ささ、早速読んでやってください。後程後書きにて。では物語の始まり始まり……………。
悪いことというのは見えないところ、つまり後ろの方からやって来るもので………。
「おい!早くそっちを縛れ!モタモタするな!」
「わかってるよ!これでも急いでやってるんだ!」
「よし、台車を傍まで持ってきた!乗せるか?」
「いや、もうちょっとだ!」
「早くしないと見つかっちまう!」
男達が4人、慌ててロープで縛り付けている。台車にあるものを乗せるためである。なるべく大きい音を立てないようにしながら、台車に積んでいく。
「よし、台車ごとロープで固定しろ。」
一人が、そう言うと3人は早速ロープを縛り付けていった。そのあるものは、眠らされていた。体の至るところに打撲傷や切り傷があり、血も出ていた。かなり弱らされたところを眠らされたらしい。
そのあるものとは、タマミツネ。白羅と仲良くなって、白羅の広場に住み着いた竜の1頭である。
白羅にも協力的で、研究者達からも、なかなかの人気者でもあった。
「よし、移動するぞ。」
二人は前を後の二人は後ろから台車を押すのだった。
その眠らされる瞬間に、緊急信号の声を発したのだろう、麒麟さんには届いていた。
「ブルルル…。」
白羅に近づき襟の後ろをくわえ、ヒョイと持ち上げる。
「ニャ、ニャ、ニャ、どうしたニャ!?」
猫嬢がくわえて持ち上げられてバタバタしている光景が目に浮かぶ。
「え、ちょ、ちょっと、どうしたの麒麟さん!?」
「一体どうしたニャ?」
灯羅も様子に気付いて、傍まで来る。
麒麟さんは半強制的にヒョイと自身の背中へほおり上げる。
「ニャ~!ほんとに一体どうしたニャ~!!」
白羅を乗せた麒麟さんは真後ろを向いて走り出す。いや、ジャンピングと言った方が正しいだろうか。移動距離が長いので、あっという間に姿が小さくなっていく。
「ま、待って!!ラルク!お願い、乗せてって!!」
「クァァ!!」
ラルクもすぐに肩を降ろして、背中に乗るように促して来る。
「ニャ!僕達もいいニャか!?」
灯羅も姫沙羅も真剣な顔をしていた。ラミアとラルクは顔を見合わせて頷く。
「分かったわ!乗って!!」
「ありがとうニャ!!」
ラミア・灯羅・姫沙羅とラルクの背に乗る。そしてちょこんと焔羅が……。
「え、ちょ、ちょっと焔羅!あなたはお留守ば…。」
「グァ!!」
お留守番と言おうとしたが、遮られてしまった。幼体であっても、緊急事態はわかるのだろう。行く気満々の焔羅に、ラミアも了承せざるを得なかった。
「ふぅ、分かったわ。白羅さんに叱られるのを覚悟で行くしかないのね。」
「大丈夫ニャ!僕達も付いてるニャ!」
「クァ!!」
ラルクも俺も付いてると声を掛けてくれた。
「ありがとう、分かったわ、行きましょう!!」
そう言うと、ラルクが羽根を広げ飛翔していく!こちらは一直線なので、すぐに追い付く事になる。
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麒麟の跳んでいく背中の上で、白羅は何とか体勢を直し、麒麟の向かっている方向を見る。
「ニャ!あそこニャは!?」
そこはあるモンスターが居るはずの川辺に到着する。しかし、いつもゆっくりしている筈のモンスターの姿がない。
「ニャ、ニャんでタマミツネが居ないニャ!?」
周りを見回しても、大声で呼び掛けても、返事はない。そして、ラルク達が追い付いた。
「ニャ!ラミア!ラルク!大変ニャ!タマミツネが居ないニャ!!」
「えぇっ!!タマちゃんが!!」
ラルクの背から降りたラミア達が、白羅の傍まで来た。
「餌を獲りに行ってるとかじゃニャいニャか?」
「ニャ、餌はおいらが魚を獲ってきて与えてるニャ。ほとんど頼み事がニャい限り、休んでもらってるニャ。」
「一体何処に……!?」
「連れ去られた可能性があるニャ~~。」
姫沙羅が何かを見つけたようだ。
皆で覗き込むと、大きめの石があり、それに血がこびりついていた。周りを改めて良く見ると、地面がめくれていたり、削られている部分が多数ある。
「ニャ、ニャんと……。」
「これは戦った後ニャ。」
「グァ!!」
「ニャ!焔羅ニャ!どうしてここに居るニャ!?」
「ゴメンなさい!その話は後で!焔羅どうしたの!?」
すると焔羅がタマミツネが連れ去られたと思われる方向を見た。その方向には、遺跡平原がある!
遺跡平原はその名の通り、古代文明の名残が所々に残っている平原地帯である。他にも遺群嶺もあったりするが、今は遺跡平原の方向を向いている。
「分かったニャ!焔羅を信じるニャ!タマミツネを追いかけるニャ!」
「「「おぅ!!」」」
白羅は麒麟さんに再度乗る。そしてラミアや灯羅達はラルクの背に乗って、飛翔していく。
「タマミツネさん、今助けに行くニャ!待っててニャ!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
後ろからラザックが走って来た。
「済まないニャ!受付嬢に緊急クエストニャと伝えてニャ!!」
「はぁはぁ、緊急クエスト!?」
「そうニャ!!タマミツネさんが拉致されたニャ!!」
「な、何だと!!」
「ニャから追いかけるニャで、クエスト受注を頼むニャ!!」
「分かった!任せろ!だが気を付けろよ!何をしてくるかわからん連中だからな!」
「ありがとうニャ!行ってくるニャ!」
ラルク達は一足先へ。白羅と麒麟さんは跳んで一路、遺跡平原へと向かうのでした……。
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白羅は気配察知を働かせていた。勿論、灯羅達もである。お互いに居場所を突き止める。
「「エリア4ニャ!!」」
ラルク達は直接エリア4へ。白羅達は順を追ってエリア1,2,4と向かって行く。先にエリア4にラルク達がたどり着く。岩山があり、両サイドから突き出た人工的に削られて作られた古代人作のであろう岩の橋が、真ん中だけ崩れ落ちている。
下に降りて、登っていけば行けなくはない。が、運んでいる物が物だけに、その橋をつなぐために渡れるだけの強度の橋を作っている所だった。
「おい!何だありゃ!」
「な、セルレギオスがなんでこんなところに!?」
「まずいな。シートを被せてやり過ごすんだ!」
一人は橋を作り続け、3人で台車にシートを被せる。ラルク達は反対側の岩山に降り立った。
「そこで、ニャにをしているニャ!!」
「は、はい。荷物の量がありすぎで、下からでは上に上げられないと急きょ橋を繋いでいる所でさあ。」
「その荷物とは何ニャ。」
「は、はあ。回復薬や、ビッケル、素材等々ですが?」
と橋を作っていたハンターと話していると、残りの3人もそこに来た。
「どうしたんです?何かあったんですか?」
もう一人のハンターが、不思議そうに尋ねて来る。
「居なくなったモンスターを探してるニャ。良ければ荷物の中身を見せてもらっていいニャか?」
灯羅が、歩いて橋を渡ろうとする。
「いえ、それには及びませんぜ。ただの荷物なんで。」
と、橋の真ん中に立ちはだかる。
「なら、見せてもらってもいいわよね?」
とラミアもついて行く。ラルクはその場で警戒していた。
「通らせてもらえないニャか?」
「いえ、今作りかけなんで、落ちて怪我でもされたらと思いましてね。」
「その割には3人も渡ってきたわよ。」
「どうしてもダメニャら押し通るだけニャ。」
歩きながら獰灼炎のブレイニャーを構える!ラミアも無明刀を構える!
「どうしてもと言うなら、俺らをどかして行って下せえ。」
と武器を構える。1人は大剣、1人は太刀、1人は片手剣、もう1人は弓を使っていた。
「ニャら通らせてもらうニャ!!」
「通れるもんならな!!」
大剣のハンターが真上から振り下ろしてくる!灯羅もブレイニャーで受け止める!力の押し合いになる!
「ほう、なかなかやるじゃねえか。」
「ふん!クシャルダオラに比べたらまだまだニャ。」
「へ、減らず口を!!」
更に腕に力を込めて剣を前に押し出す!
が、灯羅も言うだけあって、小さいながらそれを受け止めている!お互いに剣を交えたまま、にらみ合いになった。その横をくぐって、抜けようとするラミアも、同じ片手剣のハンターに行く手を阻まれる!
「退いてくれないかしら?」
「さっきも言ったが、俺らを退かして通ってくれ、退かせるものなら、だが。」
「なら、力ずくで!」
「返り討ちにしてやるよ!」
お互いの剣が高い金属音と共に火花を散らす!ラミアが再度剣を振るうも盾で攻撃をかわされる!逆にハンターに攻撃をされるもラミアも盾で受け流す!
こっちの戦いも互角のようだった。
しかし、戦っているハンター達の後方から矢をつがえて狙いを定めるハンターが。
が、橋の下の地面を猛ダッシュする物がいた!
「姫沙羅!!」
荷物と言い張る、大きな台車まで一直線に駆け登ろうとする!しかし、ハンターも反応が早かった!直ぐに矢の矛先を姫沙羅に変えて、動きを読んで放つ!
「「姫沙羅!!」」
戦いながらも、姫沙羅に矢を放たれたのを気付いて、灯羅とラミアが叫ぶ!ダッシュしながら名前を呼ばれて振り向くと、矢が迫っていた!姫沙羅の顔が一瞬で青ざめ、勢いがあるために止まる事も出来ない!!殺られると思った瞬間!
「姫沙羅~~~~~!!!」
と姫沙羅の目の前に立ちはだかる物が…………。
「ニ゛ャ゛ガァ゛ァ゛ァ゛~~~~~~………!!!」
右腕を貫かれ、勢いで、地面を転げていく!その光景に3人が叫んだ!
「「「白羅!!!」」」
姫沙羅が急ブレーキをかけ、慌てて白羅の元に!
「クククク…。抜け駆けしようとするからだ。」
と弓使いのハンターが呟いた。
が、ほくそ笑みを浮かべた刹那、ハンターに天罰が落ちる!雷撃が真上から飛来したのだ!
「ぎゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛~~~~~~~!!!」
その場で崩れ堕ちた。
「な!麒麟だと!」
太刀使いのハンターが叫ぶ!
「びゃ、白羅!!ニ゛ャ!ニ゛ャァ…………。」
姫沙羅が白羅を抱き起こし、腕から強引に矢を引き抜く!
「ニ゛ャ゛!!!」
秘薬を飲ませ、出血が止まるまで、腕を抑えながら白羅を抱き締める!
「ゴメ゛ン゛ニ゛ャ゛~~~~…………………。」
抱き締めながら、ボロボロと涙を流していた……。
そして、最愛の友の大怪我に、今度はラルクの何かが吹っ飛んだ!!
「ガァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!」
「「「「「「なっ!!!」」」」」」
そのエリアどころか、遺跡平原全体に轟く程の咆哮に、全員ラルクの方へ振り向く!
ラルクは咆哮を上げたまま、凄まじい程のオーラを放つ!身体全体が白金に変わり、赤いラインが入り、羽の膜のところには赤い紋様が。そして刃のような角の両側に少し小さめの同じような角が生えていた!
そして初めて見せる殺気を放つ眼で、相手のハンター達を見据えているのだった…………………。
読了ありがとうございます♪今回はまた真面目なストーリーでございました。次話も少々真面目でございますが、途中からくずれそうな予感が。楽しみにして頂ければ幸い。では次話にてお会いできることを切に願って♪