ハリー・ポッターと病める血の少女   作:ぱらさいと

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 映画版『秘密の部屋』の前半で一番好きな場面です。


決闘クラブ

 十二月に入るとスミレを『継承者』とみなす生徒が激増した。

 物品の献上だけにとどまらず『彼女こそサラザール・スリザリンの偉業を果たす』と喧伝し始めたのだ。

 それにピーブスが絡んでいるのは確かな事実である。

 ビンズ教授の言葉を借りるなら『実態のある、信ずるに足る、検証可能な』事実だ。

 常識的に考えればあまりにも荒唐無稽な嫌がらせである。

 教授たちまでピーブス狩りに出動しかねないほど騒ぎは深刻で、そんな噂を信じてしまうほど生徒たちの中に継承者への恐怖が忍び込んでいた。

 それはまさしく見えざる『スリザリンの怪物』さながらに。

 そんな中、一部の口が悪い生徒は「ザクロこそスリザリンの怪物だ」とか「『秘密の部屋』の主だ」と言いふらすようになった。

 それを耳にするたび、マグゴナガル教授やスネイプ教授が減点を申し付けて口をつぐませようと躍起になる。

 過度のストレスで吸血鬼化する可能性がないとも言えないためだ。

 が、ロックハートはと言うと「確かに、ミス・アオイのミステリアスな瞳には、かのサラザール・スリザリンの残した『恐怖』とやらもメロメロになるかもしれません!」とトンチンカンなジョークを吐くだけだった。

 すでに人望を失っているから大した問題にはならなかった。

 もはや狂信の域に突入しかけていたラベンダー・ブラウンですら「流石にないわ」と少し正気を取り戻したほどである。

 ロックハートはスミレの吸血鬼化を知らない。

 それが明らかになって、パンジーはさらに失望させられる。

 ただし生徒で気づいたのはパンジーとスミレ本人だけだが。

 クリスマス休暇にマグル出身の大半が帰宅を選び、逆にスリザリン生が多く残ることとなった一九九二年。

 もうすぐ年末という時期、ポリジュース薬の素材を盗むためハリーたちが魔法薬学で騒ぎを起こしスネイプを激怒させることもあった。

 これは首尾よく運んで、ゴイルの鍋に『フィリバスターの長々花々』が投げ込まれるという事件は迷宮入りし、トリオは無事に目当ての材料を手に入れた。

 この一件ではゴイルのほか数名が被害を受けたに過ぎない。

 クリスマスを目前に控えたある日、掲示板に恐るべき告知が掲示された。

「『決闘クラブ』? 誰が教えるの?」

 昼食後、談話室でくつろいでいたダフネが気怠そうに聞き返した。

 主催者の名前がない時点で参加意欲が起こらない。

 ろくでもない事故に巻き込まれるのはご免です――そんな風に態度で示していた。

 が、今回はパンジーも譲らない構えを見せる。

「好きに魔法を使えるのよ? 何十人も集ったらダンブルドア以外に止められるもんですか!」

「だから危ないって言ってるのに。ナメクジ呪いなんて喰らったらどうするの?」

「やられる前にこっちがやっちゃえばいいじゃない!」

 あっけらかんと言い切るパンジー・パーキンソン。

 彼女はこれでも『聖28一族』のパーキンソン家に連なる正真正銘のお嬢様である。

 同じテーブルを囲みカロー姉妹とサンドイッチを食べているスミレは興味なさそうだ。

 あちらの三人も純血の名門に生まれている。襲撃の恐怖とは無縁だった。

「……見に行くだけだからね?」

「そう来なくっちゃ! スミレ! フローラとヘスティアも聞いたわね!」

「なにをですか?」

 ハムサンドに夢中だったようだ。

「ロックハート教授の『決闘クラブ』ですわ姉様」

「折角ですし、スミレ姉様も参加なさいますか?」

 カップに温かい紅茶を注ぎながら姉妹が教える。

 スミレは「皆さんが行くなら」と本気でどうでもいい様子だ。

 この場合は強制的に肯定へ変換されてしまう。

 

 大広間の入口脇にも同じ羊皮紙が張り出されていた。

 こちらも人集りが出来ていて、見に行った四人で一番背の高いミリセントが長身を生かし文字を読み上げた。

 

  

本日午後八時より大広間にて『決闘クラブ』を開催する。

 

 夕食後、談話室に戻らなかった生徒が大広間の近くにたむろしていた。

 その間は大広間の扉が閉ざされていたが、予定より十五分早く入場が始まった。

 パンジーたちは一度寮に戻り、色々と呪文を確認して誰を狙うか相談した。

 まずネビル・ロングボトムの名前が挙がり、パチル姉妹、ジャスティン・フィンチ・フレッチリー、ザカリアス・スミス、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーと日頃から険悪な面々が揃ってしまった。

 とりあえず目に付いたヤツから隙を見て呪ってやろう、という方向で決まる。

 ノリ気のパンジーとミリセントは呪文が不得手だったが、スミレもダフネもカロー姉妹もそのことは無視した。

 大広間に行く途中から廊下は大混雑。

 ほぼ全生徒が集っているような状況である。

 上級生は冷やかしなので余裕があったが、新入生はみな真剣な面持ちだった。

「誰が主催するんだろう。フリットウィック先生かなあ。学生の頃は決闘チャンピオンだったでしょ? トロフィーもあったし」

「意外とスネイプ教授だったりして。闇の魔術にもお詳しいそうよ?」

「もしマクゴナガルだったら帰ってやろっと。お願いだからグリフィンドールの化け猫じゃありませんように……」

「誰でもいいですよ。『闇の魔術に対する防衛術』の教授でなければ」

 大蛇のような行列がぞろぞろと大広間の中へ流れていく。

 その様子をピーブスが「怪物様が『秘密の部屋』へお帰りだ!」と茶化し、通りかかった『血みどろ男爵』の雷が落ちて場が和んだ。

 中にある長テーブルと椅子は片付けられ、金色の舞台に青色の布が被せられていた。

 天井は何度も見慣れたビロードのような黒。

 その下には、興奮した面持ちで杖を持つ生徒がひしめき合っていた。

 誰が教えるのか、どんな内容なのか、誰もが思い思い好き勝手に喋っている。

 ただしスミレの周囲には純血のスリザリン生――パンジー、ミリセント、ダフネ、カロー姉妹にドラコとその取り巻き二名だ――ばかりが集っているだけで、近くにいる他の生徒は露骨に遠ざかりながら継承者が視察に来たと怯え、疎み、苛立ちながら囁きあっている。

 ときおりクラッブとゴイルがじろりと睨んで黙らせるが効果は薄い。

 スリザリンの怪物に比べれば二人の拳骨なんて豆粒より軽い。

 興奮と恐怖の入り乱れたカオスな空気をブレーズ・ザビニは鼻で笑った。

 あのダンブルドアが校長に就任してすぐ解散させた悪名高い『決闘クラブ』だ。

 マダム・ポンフリーは一週間は徹夜だろうよ――と、そんな予感がしていた。

 彼も名門ではないにせよ純血、この大騒動は特等席で楽しめる。

 さて、ちょいと一年連中を揉んでやるとするか。

 などと心を躍らせていると、冷や水を浴びせられた。

 ギルデロイ・ロックハートが舞台に登場したのだ。

 きらびやかな深紫のマントをまとい、颯爽と中央へ進み出る。

 そして観衆にサッと手を振り「静粛に」と呼びかけた。

「みなさん、集まって。さあ、集まって。みなさん、私がよく見えますか! 私の声が聞こえますか! 結構!」

 好奇心と不安の目ばかりでも大満足だった。どこまでも鈍感である。

「最近何かと物騒ですからね! ダンブルドア校長先生から『決闘クラブ』を開くお許しをいただきました。私自身が、数え切れないほど経験してきたように、自らを護る必要が生じた万一の場合に備えて、みなさんをしっかり鍛え上げるためにです――詳しくは、私の著書を読んでください」

 ロックハートは満面の笑みを振りまいた。

 丸めて投げ捨てたマントをラベンダー始め数名の女子生徒が奪い合う。

「残念ながら今回は急を要する事態だったものですから、他の教授に助手をお願いする時間がありませんでした。そこで! 上級生のどなたかに、模範演技のお手伝いをしていただきます! 武装解除呪文を使うだけで結構です!」

 フレッドとジョージがパーシーを左右から肘で小突いた。

 ペネロピ・クリアウォーターにイイトコ見せるチャンスだぜ、と持ちかけても「僕だって命が惜しい」とイタズラな笑みを浮かべる弟たちに言い返した。

 監督生たちですら尻込みする中、一人の男子生徒が名乗りを上げた。

 真っ直ぐあげられた手に気づきロックハートは舞台へ招く。

「では、この勇敢なるセドリック・ディゴリーくんと私で、決闘の基本的な流れと武装解除呪文をご覧に入れましょう! 心配ご無用! 杖を取り上げるだけの簡単な呪文です! 皆の人気者を哀れなピクシー小妖精みたいにしたりはしませんよ!」

「根に持たれてない?」

「あんなバケモノを連れてくる方が悪いんですよ」

 スミレはパンジーの皮肉をバッサリ切り捨てた。

 思い出しただけで目つきが鋭くなるほどピクシーを嫌っている。

 ロックハートとセドリックは向き合って一礼した。

 少なくともロックハートの方は――腕を振り上げ、くねくね回しながら体の前に持ってくる奇妙な形で――大げさな礼をした。

 セドリックは腰を四十五度前へ傾ける丁寧な礼だった。腕は身体の横側に添えられている。 

 それから舞台の両端まで歩き、二人とも杖を剣のように前に突き出して構えた。

「ご覧のように、私たちは伝統的な作法に従って杖を構えています」

 ロックハートはシーンとした観衆に向かって説明した。

 彼がちゃんと教授らしいことをした最初の瞬間だった。

「三つ数えて、武装解除の呪文をかけます。杖がなければ魔法を使えませんから、これが最もスマートで安全な手段です」

 生徒は固唾を呑んで見守った。

「一――二――三――」

 二人とも杖を肩より高く振り上げた。セドリックとロックハート、同時に叫んだ。

 

「エクスペリアームス! 武器よ去れ!」

 

 目も眩むような紅の閃光が走ったかと思うと、セドリックの杖は宙へ飛び上がった。

 回転しながら再び持ち主の手に戻る。セドリックはちゃんとキャッチした。

 ロックハートは舞台から吹っ飛び、後ろ向きに宙を飛び、壁に激突し、壁伝いにズルズルと滑り落ちて、床に無様に大の字になった。

 マルフォイや数人のスリザリン生が歓声をあげた。

 ハーマイオニーは恐ろしくて見ていられないと両手で顔を覆った。

 それでも心配するのは忘れていない。

「先生、大丈夫かしら?」

「知るもんか!」

 ハリーとロンが以心伝心で笑った。

 ロックハートはよろめきながら立ち上がった。

 金色の帽子は吹っ飛び、カールした髪が逆立っていた。

「さあ、みんなわかったでしょうね!」

 足下が覚束ないまま壇上に戻ったロックハートが胸を張る。

「あれが、『武装解除の術』です――ご覧の通り、私は杖を失ったわけです。あぁ、ミス・ブラウン、ありがとう」

 セドリックは教授に「申し訳ありません」と頭を下げた。

 毒気というものが一切ない好青年ぶりにロックハートも嫌み一つ言う気力が起こらず、誤魔化すように笑顔でやり過ごした。 

 セドリックはそのまま助手として舞台の上に残っている。

 教授を吹き飛ばしてしまったのが気まずい様子だ。ロンもドラコも感心してしまった。

 ロンは「なんでホグワーツにいるんだろ」と呟き、ドラコは「ゴミ捨て場だと思っていたが、まともなのもいるんだな」と吐き捨てた。

「模範演技はこれで十分!これからみなさんのところへ下りていって、二人ずつ組にします。ディゴリーくん、君にもお願いしよう」

 二人は生徒の群れに入り、二人ずつ組ませた。

 ロックハートは、ネビルとジャスティン・フィンチ・フレッテリーとを組ませた。

 セドリックはなるべく別グループ同士で組ませた。

 何人かが不満を漏らしたが「継承者は君たちの知らない相手だ。顔見知りと練習しても本番じゃ役に立たないだろう?」と笑顔で説明し、あまりの人格の立派さにフレッドとジョージが口笛を鳴らすほどだった。

 スリザリンでも彼の指示には誰もが黙って従うほどだった。

「君は……ええと、その杖で大丈夫かい?」

 テープで補修された杖にセドリックの笑顔が引きつった。

 ロンも「かもね」と見学することにした。

「それじゃあ君の相手は……」

 誠実そうな灰色の瞳がハリーを見て、練習相手を探し――

「スリザリンの君。そう、金髪の。済まないね、名前を知らないんだ」

「ドラコ・マルフォイだ」

「マルフォイくん、君はハリーと組んでくれ。次はそちらのお嬢さんたちだね……」

 流れるように手際よくペアを作っていく。

 後輩相手にも折り目正しいが、ハリーは感謝の言葉を思いつかなかった。

 ドラコも心底不機嫌そうにズカズカやって来る。

 向こうではハーマイオニーがミリセント・ブルストロードとペアになっていた。

 あのゴイルと肩を並べる長身に加え、肩幅や手脚もゴツい。

 魔女と言うより女性アスリートに近い容姿だ、あれでいいとこのお嬢様なんてハリーには信じられなかった。

 ハーマイオニーはかすかに会釈したが、むこうは会釈を返さなかった。

「相手と向き合って!そして礼!」壇上に戻ったロックハートが号令をかけた。

 ハリーとマルフォイは、互いに目をそらさず、わずかに頭を傾げただけだった。

「杖を構えて!」

 ロックハートが舞台の上から声を張り上げた。

「私が三つ数えたら、相手の武器を取り上げる術をかけなさい。武器を取り上げるだけですよ、みなさんが事故を起こすのは嫌ですからね。一――二――三――」

 ハリーは杖を肩の上に振り上げた。

 が、マルフォイは「二」ですでに術を始めていた。

 呪文の効果は強烈だった。

 まるで頭をフライパンで殴られたような衝撃で一瞬目の前が暗くなった。

 ハリーはよろけたが、他はどこもやられていない。

 間髪を入れず、ハリーは杖をまっすぐにマルフォイに向け、「リクタスセンブラ」と叫んだ。

 銀色の閃光がドラコの腹に命中し、そのまま体をくの字に曲げて苦しげに笑い転げた。

「武器を取り上げるだけだと言ったのに!」

 ロックハートが慌てて、練習どころか戦闘まっただ中の生徒の頭越しに叫んだ。マルフォイが膝をついて座り込んだ。

 ハリーがかけたのは「くすぐりの術」で、これを喰らえば笑い転げて立つことさえできない。

 相手が座り込んでいる間に術をかけるのはスポーツマン精神に反する――そんな気がして、ハリーは一瞬ためらった。

 これがまちがいだった。

 息苦しさを堪え、ドラコはハリーに杖を向け別の呪文を放つ。

「タラントアレグラ! 踊り続けろ!」

 次の瞬間、ハリーの両足がピクビク動き、勝手にクイック・ステップを踏み出した。

「やめなさい!ストップ!」

 ロックハートは叫んだが、舞台の上からがセドリックが呪文を使った。

「フィニート・インカンターテム!」

 ハリーの足は踊るのをやめ、ドラコは笑うのをやめた。

 そして二人ともやっと周囲を見ることができた。

 緑がかった煙があたり中に霧のように漂っていた。

 ネビルもジャスティンもゼエゼエ言いながら床に横たわり、パドマ・パチルは目を回しているシューマスに駆け寄り、パーバティとパンジーは呪文を誤射して同時にディーンにぶつけてしまっている。

 ハーマイオニーとミリセント・ブルストロードは杖を手放していた。

 ミリセントがハーマイオニーにヘッドロックをかけ、ハーマイオニーは痛みで泣きながらギブギブと叫んでいる。

 近くにいたパーシーとペネロピが二人を引き離した。

 スミレは三年生のリー・ジョーダンと真面目に練習していた。

 双子のカロー姉妹は笑顔を浮かべ、次々と同級生を呪文でノックアウトしている。

 威嚇するように唸るミリセントから逃げたハーマイオニーはラベンダーと組んだ。

 ラベンダーはロンと組もうとしたが、ロンは折れた杖を見せて「暴れ柳と十分やったから」と断ったのだ。

「なんと、なんと……」

 ロックハートは生徒の群れの中をすばやく動きながら、決闘の結末を見て回った。

「マクミラン。立ち上がって……気をつけてゆっくり……、ミス・フォーセット。しっかり押さえていなさい。鼻血はすぐ止まるから。あぁ、ブート……」

「上級生同士で演技を見せた方がよいでしょうか」

 セドリックが舞台から下りてロックハートに提案する。

 大広間の中心で面食らった顔のまま立ち尽くしていた教授は、「まあ上級生に限らず、腕のいい生徒に模範を見せて貰うとしましょう」と手を叩いた。

「さて、誰か進んでモデルになる組はありますか?――ロングボトムとフィンチ・フレッチリー、どうですか?」

「二人はさっきの練習で疲労が溜まっています、これ以上は事故につながりかねません」

「マルフォイとポッターはどうだね?」

 ロックハートは先ほどの二人に気づいていないらしい。

「ハリーとドラコは攻撃こそ優秀ですが防御は不慣れです。二年生でしたら、ミス・グレンジャーとミス・アオイはどうでしょうか。力量で言えば四年生が相手でも十分にやれます」

 ロックハートはハーマイオニーとスミレに大広間の真ん中に来るよう手招きした。

 他の生徒たちは下がって二人のために空間を空けた。

「さあ二人とも、互いに杖を向けたら、こういうふうにしなさい」

 ロックハートは自分の杖を振り上げ、何やら複雑にくねくねさせたあげく、杖を取り落とした。

「オットット! 私の杖はちょっと張り切り過ぎたようですね!」

 ロックハートが急いで杖を拾い上げるのを、セドリックは困った顔で見ていた。

「まず基本の礼から始めるんだ。そのあと教授が三つ数える、それから呪文を唱えてくれ。相手が杖を落とすか、降参させるか、教授が勝負ありと判断したら終わり。ただし、殺傷性のある呪文は使わないこと。いいね?」

 全員によく聞こえるようルールを説明した。

 あくまで進行はロックハートに任せるところがお人好しすぎるくらいだった。

 スリザリンはスミレを、他の寮はハーマイオニーを応援している。

 ここで継承者をやっつければ襲撃が終わると信じているかのように。

「一――二――三――!」

 ハーマイオニーとスミレはすばやく杖を振り上げ、「エクスペリアームズ! 武器よ去れ!」と唱えた。

 杖の先から放たれた閃光はぶつかってあらぬ方へ飛んでいく。

 どこへ行ったのかも確かめず、ハーマイオニーはすぐさま「オブスキューロ!」と目隠し呪文を使った。

 黒い布がスミレの両目を多い、視界を塞がれたスミレはとっさに「フィニート・インカンターテム」で布を取り払う――それがハーマイオニーの狙いだった。

 再び武装解除呪文を放ち、スミレの白い杖を吹き飛ばす。

 さらにその杖を自分の方へ飛ばし、空の左手で捕まえた。

 手際の良さにセドリックが拍手を送る。

 グリフィンドールを中心に歓声があがった。

 しばらく賑やかせてロックハートが悠々とした足取りで二人の間に入ると「エクスペリアームズ」――身なりだけは立派な教授が再び空中へ飛んでいき舞台の下へ落下した。

「先生、まだ終わっていませんよ。シレンシオ 黙れ」

 閃光がハーマイオニーを貫く。

 黒い杖を手にしたスミレの呪いでハーマイオニーは口を封じられた。

 歓声はブーイングに変わるが、セドリックは手で試合続行を示した。

「タレントアレグラ」「――」「リクタスセンプラ」「――」「オブスキューロ」「――」

 ハーマイオニーはプロテゴからフィニートまであらゆる呪文を駆使して守りに徹する。

 しかし肝心の沈黙呪文を解除出来ず、たまに閃光を飛ばしてもスミレには効果がなかった。

 呪文を唱えられないのでプロテゴが脆く、二発以上耐えられない。

 じわじわと舞台の端へ追い詰められたハーマイオニー、グリフィンドールから悲鳴があがる。

 黒い杖は白い杖より呪文が重い。スミレはトドメを刺そうと杖を大きく振り上げた。

 

「エクス――」

 

 油断して動きが鈍くなった。その隙を突き、ずっと速い動作で全力の武装解除呪文を撃つ。

 狙いを定めることもなく放たれた魔法はスミレの小さな身体を反対側まで吹き飛ばした。

 幸か不幸か、ロックハートのように気絶はしなかった。

 だが起き上がる前にもう一度、目隠し呪文を喰らわされ、スミレは再び混乱しはじめる。

 あらぬ方に呪文を放って壁にぶつけると、口から聞いたこともない音を発した。

 

「スリザリンの怪物だ!!」

 

 舞台の下からザカリアス・スミスが叫んだ。

 袖の中かどこかにいたのだろう。

 真っ白な大蛇を自分の首に巻き付かせ、頭はまるで助言するかのように耳元に位置していた。

 セドリックやスリザリンの上級生が声を挙げるより早く、スミレは杖だけザカリアスに向け、「ナメクジくらえ!」と叫んだ。

 聞き覚えのある呪文にロンは顔をしかめる。フレッドとジョージは声をあげて笑った。

 膝を突いて口から巨大ナメクジを吐くザカリアスをネビルとジャスティンが両脇から肩で支え、大広間から連れ出した。

 粘液とナメクジで床を汚し、真っ青な顔になっていた姿をロンは静かに哀れんだ。

 吐き気も辛いが口の中がつねにナメクジのネバネバで気色悪いのだ。

 スミレはさらに「シャー」や「シュー」など掠れた音を出し、ヘビは観衆をじろりと見た。

《そのまま腕を左に》

《このくらい?》

《それでいい》

 蛇と会話している――!

 ハリーは動物園でオオニシキヘビと会話したことを思い出した。

 去年のことだったが、思えばあれが初めて魔法を使った瞬間だった。

 驚いて逃げ出したダドリーが面白くて微笑んでいたが、周りの沈黙が不可解だった。

 舞台の上を見るとセドリックさえ驚いて目を見開いている。ハーマイオニーもだ。

 スミレを応援していたスリザリン生たちですら何か異常なモノを見たような顔でだんまりである。

「ロン……みんなどうしちゃったの? スリザリンの怪物はいないだろ?」

「ああ……うん、ハリーは知らないんだね。アイツは今、パ――」

 

「スリザリンの継承者よ!!」

 

 誰かが悲鳴をあげた。

 声のした方を見ると、マリエッタ・エッジコムという女子生徒が真っ青な顔でスミレを指差していた。

 レイブンクローの青いローブを着ている。

 さらに小さな悲鳴も聞こえたが、スミレはそれを無視して杖を構える。

 連鎖する悲鳴を合図に、ハッフルパフやグリフィンドールの何人かが舞台に上がった。

 セドリックは「これは決闘クラブだ! マナーを守れ!」と怒鳴ったが、それを無視して乱入者は次々に呪文を放つ。

 それぞれフリペンドやデパルソを唱え、セドリックは呪いそらしで麻痺呪文だけは天井の方へ軌道を変えさせた。

 激昂したスリザリン生が舞台へよじ登るより先にスミレは防御呪文を叫んだ。

 透明な壁が閃光や光弾を弾き、白い大蛇がハーマイオニーの前に立つ生徒を威嚇した。

「イモビラス 動くな」

 ロックハートの最初の授業でハーマイオニーが見せた呪文だ。

 立ちはだかる生徒の動きを封じ込め、さらに追撃する。

 身動きの取れない相手に手際よく武装解除呪文をぶつけ、舞台の上から弾き出した。

 きれいに大の字でのびているロックハートの左右に並んで気絶させられ、近くにいたラベンダーが驚いて飛び上がった。

 遅れて加勢したフリントたちへ対抗するようにリー・ジョーたちも舞台へ上がった。

 フレッドとジョージもいたが、双子は自分たちを壁にしつつハーマイオニーにここから下りるよう説得していた。

 それを頑として拒む理由はすぐに分かった。スリザリンの援軍にはドラコの姿もある。

 上級生を盾にして、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべている。

 クラッブとゴイルを引っ張り上げることもせず自分の杖を手にしていた。

「君の彼氏だろ? なんとかしろよパーキンソン」

 ロンがおろおろとしているパンジーに言った。

 パンジーは耳を赤くしながら「先に上がったのはそっちでしょ!」と怒鳴る。

「やめてくれロン。それが本当ならどんな悪夢より恐ろしいよ」

「おや、そりゃごめんよ。けどそれっていまロックハートが復活するよりおっかないの?」

 それは聞かなくても分かるじゃないか……そんなこと言って本当にアイツが目をさましたら君のせいだ。

 ハリーも加勢しようと杖を持ったが、パーシーに肩を掴まれた。

 これ以上ややこしくするなと目が痛切に訴えかけてくる。

 あの場にいるのは全員がハーマイオニーレベルの魔法使いと魔女と思うと、確かにとんでもない状況だと思った。

 ドラコを止めないとハーマイオニーが危ない、しかしあのハーマイオニーがドラコなんかにやられるはずもない。

 問題はスリザリンの方が人数が多いことだ。

 多勢に無勢、ということもあり得る。なんとかしたいがどうにも出来ないもどかしさに舌打ちをする。

 一触即発の状況を破ったのは案の定、ドラコ・マルフォイだった。

 

「サーペン・ソーティア!」と大声をあげ、爆発音を響かせた。

 杖の先から、長い黒ヘビが飛び出てきた。

 黒字に毒々しい赤や黄色のまだら模様の大蛇は舞台の床にドスンと落ち、鎌首をもたげて攻撃の態勢を取った。

 周りの生徒は悲鳴をあげてあとずさりし、そこだけが広く空いた。

「いいぞマルフォイ!」

 フリントたちも同じように杖から蛇を出し、グリフィンドール側にいたジョーダンへけしかけようとする。

 それをスミレが蛇語で止めさせた。

 

《止まりなさい、彼は敵じゃない》

 

 それを白い大蛇が邪魔する。

 

《敵はあの女だ。見ろ》

 

 黒い蛇たちは一斉に、さきほど叫んだマリエッタを見た。

 今度はスミレが怒鳴った。彼女があんなに声を荒げているのを見たのはこれが初めてだ。

 

《どこだ! どこにいる!?》

《お前は目の前に集中しろ》

《うるさい! 誰か私を馬鹿にした! 望み通り石にしてやる!》

 口論に黒い蛇たちも混乱し、どちらに従えばいいのかと交互に見ては《左斜め後ろです》《こちらはお任せを》《ご命令を》とてんでバラバラに喋っている。

 言われた方に身体を向けてマリエッタを探すスミレ、見つかったらタダですまないと人混みの中を逃げるマリエッタ。

 その行き先を報告する蛇もいれば、舞台から下りて探しに行こうとする蛇、マリエッタとジョーダンどちらを狙うか尋ねる蛇で蛇語が飛び交っている。

 が、白い蛇が一喝した。

《食い殺されたくなければあの女を襲え》

 

 黒い蛇たちは一斉に舞台を離れ、マリエッタを追いかけた。

 襲われてはたまらないと皆が飛び退いたせいでマリエッタは逃げ道もないまま三匹に追い詰められ、絶体絶命に陥る。

 舞台の上でスミレが杖を振り上げた。それを白蛇が叱りつける。

 人だかりのせいでセドリックからは蛇が見えない。

 ハリーはとっさに飛び出して三匹の蛇に呼びかけた。

 

《彼女を襲うな! 今すぐここから去れ!》

 

《なんだ貴様は》

 

《邪魔をするな》

 

《ではお前が先だ》

 

 蛇たちは鎌首をもたげ、頭をハリーの方は向けた。

 あの白蛇の命令を忠実に守っている。完全に服従していた。

 もう一度《ここから去れ》と言う前に、入口の方から暗い声がした。

 

「ヴィペラ・イヴァネスカ 蛇よ去れ」

 

 目の前で黒い蛇たちは尻尾から灰になっていく。

 涙目で息の乱れているマリエッタ・エッジコムを他のレイブンクロー生が庇い、グループの輪の中に連れて行った。

 生徒たちが一斉に振り返ると、黒装束のスネイプがゴーストたちを連れて大広間に来たところだった。手にはやはり黒い杖を手にしている。

 スネイプの後ろにはフリットウィックもいる。『太った修道士』と『ほとんど首なしニック』がフワフワと空中を漂っていた。

 スリザリンの寮監は生徒の集まりを軽蔑と冷笑のこもった目で睨みながら、ここがまるで葬式かのように重苦しい声を出した。

 

「全生徒は、速やかに寮へ戻れ。グリフィンドールとハッフルパフはゴーストが、レイブンクローとスリザリンは寮監が引率する」

 

「さあ諸君、今日の『決闘クラブ』はこの辺にしてよく休みなさい! 明日は大雪だ、寝るときは暖かくしておくように!」

 

 フリットウィックも手を叩き、ゴーストもそれぞれの寮の生徒を手招きした。

 上級生も手伝いながら寮ごとに分かれていく。

 険悪な空気が流れたままの舞台上も、フレッドとジョージが茶化しはじめどんどん緩くなっていった。

「さあさハッフルパフはこっちじゃ! ポモーナはマンドレイクの番で忙しいでな、ワシが皆を案内しよう」

 

「最高に熱いバトルだったなジョージ。あれを見てなきゃ死んでも死に切れないぜ」

「ああ、ほとんど首なしニックももっと早く来たらよかったのになフレッド」

「なんと。それは実に残念でした! ですが成仏してしまっては元も子もありますまい!」

 

「ねえ先生。次はいつやるの?」

「おおミス・ラブグッド……君の期待もよく分かりますが、残念ながら次はありません。その分、呪文学の方で頑張りましょう」

「そう。面白かったのに残念」

 

 スリザリンだけは誰一人として言葉を発していない。

 未だに蛇語でスミレと白蛇がケンカしているだけだ。

 スネイプが杖で目隠しを解いてからも、真っ黒な瞳はずっとマリエッタを捉えて逃さなかった。

 ハリーはあの目が突然赤く光っても今なら驚かない自信があった。

 ハーマイオニーの見事な杖さばきをフレッドとジョージ、それにほとんど首なしニックが褒め称えながらグリフィンドールの寮へ戻る。

 ハリーは特に何をしたつもりもなかったのに、何故かみんなが自分を遠ざけ、恐れるような目でチラチラと窺ってくるのが気に入らなかった。

 そのとき、誰かが後ろからハリーの袖を引いた。

「ハリー!」ロンの声だ。

「ほら、先に行こう」ハリーの耳にささやいた。

 ロンがハリーをホールの外へと連れ出した。ハーマイオニーも急いでついてきた。

 三人が先頭へ移ると人垣が割れ、両側にサッと引いた。

 まるで病気でも移されるのが怖いとでもいうかのようだった。

 ハリーには何がなんだかさっぱりわからない。

 ロンもハーマイオニーも何も説明してはくれなかった。

 もちろんニックは何も見ていない。だからスリザリン相手に健闘したハーマイオニーを「グリフィンドールでも最高の魔女となる、ミネルバ以来の才女ですよ」とベタ褒めしていた。

 人気のないグリフィンドールの談話室までハリーを延々引っ張ってきて、ロンはハリーを肘掛椅子に座らせ、初めて口をきいた。

 他の生徒はハリーを避けて寝室に戻ってしまった。

「君はパーセルマウスなんだ。どうして僕たちに話してくれなかったの!」

「僕がなんだって?」

「パーセルマウスだよ! 君はヘビと話ができるんだ!」

「そうだよ」

「でも、今度で二度目だよ。一度、動物園で偶然、大ニシキヘビをいとこのダドリーにけしかけた――話せば長いけど――そのヘビが、ブラジルなんか一度も見たことがないって僕に話しかけて、僕が、そんなつもりはなかったのに、そのヘビを逃がしてやったような結果になったんだ。自分が魔法使いだってわかる前だったけど……」

「大ニシキヘビが、君に一度もブラジルに行ったことがないって話したの!?」

 ロンが力なく繰り返した。

 呆れながら器用に驚いて見せたのだった。

「それがどうかしたの? 魔法界にはそんな人、いくらでもいるだろ?」

「それがいないんだ。そんな才能はざらに持っていない。ハリー、まずいよ」

「何がまずいって?」

 説明の不足ぶりにハリーは心底腹が立った。

「みんな、どうかしたんじゃないか! 考えてもみてよ。もし僕が、マリエッタを襲うなってヘビに言わなけりゃ――」

「へえ。君はそう言ったのかい?」

「どういう意味? 君たちあの場にいたし……僕の言うことを聞いたじゃないか!」

「僕、君がパーセルタングを話すのは聞いた。つまり蛇語だ」

 ロンはようやく重要な部分を話した。

 それでも何がマズいのかは不明のままだ。

 だからそれを聞いたなら――声を荒げそうになったハリーへ、ロンは説得するように落ち着いた口調で続けた。

「君が何を話したか、他の人には分かりっこないんだ。蛙チョコレートに入ってるダンブルドアのブロマイドよりずっとレアなんだよ。マリエッタがパニックしたのも無理ない。君、まるでヘビをそそのかしてるような感じだった。あれには僕もビビったよ」

 ハリーはまじまじとロンを見つめた。

「僕が違う言葉をしゃべったって? だけど――僕、気がつかなかった――自分が話せるってことさえ知らないのに、どうしてそんな言葉が話せるんだろう?」

 ロンは首を振った。

 ロンもハーマイオニーも通夜の客のような顔をしていた。

 そもそも何がそんなに悪いことなのか、ハリーにはまったく理解できなかった。

「僕はあのヘビがマリエッタの首を食いちぎるのを止めた。それがいったい何が悪いのか教えてくれないか? 彼女がニックの代わりに『首無し狩』に参加するはめにならずにすんだんだよ。どういうやり方で止めたかなんて、問題になるの?」

「問題になるの。それも大問題よ」

 ハーマイオニーがやっと押し殺した声で話し出した。

 ニックにすら聞かれたくない風だ。

「何故かって……サラザール・スリザリンは蛇と会話ができることで有名だったからなの。当時の人は彼を『蛇舌』と呼んだくらいよ。だから蛇がスリザリン寮のシンボルに選ばれた」

 ハリーはポカンと口を開けた。

 そんなこといま初めて知った。

 だったらどうしたと言おうにも、まさか自分がスリザリンと同じ才能も持っているなんて、夢にも思わなかった。

「その通りさ。今度は学校中が君のことを、スリザリンの曾々々々孫だとかなんとか言い出すだろうな……」

 ロンも沈鬱な面持ちだ。

「だけど、僕は違う」

 ハリーは言いようのない恐怖に駆られた。

「それを証明するのはとても難しいわ」

「クラッブかゴイルが魔法大臣になるよりね」

 ハーマイオニーの言葉はあまりに重かった。

 ロンの例えを踏まえて聞くと、彼女の説明はとんでもなく絶望的なように感じられた。

「スリザリンは千年も前の人物よ。分家の分家のそのまた分家、という形でスリザリン家の血があなたに流れている可能性は十分あり得る」

 

 ハリーはその夜、何時間も寝つけなかった。

 四本柱のベッドのカーテンの隙間から、寮塔の窓の外を雪がちらつきはじめたのを眺めながら、思いにふけった。

 

 ――僕はサラザール・スリザリンの子孫なのだろうか?

 

 ハリーは結局父親の家族のことは何も知らなかった。

 ダーズリー一家はハリーが魔法に関する話題を口にしたらひどく怒った、それは顔も知らない両親についても同じだった。

 ペチュニアおばさんはバーノンおじさんもダドリーもいないところで母親のこと――おばさんの妹がハリーの母親、それだけは知っていた――を呟くことがあった。

 父親は名前を呼ぶことすらしなかった。

 けれどいつも悪口ばかりで、むしろ聞きたくないだけだった。

 ハリーは布団を被り、こっそり蛇語を話そうとした。

 が、言葉が出てこない。

 ヘビと顔を見合わせないと話せないようだ。

 

 ――でも、僕はグリフィンドール生だ

 

 僕にスリザリンの血が流れていたら、「組分け帽子」が僕をここに入れなかったはずだ……。

 

「フン」頭の中で意地悪な小さい声がした。

 

「しかし、『組分け帽子』は君をスリザリンに入れようと思った。忘れたか?」

 

 ハリーは寝返りを打った――明日、薬草学でマリエッタに会う。

 そのときに説明するんだ。

 僕はヘビをけしかけてたのじゃなく、攻撃をやめさせてたんだって。

 ――けれど、どんなに頭がバカでも、あの状況ならそのぐらいわかるはずじゃないか!!――

 

 思い返すと腹がたって、ハリーは枕を拳で叩いた。

 




 原作と違ってスネイプ先生がいないのでみんな大暴れです。
 そして色んな同級生の練習風景も追加しました。
 ただしミリセントは原作の通りハーマイオニーにヘッドロックをかましてます。

 セドリックがハーマイオニーとスミレを挙げたのは『先生の言うことを聞く』『馬鹿な呪文を使わない』『下級生だから知ってる呪文に限りがある』と判断したためです。
 なおザカリアス。
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