Re:終わりから始まる異世界生活 作:Purple vein
硬い地べたにうつ伏せになる、黒髪の目付きが悪い少年がいた。彼は腹に赤黒い液体を滴らせながら白い少女に手を伸ばしている。
(彼は一体何をしているのだろうか?)
そんな疑問が頭を飛び交う。そもそも、ここはどこだ?なぜ私はここにいるのだろうか?そんなことを考える暇もなく時間は無常にも過ぎていく
(そんなことより、彼と彼女を助けなければ!)
手を伸ばすも、届かない。いや、届かないのではない。「無い」のだ。
(は?あ、い…いや、どうして?)
もう彼らは、助からないだろう。
(待っ、待ってくれ!なぁ、誰か!?誰かいないのか!?どうしてっ、彼は死ななければならない?助けられないのかっ!?なぁ、待っ)
意識は黒く、黒く染まりそして暗いそちら側へと離れていく。それと同時に私はわかってしまった。彼はもう、彼女はもう、死んだのだと。
「俺が、必ず──」
微かにそう、聞こえた気がした
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小野塚雪翔は極めて秀才である。
それが他者からの評価であった。人格良し。性格良し。友達付き合い良し。成績良し。態度良し。学歴良し。運動良し。何につけても優秀であった。だが、それは大きな間違いである。何が人格良し。だ?おめーらに合わせてやってんだろぉが。何が成績良しだ?カンニングしまくりだボケェ。まったくもって。私はひねくれていた。ひねくれにひねくれていた。嗚呼。だがなんとゆうことだろう。親の七光りとはこの事か。どんなに問題を起こしても揉み消され。どんなに勉強しなかろうが良い点を取れ、どんなに素行が悪かろうが噂にすらならない。こんな不条理、他者が認めるのだろうか?だが、認められたのだ。
もう一度言おう、小野塚雪翔は優秀である。そしてそれは、大きな間違いである。彼はただ、ひとつの事に大して多いに秀でていたのだ。それは他者から好かれる事。無条件に、無秩序に、無作為に、無感情に、無機質に、彼は好まれたのだ。それはとても残酷な事であった。
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「なんだここ?なんだ今の?」
それがこの地に置いて。彼が最初に放った一言であった。
目の前を黒い体躯の大きな蜥蜴に足を進化させたような生き物が引いている、馬車のようなものが通っていく。
その光景は彼の疑問を増長させて行った。茶髪、金髪、白髪、それぞれ様々な髪の色、毛の色をした人が、いや、人と呼べないような。まるで獣人のような生き物もいるが、そんなものが通っていく。
意味がわからない。
「なんなんだ?」
どうやら小野塚雪翔は異世界生活なるものをしたらしい