飛竜とアイルーと。   作:麗紫 水晶

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失礼ながら更新させていただきます。ありがとうございます。
前回同様、真面目!?になってございます。
ささ、読んでやってくださいませ。後程後書きにて。
では物語の始まり始まり…。




タマちゃん救出作戦②♪♪

「な、何だありゃ…。」(なんでしょう♪)

 

 「あんな姿のセルレギオスなんざ見たことねえ!?」(確かに初めてかも♪)

 

 「遷悠種か!?」(いえ、違います。)

 

 「極限状態か!?」(違いますね。)

 

 「単なる獰猛化か!?」(それも違うかと。)

 

「「「「じゃあ何!!」」」」(何と言われても……新種としか………照れますね♪)

 

「「「「聞いてね~し!!」」」」

 

驚いていたのは彼らだけではなかった。灯羅達にとっても同じであった。ラルクの異様な殺気にラミアも驚きを隠せないでいた。

 

 「ラ、ラルク…!?」

 

 「僕もあんニャ姿のセルレギオスは初めてニャ。」

 

 オーラを纏ったまま、恐ろしい形相でハンター達を睨みつけている。

 

「マズイニャ。ラミアさん!一旦離れるニャ!来るニャ!」

 

「わ、分かった!!」

 

灯羅は大剣を弾き返して、下に飛び降りる!ラミアも剣を納めて飛び降りる!それと同時に5個一組となった刃麟がハンター達の目の前に迫っていた!

 

「ちぃぃぃ!!」

 

大剣のハンターは剣を盾に回避するが、足回りはガードしきれずに、被弾する!

「がぁぁぁ!っくそ!脚がヤられて身動きとれねぇ!」

 

その後ろにいた、片手剣のハンターは、盾で辛うじて受け流す!太刀使いのハンターは納刀キャンセルで、刃麟の攻撃をかわしていた!太刀使いのハンターが、地面に刺さった刃麟を見て驚く!刃麟の表面が半透明に光って見える!

 

「なっ!!クリスタルか!?」

 

「「何だと!!」」

 

大剣と片手剣のハンターが、改めて刺さっている刃麟を見ると、刃麟がクリスタルでコートされ、更に研ぎ澄まされている!

 

「只の裂傷状態じゃねぇと思ったら、そう言うことか…。」

 

と大剣のハンターが、地面に膝を着く。大剣を支えにしているものの、思ったより傷は深く、素早い動きは期待できなかった。

 

「お前達で行けるか?」

 

「あんたはどうするんだ?」

 

「俺が囮になって、奴の気を引いてる内に、一気に抜けるんだ。」

 

「そりゃ、まともじゃないな。二人であの大荷物は、いくら台車だとしても無理だ。」

 

「ちっ、こんなときに覚醒なんぞしやがって!」

 

大剣のハンターは分が悪いと悟り、秘薬を一気に飲み干し、強引に立ち上がる。ついでに強走薬も飲み、スタミナを回復させる。

 

「よし、一旦、前のエリアに移動だ!時間をかけてでも別方向から進むぞ。」

 

 襲われないようにと後ろ向きで剣を構えたまま台車の方へ歩き出す。他の2人も弓使いを抱き起しながら後退する。だが、ハンター達の思惑はことごとく打ち砕かれる。台車の前まで来た時、地面が暗くなるのを感じた。

 上を見上げるより先に大きな何かが降りてきた。

 

 「ぐわっ!!!」

 

 「ガッ!!」

 

 「グガッ!!」

 

 大剣と片手剣の2人が地面に叩き伏せられる。太刀のハンターは大きな手のような爪で鷲掴みにされ、持ち上げられた!!その時台車のロープが切れてシートがめくれ、中からタマミツネの姿が…。

 

 「フシューーーーッ!!」

 

 太刀のハンターは鷲掴みにされたまま、自分を持ち上げられている物を見て驚愕し青ざめる!

 全体が黒基調の体色で、筋肉質な両前脚・後脚があり、それとは別に大きな爪を持つ腕に翼があり、狂竜ウィルスを纏っていた。

 岩橋の下に降りた灯羅とラミアは白羅の傍に来ていたが、その姿を見て驚く!

 

 「ゴ、ゴア・マガラがどうして………!?」

 

 「ゴアァァァァァ………!!」

 

 ゴア・マガラが咆哮を上げた。それはまるでこの獲物は俺の物だと自負するかのようだった。

 

 「ニ”ャ”…ラルクッ…。」

 

 白羅が右腕を押さえながら起き上がる。

 

 「ニ”ャ!?白羅!?まだダメニャ!!」

 

 姫沙羅も動かしてはいけないと止めようとするも、白羅は無理にでも立ち上がる。

 

 「白羅!?」

 

 「白羅さん!?」

 

 灯羅とラミアも慌てて白羅を支える。ラルクもゴア・マガラに好きにはさせまいと咆哮を上げる!

 それを聞いて戦闘態勢に入ろうとゴア・マガラが鷲掴みのハンターを放り投げる!

 

 「ぐわぁ……………ガッ!!」

 

 運悪く、岩壁に激突!悶絶して崩れ落ちた。大剣のハンターは反対側の岩壁に、片手剣のハンターは隣のエリアまで飛ばされた。

 

 ラルクとゴア・マガラは睨み合ったまま、ゆっくりと数歩ずつ前へ出る。しばしの沈黙の後、戦闘の火蓋が切られたのだった。

 ラルクがクリスタルコートの刃麟を飛ばす!それをホバリングで躱していくゴア・マガラ。逆に今度はゴア・マガラが狂竜ブレスを放っていく!地面上で爆発しながらラルクに迫っていく!

 

 「ニャ!?ラルク!!避けるニャ!!!」

 

 白羅が叫ぶも動こうとしない。むしろ迎え撃つ気でいる。恐竜ブレスの爆撃がラルクに襲い掛かった…………………。

 

 しかし、無情にもウィルスは霧散してしまう。

 

 「バ、バカニャ…!?」

 

 「効かないっていうの!?」

 

 灯羅もラミアもその現実に驚く!

 

 「ラルク………。」

 

 が、それを心配そうに見つめる白羅がいた。

 そして、ブレスが効かないのを一番に驚いていたのはゴア・マガラ当人である。

 

 「ガァァァァァ!!」

 

 馬鹿な!と言わんばかりに再度狂竜ブレスを放とうとする!しかしそれと同時にラルクも動いていた!

 

 「グァァァァァァァ!!!」

 

 咆哮を上げると同時にラルクの3本の角が白く光り出す!すると、円形状に自身の前からゴア・マガラの後ろぐらいまでの広い範囲で、地面から光が漏れだす!ゴア・マガラも、危険を察知して飛び上がろうとする!その刹那、地面から無数のクリスタルの塊が剣を成して競りだし、3メートル程の高さまで、突きだしたのだ!

 

「グギァガァァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!」

 

真下からの攻撃に、お腹周り、足回りと、柔らかいところをまともにダメージを受けて悲鳴を上げて落下する!!その場でもがいていた。

 

クリスタルの塊が、競り上がって止まると、パキパキと割れだし、細かくなってやがて消えてしまった…。そう、クリスタルの塊など無かったかのように…。

ラルクはもがいているゴア・マガラに向かって、ゆっくりと進んでいく。それは強くなった自信からによるものでもあった。

 

 「ニ”ャ!?ラルク!それ以上はダメニャ………!」

 

 白羅は腕を押さえつつ、速足で歩き坂を登っていく。

 

 「ちょ、ちょっと待つニャ!?」

 

 「びゃ、白羅待つニャ!!」

 

灯羅と姫沙羅が追いかけようとした。だが、両手を広げて2匹の前に立ちはだかる。

 

「ニャ!?どいてくれニャ!!」

 

「そうニャ!白羅が危ないニャ!!」

 

2匹はラミアに詰め寄る!だが、ラミアは首を横に降り、どけようとはしなかった。

 

「大丈夫……あの二人だからこそ……。」

 

そう呟いて、白羅達の方を見る。

 

「ニャ!?白羅とラルクだからこそニャか?」

 

「そう、私も信じてるから……。」

 

そう言われて、灯羅と姫沙羅も白羅達の方を見る。白羅はゴア・マガラの前に立ち、腕の痛みを堪えながらラルクを見た。

 

「ガァァァ!!」

 

そこをどけと言わんばかりに吠える。だが白羅もどくことはしない。

 

「ラルク…もういいニャ。おいらもこうしてラルクの前に立ってるニャ。大丈夫ニャ。落ち着くニャ。」

 

ラルクにそう話しかけるも怒りは収まらない。更に1歩前に踏み出す。

 

「ラルク…ありがとうニャ。こんなおいらの為に怒ってくれるニャんて。おいらは幸せ者ニャ。また一緒にクエストに行ってくれるニャか?一緒に行きたいニャ、よろしくお願いするニャ……。」

 

痛みを必死に堪えつつ、満面の笑みを作る。その時白羅の目から一滴の涙が頬を伝っていく。やがて地面へ落ちたのを、ラルクが視界に捉えた……。

 

「クァァァァァァ………………!!!」

 

高らかに真上を向いて、咆哮を上げる。理性が戻り、やがてゆっくりと白羅の方へ向き直ると、いつものラルクの顔つきに戻っているのだった。

 

「クルクルクル……。」

 

ラルクが白羅に顔を近づけて甘えてみせる。

ラミア達もひと安心と胸を撫で下ろした。

 

「ニャは♪ニャ♪ニャ♪ニャ♪良かった、ラルクが戻ったニャ♪ほんとに……良かっ……たニャ…………。」

 

安心したのかラルクの顔にもたれるようにくずれ落ちた……。

 

「「「白羅!!!」」」

 

「「クァ!!!」」

 

ラルクは慌てて、白羅を抱き起こす!ラミア達も坂を一気にかけ上がる!

 

「良かった、息はある。」

 

「ニャが、すぐに医者に見せないと危険ニャ。」

 

と話している内に、後ろのゴア・マガラが起き上がる。灯羅達も驚いて、白羅を守りつつ武器を構える。が、かなりのダメージだったのだろう、周りには目もくれず片足を引きながら、そこから少し離れ、垂直に飛び上がり飛び去って行った。

灯羅達も武器を納めて、白羅をどうするかを話し合っていた。

 

「おーい!白羅さん!みんな!」

 

後ろから聞き覚えのある声が。振り向くとラザックが、ハンターや衛兵を20人近くを連れて、やって来ていた。

ラザックの後ろには、灯羅と姫沙羅がよく知る人物二人が…。

 

「ニャ…!?お久し振りですニャ。」

 

「お元気そうで何よりニャ♪」

 

「久しいな、灯羅、姫沙羅。」

 

「ハイ、久し振りね。何年振りかな?」

 

ギルドナイトのアルザートと仲間のイリザであった。

 

「俺が、事件だと思ったんで、村長とも話して、事情を話して一緒に来てもらったのさ。」

 

「そうでしたニャか、ありがとうですニャ。」

 

「いや、それより白羅さんは?」

 

「む、白羅君!?」

 

アルザートが倒れている白羅を見つけて傍による。

 

「フム、直ぐに村に戻って治療を受けないと危険だ。が、幸いエリアを無視で移動することができるな。ラルク君白羅君を乗せて行けるか?」

 

「クァ!!!」

 

ラルクが勿論と、肩を下ろして乗せるように促して来る。ラミアが抱き抱えて一緒に乗る。焔羅も続く。

 

「あ、あたしも一緒に行くニャ!」

 

と姫沙羅も慌てて乗った。責任を感じているのだろう、心配そうに白羅を見つめるのだった。

 

「よし、ラルク君、頼んだぞ!」

 

「クァァ!!」

 

と返事を返して、ホバリングする。かなりの高さまで上昇すると、ユクモ村まで、飛翔するのだった。

「ここにいる3人と隣のエリアにいる1人のハンターが主犯ですニャ。捕まえて下さいニャ。」

 

「分かった、衛兵!!この者達を連行する!抵抗する者は容赦するな!」

 

「「「「はっ!!」」」」

 

一緒に来た、手練れのハンターと共に捕まえていく。さすがに四人共、大したダメージを食っていたので、抵抗することなく観念していた。

 

「かわいそうね。ずいぶん痛め付けられて。」

 

イリザが、タマミツネを撫でながら、眠っている様子を見ていた。

 

「そうだな、このタマミツネも、治療が必要だ。」

 

「了解です!おーい!ディノバルドさーん!」

 

「ゴァァ!!」

 

「ニャ!?白羅の仲間のディノバルドニャか!?」

 

「そうだ!分かってもらうのに、苦労したぜ~。」

 

自分達も助けられた時のように、台車を引いてもらおうと言うのだ。理解してもらうのに、時間がかかったが、分かった途端に移動を始めたので、ラザックも慌てて後についていく形になっていた。

直ぐに台車にロープがつけられ、ディノバルドがそれをくわえて歩き出す。

 

「よし!全員村に戻るぞ!手の空いている者は、台車を誘導するのを手伝ってくれ!」

 

「「「「「はっ!!」」」」」

 

「僕も台車を誘導するニャ。」

 

と、灯羅もラザックと共に、台車を誘導しつつ、ユクモ村へと向かうのでありました……………。

 

 

 

 




読了いただき、ありがとうございます♪次話は、真面目かはたまたコメディか!?引き続き、お付き合いの程よろしくお願いいたします。
では次話にてお会いできることを切に願って♪

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