「これでいいのか?俺様と対等に戦える相手が現れるのか?」
黒いフードを被った少女は木の根のような姿をした怪物の目玉に手を挿しそのまま目玉を引きずり出す。
痙攣する怪物に容赦なく手に持ったナイフで滅多刺しにしそのまま海へと投げ捨てる。
「あぁ、ここは奴等の発生源である根源生命樹がある。幹部クラスの出現もあり得るだろう」
「…あまり無茶はしないで。今回の目的は幹部討伐じゃない」
黒いクラゲのような化け物はマントを羽織った少女の頭の上からフードの少女に話しかける。
下の少女はフードの少女を心配するがフードの少女は聞く耳を持たない
「おお!本当に出やがったッ!!」
轟音と共に出現したのは一つ目の化け物を従えた赤髪の女性だった。
彼女は目隠しの様な物をしており、その模様は奥に生えている木と同じ紋章が刻まれている。
「キサマラ…オロカナイノチハワレラガミチビク…ワレハ【慈悲】…ケセドデアル」
ケセドが骨の様な腕を大量に展開する
「下がるぞヲ級。俺たちは後ろからレ級達を援護する」
「…了解アルベルト、深海対物ライフル 丙-四式」
マントを羽織った少女…ヲ級は何もない場所から頭に乗っていた化け物…アルベルトと酷似したデザインのライフルを取り出し狙撃体制に入る。
勿論狙撃体制中は周りからの攻撃を回避できないがヲ級の周りを2体の駆逐型深海棲艦が護衛する。
アルベルトは骨の様な触手で器用に無線装置を使い側の海域に配置された深海棲艦達に連絡を行う。
「Arkadia第二艦隊_____作戦開始」
「さぁて…俺様もやりますかぁ!!」
まず先に動いたのはレ級だ、手に持っていたナイフを投げ飛ばしケセドに真っ向から突撃した。
ケセドもその行動を見過ごす訳もなく骨の腕でレ級の身体を鷲掴みにし握りつぶそうとするがレ級の尻尾の艦装の砲撃をゼロ距離で受けた骨の腕は音を立て崩れ落ちる。
守りが薄くなった瞬間を見計らいヲ級はすかさずライフルでの狙撃を行う。弾丸が直撃しケセドの頭蓋が爆発するがすぐに修復されていくが再生する瞬間の隙をレ級に狙われ今度は心臓を潰される。
それでもケセドは活動を止めず側に落ちている生命樹の死体を混ぜ合わせ腕を何本も生成する。
「…きりがない」
「ならば例の弾丸を使ってみるか?」
アルベルトはヲ級に銀色に輝く弾丸を手渡し、ヲ級はその弾丸をライフルに詰め込み狙いを定めて狙撃する。
命中した銀の弾丸はケセドの内部で暴発し増殖。内部をズタズタに引き裂いていく。
「どうだ?俺が開発した三段式徹甲弾は。吸血鬼にも通用するぞ?」
「…そんな機会はない」
「確かにな!!来るぞヲ級!」
ズタズタになった筈のケセドは目を赤く光らせながらヲ級めがけて突撃してくる。
2機のイ級がケセドに砲撃し腕を吹き飛ばすがケセドはそんな事は御構い無しだ。
腕の修復すらせずに装備である骨の触手を首元から大量に生やしヲ級を串刺しにしようとするが上空からケセドの頭をレ級が叩き割る。
「俺様を無視するなんていい度胸だな!!」
「すまねぇレ級!俺が艦載機を積んでないばかりに!」
「…助かった」
「資材不足は俺様もわかってる。安心して援護を続けろ!!」
「おうよ!まぁ撃つのは俺じゃないんだけどなあ!」
「…任せて」
ギギギと金属が軋むような音を立てながらケセドが起き上がるが距離を取ったヲ級の狙撃によりケセドの再生しかけの頭を再び吹き飛ばす。
「オノレ…イマイマシイ…キサマラゴトキニ…」
「キサマラ二ゼツボウトイウモノヲオシエテヤル…!」
ケセドが悲鳴にも聞こえる様な音を発する。
その音に思わずヲ級は耳を塞ぐがアルベルトは思わず目を背けたくなるような距離光景を目にする。
「なんだよあの数…!?約100万の生命樹がこちらに進軍中!!」
「はぁ!?なんだそりゃ!?」
流石のレ級も焦っているようだ。幹部クラスは追い詰めたがそれは敵が一人だったからだ。
現在来ている数は100万。まず間違いなく今の戦力では第二部隊どころかArkadia自体が壊滅するだろう。
「撤退するぞレ級!無理だ!」
「くっ…!せっかくやれそうだったのによ…!」
「いや問題はない。と言うか最高と言うべきだろう」
「何が最高なんだよ?撤退がか?」
「お前は当初の目的を見失ってたのか…」
「…生命樹のサンプル収集が私達の任務…幹部クラスの腕を持ち帰れたんだからいい」
「でもどうせなら俺様がアイツらを潰したかった…」
「また今度の機会があるさ。生きていればな」
____________持ち帰ったサンプルを元にArkadiaは対生命樹討伐装備を生成。そしてArkadiaには現在500を超える深海棲艦が所属しているとされる。
アンケートご協力ありがとうございました。
次回は本編に戻ります。