白羅達は、ユクモ村に戻り、ラミアの治療へ。さすがに獣医!?さんではなく、ちゃんとしたお医者さんに治療を委ね、命に別状はないとのことだったので少し安心していた。ただ、折れた骨が神経を圧迫しつつあるとの事で、手術は必要との事になり、治ればまた狩に復帰できるとも聞いたので安心してお願いすることにした。
「手術後は私の家の空き部屋を使うといいですわ。何かあれば家の者も居ますし。」
「ありがとうですニャ。また何かお土産を持ってきますニャ。」
「あら、いいですのよ。ラミアさんは白羅さんをサポートするのに頑張ったのでしょう?私もそうしたと思いますし、ラミアさんへの報償代わりに…ね♪」
「ありがとうニャ…。」
「ま、キスの一つでもくれれば、なおいいのですが?♪♪」(さすがしっかりしてらっしゃる♪♪)
「ニャ!?、ニャニャニャ、そ、そんニャ……。」(ホントに隅に置けない人♪♪)
と顔を真っ赤にしてうつ向いてしまった。村長さんもクスッと笑みをこぼしてお医者さんと話を進めていた。
白羅はそんな村長さんに感謝するのだった…。
ラミアの事はお任せして、ラルク達の元に。入り口は何回も説明したりないほどに大騒ぎで大賑わい!!研究員たちやら、ハンター達やら、一般の人たちまで、入り乱れ♪♪麒麟でも貴重なモンスターがと騒いでいるところに、金銀の夫婦に卵!?ときたもんだ!! 研究員たち全員の目がギラギラギラ!!ノートは5冊ずつ用意し、柵の外側でキャンプをしている者までいる始末。
「通してもらっていいかニャ!!」
後方からそう叫ぶと一気に静まり返り、両側に避けてくれる。その出来た道を申し訳なさそうに歩いていく。
「ニャ、すいませんニャ。通らせてもらうニャ。」
2,3歩、歩きだした所で研究員の一人が手を叩き始めた。それが徐々に周りに広がっていく。
「ニャ!?何ニャ!?」
その場にいる全員からの拍手であった。前回のガムートやハンター達の事、今回の金銀夫婦、仲間のハンターの事、その事は武勇伝のように皆に伝わっていた。その事に感動し、自然と拍手が贈られるのだった。
「よう!英雄の凱旋みたいだな!!」
と前回助け、助けられたハンターが近寄って来た。
「ニャ!?全然そんニャ事思って無いニャ。今回は仲間を守り切れにゃかったし…。」
「さっき、手術が終わって村長さんの家に移ったラミアに会って来たよ。”あたいが怪我をしたら、マジキレて物凄く怒ってライゼクスをコテンパンにやっつけてたってな。凄く嬉しかった”だと。」
「ニャ!?!?ラミアがそんニャ事を。」
と、またまた顔を赤くしている。
「ま、そんなあんただから皆から拍手を贈られているのさ。俺たちからしても命の恩人だしな。」
「そんニャ事はないニャ。まだまだ修行が足りにゃいニャ。」
「今はそこまで考えずに、皆に手を振ってやりなよ。いいかい、あんたはそれだけの事をしたんだからな!」
と背中を押される白羅であった。白羅も照れつつも、手を振って皆に挨拶しながら入り口の中へと入って行くのであった。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
金銀夫婦には小高い丘の草原地帯に巣を作り、そこに生活をしてもらうことにした。金レイアには卵を見つつ、傍で十分休んでもらい、銀レウスに食料を調達してもらう形で落ち着いた。
研究員達には申し訳なかったが、静かな落ち着いた場所で卵を孵化したいだろうと、その場所にすることにした。タマミツネにはをお礼を言い、金銀夫妻もお礼を言いに来ていた。竜語だったので白羅には内容は分からなかったが、時折、3頭とも白羅の方を見たりしていたので、自分が何を言われているのかもチョット気にはなった。しかし、それはそれ。悪い話ではないと思って、そこから離れた。
「ラルク、ゴメンニャ。止めてくれて助かったニャ。あのままニャったらおいらライゼクスをどうしてたか分からにゃいニャ。やっぱり、おいらの相棒ニャ!」
「クァァ♪♪♪」
ラルクも嬉しそうであった。あの時の判断が良かったのかどうかラルクなりに心配していたのだ。白羅の言葉で気持ちが晴れていた。
「一緒にラミアの所に行こうニャ。村長さんの家に移ったようニャ。」
「クァ!?」
ラルクも驚いて頷き返す。ラミアの事も心配していたので、白羅の背中を押して行こう行こう!を繰り返す。
「よし、行こうニャ。」
と一緒に歩き出す。
「ブルルルルル。」
横から綺麗な姿の麒麟さんが姿を現した。
「ニャ、どうかしたニャ!?」
すると、ラルクに話しかけている。白羅も麒麟とラルクを交互に見つめた。
「クァクァクァ。」
ラルクが理解したようで、白羅に爪!?で村長さんの家を指!?爪!?指した。
「ニャ!?麒麟さんも一緒に行ってくれるニャか?」
問いかけると、頷き返してきた。白羅の傍に来て、背中に乗せていく素振りだ。
「ニャ、ありがとうニャ。乗せてもらうニャ。」
と麒麟の背にまたがって、村長さんの家に向かった。
宅に着くと、メイドの女性が出迎えてくれた。そのままラミアの部屋まで案内してくれる。
「失礼します。」
とドアをノックして扉を開ける。部屋の中央にベッドがあり、ラミアはそこに寝かされていた。
「あ~~!白羅さん!」
白羅の顔を見て顔がパッと明るくなった。退屈していたのと、一人ぽっちだったので寂しかったのとで、沈んだ顔をしていた。ラルクは窓から顔を覗かせていた。麒麟さんは白羅についてきた。
「あ、麒麟さんにラルクも。ありがとう!」
「元気そうで何よりニャ。回復したら、また一緒に狩に行くニャ。」
「うん、分かった。必ずね♪♪」
「済まなかったニャ……。」
「ううん、いいの。逆に嬉しかったし♪♪」
「ニャ、ニャにがかな!?」
「白羅さんがあたいの為にあんなに怒ってくれて♪♪痛かったけど、それ以上に嬉しかったの♪♪だから今度はあたしももっと強くなって、白羅さんをサポートするから一緒に連れてってね♪」
「ニャ、勿論一緒に行くニャ♪こちらこそよろしくニャ♪あの時、ラミアが動いてくれたから卵は無事だったニャ。逆にこっちがありがとうニャ!」
「え、あ、そんな…♪♪」(青春ですね~羨ましい限り…。こ、コホン!失礼しました。)
逆に照れてしまうラミアであった。
「で、その鎧はどうしちゃったの!?」
「そうニャんだ。色が急に変わってしまったニャ。軽くニャったし、硬さもパワーアップしてる気がするニャ。」
コテツも武者ネコ装備も白基調の赤いラインが入った武具に変化していた。形は、ほぼ元のままで。
「凄くカッコイイんだけどね♪♪惚れ直しちゃったんだけど♪♪」
「ニャ!?そ、そんニャ!?恥ずかしいニャ、照れるニャ!?」(こら~新婚夫婦の会話か~~!!)
お互いに顔を赤くして、うつむいていた。すると、麒麟さんがベッドの横に来て、しゃがみ込む。
「ニャ、どうしたニャ!?」
麒麟さんが小さな雷を体から発生し、角に集中。その先からゆっくりと細めの稲妻が一本伸びて、ラミアの全身を柔らかく包み込んだ。白羅もラミアも驚いた。ラルクも外から凝視している。
「あ、あ、なんか凄く気持ちいい…。痛みが和らいでいく…。」
「ニャ!?す、凄いニャ!?麒麟さん大丈夫ニャか!?」
麒麟も頷く。いわゆる、電気治療というやつだ。しかも、めちゃくちゃな贅沢の。
「ありがとうニャ。寝藁を用意してもらえるように頼んでおくにゃ。」
「あらあらあら、綺麗なお客さんがいらしていたなんて、どうして家の者は教えてくれないんでしょ。」(この前の事を思ってだと思いますが?)
「村長さん寝藁を用意してあげて欲しいニャ。」
村長も状態を見て、察してくれた。
「分かりましたわ、家の者に用意させますわ♪私を呼ばなかった罰に♪」(いや、麒麟さんに接触できる方が、嬉しいかと思われます。)
「ニャ、そのままで聞いてニャ。ラミアが復帰するまで、一度里帰りしてくるニャ。」
「へっ、里帰り!?」
「そうニャ。アイルー村ニャ!」
解説しよう!!:アイルー村とはかくかく、しかじかで…………。
「「「「「ニャにぃ~!!」」」」」(あなた方もなんですね…ウルウル。)
ラミアも一緒にいられると思っていたらしい。顔が曇ってしまった。
「ニャ!?そんなに心配しなくても大丈夫ニャ!すぐに帰って来るニャ!」
「ほんとに~~~!」
「ほんとに、ほんとニャ!」
「じゃあ、約束のチューして!♪♪」(こちらも負けてませんね♪)
「ニャ!ニャ!ニャ!そ、そんニャ!」
顔から湯気が立ち込めている。部屋がサウナになりそうな勢いである。
「ニャ!ニャてと。行ってみるかニャ。」
「え~!チューくらい良いじゃんケチ~~~♪♪」
「ニャ!こ、今度復帰祝いにニャにか用意するニャ!約束ニャ!」
「なんだ~、しょうがないっか~♪♪ま、白羅さんらしくて、そこも好きなんだけどね♪♪」
ぼっ!!と顔をゆでダコ状態で何も言えない白羅でありました。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
その場を麒麟さんにお任せして、ラルクと広場に戻ってまいりました。外の仲間達には、事情を説明して、納得してもらい、金銀夫妻は自力で食糧調達に。外の仲間達には何かと繋がりのあるハンターさんに、食糧調達を頼んだのです。
「おう!里帰りなら仕方ねぇよな。任せてくれ、ゆっくり行って来るといいぜ。」
「ありがとうニャ!」
「いいってことさ。このくらいじゃ、恩を返した内にも入らねぇ。」
「お願いするニャ!じゃ!ラルク!出発しようニャ!」
「クァァ♪♪」
颯爽とラルクの背に乗って、飛翔していく。その姿を研究者やハンター、村人に見送られながら快晴の中、心地よい風を受けて、アイルー村へと向かうのでありました………。
読んでくださり、ありがとうございます。
まだまだ白羅とラルクの周りには、書きたい物語が沢山ありますので、次話もまた楽しみにしていただければと思います。ではまた次話にお会いできることを切に願って……。