飛竜とアイルーと。   作:麗紫 水晶

1 / 55
 と、突然すみません。もう1作書いちゃいました。前振り予告もせず、大変失礼をば致しました。
 読んで頂けたら幸い。この作品も同時進行で進める気で、2,3話まとめてと思っていて見切り発車しました。
 ゆるりと楽しんで頂けたら嬉しゅうございます。
 では、物語の始まり始まり…。



♪♪♪プロローグ♪♪♪

 ……ここはユクモ村。自然より湧き出でる源泉は多くのハンターや商人、一般の人々まで足湯や温泉に癒しを求めて来訪する、人々の繋がるきっかけが多い、活気のある村であった。

 他の村と同様、猫飯屋、武具屋、道具屋、オトモ武具屋もあり、アイルー達も村に馴染んでいる。

 その他にハンター達の家や村長の家等があり、村のクエストはここから出発して行く者もいる。村の村長は女性でオシャレな着物に髪を結い、綺麗なかんざしを付けて、椅子に座っていた。穏やかそうな気品のある人物の様だった。

 

 その村に1匹、単身で温泉に浸かりに来ている猫!?いや、姿は猫だが走る時以外は二足歩行で、通常の猫よりは体躯が大きく、人語も話せるアイルー族がいた。

 

 「やっぱり、温泉に限るニャ~~~。♪」

 

 傍には自分で身に付けている装備が置いてある。日本の武将をイメージしたオトモように作られた武者Xネコアーマー・ヘッドとこれまた日本刀を意識したオトモ用武器の¨銘刀ニャンコテツ¨であった。

名前を白羅¨びゃくら¨と言い、解雇されたオトモの一匹で前主人の忠義と今まで可愛がってくれた恩義で、他のハンターのお誘いを幾度と断り、次第に雇われることも無くなった。しかし、狩には出るのでこれが本当の一匹狼と呼ばれるようになっていた。レベルは63レベル。解雇された時は52レベルであったので、単身でコツコツとレベルを上げてきた。ある意味なかなかの強者である。時には大型モンスターの討伐クエストをソロでクリアしてきた事もあった。

時にはのんびりと、魚釣りのクエストや素材・食材の集めるクエストをしたりで、報奨金もそこそこに、生活していける程度に過ごしていた。

 

「あら、白羅さん、戻っていらしてたの?」

 

綺麗な着物の綺麗なお姉さんが話しかけてきた。ユクモ村の村長である。

 

「そうですニャ。仕事の後の、一風呂はいつもいいもんですニャ~~~。」

 

「それは良かったですわ。実は貴方に依頼が来ているのです。後で寄って下さいな。」

 

「へ、おいらに依頼ニャ!?分かったニャ、後で寄りますニャ。」

 

「では、後程。」

 

と村長は戻って行った。

 

「依頼主は誰かニャ?ま、いいニャか。会えばわかるニャ。ニャ~~~。」

 

と温泉に浸かりながら、背伸びする。その瞬間に、脚を滑らせお湯の中にひっくり返ってしまう。

 

「ニャ!ガボガボガボ!ぷにゃぁ!!」

 

ザパーっと湯しぶきを上げて立ち上がる!

 

「ニャ!?」

 

周りを見渡すと数人の入浴者が頭からお湯びたしに。白羅は違った意味で注目を浴びてしまった。

 

「ご免なさいニャ~~~!」

 

と慌てて、温泉から自分の物を持って飛び出して行ったのだった。

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

気を取り直し、武具を装備して、村長の元へ。相変わらず、椅子に座り、落ちてくる花びらや蝶々と戯れている。小さな勇敢な強者は、村長の傍まで近寄った。

 

「村長さん、来ましたニャ。依頼とは何ですかニャ?」

 

「はい、お待ちしてましたよ。早速ですが、ベルナ村にいる猫嬢に会いに行ってくださいまし。猫嬢から依頼があると言うことなので。」

 

「猫嬢ですニャか?」

 

「そうです。詳しくはそちらで。」

 

「分かりましたニャ。向かいますニャ。」

「お気をつけて。」

 

と村長に見送られ、船乗り場へ。仲間のアイルーが受け付けをしていた。

 

「ニャンテンションプリーズ!どちらに行かれますニャ?」

 

「ベルナ村までお願いするニャ。」

 

「了解しましたニャ。ではお乗りくださいニャ。」

 

受け付けアイルーに促されて、飛行船に乗り込む。船頭さんが舵をきると、ゆっくりと動き出した。

ゆっくりと流れる雲にあったかく照らしてくれる太陽に、外の眺めを楽しみながら、ベルナ村に向かっていた。

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

ベルナ村…ハンターの新人さんはまず、この村から始まる。村長は勿論、カリスタ教官や猫飯屋の女主人、受付嬢や龍暦院のモンスター管理の青年など、新人をサポートしていく村で、龍暦院とも協力している場でもあった。

飛行船から降りて来ると、一人の男性が。背筋はまっすぐで、髭を生やし、杖を持って、堂々とした風格を滲ませる老人が立っていた。ベルナ村の村長である。

 

 「待っておったぞ、白羅よ。済まない、最近のハンター達ときたらやたらと強いモンスターの討伐ばかりを狙って猫嬢の依頼さえ引き受けようとせん。お前さんのようにコツコツと積み重ねていくことが大事じゃと言うのに。」

 

 珍しく、村長が愚痴をこぼした。余程の事だろう。いつもは広い目で余裕があるはずの人物なのだが。

 

 「ご、ゴホン。そ、それは置いといてじゃ。早速猫嬢の依頼を受けてやってくれんか?なんでも鉱石を集めて欲しいそうじゃ。」

 

 「鉱石ニャ…。」

 

 「そうじゃ。先ずは猫嬢を訪ねなさい。任せたぞ。」

 

 「分かりましたニャ。行ってみますニャ。」

 

 「うむ。」

 

 と村長と別れ、オトモ達のいる隣接しているオトモ広場を訪ねた。そこは猫嬢がオトモの斡旋をしているだけでなく、行商や、モンニャン隊、訓練場などの設備もなされていた。他の村にはない施設であった。いろんなオトモ達がいる中を通り抜け、猫嬢の元へ。

 

 「あ~~!!いらっしゃい!お待ちしてました!!」

 

 と迎えてくれたのは茶髪の大きな可愛い猫耳で、オトモ斡旋者用だろうか専用の衣装に身を包み、小柄でポシェットを肩から下げている、アイドルのような(いや、アイドルか!?)お嬢様が立っていた。

 

 「お久しぶりですニャ。斡旋登録もしてニャいので、ここに来るのもしばらくぶりニャ。」

 

 白羅は周りを見渡しながら呟いていた。前主人に解雇に会うまでは時々来ていたからだ。それを聞いて、猫嬢も少し寂しげな顔になった。

 

 「ニャ、ニャにも来ない理由があるわけじゃニャいニャ。たまたまニャ。」

 

 「そうですか、少しは遊びに来てくださいね。」

 

 「ニャ。そうするニャ。」

 

 お互いに顔を見合わせて微笑む。事情を知っているだけに無言で頷きあっていた。

 

 「それはそうと、おいらに依頼ニャか?」

 

 「ああっと、そうでした。実は鉱石採掘の依頼をしたいのです。エルトライト鉱石を7つ集めて欲しいのです。それをオトモ武具屋さんに届けて欲しいのです。お願いできますか?」

 

 「分かりましたニャ。猫嬢の依頼は断れニャいニャ。」

 

 「ほんとですか!?ありがとうございます!お礼は用意しておきますのでよろしくお願いします。」

 

 「じゃ、早速行ってくるニャ!」

 

 「ええ、今からですか!?」

 

 「大丈夫ニャ。採掘次第、戻ってくるニャ。任せるニャ!」

 

 と手を振って、村長のいる村の方へ戻って行く。猫嬢もニコニコしながら、その後姿を見送った…。

 

「さて、何処に採掘に行こうかニャ?」

 

クエスト地を考えながら、受付嬢の前にやってきた。

 

「あら、お久しぶりですね、少したくましくなった?」

 

「ニャ♪、ニャ♪、ニャ♪。誉められても何も出て来ないニャ。♪」

 

「なぁんだぁ!残念。」

 

「今度、良いものがあったら持って来るニャ。」

 

「えっ、本当!やった!期待してるからね♪」

 

「分かったニャ、約束ニャ。それよりクエストを頼み…!?」

 

「どうしたの?」

 

話が途切れたので、心配そうに白羅の顔を覗き込む。

 

「そうだニャ。採掘するニャにもG級のクエストじゃニャいと駄目だったニャ。」

 

「へっ。!?」

 

受付嬢も分からずに、目が点になった。

 

「龍識船の集会酒場ニャ!」

 

そう叫びながら、一目散に飛行船へ、ダッシュしていく。

 

「えっ、ちょっ、どういうこと?」

 

と呆気にとられたままの受付嬢であった…。

 

「失敗したニャ~!鉱石が上位物ニャという事をすっかり忘れてたニャ~。速くしニャいと、船が出てしまうニャ~。」

 

4本足で、大地を蹴って全速力で突っ走っていく。やがて、集会場の船着き場が見えてきた。

 

「スーパーウルトラ大回転ニャ~~~~!!」

 

と勢いよく地面を蹴って、ハイジャンプし、さらに空中で回転しながら龍識船まで飛んでいく。

 

「ニャ~~~~!!」

 

バキッ!!ものすごい鈍い音を立てて、船の床に頭を突っ込んでいた。身体は直立不動の逆さ状態で…。

周りのハンターやクルー、商売人達が心配そうに注視する。暫くすると身体を起こし、頭を床から必死に抜こうとしている。ようやく頭が脱出に成功する。

 

「ぷにゃぁ!間に合ったニャ~~~!」

 

(こらこら、床に穴を開けたのを忘れてないだろうな)

無事だったのが確認出来ると、みんな通常の動きに戻っていった。

龍識船は基本、龍の生態系を調べることとしていた。しかし、今回は少し違うらしい。バルファルクと命名された、音速で飛び回る龍の追跡調査だそうだ。

船はゆっくりと出航した。

龍識船は大きな飛行船が3隻並ぶように組まれていて、向かって左側の船が集会酒場に、右側が道具屋、武具屋、オトモ武具屋があり、中央の船はクルー達が船を動かし、龍暦院より大抜擢となった最年少の隊長が居り、受付嬢や猫飯屋、教官もいた。 

 他には下の船内には博士帽子をかぶったアイルーが研究員として研究室に。ベルナ村にいたモンスター研究の青年、猫嬢も参加していて、あとは、ハンター達の部屋として使われていた。

 

 白羅は採集クエストでもG級ランクでなければならないと集会酒場に移動した。

 そこにはカウンターやテーブルがあり、地下には武具屋や貿易ネコ自室がある。滞在するならそこでもOKだった。そのカウンターには艶やかなドレスにフワフワな扇子を仰ぎ、ユクモ村の村長とはまた違った雰囲気を醸し出しているママさんがいた。カウンターの中ではウェイトレスをしているスキンヘッドのサングラスを掛けた強面の男性がグラスを拭いていた。クエストの受注窓口でもあった。

 

 「ママさん久しぶりニャ。」

 

 挨拶をとママさんの元に。

 

 「あら~、ほんとね~。元気にしてた?」

 

 「おかげさまニャ。あの時は世話になりましたニャ。」

 

 「いいのよ、お互い様だったでしょ。気にしないで。」

 

 ここでもお互いにニッコリとほほ笑む。

 

 「で、船に乗り込んでどうかしたの?いきなり獰猛モンスターを討伐しに行くとか言わないでしょうね!?」

 

 「おっと、そうニャった。G級の採集ツアーに行こうと思っていたニャ。」

 

 「ふ~ん、何を探しに?」

 

 「エルトライト鉱石を探しにニャ。猫嬢からの依頼ニャ。」

 

 「あら、珍しいわね。最近じゃHRを稼ぎたくて難易度の高いクエストばかり受注がかかるのに。」

 

 「いいニャ。強くなるに越したことはニャいが、そこまでの目的も無いニャ。ゆっくりと上げれればいいニャ。」

 

 「そうよね、あたしもそう思うわ。今度、一緒に飲まない?昔ばなしもしたいし。」

 

 「そうニャ。今度時間を作るニャ。その時はよろしくニャ。」

 

 「オッケイ!待ってるわね。」

 

 と横のカウンターにいる強面のおじ様!?がいる前へ進む。

 

 「クエストを受注したいのですニャが?」

 

 「いらっしゃいませ、どのクエストになさいますか?」

 

 とクエスト本を開いて見せてくれる。白羅は椅子に座り、本を覗き込む。ひと通りクエストを確認すると、一つのクエストを上げる。

 

 「G1の砂漠採集ツアーにするにゃ。」

 

 とカウンターのおじ様!?に本を返す。

 

 「分かりました。受注お受けします。準備が出来ましたらいつでもどうぞ。」

 

 とグラスをまた拭き始める。相変わらず仕事熱心だニャと感心しつつ、搭乗口へ。その間にも他のハンター達は仲間を募って、モンスターのいる狩場へと出向いて行った。

 

 「さあ、おいらも出発ニャ!!」

 

 と気を入れ直して飛行船に乗り込んだ。(おいおい、船に穴を開けた修理をしてないぞ…。)

 

 この後、不思議な出会いと共に波乱な出来事に巻き込まれていくストーリー…。

 

 

 

 




 読んで頂けて大変嬉しゅうございます!!!
 外異伝、共々書き綴っていきます。外異伝にお気に入りや投票くださっている方、ありがとうございます。いま1つの節目を迎えている感じですので、そちらも執筆に気が入っているところでゴザイマス。
 この作品も楽しんで執筆していきますので、どうかよろしくお願いします。
 次話もまた読んで頂ける事を願って…。   では。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。