01:え、えっと……(困惑)
「はぁ……」
三守千香(12)は溜息を吐いた。一体何について吐いたかと言うと、今日やった抜き打ちテストの事である。本当に久しぶり過ぎて気を緩めていた時だったので焦った。結果は平均ギリギリである。
そんな訳で気が落ちていた千香が顔を上げた直後、赤信号を渡っていた小さな子供を見た。しかも向かってくる車。私は慌てて走り出した。
そして子供を事故から守った。しかし私は代わりに車に引かれる事になり……思わず目を閉じてしまった。
***
「……あれ、痛く、ない……?」
そう車に引かれたはずなのに体のどこも痛くなかった。もしかして既に死んだ後の世界なのだろうか?最早訳が分からない千香は目をゆっくり開けた。そこで見た物は、王冠を被ったコスプレのオッサンと各自違う制服を着た男女5人だった。
「え……えっと…」
「おう、やっと起きたか?心配したぞ?勇者よ」
「…は?」
「聞こえなかったのか?お主、勇者であろう?その者達と同じ」
「え?」
私は彼らを見る。
「ゆ、勇者、なの?貴方達…」
流石にそんな戯言を簡単に信じる事にはいかなかった。
彼らの代表?のイケメン君が言った。
「みたいだね。ステータスを見ればそう載っていた。ステータスオープンと念じれば見れるよ」
「……そんなゲームみたいなことg…(ステータスオープン!)」
ウィン!
「うっそ……」
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名前【チカ=ミモリ】
年齢【12】
性別【女】
国籍【日本】
称号【召喚され巻き込まれた女子中学生】
スキル【鑑定】
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……冗談かと思ってやってみたら本当に出た。しかし何だろう、これは。
「称号の所に【勇者】とある筈だ」
「…称号……【召喚され巻き込まれた女子中学生】としか載ってないんだけど……」
「え、そんな筈は…」
どういう事か分からない。私は彼らが言ってる事が本当の事なのか分からず、思わず彼らを見た。すると彼等の頭上に名前とその横に【勇者(仮)】と見えた。どうやら言ってる事は本当のようだ。しかし(仮)って……勇者なのに……。
彼らは困惑の表情を浮かべている。そして王冠を被ったコスプレのオッサンは明らかに焦っている。
「えっと、一体……」
この称号の【召喚され巻き込まれた女子中学生】という言葉、嫌な予感しかしない。そして私は明らかに場違いだと思う。この微妙になった空気を変えるにはどうすればいいのか分からない。
そこで案を出してきたのはメイド姿をした女性だった。
「取り合えず今日は客室で過ごして下さい。そして明日の朝、再び皆様の意見を聞くという事でどうでしょう?」
クールな声が響いた。
彼女の言葉は私への助け舟となって私も【勇者】の彼らと一緒に王城の客間に泊まれることになった。とはいえ、私だけ彼等とは違う部屋となったけど。
そして翌日。
私は確実に【勇者】の彼らの足手纏いになる事が確定的だと思ったので、付いて行かない選択を選んだ。そして彼らと別れ、一人となった。
この物語はフィクションです。