ここは深き深き海の底にある深海鎮守府。
数多の艦の感情が渦巻き私達深海棲艦は生まれ落ちた。
全ては静かな海を守る為に。
全ては二度と過ちを侵さぬように。
…皆が笑いあえるそんな海が訪れるその時の為に。
その為に
______深海本部に提督が着任しました______
重い鉄のドアが開きドアの向こうから出てきた男は椅子に腰掛けた。
「さて…今日の予定と報告は?」
その男はアンデッドの様な見た目をし、豪勢な装飾が施された服を纏っている。
この人こそが滅ぼされかけた我ら深海棲艦を導いてきてくれたお方。
大体居ない為私達が指揮を取る方が多くなるが提督が居る時の海域防衛は失敗した事がない。
「今日のご予定は根源生命樹近海泊地からの使者との会談、その後新造艦の艦隊編成、最後に新型対生命樹用艤装及び対艦娘用艤装の配備についてお聞かせください。」
「ご報告は集積地棲姫からの苦情と戦艦棲姫及び重巡棲姫からの資金要請、駆逐棲姫及び北方棲姫より物資要請が届いております」
「苦情?…俺なんかやったかなぁ…」
「何やら昨年よりも使用資材の量が約62%増加しているらしくもっと節約しろとの事です」
「そんなに使ってたのか!?…調子に乗って建造や開発しまくってたからなぁ…すまなかったと伝えておく」
「戦艦棲姫及び重巡棲姫からの資金要請は何やら水着の購入費を経費にして欲しいとの事で…」
「嘘だろ?また水着パーティー《夏イベント》やる気なの?」
「らしいですね」
「前回資金壊れた事をご存知でない!?あの時はまだ鎮守府自体も動いてたにもかかわらず資金は底をついた…今は全員の資金を出すのは無理かなぁ」
「では資金援助は無しっと…」
「次に駆逐棲姫及び北方棲姫からの物資要請ですが…浮き輪が欲しいとの事です」
「即刻用意すると伝えろ」
「…資金援助は出来ないとの事では?」
「子供は別だぜ☆」
「…はぁ、わかりました」
ふざけている様に見えてもこのお方はいつも真面目である。
実際私達は何度も窮地をこの方に救われた。
「根源なんちゃら泊地って最前線に行きたいって志願した奴と自由に動きたいって言ってた奴が作った奴だっけ?」
「それと戦う事を拒んだ者達も居るはずです。」
「嘘ーん、なんで最前線に行ってるんだよぉ!?こっちの方が安全だろう?」
「確か彼処には現在の我々と同格…それ以上の戦力が集まっています。場所が場所ですが艦娘が近付かない事を考えれば安全なのかもしれません…それに「彼女」は移動型の泊地です。彼女がいる限り問題ないでしょう」
なるほど、と提督は頷き書類にメモをする。
辞書10冊以上の厚みがあった書類はもう残り1枚となっていた。
最後の書類に手を掛けていた提督は手を止め私に声をかけてきた。
「…そういや水姫もなんか欲しいものとかないのか?」
「…私ですか?」
「そうそう。長い間秘書やってもらってるしなんでも買ってやるけど」
大体こういう時は提督自身がお金を出してくれている。
ただ兵器である私達に何故そんな事をしてくれるのか私は分からない。
「そうですね…ぱふぇとか言うのを食べて見たいです。」
「パフェなぁ!良いなぁ俺も食いたいわ!じゃあ食堂行ってみるかッ!」
「いや…私が確認した時はそんな物ありませんでしたよ…?話を聞いたのも深海鶴棲姫からですし」
「あー
「アテ…?」
提督はガッツポーズをこちらにし笑みを浮かべていた。
「あぁ、レシピを聞いておいたからなぁ…もう伝達済みなんだよ…!」
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執務室を出て食堂に着くと今は誰もいない。
海域防衛に出ていたりただ買い物に行ったりしている者がほとんどだからだろうか。
「どうした提督。まだ昼時では無いが…」
声を掛けてきたのは厨房からこちらに手を振る中間棲姫だ。
ここの食堂の料理長で彼女が作る料理は和食も洋食も中華もなんでも美味しい。
…ただ自分が食べる量基準なのか全てのメニューが大盛りなのは気にしてはならない。
「おー中間、頼んでいた物…出来たか?」
「アレか?…あぁ完成したぞ。これで良いのかはわからんが」
「よっし!それ二つ頼むわ」
「わかった、少し待っていろ」
乱暴に椅子に腰掛ける提督は中間棲姫が差し出した紙コップの水を全て飲み干し机に置く。
中間棲姫はパフェの準備をしているらしくゴソゴソと冷蔵庫を漁っていた。
「さって話でもして待ってようぜ〜」
「話…でしょうか」
「おう、俺が居なかった時の事も聞きたいしなぁ…で?生命樹の正体と目的は分かったのか?」
「…いいえ、何故我々の姿を真似るのか…それに我々以外の生物を全て真似る理由…我々が名付けた生命樹と言うコードネームに対応する
「俺達の名付けた名前に対応するってなぁ…名前気に入ったとか?」
「…そんな単純な物なのでしょうかね」
「単純でしょー、だって俺らも単純な生き物じゃん。ただ海を守りたい…それだけだろ?」
「…恨みや執着心、闘争心で動いてる者も少なからず居ますが」
「あっそれは別。例外でしょそんなのー」
「そうですか」
「あっ適当だな?分かるぞ〜俺分かっちゃうぞ!!」
「提督がいない間に原初生命樹一体の撃破に成功。それに姫級生命樹の言語パターン解析を行なっておりました。」
「話変えるの上手いな…んん…?原初生命樹一体の撃破に成功…!?」
「はい、生命樹識別個体ケテルの討伐を第一主力連合艦隊及び第ニ、第三連合艦隊の一斉攻撃により成功、根源生命樹の根を破壊する事に成功しております」
「やるじゃん!って言いたいけどその艦隊運用は資材が悲惨な事に…」
「…実際倉庫はスッカラカンです」
「終わったわどうすんの?…………資材使い過ぎの原因ってそれもあるだろ」
「あっバレました?」
「なんて事をッ…!!」
「…話を戻すが根が落ちたと言ったよな?原初生命樹を倒せば根源生命樹は消えるのか?」
「推測ですが恐らくそうでしょう、10本の巨大な根が海を覆っていましたが現在は8本…ケテル討伐後に一つの根は崩れ落ちていきました。潜水棲姫率いる回収部隊にサンプルを持ち帰らせた所…生体活動が完全停止しており生命を吸い上げていた根とは思えないほどの物にまで枯れておりました。」
「後でそのサンプル見せてよ。…そろそろ出来たっぽいよ」
提督が厨房の方を見るとドヤ顔でグッドポーズを取る中間棲姫が居た。
手元のあるのは馬鹿でかいパフェが2つ、どうやら完成したらしい
「さぁ完成だ、深海甘味パフェprototype…味合うがいい」
「一応試作品なのね」
「私は本物を食べた事がないからな」
「俺もだけどな。審査は
「アイツが提督にレシピを渡したのか?」
「食べたい買ってきてって行ったら持って帰れる物じゃない。レシピは知ってるから作ってみなよって言われて今に至る」
「まぁ確かにこれは
デカンタワインが入るであろう器の中に大量のクリームソースが入っており、ソースの中に沈められている果物が外から少しだけ見える。中には味の違うアイスクリームが約10個…その上には数種類もの果物が器の縁ギリギリまで積み重ねられその上に2色のソフトクリームが重ねられており深海猫艦戦が……んん!?
「なんで
「それは白玉だ。抹茶アイスを使ったのに無いのは個人的に許されない」
何故白玉を艦戦デザインにしたのか。
ところで中間棲姫が一番好きなアイスは?
A.抹茶。
彼女がオススメしているドリンクも抹茶ラテであり、抹茶が万能調味料だと信じて止まない中間棲姫。彼女作の抹茶チョコレートはリピーターが数多く存在する。
ただ何でもかんでも抹茶塗れにするのはやめていただきたい。
「そういえば今日は遠征に出ていた者達も帰ってくる日か…パフェ、出してみるか」
「この量はまずいんじゃないかな?」
「何を言う提督、満足に食べなければ戦場で支障を来す可能性もある…食事こそ戦争では必要不可欠なのだ!」
うん、確かに正論である。
だけれども…
「いやこんな量食べるのお前だけだろ」
「なん…だと…?」
後退りをする中間棲姫。
「いや気づいてなかったんかい」
「言うて私も食べられますけどね」
「ええ…水姫ちゃんいけちゃうクチ?俺は無理無理…」
本部の方が平和
【重要】この小説の今後について(余りにも日常感が薄れている為)
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同じ世界観を持った完全日常作品を別に作る
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名前変更せずに別作品も作る
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名前変更はするが日常作品は作らない
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名前変更せずに日常作品は作らない
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第一回深海人気アンケートを取る