「どこまで聞いたのか私にはわからないから最初から解説するわねぇ」
「助かる」
「…だいたいわかってるけど」
そりゃヲ級は分かっているだろう。Arcadiaに属しているのにArcadiaを知らない訳がない
「まずはこのArcadiaの出来た経緯…Arcadiaに所属する深海棲艦は何処かしらに欠陥があったり問題を抱えているのよ。…深海棲艦でありながら戦いを拒んだ者、魂の定着に失敗して通常の深海棲艦の人格とは全く違う者、元から身体が不自由な者や戦いで身体を欠損した者…そして指揮官が恐れた者達。……私達は本部を離れ
「じゃあ南方棲鬼も…?」
「ご名答、私も右目の視力を完全に失っているわ」
彼女は前髪を振り払うと右目があったであろう部分が露わになる。
そこにあるはずの眼球は無く側の皮膚と同じく焼け爛れ、穴の空いた様になっていた。
「昔ヘマをしちゃってねぇ、修復も出来ないから作戦から外す…それが本部の見解だったわ」
修復が出来ない…?あの島で見つけた薬品の様なものは深海には存在しないのだろうか。
「戦闘の出来ない兵器なんて必要ない…完全に価値を失った私は独り海を彷徨ったわ」
「果ての果て、誰も行き着かない最果ての海で私は彼女にArcadiaに誘われた。彼女はArcadia第一部隊の旗艦にして深海本部の主力空母…今までにも類を見ない完全なる
「彼女は絶対的な力を持っていても後悔と不安だけは残っていた…やがてその不安は彼女の魂を2つに分断してしまったの」
「光と闇、2つに分かたれた魂は反発し合う。絶対にわかり合うことが出来ず、そして何処全てを巻き込んだ本当の魂を取り戻す為の戦いが始まる…」
「筈だった」
「彼女の魂達には後悔はもう残っていなかった。不安すらも失った彼女の魂はまた一つに戻る…事も無く2つに分断されたまま。ただ彼女の魂達は地上と深海に留まっている…」
「しかも彼女達は大変仲が良かった。同じ魂の為かは知らないけど何時でも何処でも片割れの現状を確認できる彼女達はすぐ連絡を取り合ってるの。」
「そう。
「おそらく人類側はそれに気付いているのは少数だろうけどねぇ」
人類はザルなのか。
と言うか凄い作戦を考えるだけ無駄なのでは…?
…そう言えば支援を求めに行ったのは第一部隊って言ってた気が…
「それ支援を呼んだのバレない?」
「あっ」
「…気付いてなかったのか」
ヲ級は頭を抱え、南方棲鬼はあからさまに焦りだす。
「これ本部の場所ばれちゃったかも」
「なんの為に隠していたのかしらねぇ…」
「…バレたら?」
「うーん…連合艦隊が攻めてくるかも?」
_________駄目みたいです
「まっまぁ…大丈夫でしょう。多分…いや多分。」
「絶対駄目だろ」
「駄目だと思うから駄目なのよ!」
感情論、素晴らしい!
「とにかく彼女に誘われた私は魔改造された艤装を手渡された。それがArcadiaにいる妖精達が作った特殊装備の起源…つまり半分以上彼女のアイデアで作られたのがArcadia装備よ。」
「俺Arcadia装備見たことないからわかんないわ」
「…これとか」
ヲ級の対物ライフル。アルベルトの様な歯が並んだデザインをしたそのライフルもヲ級曰くArcadiaで作られた武器であるらしい。
「ただ戦いたくなくてここに来た者達もいる。だから私達は艦隊としてでは無くArcadiaとして動いている…この船も
「…ただ戦いたくて本部を壊滅させかけてここに飛ばされた奴もいるけどねぇ」
とんでもない奴も居るらしい。
ソイツとはあんまり関わりたくないタイプだな…
「そうだ。離島棲鬼は?」
「離島ちゃんは……………多分言ってもわからないと思うわ。私も分からなかったもの」
「どういう事だ?」
「全部が異常すぎるのよ彼女。
「精神異常にしては発言能力もあるし戦闘能力もある。虚言癖だったとしたらそれくらいで本部が切り捨てる訳がない。基地型なのに海上で戦える事。そして何より…」
「彼処まで人類艦の動きを熟知している事。…まるで一度経験しているかの様に」
【重要】この小説の今後について(余りにも日常感が薄れている為)
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同じ世界観を持った完全日常作品を別に作る
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名前変更せずに別作品も作る
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名前変更はするが日常作品は作らない
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名前変更せずに日常作品は作らない
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第一回深海人気アンケートを取る