「おまたせしました!」
この声の主はリアだ、離島棲鬼と一緒に居たはずの彼女は同じくらいの大きさの妖精達を連れてここに来た。
手に持っているのは…深海鉱鋼に水色の液体の入った試験管。
…保管しておいた残り3本の一つ、離島棲鬼の怪我を治した不思議な液体だ。
「なんでそれ持ってるんだよ」
「いやぁ大破状態で死にかけだった深海棲艦を修復出来る液体なんて増やさなきゃ意味が無いじゃないですか、手土産に複製準備をしておいたんですよ」
深海鉱鋼からはいつもの如く赤い液体が流れ出している。錆びついた金属の臭いが辺りに立ち込めるがそれは複製が完了したと言う合図だろう。
「じゃあ試してみましょう、小破状態の南方さんが最適でしょう」
南方棲鬼は溢れ出す液体を飲んだが離島棲鬼の様な回復は得られないらしい。
一向に潰れた片目が修復する様子はない。
「…ダメ見たいよ?」
リアは手元の時計を確認すると後ろの妖精にその時計を見せる。
そしてその妖精は現在の時刻をメモし、+20と追記した。
「20時間後に治ります。すぐに修復する物ではないんですよこれ」
離島棲鬼も一日かかったのだ、それでも20時間はかかっていなかったし個体差があるのだろうか?
「取り敢えずこれは置いて行きます、怪我を負った人達に使えば時間経過で治って行くはずです」
「こんな物何処で入手したの?本部にも回復手段はないでしょう?」
「変な離島です、恐らく艦娘用の試作品でしょうね」
「…そう言う事ね」
南方棲鬼は何やら納得したようだが俺は何も納得出来ていない。敵対する筈の艦娘達用の試作品で何故深海棲艦の傷を治す事が出来るのだろうか?
「じゃあ提督、戻りましょうか」
「え?俺の彼女が帰ってくるまでここに居るんじゃ無いの?」
「そんな事してたらあの島沈みますよ」
「なんで待ってると島が沈むんだよ…」
「この修復材を持ち込めるだけ持ち込んだ深海鉱鋼で複製しているんですよあの廃墟で…建造技術が無い我々は回復手段があるのだから使いましょうと言う事で。」
「それ水浸しになるよな彼処」
「はい。早く帰らないと島が沈みます」
やってくれたなリア、大惨事がもう見える見える。
どうせ想定外で増えすぎてる落ちだ。もう島が沈んでいるとか普通に笑えないからやめて欲しいが…
「って事でまた来ますね南方さん、ヲ級さん」
「…私は付いていく、ここじゃあ艦載機が補充されないからアルベルトがやる気を出さない」
「まじ?」
ヲ級さん着いてくるんですか?遠距離支援が増えるのはとても嬉しい。
それに清掃は人数が多い方が楽だ、二人でなんて作業が終わるわけが無いし手伝わせよう。
「…またArkadiaの戦力が減ってくわねぇ」
南方棲鬼は肩を落とす。優秀なスナイパーが別のところに行きますなんて言われたらそうなる気持ちもわかる
ましてや戦闘員が少ないらしいArkadiaじゃかなりの痛手なのだろう。
が心を鬼にして連れて行こう。こちらも離島棲鬼だけに頼りっぱなしは本当に不味い。
「じゃあ離島さん呼びますね、あの艤装に携帯擬き…連絡ツール付けておいたので」
リアは手に持った携帯のような物を使い電話をかける。
いやどう見てもただの携帯だし用途も携帯そのものじゃないか…
___________離島side
軽快な音が鳴り響く、小さい液晶がついた物から音が鳴っているのに気がついたので押せと書いてあるボタンを押してみる。これで加速したらリアは燃やそう…それがいい。
「もしもし離島さん?今何処にいます?」
声の主はリアだ、まさかの連絡ツールがこんな小さな端末だとは…
「…根源生命樹周辺」
「え?甲板じゃないんですか?」
「レ級に絡まれてこのザマよ、あんたの作った欠陥艤装のせいでこんな場所までたどり着いたし」
「あーすいません、ブレーキ付け忘れました…」
「すいませんじゃ無いわよ…普通に死にかけたんだけど?」
「後で修理します、ごめんなさい!」
「はぁ…で?場所を聞いて何をしようとしていたの?」
「今からあの離島に帰ります、離島さんが根源生命樹周辺に居るなら恐らくそのまま離島に向かってもらった方が早いですね!」
「は?」
「じゃあ離島で落ち合いましょう!それでは!」「ちょっと待ちなさい!」
…切りやがった。私はそのまま離島に向かえと?
散々な目に合ってる気しかし無いしこの新型艤装はオーバーヒート寸前。
艤装ちゃんはミニチュアサイズだし停止したら泳いで帰らないと行けない。
「私の扱いが酷くない?」
毎日投稿してた時代が懐かしい。もうガバガバ不定期投稿になってしまった…