざというときのために持っていたものを、今回は使う気満々で持ってきているわけで。

 

 ブー

 

 インターフォンなんて無く、ただ押したら音がなるだけのブザー。事前に到着する時刻は伝えてある。

 

「はーい、いらっしゃいませ~」

「おおう……」

 

 小江野さんは、ちゃんと女教師らしい格好で待っていた。薄いグレーでタイトなスカートのスーツだ。メガネはかけていない。

 ってか、でっか……。

 女教師の格好って、胸の大きさやらお尻の形やらくっきり出るし、太ももの露出も大きいよな……。

 

「どうしたの?」

「ちょっと見とれてしまいました」

「……そ、そう」

 

 長い髪をファサッと掻き上げた。いつもはポニーテールだが、女教師らしくするためにほどいている様子。本気を感じるね。こっちも頑張らないと!

 靴を脱いで彼女の部屋へ。このアパートは1DKで、玄関かつキッチンかつダイニングの他には六畳の和室とユニットバスしかない。

 前回来たときはエロゲーをするだけだったが、今回は違うぞ……。

 

「さ、さて。これが台本なんですが」

「お、おう」

 

 お互い緊張していることがミエミエだった。

 これからエロゲーのシナリオに書いてあることと、同じプレイをするんだからね。

 

「ここからが、そ、そういうシーン」

「お、おう」

 

 どきどき……。

 まずはちゅーかな。ちゅーをするのかな。女子小学生と舌を絡ませるだけとは違うからな……どうしよう……。

 

「にゅるにゅるにゅる……?」

「うん……」

 

 口づけじゃなく、ベロチューなのかな? だとしても、いくらなんでも舌を絡ませすぎでは?

 

「っていうか、こいつ何?」

 

 セリフが「きしゃー!」とかなんだけど。

 主人公は普通の学園の生徒だったはずだが?

 

「触手だって」

「え? なんで?」

「ファンディスクは異世界のエピソードなんだって」

「なんでだよ!?」

 

 でた、そういう余計なことをするやつ!

 いいんだよ、ファンディスクも学園で! せいぜいプールとか温泉とか行けば十分だって! なんで異世界に行くんだよ!

 

「だから、賢者くんは、触手モンスターをやって欲しいんだけど……」

「……」

 

 なんてこった……。

 まったく想定していませんでしたよ。俺が、触手。え? 俺が触手なの? どうやるの?

 

「やっぱり無理だよね。ごめん、この話は」

「待て。待って」

 

 この話はなかったことに。それは避けたい! それだけは避けたい! こっちだって準備してきてるんだ。二日も一人でするのを我慢しているんだ!

 

「俺は小説家だぜ? 触手だって余裕だ」

「さっすが、賢者くん」

 

 男には、ハッタリをかまさなければならないときがある。今です。できない、じゃないんだよ。やるしかないんだよ。

 とりあえず台本を読む。

 うん。触手だね。他にあまり言うことがないね。みなさんがよくご存知の触手です。どうすりゃいいんだ。

 

「しかし、これをやるとその服がべっとべとになっちゃうけどいいのか?」

「うーん。できれば服を着ている間はぬるぬるしないでやってもらって、その後、服が溶けたシーンからは脱ぐから、そこからぬるぬるしてもらえる?」

「わ、わかった」

 

 とりあえず彼女が後で服を脱ぐことがわかった。やるしかない。俺が、俺こそが触手だ。

 

「じゃ、じゃあやるよ」

「よ、よろしくおねがいします」

 

 深呼吸。

 格闘家が闘う前にやるように、手をプランプランさせ、肩、足を振る。体を柔らかく、やわらか~くするんだ。

 そして気持ちを触手に……俺は触手……俺は触手だ……。

 

「うにゅる、うにゅる!」

「す、すごい。役者だね、キミは」

 

 別にタコではないのだが、口がタコになる俺。なんとなく、その方がやりやすいと思った。そのへんを高く評価してくれているのだろうか。

 

「うにゅるー!」

 

 俺は彼女に襲いかかった。設定を遵守するため、二人とも立っている。

 左足は、彼女の股の間。左腕は左脇から、右の肩へ。右腕は、右脇から左の肩へ。

 

「くっ!」

 

 触手に絡まれたら「くっ!」ですよね。女教師もいいけど、ビキニアーマーも似合いそうだよ、小江野さん。

 

「うにゅる、うにゅる~」

「くうっ」

 

 両腕で、彼女のバストをきつく縛りあげる。抱きしめる。長い髪から、シャンプーの匂い。

 

「うにゅ、うにゅ」

「ううっ。結構痛い」

「あ、ごめん」

「いい、いいの。続けて」

 

 痛みを芝居に活かすらしい。なんて立派なんだ……なんて立派な胸なんだ……腕に重みを感じる……。

 触手らしさを出すため、きつく抱きしめながらも、腕や脚は動かしている。ぷにぷにしてるし、ぽいんぽいんしている。しゅごいよう……。

 

「これが触手なんだ……」

 

 どうやらわかってくれたみたいです。そうです、俺が触手です。

 お尻やら胸やらをぐいぐい締め上げます!

 

「ん。だいたいわかった」

「じゃ、じゃあ?」

「うん、そろそろ服を溶かそうか」

「うにゅるー! ぷっしゃー!」

 

 俺は服を溶かす溶液を吐き出した!

 触手になった俺は無敵だ!

 

「じゃ、脱ぐから」

「あ、はい」

 

 女性が服を脱ぐところをマジマジと見ることは少ない。マナーとしては見ないのが正しいのだろうが、俺は触手。俺が溶かしているわけなので、むしろ見ないといけない。ごくり……。

 タイトスカートを脱ぐ仕草、ブラウスのボタンを外す動き。それを俺が見ているということを意識しているのか、気にしないふりをしているのか。どちらにしてもいいですね。

 さて、都合よく下着以外が溶かされました。ランジェリーは紫です。しかしスタイルがすっごいな……。

 素敵ですね、色っぽいですね、可愛いです。似合ってますみたいなことを言いたい。

 

「にゅる、にゅるにゅる」

「そう? ありがと」

 

 もはや触手語で会話が成立するようになった。

 恥ずかしがりながらも喜んでいる。

 

「で、ぬるぬるってどうやるの?」

「にゅる!」

 

 俺はキッチンの方に移動。シンクの下を指差す。

 

「なるほど、サラダ油か」

「にゅる!」

 

 本当はローションがあればよかったのですが。

 

「じゃあ、お風呂場だね」

「にゅるにゅる」

 

 畳が油だけになっちゃうのは困るもんね。

 

「キミも脱ぐよね」

「にゅる!」

 

 体中に油を塗りたくらないといけないからね。俺も下着だけになりましょう。

 サラダ油を持ってお風呂場へ。

 

「ぬりゅぬりゅぬりゅ~」

「わぁ~」

 

 肩、首から胸と油を塗る。てっかてか!

 

「にゅるる!」

「よっしゃ、こい!」

 

 小江野さんの気合は十分です!

 体を密着させつつ、まずは太ももを。

 

「んっ」

 

 ぬる~り、ぬる~り。今度は手を使って揉む。ふーむ、ぱんつ姿のお尻が目の前に……ちょっと手を差し込もう。それが触手の本能。

 

「あんっ」

 

 いい反応だ……さぞかしいいエロゲーになるだろう。

 っていうか生尻の弾力すごいな。ぷりんぷりんにも程があるでしょ。

 

「にゅる、にゅる」

「ひん、ひんっ」

 

 油を追加して、お尻と太ももをたっぷりと、ねちっこく触る。

 ……そういえば、もともと俺には触手みたいなものがあったな。

 

「ねろり」

「ひゃー!」

 

 へそのあたりを舐めた。

 くすぐったさに身をよじる。いいね。触手されてる感じ、出てますよ!

 にしてもウエストすごいなー。くびれてるなー。

 

「ねろねろり」

「くっ、んっ」

 

 味もいいですね~。桃みたいだ。

 こうなると尻も味わいたいぜ。

 

「ねろねろねろ」

 

 うえっ!?

 んだこりゃ、油舐めてるみたい! 気持ち悪!

 

「ぬりゅ!」

「ひあっ!?」

 

 いらっとして尻を叩いた。油まみれなので、ぬりゅんって弾む。ふーむ、マジで触手じゃん。

 

「ぬるぬる」

「くっ……先生は、諦めませんよ」

 

 ちゃんと芝居を続ける小江野さん。偉いなあ。俺はただ触手なだけなのに。

 

「ぬにゅる~、ぬにゅる~」

「ううっ。あっ」

 

 首を舐めながら、胸にも触手の魔の手が。ブラジャー越しにもわかる、たわわな胸。すっごいなあ。

 うーむ。

 触手的にはもっとブラの紐の間や、ブラの中にも触手を入れていきたいのだが、俺の触手レベルが低いばかりに。くそっ、もっと立派な触手になりたいっ。

 仕方がないので、やむを得ず、ブラジャーの上から揉むだけにする。

 

「ぬにゅる!?」

 

 すっご……なんじゃこりゃ……これが、おっぱい……?

 

「ぬにゅる、ぬにゅる~。ぬにゅるぅ~」

「ん、ん、んんっ」

 

 もう、夢中です。なにこれ。ずっと触っていたい。

 

「ぬにゅる……ぬにゅるぅ~」

「あ、あ、あ、んっ……だめっ」

 

 なんか、声がエロくなってきました!

 いいぞいいぞ、俺はこのまま触手を……!

 

「あ、これだっ! この声! これが使えるっ!」

「ぬにゅる!?」

「ちょっと、どいて」

「ぬにゅるー!」

 

 俺の触手の気持ちが!

 まだ消化不良なんだけど!?

 小江野さんは、風呂の外に置いておいたスマホを手に取る。

 

「今の声を録音して……あ、あ、あ、んっ、だめぇっ」

 

 すげえ!

 さっきよりエロい!

 天才だ!

 

「ぬにゅるー!」

「あ、シャワー浴びてきてね」

「ぬにゅる……」

 

 油を落としたら、触手ではなくなってしまう……まだ俺にはやり残したことが……。台本には、上の口と舌の口にも触手が入るシーンが……。

 

「触手の感覚……うん、わかったぞ」

 

 ……どうやら、もう終わりのようです。うにゅる……。

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