女子小学生に大人気の官能小説家!?   作:暮影司

70 / 105
プレゼントは男の夢

 広いバルコニーから、夏の終りを感じさせる、爽やかな風が入ってくる。

 会場ではゆったりとした音楽が流れ、ときおりカチャカチャとカトラリーを動かす音が聞こえるという、優雅な食事の時間だった。

 一人の長すぎる……いや、ありがたすぎる演説のような感想を除けば。

 

「それで、ここのご主人さまの描写ですよ。すごい。すごすぎる。こんな表現がこの世にあったなんて」

 

 あるある。全然ある。

 それにしても、小江野さんは食欲全開だ。さっきフォアグラ丼を食べていたのに、今度は真鯛のカルパッチョ丼を食べている。そこまで白米大好きだとすると、俺が初めてアパートに行ったときに酢豚とバケットとトムヤムクンが出てきたのは、結構無理をしていたのかもしれないな……。

 美味しそうにぱくぱくと食べている姿は健康的で、見ているだけでも嬉しくなってしまうな。肉棒も食べて欲しいですね!

 

「そしてメイちゃんが~、ここでまさか泣いちゃうとは。こっちも泣きそうになりました!」

 

 それ本当は泣いてるんじゃなくて、濡れてるんだよね。濡れ濡れになってんだよね。

 あげはちゃんは当然それがわかっているが、まったく気にせずにぶどうジュースを味わっていた。飲む前に鼻をワイングラスに近づけて香りを愉しんだりしてるけど、それ本当にジュースだよね?

 表情は大人っぽいが、彼女はまだ小学五年生だ。まぁ、この前初潮が来たからもうオトナと言えなくもないですが。どんどんオトナにしてあげたいものです。

 

「ここで今回登場したヒロインのフミですね。フミは完璧すぎませんか。こんな人いないでしょ」

 

 編集です。編集の富美ケ丘文乃(ふみがおかふみの)女史がモデルです。全然完璧じゃないです。

 ギャルのももきゅーちゃんは、スマホで写真を撮っていました。自分以外写っているのか心配になるような写真を。ポーズはキマっていますが、ここで撮る必要があるのでしょうか。

 それにしても表情が豊かだな。笑顔だけでもすごいバリエーション。アヘ顔も見てみたいですね……ぜひ撮影したいと思います。

 

「ここでご主人さまは、メイド達を何気なくねぎらってくれるところもスマートで好きですね」

 

 セクハラだけどね。全然スマートじゃなくて、いろんなところを触るために適当なこと言ってるだけなんだけどね。

 感想を聞いているのかそうじゃないかわからないが、おとなしくしているのがJKの瀬久原柑樹。ポーカーフェイスだと、なおさら顔面偏差値の高さがわかります。

 柑樹は小説に出てくるメイドよりも、遥かにセクハラを許容してくれる夢の存在だ。テーブルの下に潜っていたずらしてみようかしらん。

 

「とにかく最高、最高でした。この世で一番面白い小説です!」

 

 ありがとうございます! なんにせよ、読んで喜んで貰えればそれほどありがたいことはない。

 そこで、「んなわけねーだろ」と言わんばかりにジトーっとした目で真奈子ちゃんを見ているのが、網走沙織ちゃんです。うん、書いた本人もこの世で一番ではないと思いますけど、そこは許してくれませんかね。

 目が合うと、一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにぷいっと顔を反らされてしまった。いや、ひょっとして弱点の耳を見せてくれているのかな? 舐めたほうがいいのかな?

 

「ふ~」

「あー、ありがとね、真奈子ちゃん」

 

 ようやく一息ついて、炭酸水を飲む真奈子ちゃんにお礼を言う。

 

「いいえ! 本来なら三日三晩語り尽くしたいところなのですが」

「十分、十分だから」

 

 十分どころか百分くらい有り余っている。

 

「誕生日プレゼントのつもりで、絶賛してくれたんだよね」

 

 労をねぎらうつもりで言ったが、真奈子ちゃんは大きな二重のおめめをぱちくりさせる。

 

「それはこれからです」

「あれ、そうなの?」

「当然です。これからみんなでバースデープレゼントを渡しますよ!」

 

 その声で、みんなが一気に反応。それぞれが好き勝手していたことをやめた。

 

「やっとか」

 

 沙織ちゃんはキレイにラッピングされたプレゼントの箱を取り出した。

 

「あら、網走さんは先生にプレゼントを渡したくてうずうずしてたのですか」

「なっ! んなわけないでしょ!」

「どーだか」

「ちっ」

 

 この二人いつの間にこんなに仲が悪くなったんだ……?

 さっきもバチバチしてたしな……。

 

「では、網走さんは最後ということで。最初はももきゅーさんからにしましょう」

「ふん」

 

 仲良くして……仲直りのキスしよ? あれだったら三人でしよ?

 

「アタシからかー。ちょーっと時間かかるけど、いーい?」

「時間が? まぁ、大丈夫ですよ」

「じゃ、ちっと準備してくんね」

 

 ももきゅーちゃんは、手をふりふり出ていった。

 待ってる間に他の人が渡すようなことはしないようだ。

 

「なにあげるんだろうねー?」

 

 小江野さんは期待で胸を膨らませているようだ。もともとすっごく膨らんでいますが。ほんと、でっか……。Tシャツがもうパンパンですよ、パンパン。

 しかし女子小学生のギャルが俺のような知り合ったばかりの年上の男に何をプレゼントしてくれるのか。まったくもって皆目検討もつかない。あげはちゃんなら予想できるのですが。電動オナホとかでしょ?

 あげはちゃんがくれそうなプレゼントを考えて待っていると、スピーカーからハッピーバースデーな歌が流れる。

 

「ん?」

「へ?」

「どういうこと?」

 

 さっきまで料理を運んでくれていたスタッフが、大きな箱を台車に乗せてやってきた。どこにも、ももきゅーちゃんがいない。別にこの曲を歌っている、というわけでもない。なぞなぞかな?

 二人のスタッフが、箱を地面に置いて一礼し去っていく。

 とりあえずプレゼントが届いたので、開けるしか無いだろう。みんなも何が入ってるのか気になるようで、視線で急かされる。

 しかしなんだろ、コレ。1辺が1mくらいある箱だ。特大のケーキかなにかかな。インスタ映えするような?

 

「じゃ、開けるよ……」

 

 両手で蓋を開ける。

 ぱたりぱたりと壁の部分も倒れて、中身が現れた。

 

「じゃーん」

「なっ!?」

「うわー」

「これは」

「ひゃー」

 

 そこに居たのは、誰でもないももきゅーちゃんだった。

 ただし、全裸にリボンを巻いた状態の。いわゆるひとつの「プレゼントはわたし」ってやつに見える。

 なにこれなにこれ?

 ギャルの中で流行っているの?

 ティックトックとかではこういうのが見れるのですか? ダウンロードしたほうがいいかな?

 それはそうと、どういうことなのか確かめましょう。

 

「ももきゅーちゃん、これはどういうことでしょうか?」

 

 丁寧な物言いになってしまいますね。リボンだけ状態のギャルに会ったことがないので、言葉遣いが難しいのです。そもそも意図がわからないので、これをえっちな目で見ていいのかどうかがわかりません。リボンは赤と金のもので、胸や股はちゃんと隠れていますが、かなり露出度が高いです。えっちです!

 

「アタシがプレゼント」

「まじですか!?」

「とんだ伏兵が」

 

 あげはちゃんもびっくりのようです。

 

「わー、かわいー」

 

 能天気に笑っているのは小江野さんだ。無邪気にパシャパシャ撮影している。後でくださいね。俺には邪気があるけど。

 

「も、ももきゅーちゃん、これは一体」

「アニキに相談した」

「なるほど」

 

 秒で理解した。

 おそらく「(おとこ)の欲しいプレゼントといえばリボンラッピングでわ・た・しに決まっているじゃないでござるかムホホ」みたいに言ったのだろう。百パーセント賛同しかないぜ。

 だが、仮に我が妹の詩歌が俺に、年上男子へのお誕生日プレゼントを相談されたとき、このアイデアを伝えられるだろうか。俺は渋谷兄には遠く及ばないことに気付かされます。

 

「だから、ほら」

「ん?」

 

 開いた箱の上で両手を広げるプレゼントのJS。どういうことでしょう?

 

「召し上がれ」

「め、召し上がれ!?」

 

 ちょっとアニキさん!? どこまで説明しているの!?

 

「え、さすがに食べるのはちょっと……」

 

 真奈子ちゃんはドン引きだ。うん、そうだよね。召し上がれって言葉をそのまま食料として食べると思っているんだよね。メイのことを食いしん坊だと思うわけだぜ!

 

「ほんとだよね」

 

 沙織ちゃんも同じ意見だそうです。仲良くなってくれて嬉しいです。

 

「や、アタシを食べて、っていうのはそういう意味じゃなくて」

「わー! わー!」

 

 それは教えなくていいんです!

 この二人は知らなくていいの!

 っていうか、ももきゅーちゃんはマジでオッケーなの?

 

「どうぞ」

「どうぞと言われましても……」

 

 いくら俺でもここで「いっただきま~す」とルパンダイブしたりはしないのですよ?

 そこでいままで完璧なまでにずっと満面の笑みだったギャルの表情に陰りが。

 

「ひょっとして……アタシ、魅力ない?」

「な、なななな、そ、そんなわけないよ~」

 

 ギャルの悲しそうな顔、ヤバい。摩訶不思議な罪悪感がある。

 

「かわいくない?」

「か、かわいいよ!」

「じゃあ、子供だから? 小学生は女の子として見てくれない?」

「いやいやいや、そんなことないよ! 六年生は女の子だよ!」

「じゃあ、なんで何もしてくれないの?」

「するするする!」

 

 俺は彼女を一度抱きしめると、そのまま唇を奪った。

 

「わー」

「六年生は子供じゃない、女の子……」

「いい度胸してるね変態」

「くちゅくちゅくちゅくちゅ」

 

 とりあえず今は舌の感触を味わっているが、背後からはとてつもないプレッシャーを感じる……。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。