飛竜とアイルーと。   作:麗紫 水晶

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 続き出来ました~~~♪♪♪
 今までの遅れを取り戻すような速さ…かどうかは分かりませんが、とにかく更新にこぎつけた次第。
 ささ、呼んでやってくださいましな。 物語の始まり始まり…。



氷海にて……♪♪②

はてさて、ガムート君が正気に戻り、しかし、怪我も尋常ではないため、その場でぐったりとしておりました。

白羅もコテツを収め、左腕を押さえながら、ガムートの傍に。ラルクも傍にやって来たのでありました。

「これは早く運んで治療しないといけないニャ…。」

 

先の銀レウスのブレスが凄まじい威力をまざまざと見せられて、ため息をついておりました。どうやって連れていこうか悩んでしまっていたのです。

 

「ニャ~、どうするかニャ、ラル……。」

 

 と振り向いた瞬間ラルクの顔と思っていた白羅は驚いて固まってしまいました。なんと、銀レウスが居たのです!

 

「ニャ……。」

 

 すぐにラルクも顔を出し、気を落ち着かせるためにコクリと頷いたのでした。

 

 「ニャ。ニャにもしないかニャ?」

 

 恐る恐るレウスに問いかけると、レウスも頷いたのでした。

 

 「クルル。」

 

 ラルクは空に向かって指さします。そして、2頭が同時に頷くのでした。

 

 「飛んで運んでくれるニャか!?」

 

 2頭は改めて頷き返すと、ホバリングしながら爪で掴んで持ち上げようとした。

 

 「ちょ、ちょっと待ってニャ!それじゃ傷が酷くニャるニャ!」

 

 そう言われて一度着陸する。白羅もどうやって運ぼうかと考えを巡らせた。早くせねばどんどん傷が酷くなる…そう思っているうちに一つ思いついたのでした。

 

 「ラルク!ディノバルドとソリを連れてきてニャ!来る途中で、さっきのハンターさん達も乗っけて来てニャ!」

 

 「クァァ!」

 

 了解したとばかりに飛び立っていく。ベースキャンプの方へと飛んで行くのを確認すると、その場に座り込んでしまった。

 

 「ニャ~~。左腕ダメかニャ~~。雅盛様が帰って来たら怒られるだろうニャ~~。精進が足りないからだってニャ~~~。」

 

 白羅が気落ちしていると、白羅の周りを羽で囲ってくれる物が…。

 

 「ニャ、銀レウス…。」

 

 彼なりに心配してくれたのだろう。その気持ちは凄くありがたかった。

 

 「お~~~い!白羅さ~~~~ん!!!」

 

 「グルアァァァァァ!!!」

 

 エリア2に地響きと共にディノバルドとハンター達を乗せたソリ、空にはラルクが飛んできていた。

 

 「なァァァ!?!?!?ギ、銀レウスがなんでこんなところに!?!?」(驚いたでしょう♪♪♪)

 

 「あ、あたしもこの目で見るのは初めてだよ…。」(中々お目にかかれないですから♪♪♪)

 

 「ま、まさか銀レウスも仲間に!?」(そうかもしれません♪♪♪)

 

 「こ、こりゃ仲良くなっときゃ素材分けてもらえないかな?」(それは贅沢かと♪♪♪)

 

 「美味しそう…。」(誰か獣医さん呼んでください!!)

 

白羅は立ち上がって、声をかけてきたリーダー格のハンターに、手伝ってもらうことにした。

 

「お願いですニャ!動けるハンターさん達全員で、ソリの上側の板を外して、後ろに応急のソリを作ってほしいニャ!ガムートが正気に戻って、怪我もしているので連れて行きたいニャ!ハンターさん達には迷惑をかけるけど、お願いしますニャ!」

 

左腕を押さえながらも必至にハンターに懇願していた。ハンターも負傷者や他のハンター達のことも気になったが、仮にも命の恩人からの頼みである。それを断るなど出来るわけはなかった。

 

「分かった!直ぐに動ける連中を集めて作業に入る!任せてくれ!」

 

「あ、ありがとうニャ!恩に着るニャ!帰ったら、ギルドにお願いして、褒賞金を三倍にしてもらうように頼んでみるニャ!」

 

「了解だ!頼んだぜ!よし、動けるハンターは集まってくれ!皆で急ぎ大工仕事だ!」

 

と早速作業に取り掛かっていった。負傷者達には申し訳ないが、寒さを我慢してもらい、天井になっていた板を外して、後ろにもう一台ソリを作ってガムートを広場まで運ぼうというのだ。

 

「良かったニャ。いいハンターさん達ニャ。」

 

流石ハンター達である。もう板を外して、ソリを造り出していた。あと一息というところである。

 

「凄いニャ。みるみる出来上がっていくニャ。」

 

その様子を白羅達は見守っていた。白羅も負傷しているため、下手に手伝おうとすれば、逆に足手まといになりかねなかった。

 

 「あ、あんた左腕が…。」

 

 女性ハンターが白羅が左腕を抑えているので心配になって声を掛けてきた。

 

 「あ、あニャたは!?」

 

 「あたしはラミア。上位ハンターをしているわ。さっきはありがとう。助かったわ。ね、その左腕怪我したの?ソリの中に救護班もいるし、こっちで見てもらったら?」

 

 と白羅を促そうとする。が、白羅も申し出は嬉しかったが丁寧にお断りする。

 

 「すいませんニャ。今、このモンスターから離れるわけにはいきませんニャ。連れて帰るまで傍に居たいですニャ。心配してくれてありがとうニャ♪」

 

 とお辞儀をする。

 

 「い、いえ、いいの。ゴメンね気が付かなくて。」

 

 「そんニャことないニャ。こうして声を掛けてくれるニャンて優しい人ニャ。」

 

 「い、いや、そんな事はないよ…。」

 

 と顔を赤くしてうつ向いてしまった。黄緑色のショートヘアの綺麗な顔立ちでガララXの装備をし、片手剣の無明刃〔道諦〕Lv8を装備していた。マッチョな感じはなく、その体型からはハンターか?と思わせるほどにナイスバディをしていた。

 

 「お~い!出来たぜ!!」

 

 と応急ソリ2号機が完成したので呼びかけられた。

 

 「ゴメンニャ。一緒に乗せるのを手伝ってくれるかニャ?」

 

 「え、ああ、いいわよ。で、どうするの?」

 

 と白羅はラミアにも手伝ってもらい、ラルク達と共にガムートを2号機にゆっくりと慎重に乗せた。

 通常の地面ならば、摩擦で動きもしないだろうが、ここは氷海。何とかなると全員乗り込んで出発し、氷海を後にするのだった…。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

 

 「きゃぁぁぁぁぁ!!白羅さん!!左腕を怪我されたのですか!?」(ちょっと大変かもです。)

 

 「ええっ!本当!?大丈夫なの!?」(大丈夫ではないと思いますが…。)

 

 「これは大変ね!お医者さんにする!?獣医さんにする!?それとも私にする!?」(ご遠慮させていただきます。)

 

 戻って来た白羅達を見て、3人の美女たちが白羅の周りを取り囲んでいた。

 

 「おいらよりもガムートの方を…。」

 

 「「「ダメ!!!」」」

 

 とそこだけは声が揃って白羅を叱る!驚いた白羅が、3人の顔を交互に見つめる。あまりに懇願するような目で見て来るので、彼女たちの方が折れた。

 

 「じゃあ、同時進行しましょ。ガムートさんは広場に。白羅さんは私の家に。皆さんで連れて行きましょう。」

 

 と村長さんが進言してくれた事で、全員納得で、行動に移った。ハンター達により、ガムートは広場の方へ。白羅は囲まれながら有無を言わさず、村長さん宅へと向かって行く。

 

 「あたいが抱っこしていくよ。」と下からひょいッとすくい上げるように抱き上げた人物が。

 

 「ニャ!?ニャァ!?ラミアさんニャ!?」

 

 と顔を見ると、ニコッと微笑み返してきた。

 

 「あら、あなたは上位ハンターの。」(お、村長さんはご存じのようで。)

 

 「ああ、私も知ってます。最近メキメキと腕を上げてきている方でしょう?」(受付嬢もご存じ!?)

 

 「私はなんて幸運なの。こんなにワクワクする研究対象が沢山……♪♪」(この方にも獣医さんの愛の手を…!!)

 

 「あたしも今回のクエストで助けられた一人で、恩人なんだ。何かしてあげたいと思って。」

 

 「そうでしたか。大変ご苦労様でした。もう、白羅さんたら、隅に置けない人!」

 

 と白羅のお尻をつねる!

 

 「あ゛い゛ニ゛ャ!」

 

 「ん!?どうかした!?」

 

 「い、い、い、いや、何でもないニャ。大丈夫ニャ。」

 

 お尻をさすることも出来ずに村長さん宅に拉致されていく白羅君でありました♪

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

 その日の夜は獣医さんが村長さん宅に呼ばれ、手術をして、1か月後には復帰できると診断を受けた。

 左肩を包帯でグルグル巻きにされた白羅が、村長さん宅から外に出られたのは1週間後の事だった。

 

 「ニャ~~~、久しぶりの外ニャ~~~。ラルクやガムート達はどうなったかニャ~~。」

 

 「気になるか?」

 

 「ニャ。ラミアさんニャ。モチロン気になるニャ。」

 

 「じゃあ、一緒に行こう。私も狩る側だが興味がある。紹介してくれるかな?」

 

 「モチロンニャ。一緒に行こうニャ♪」

 

 「そ、それと…。」

 

 顔を赤らめてもじもじしている。

 

 「ニャ!?」

 

 「こ、今度、クエストを一緒に行ってもらっていいかな?」

 

 「お、おいらとニャか!?」

 

 驚いてラミアの顔を見ると、赤らめた顔のままで頷いた。一瞬、自分でいいのか?とも思ったが、手助けになることがあればと了承することにした。

 

 「分かったニャ。その代わり、ラルク達とも一緒ニャ。それでもいいなら組んでもいいニャ。」

 

 「ほ、本当!?やった!!じゃ、改めてよろしくね。白羅さん♪」

 

 「こちらこそ、よろしくニャ♪」

 

 と2人!?は握手する。今まで一匹オオカミを貫いてきた白羅にとって、ハンターに雇われる側ではなく、仲間として見てくれる、ラミアに感謝していた。

 

 「ニャ!じゃ、仲間たちを紹介するニャ。一緒に行くニャ!」

 

 「うん!」

 

 と一緒に広場へと赴くのでした。

 

 広場に着くと、入り口は相変わらずの大盛況!!研究員達から、この前助けたハンター達まで入り乱れてごった返しておりました。お陰でユクモ村はホクホクで白羅様様、モンスター様様でありました。

 その内の一人が白羅達に気付くと皆をかき分けて道を作ってくれたのです。

 

 「お、おい、道を開けろ。白羅さん達が来たぞ!」

 

 「「「「「「おおォォ…。」」」」」

 

 一度に静まり返り、皆一斉にさざ波のように両サイドに広がる。真ん中に道が出来て、白羅達が通れるようになる。

 

 「あ、ありがとうニャ。通らせてもらうニャ。」

 

 と申し訳なさそうに通って行く。

 

 「お、おい、あれ、ラミアさんじゃないか?」(お、意外と有名人!?)

 

 「なんで、白羅さんと一緒に歩いてるんだ?」(実は…内緒です♪)

 

 「ま、まさか白羅さんとチームを組んだとか言わないよな!?」(そのまさかです♪)

 

 「あ、あいつ、素材とか狙ってないだろうな。」(そう思ったあなたこそ、逮捕です!!)

 

 中に入るとラルクをはじめ、モンスター達が皆で出迎えてくれた。その中には傷が癒えて間もないガムートと協力してくれた銀レウスも一緒に居た。

 

 「ニャァ、良かったニャ、元気になったニャ!銀レウスも居てくれたニャか。」

 

 モンスター達の顔をそれぞれ見回す。みんなニッコリとほほ笑んでいるように見えた。

 

 「ニャ、紹介するニャ。今度一緒にクエストすることになったラミアさんニャ。」

 

 「よ、よろしく。」とペコリと挨拶する。

 

 すると、ラルクがラミアの顔に自分の顔を近づける。クエストでも急接近な事が無かったので、めちゃくちゃビビって硬直していた。少し、匂いを嗅いで、片目でジイ~っと見つめる。ラミアも見つめ返す。と、突然顔を上に上げて咆哮する!

 

 「え、え、なになに!!どうなったの!?」

 

 「認めてくれたようニャ。良かったニャ♪」

 

 「え、そうなの!?合格なの!?」

 

 「そうニャ。じゃ、奥で皆を紹介するニャ♪」

 

 とラミアを促しながら広場の奥へと進む。

 

 「よかった、このまま食べられるかと思った…。」

 

 ほっと胸を撫でおろし、白羅達と共に広場の奥へと消えていくのでありました。暖かく心地よい風が、白羅達を祝福している様でもありました…。

 

 

 

 




 読んで頂けて大変ありがとうございます。 アンケートの事もあり、急ピッチで次話を書き綴った訳ですが、でも楽しさは忘れずに執筆しておりました。今度は人!?のお仲間も出来た次第で。私も含め、皆さんも楽しみにしていただけると幸いです。はてさて、今度はどんなお仲間が増えるやら…。書いてる私自身も未知なんですよ♪♪
 アンケートの方も良かったらメッセージくださいね。全く怖がる事はありません。噛みつくほどの度量も無いので…。お気に入り等が増えるだけでもウキウキしている私なので。
 では、また次話にお会い出来ることを切に願って…。

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