女子小学生に大人気の官能小説家!?   作:暮影司

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少女の甘美な言葉で男は熱くほとばしる

 

 編集部からファンレターの入った小包が届いた。

 第一巻を読んでくれた読者からの。ありがたい。全部で八名分だ。

 可愛らしい便箋に、可愛らしい文字で、可愛らしいイラストまで描かれていたりして。書かれていることも、大好きですとか、何度も読んでいますとか、メイちゃんカワイイとか。感想そのものが可愛いですよ。小学生、中学生らしい感想ですよ。

 そりゃあ、もちろん嬉しいよ。嬉しすぎて頭がどうにかなりそうなくらいに。

 

 ただ。

 ただね、正直なところは一通のメールの方がもっと嬉しい。

 イラストもない、絵文字もない、ただの電子メール。ただそこに書かれているのは俺にとっては宝物だ。

 

『いただいた名刺のメールアドレスに感想を送ります、小和隈(こわくま)あげはです』

 

 あげはちゃんは俺が滑り込ませたメアド宛に感想をくれたのだ。今どきの小学生はメールも打てるらしい。パソコンからかスマホからかはわからないけど。

 

『さっそくですが、この作品を読んでいると初めての感情がわいてきます』

 

 ここまでは、他の子たちの感想とそれほど変わらない。ただそのときの感情には少し違いがあると思われるね。さて、ここからが本番だ。

 

『メイちゃんと同じことをしてみたいような、怖いような気持ちです』

 

 文章は普通だが、意味としてはとんでもないことが書いてある。要するにド変態の男からド変態なプレイを強要されたあげく処女を捧げたいという意味だ。他の子はよくわかってないからあっけらかんと似たような感想を書いているんだよね。それはそれで罪悪感があるのだが、あげはちゃんは恐怖心を感じているだけガチなんだよね。大人の階段はまだ登っちゃ駄目だよ!

 

『でもメイちゃんよりご主人さまの方が好きです。ご主人さまの気持ちになると、おまたがムズムズしてきます』

 

 ちんこが無いからムズムズするだけなんだよ。くそっ、もし今一つだけ願いが叶うならば彼女に男性器を付けてあげたい。きっとムクムクするだろうね。そしてドピュッピュするわけですよ。くう~っ、なんであげはちゃんは男子高校生じゃないんだ!

 

『なんであげはにはおちんちんが付いてないんだろう。付いていたらページをめくるたびに射精していたのに』

 

 本当だよ。おちんちんが付いてたら良かったのに。何度もヌキましたって言って欲しかったよ。ただね、普通に男性にだけ読まれていたらこの感想は来なかっただろうね。そう思うと感慨深いものがある。

 

 そしてこの最後の一文。

 

『この小説で、あげはの心のちんぽはフル勃起です』

 

 心の! ちんぽは! フル勃起!

 心のちんぽはフル勃起だよ!?

 なんという感想だ。女子小学生から貰える感想の中ではこれを超えるものがある気がしない!

 

 このファンレターは何度読んでも歓喜に打ち震えてしまう。熱いものが滾ってしまう。俺の心のヴァギナがぐちょぐちょですよ。うーん、あげはちゃんの表現に勝てないな。作家なのに文章で勝てない。くやしい、でも嬉しい! もうどうにでもして!

 

「うをー! もうどうにでもして!」

「ちょ、お兄ちゃん?」

 

 おっと、妹が普通にいるのに声をあげてしまった。

 俺たちはいまだに六畳の子ども部屋で生活している。一応机とベッドはアコーディオンカーテンによって仕切ることが出来るが日中は開けっ放しだ。

 チェアをくるーっと回して、パソコンから妹の方へ身体を向ける。

 

「いや、そのな? ファンレターを読んでいたら嬉しくてな?」

「あー、うんうん。それは嬉しいでしょーね」

 

 首を縦に振って共感してくれる詩歌。サイドポニーが揺れた。こいつはしょっちゅう髪型を変える。

 学校から帰ってきたらすぐに制服を脱いだら良いと思うが、夕方に風呂に入るからという理由で着たままだ。まぁ今のうちに着ておいてもいいかもな。普通は今のうちしか着れないから。大人になってから着る学生服はメイド服と並んで一番エロい服装だ。

 現状ではまったくエロくない我が妹はちょっとぶかぶかのブレザーから指だけを覗かせた。中学一年ならではの、あどけない仕草だ。

 

「ファンレターってほとんどが小学生の女の子でしょ? かあいいでしょ? ほほえまでしょ?」

 

 妹の優しい笑顔を向けられて目をそらす。可愛くて微笑ましいやつはいっぱい貰ってるんだが、今叫んだ原因となったファンレターはちょっと違うやつなんだ。お前には見せられないくらいなんだ。フル勃起なんだ。

 

「なんかさ、特別に熱烈なファンとかいたりするの? まなちゃんを超えるような子はいないよね?」

 

 そう聞かれて思い浮かぶのはもちろん一人しかいない。

 

「実はな、サイン会あっただろ。あのときに最初に走ってやってきてくれた女の子がいてな」

「そ、それは大ファンだね」

「そうなんだ。あげはちゃんって言うんだけど」

「あげはちゃんって、名前まで知ってるの?」

「サインで書いたし、メールにもそう書いてあるからな」

「メ、メールが来るの!?」

「おう。編集部通さずに直にファンレターが来る」

「完全にまなちゃんを超えちゃってるし……」

「その子のファンレターはちょっと他とは違っててな。めちゃくちゃ嬉しいんだよね」

「へ、へ~。特別なんだ」

「そうだな。どんな願いも一つだけ叶えられるという玉を七つ集めたらその子のために使いたいくらいだ」

「えええ~!? そ、そんなに!? なに、その子はなにか身体に悩みを抱えてるとか?」

 

 うーん。まぁ、そうといえばそうかな。おちんちんがあったらいいのにな、という悩みだな。俺にもしチンコが無かったらと思うと……考えられない。内臓を売ってでもチンコを買うぜ。

 

「そうなんだよ。その子の悩みは俺だけが理解ってるというかな。力になってやりたいというか」

「ふ、ふう~ん。そんなにその子のことを……あ、やば」

 

 何がヤバいのか突然会話を断ち切り、妹は俺から離れてアコーディオンカーテンを閉じた。

 

「ちょ、ちょっと一人にさせてね」

「お、おう」

 

 妹はたまーにこうなる。なんだろ、女の子の日なのかな。でもそういうことを言い出すのはデリカシーにかけるからね。俺の書くご主人さまだってそういう意味でのセクハラはしない。やたらに布面積の少ない服を着せることはあっても、風邪を引かないように室温は高くしておくからね。変態こそ紳士であるべき、そいつが俺のやり方。

 

「お兄ちゃん、お兄ちゃん……っ」

 

 これは俺を呼んでいるわけではないのである。ここでうっかり「呼んだ?」などとカーテンを開けると顔を真っ赤にして怒るから要注意だ。

 

「あげは……あげはちゃん……」

 

 なんで今知ったばかりの女の子の名前を呼んでいるのか。よくわからんが、乙女の秘密らしいからね。そっとしておこうね。

 

 もう一度、あげはちゃんのファンレターを読み直そうとパソコンを開いたら、新しいメールが届いていた。

 そこに書かれていたのは、たったの一行。

 

『四十八先生、あげはと会ってお話できませんか』

 




やっぱりメインヒロインが女子小学生だと来る感想も他とは違うというか。とっても刺激になりますねー。しかし他の作品はもっとPVに対して感想が来るのにこれは結構少なめなんです。やっぱり困惑が強いんでしょうか。四十八先生みたいにJSの直筆のファンレターが欲しいなあ。(R-15だから不可能)
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