衝撃の事実発覚から丸二日、とんでもない状況になっている様だが彼女が生きていると言う事実だけで安堵した。すぐさまArkadiaとやらに向かいたい所だが遠く離れた海域に本部があるらしく泳いで行こうとしたらまず間違えなく生命樹に食われてしまうらしい。
「この船を改造して私達の船にしましょうよ!」
船改造案を出したのはリアだった、確かにここまで立派な船ならかなり使えるだろうしなんなら倉庫にだって使えるかもしれない。間違えなく拠点をこっちに移しても問題ないだろう
「よし、鎮守府作り一旦停止。こっち改造すんぞ」
「そうね…そうしましょうか」
「そうと決まればこれです!!」
リアは外から深海鉱鋼を台車に乗せて持ってきた
「これで装備を作りましょう!離島さんはそんなボロボロの服じゃダメです!提督も護身用の武器くらいは持つべきです!!」
あっそこなんだね、船の改造に使うのかと思ってたよ
確かに離島棲鬼は島に流れ着いた時の服のままだった、ボロボロの上血痕が付いた奇妙な服になってしまっている。しっかしこれが腐臭はしないんだな、これも深海の技術力なのだろうか。
「離島さんは服のリクエストありますか?どんなのでも作りますよ!」
「特に変わった物は要らないわよ。今までのでいいわ」
「ダメです!せっかく提督も見つかったのでイメチェンしてみましょう!」
「は?」
ニコニコしているリアに対して離島棲鬼は呆れているようだ。
服のリクエストを聞いといて変えろって言われた様なものだもんなぁ
「…じゃあ蓮、貴方が決めて」
「はい?なんで俺?」
「貴方彼女が居たんでしょう?じゃあ服のセンスもあるんでしょうから…頼むわよ?」
「いやその理屈はおかしい」
「彼女の服を選んだりはしなかったのかしら?」
しないよなぁ、これが似合ってるよ!とかは言った記憶があるがまず間違えなく服を選んだ事はないし目利きのセンスも無いと思っている。
…仕方がない。文句を言われる覚悟を持って選ぶしかないか
「イメージカラーは変わっちまうけど白いワンピースとかどうだ?お前結構綺麗だし似合うと思うぞ。」
「綺麗…?私が…?…はぁ、お世辞は求めてないわ。じゃあそれを頼むわね」
お世辞では無いんだけどなぁ。
実際結構な美人だし…もしかして自覚してないのか?
「はい!任せてください!!」
元気に返事をしたリアは船の一室の深海鉱鋼を持って行ってしまった。
てかあの鋼どうなってるんだ!?なんで鋼で服が作れるんだ!?
いや飲み水も作れるくらいだしもう何が起きても不思議では…ないか。
「船を調べたらどうやら燃料が残っていたわ。例の鉱石を燃料室に置いておいたからこの船の燃料が切れる心配はないから安心して」
…どうやら燃料も生成出来るようです、無から有を生み出す鋼とか言う完全チートアイテムを俺達は入手してしまったらしい。これ生命樹にも余裕で勝てるんじゃないか?
「このままArkadiaに向かうんでしょう?蓮。彼女に会ったら…その時は」
「その時は…?」
かなり重大な事があるのか。実は彼女は俺の事を忘れていますーとかなのか?
そんな事があったら間違えなく泣いてしまうだろう、大の大人が恥ずかしい。
「帰って掃除ちゃんとしましょうね?」
「アッハイ」
その笑みには間違いなく怒りと言った感情も混じっていた。
ごめんなさい掃除サボりまくってました許してください
次回は番外編。別視点になります。ご了承を