私を愉しませてくれたまえ 作:メルシー
ユリアス短気すぎは良く分かってるよ。。。うん
お互いを切り替えるタイミングがとても難しい
彼は両手を開き豪語する。圧倒的殺気と共に。
「私を楽しませてくれたまえ」
ーーー
「初めは楽しめるかと思ったが実に他愛ない。」
「···」
口に出しては居るが相手のリアクションはない。
第一印象より悪かった。
今のところ爆発した槍以上の火力もない。近距離戦も双剣を出した辺りから初めは楽しめていたが底が見えた。
特別強い攻撃がある訳でもない。目に見えないほどの攻撃もない。だが手を抜いているとは言え攻めきれない。
そこに旨さと奥に秘めた刃を見た。
ーーー
初めて奴が何を言っているかなどどうでも良かった。
だが表情から察するにかなり狂っている事は得ていた。
私達は交差点の真ん中であった場所で対峙している。
奴の攻撃を流しては居るが一撃一撃で地面が抉られる。
食えて翼が出てからの速さは私をも上回る。
ランクダウンしているとは言え曲がり成にも宝具。カラドボルグを相殺する程の使い魔を使役し爆発にも耐える体。
「チッ」
加えてあの笑み。まだまだ底を見せていないと優に見て取れる。戦いの長期化が見え舌打ちをする。
ーーー
「これほどの力そう出来るものでもあるまい。君よりも強い力も感じている。実に興味深い。君たちは人の理を超えているな?」
「貴様に話す舌など持たぬ」
「その隠している力を使う前にくたばってくれるなよ。
どちらか滅びるまで闘争を楽しむとしよう。」
ーーー
「トレースオン」
なん種類かの魔物殺しの剣を混ぜ辺りの建物、炎の中に潜める。奴が何者なのか特定するために。
剣戟の中後方30m前後のビルの上に下がりながら弓を投影し放つ。
命中を確認せず2射3射続けて行う。
奴も何かの詠唱をしているのが耳に届く。腕が黒く膨大な何かに変わる。私の目にはノイズが掛かる。解析は出来ない。
奴はそのままこちらへ突っ込んでくる。
魔物殺しの剣を2射左右後方で奴死角から放つが当たることはない。
(今の状態、奴の方が私より早い···。ここまで捉えられているのであれば。)
「クッ」
回避行動を取る為左に回ろうとするがこちらの動きを捉えられてる以上行動を変える。
右手を突き出し自身が知る限り最高の盾の名を告げる。
「熾天覆う七つの円環《ロー·アイアス》‼」
「チッ」
詠唱破棄の急造品とは言え2枚目まで一瞬の内に削られる。足元は揺らぎ瓦礫と変わる。
頼りないが頼る他ない。事実に舌打ちが溢れる。
腕を犠牲にしてでも止めるつもりでいた直後の出来事だった。
攻撃の手は急激に止んだ。
ーーー
「どれ、ギアを上げるとしよう。」
«狂恋の華鎧・ヴィーラ»それは力を底上げする。
使い魔の力をその身に宿す。
このヴィーラの力は低ランクの攻撃を寄せ付けず
自身の肉体強化も図っている。
その為後方に下がりながら飛ばしてくる矢など今のユリアスには気にも止めない。
直進。ビルの上に居る相手に向かって一直線で飛翔する。
ただ。ただの右手による攻撃。強化されただけの腕力で突如として現れた花弁を貫く。
「それでは持たんよ。次の一手を打ちたまえ」
「···」
次々に花弁を割るが手を変えない相手に苛つく。
「その内に秘めた物は使わないのかね。
···興ざめだ。」
もはや表情に笑みはなく、興味はあるが別に向いてしまっている。
(ここまで力の差を見せたが出してこないのは理由でもあるのだろう。まだいくつか反応のある。そちらへ赴くとしよう。)
手を辞めると隣の廃墟に飛び移ると蝙蝠がひしめく。
ユリアスの体を覆うと姿は消えていた。