飛竜とアイルーと。   作:麗紫 水晶

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この作品を読んでくださっている方々に御礼申し上げます。あまりに嬉しすぎて、早速2話目でございます。どうか読んでやってくださいまし。では物語の始まり始まり。



飛竜との出会い。

 …砂漠……。この地は旧砂漠よりは勿論年数的に新しくできた土地ではある。

日中はすぐに脱水になる程気温が上がり、ハンターならばクーラードリンクかスキル付きの防具で暑さをしのぐが、アイルーやメラルーと言った猫族は暑さ寒さには強かった。しかも大型モンスターの気配も感知出来るため、千里眼の薬要らず。でもあった。

岩壁の山もあり、エリアによってはすなの滝が、その土地の環境を変えてしまった事を物語っていた。

更に別のエリアでは、日の当たらない所があり、水溜まりや、水辺があったりしており、どんな生物も、水分を補給しに来るのだった。

しかし、日が当たらないので、気温差が激しく、ハンター達はそのエリアでは逆にホットドリンクを飲まないと、耐えることが出来ない場所でもあった。

 

集会酒場を出発した白羅は、クエスト地の砂漠のベースキャンプ地に到着した。

ハンター達と同様に、ベッドやチェスト等がある。唯一の井戸は近道をすることが出来る特殊通路になっていた。

「♪さて、どこから採掘に行こうかニャ♪」

 

 準備万端!?行く気だけは満々で、何か別に掘り出し物があればラッキー!という、相変わらず欲のあまりないのんびり屋さんであった。

しかし、1つ気がかりがあった。

 

「ニャんで大型モンスターの気配が二つあるニャ?ま、大丈夫ニャ。見つからないように行けば何とかなるニャ。」

 

気配を感知出来る種族達なので、二つの大型の気配は気にはなった。なので、なるべく見つからずに、依頼を遂行すべく、井戸からのエリア移動を始めたのだった。

 

そこはエリア6の場所で、日の当たらないエリアであった。鍾乳洞のT字の通路の真ん中に降り立つ。ここに鉱石があるので、採掘をスタートする。アイルー達専用のビッケルでエルトライト鉱石をゲットする。

 

「お、さい先いいニャ。気をつけながら、どんどんいくニャ。」

 

と鉱石のあるエリアに移動しながら、採掘しつつ、他の鉱石も取りつつ、エリア4、エリア2へと採掘しながら移動した。

 エリア2は砂漠の中では一番大きいフィールドでバックに巨大な岸壁状の岩山があり、他は一面熱砂が広がる場所であった。

 ヨジ、ヨジ、ヨジ、ヨジ…。ベースキャンプまで坂道を上がって行けばよいものを、あえて岸壁を登ってゆく。

 途中で斜め下方向を見ると、実が見えた。

 

 「ニャ~!あんニャ所に熱帯イチゴニャ~~!どうするかニャ~…。」

 

 途中まで登った手前どうするか悩んでいた。少し悩んで動き出す。

 

 「やっぱり、採りに行こうニャ!」

 

 (下へ参りま~~す♪)ヨジ、ヨジ、ヨジ、ヨジ…。岩肌を掴みながら崖を降りてゆく。すると、下に近くなってきた所でザザザザザ…。と怪しい砂音が…。見ると黒くて大きい縦に伸びたヒレがジグザグしながら真下までやってきて止まる。

 

 「ニャ!?」

 

 止まって見ていると、砂の中からゆっくりと顔を出す物が…。何かにプレスされたかのように左右に潰れたような、シュモクザメに似た顔立ちのドスガレオスが口をあんぐりと開けて顔だけ出して待ち構えていた…。

 

 「ニャ~~~~~!!ドスガレオスニャ~~~!!」

 

 (上へ参りま~~す♪)ヨジヨジヨジヨジヨジ…。慌てて高台の上までよじ登る。

 

 「ニャァ、フゥ、ニャァ、フゥ…。お、おいらを丸のみにしようと待ち構えてたニャ。一匹はドスガレオスの気配だったニャ。」

 

 フウッと前脚で顔を拭いながら落ち着こうとした。その瞬間!

 ズドーン!!と言う爆発のような音と共に巨大な砂柱が上がる!その一番上に、ひっくり返された先ほどのドスガレオスが飛ばされていて、砂と共に落下していった。

 

 「ニャ!!ニャンだ~~~~!?!?!?」

 

 あまりの衝撃的な光景に思わず、岩壁の下を覗き込む。するとそこにはもう1頭の大型モンスターが。

 前に向けて巨大な2本の角と牙を生やし、恐竜で言うトリケラトプスのような扇状のヒレがあり、強靭な後ろ脚を持つ2足歩行で、尻尾には船の碇のような形をした強固な物が付いている。可愛げにサボテンを食すという、羽を持つ飛竜種"角竜 ディアブロス"がそこにいた。

 

 不意打ちを喰らわされたドスガレオスは起き上がるとこちらも慌てて砂の中に逃げ込む。それを逃がさんと羽を水平に広げ、後足を蹴って前進し加速する!しかし、間に合わずに砂の中に逃げられてしまう。

 

 「も、もう1匹はディアブロスニャったか。気を付けニャいとこっちが串刺しにニャるな。」

 

 と見つからないように一先ずベースキャンプに戻る白羅だった…。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

 「あと1つニャ。エリア3に行かニャいと7個にならニャいニャ。」

 

 残り採掘を残しているエリアは3であった。しかし、ドスガレオスとディアブロスが行きかっているためにどちらの方向から向かうか悩んでいた。

 

 「井戸からエリア6,7,3と行くかニャ……それとも2,3と行くかニャ……迷うニャ。」

 

 今、どちらの方向もエリア2と7には気配がある。どちらがとは言えないが、少なからず鉢合わせすることは間違いない。が、鉱石も足りない以上向かうしかない訳で決めるしかなかった。

 

 「ニャ!決めたニャ!6,7,3のエリアで向かうニャ!」

 

 白羅は2頭が鉢合わせしていないので、思い切って行くことにした。

 

「先に採掘した分ニャ届け依頼をさっきかけたニャ。だからあと1つに集中すればいいニャ。」

 

 と井戸の中に飛び込む。勢いよく下まで落下する。着地すると、エリア6の鍾乳洞の通り道T字路に降り立つ。

 

 「相変わらず肌寒いニャ。」

 

 とは言うものの、ホットドリンクまで必要な程の寒さを感じない種族でもあった。(お得な奴だ)

 

 「こっちニャ。」

 

 ゆっくりとエリア7に足を踏み入れる。そこは大きな穴の開いた空洞のような場所で、上側に空いた穴からは光が差し込んでいる。その真下は水源があり、砂の地表の真ん中付近には岩柱が構えていた。

 今の所、大型モンスターの姿はない。白羅はチャンスとばかりに思い切った。

 

 「今ニャ、走り抜けるニャ。」

 

 4本足で猛然とダッシュを図る!もう少しでエリア3の入り口に…。と差し掛かった時事態は急変する!!

 

 「ニ゛ャ~~~~~~!!!」

 

 ズドーンと激しい砂柱が音を立てて立ち上がる!!白羅も不意を突かれて壁まで吹き飛ばされる!

 

 「そ、そんニャ…。気配が無かったニャ…。」

 

 その生物は雄たけびのような咆哮を上げる。前の方に向けて巨大な2本の角を生やし、後足の脚力で突進してくる飛竜種”ディアブロス”であった。

 ディアブロスは武具を装備している白羅にターゲットをロックオンしたようだった。

 

 「ま、まずいニャ。もう一撃喰らったらおしまいニャ。でも、動けニャい……。」

 

 体力をギリギリまで一気に削られたため、起き上がって回復するのに時間がかかった。ディアブロスはお構いなしに足を蹴って突進してくる!!

 

 「も、もう駄目ニャ~~~!!」

 

 と、両前脚で頭を抱え込んだ!と、その時奇跡が起こる!!

 

 「グァガァァァァァァァ!!」

 

 とディアブロスも横から攻撃されて勢いと共に吹き飛ばされる!!白羅もディアブロスの悲鳴にゆっくりと両前脚を開いた。

 

 「ニャ、ニャ、ニャンで…。」

 

 白羅も目を疑った。何よりも自分の気配感知を疑った。当然だ、今までなかった大型モンスターの3頭目がいるのだから…。

 全身が硬い刃のような鱗に覆われ、頭部には鋭利なナイフのような角が一本生えており、前足の部分には羽があり、爪は長めの2本と短めの1本、後足は筋肉質で上2本、下2本の4本ずつの大きめの爪が付いていた。獲物を掴むには十分な物だろう。尻尾は若干太めで、特殊な形程ではない。その生物は、ディアブロスに対し咆哮を上げた。

 白羅はその存在を知っていた。前主人とよく狩でも相対していたからだ。

 

 「千刃竜"セルレギオス"がニャンで…。」

 

 その行動は白羅には理解できなかった。白羅の方が狙われてもおかしくないと思ったからだ。更にセルレギオスが不思議な行動に出る。ディアブロスを目の前にして、白羅の方をチラリと見たのだ。

 

 「ニャ…。」

 

 言葉にもならず、その場から動けなくなっていた。体勢を戻したディアブロスも横やりを入れて来た、セルレギオスに対し、ターゲットをセルレギオスに変更したようだ。セルレギオスに対して怒りの咆哮を上げる!すぐに羽を広げて、後足で地面を蹴って突進してきた!が、セルレギオスも羽を広げて飛び上がり、後足の爪を広げて横に湾曲させてディアブロスの羽とわき腹を攻撃する!!突進の勢いと、躱されて横からの攻撃で、ディアブロスは水源の中に突っ込んでしまう!!

 

 「ガァァァァァ!!!」

 

 水源の中でもがくディアブロス。セルレギオスは悠々と岩柱の傍に舞い降りた。ディアブロスは起き上がって体勢を直すも敵わないと思ったのか、地面に潜り込んで離れていった…。

 

 「凄いニャ。」

 

 思わず見とれていて、その場から逃げる事を忘れてしまっていた白羅がいた。セルレギオスはゆっくりとこちらを向いて白羅に近づいてくる。しかし、白羅はなぜか怖さを感じなかった。むしろどこかで…。

 そのセルレギオスは白羅の前に来ると、右前脚を出してきた。爪を広げると中から鉱石が…。

 

 「ニャ!エルトライト鉱石ニャ!!」

 

 手に取って、持って来てくれた竜の顔を見る。すると、ゴロゴロと白羅に甘えてきた。

 

 「ニャ♪、ニャ♪チョット待つニャ♪ニャはは♪」

 

 自分より大きい顔を撫でてやる。セルレギオスも喜んでいた。

 

 「ニャ、お前何処かで会った事があるニャか??」

 

 と撫でながら話しかける。突然、心臓を貫かれたかのように昔の記憶が蘇る。

 

 「お、お前、もしかしてあの時助けた幼体ニャか!?」

 

 「クァァ。」

 

 と優しい声で返事を返してきた。それでやっとつじつまが合う。

 

 「そ、そうニャのか!よく無事で生きてたニャ!また巡り合えるニャンて…。」

 

 と、ウルウルしながら更に撫でてやる。

 

 「さっきはありがとうニャ!おかげで助かったニャ。しかも鉱石まで持って来てくれるニャンて。」

 

 セルレギオスも微笑んだように見えた。不思議な否、運命的な再会となった。この後、この1匹と1頭の織りなす運命の歯車が動き出したのだった。

 

 「ニャ。まずは依頼を達成しなきゃニャ。ゴメンニャ。戻らなきゃならないニャ。でも、また直ぐに会いに来るニャ!絶対ニャ!約束ニャ!!」

 

 とセルレギオスに話しかける。その意図が分かったのか、寂しがりつつも飛んでその場を離れる。

 

 「絶対に会おうニャ~~~!!」

 

 と両前脚を伸ばして大きく振る!セルレギオスも返事の咆哮を上げて飛び立っていった。

 飛竜を見送ると、気を取り直して歩き出した。ベースキャンプまでも軽快に感じていた。クエストを終了し、鉱石をオトモ武具屋に届け、大層喜ばれ、直ぐに猫嬢の耳にも連絡がいった。

 白羅も龍識船からベルナ村へ戻り、オトモ広場の猫嬢の元を訪ねた。

 

 「あ~~~!!お帰りなさい!!クエストご苦労様でした。大変だったと聞きました。ごめんなさい。無理難題になってしまいました。」

 

 「ニャ、大丈夫ニャ!おかげで良い事もあったしニャ。」

 

 「え、いい事ですか?」

 

 「そうニャ。内緒ニャ。」

 

 「え~~ずるいです!教えてください~~!」

 

 「時期が来たらそうするニャ。それまで待っててニャ。」

 

 「そうですか~。あっとと、お礼を渡すのを忘れる所でした。これです。」

 

 と渡されたのは塵滅刃の端材であった。

 

 「ニャ、これは凄いニャ。どうやって手に入れたニャ?」

 

 「それは、わたしも内緒です。」

 

 とニコッと微笑み返された。

 

 「ニャ~~♪これは一本取られたニャ~~♪」

 

 とポリポリ頭を掻いていた。猫嬢もうふふと微笑んでその猫の事を優しく見つめるのだった…。

 

 

 




読んでくださってありがとうございます!
いよいよ、一匹と一頭の歯車が回りだしました。この先どうなってゆくのか?私も楽しみに執筆していきますので、よろしくお願いいたします。では次話にて。
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