深き海より生命を屠る者   作:黒縄尊

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色々ありました。長い間更新せず申し訳ございませんでした。


深海の理想郷

「お前、やり過ぎだろ」

 

「ケケッ、俺様は楽しかったぞ」

 

無邪気に笑うレ級、呆れ気味のアルベルトは深い溜息を吐く。

離島棲鬼との戦闘により少なからずダメージを受けていたレ級、回復手段の存在しないArkadiaでは微量なダメージでも命取りとなりもしレ級を失えば生命樹や人類の艦隊に勝利する事も困難となる。だから模擬戦と言う形を取らせていた南方棲鬼だったが今回の件は完全にレ級の独断行動である、戦闘狂のレ級が行えば実弾演習となるのも無理はないだろう。

深海本部でも修復にはとてつもない時間を有し、建造した方が早いなんてよく言われている。だからこそ主力艦隊以外は破損すれば破棄、もしくは解体となり新しく建造される。その繰り返しが深海棲艦のやり方であり資材が底を尽きるのも時間の問題だろう。

 

「離島棲鬼帰ってこなぇな〜」

 

「まずアイツ(離島棲鬼)は水上艦じゃないからな。まずそこから可笑しいんだよ」

 

「そういや他の離島棲鬼は引きこもってるよな、なんでアイツだけあんなに動き回ってんだ?」

 

「水陸両用艤装の開発を進めたのは本部の連中だったが…しかし俺が知る限りあの艤装を搭載したのは離島棲鬼だけだ」

 

それは大規模なプロジェクトだった。大規模な予算を使い陸上艦を水上でも機動出来るようにする新型艤装。

かの深海主力艦隊旗艦(姫君)も関わっていたとされ集められた資材の半数を使ったらしい。

ここまで大規模なプロジェクトだったのにも関わらず搭載されたのは離島棲鬼ただ一人のみだ。問題があった訳でもなくコストの問題でも無い。

ここまで来ると本部には機密事項(どうしても隠さなければいけない事)があるのでは無いだろうか。

 

「良いなぁ〜俺様も専用艤装が欲しいぜ〜」

 

「…お前は陸上艦じゃ無いからありえないな」

 

「俺様は諦めないぞ!いつかこの海の頂点に立つ!」

 

「…それは良かった良かった。早く帰ってこねぇかなヲ級」

 

正直レ級と居るだけで心が休まらない。原初生命樹との戦闘後なんだ、少しくらい休んでも良いだろう。

俺は失敗したかも知れない、もしこんな面倒な目にあうのであればヲ級の頭の上で居眠りしていた方がまだマシだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________蓮side

 

 

 

「ここが最後の部屋よ、このArkadiaの司令室になるわ」

 

南方棲鬼に案内された最後の部屋。大量のモニターが壁に備え付けられておりArkadia船内の様々な場所を映し出している。

この部屋はArkadiaの装飾にも使われていた人の歯のようなものが椅子やテーブルなどに使われている。他の部屋では普通の生活用品が使われていたからこそ不気味さが増していた。

それどころかノイズのような歪な音が微かに聞こえてくる。意識しなければ問題ないが正直頭痛がするような音だ。

ヲ級はどうやら眠いらしい。部屋を巡っているうちに口数が減って行き今では今にも閉じそうな目を擦りながら俺の裾を掴み付いてきている、戦いの疲労から来る睡魔かそれともただ眠る時間なのか。

 

「Arkadiaの紹介はここまでね、何か聞きたい事があるかしら?」

 

南方棲鬼が歯型の椅子に腰掛ける。

そういえばあの日記帳に書いてある事を聞いてみるとしよう

 

「ここに人間達が来たことってあるのか?」

 

「何度もあるわよ。陸から資材は送ってもらってるしね」

 

「…人類艦と敵対しているんじゃ?」

 

「確かにそうね、ただ今の御時世、人間達が海を渡り他の国に行く事なんて不可能よ。生命樹に喰われるのがうち…だから私達と貿易する人間達も少なくはないって事」

 

 

人類艦とは争っているのに人類とは友好関係を気付いている?

この世界では深海棲艦が人類を脅かす存在としては広まっておらず、交易ができる。

ただし人類艦と呼ばれる存在は容赦なく深海棲艦を沈めていく。

人類が運用しているのならそれは余りにも不思議な行為だ。自らの交易相手を減らすような事をするのだろうか?

 

 

「…変な話だな」

 

 

 

 

 

 




アンケートご協力ありがとうございました。

同じ世界観を持った完全日常作品を別に作る
第一回深海人気アンケートを取る
の二つに決定致しました。

上記の完全日常作品は随時更新予定です。一話の投稿後作品名の変更と共にあらすじにリンクを貼らさせて頂きます。

第1回深海人気アンケートにつきましては番外編として行います。
少しの設定とともにお送りいたしますのでどうぞよろしくお願い致します。
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