飛竜とアイルーと。   作:麗紫 水晶

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調子に乗って、次話でございます。読んでくださっている方、お気に入りやしおりにしてくださっている方、感謝感激でゴザイマス!
おかげさまで、更新速度が速いのなんの。皆さんのおかげでございます。ささ、まずは読んでくださりませ。
物語の始まり始まり。



♪♪♪♪♪飛竜との出会い②♪♪♪♪♪

 またもやここはユクモ村♪♪♪…所々で湯気が立ち込める、温泉の村である。相変わらず1匹狼のアイルーは温泉に浸かりに来ていた。

 

 「ぷにゃ~~♪やっぱり温泉に限るニャ~~♪」

 

 クエストから戻って来たばかりで、あちこち痛めた体の癒しを求めつつ、唯一のひとときを堪能すべく、お客が居ようと無かろうと、これだけは辞められず、温泉に浸る事を日課としていた。

 

「ニャんか今日はお客が少ないニャ?」

 

確かにまばらで白羅から離れて数人が入浴中で、いつもよりずっと少なかった。その内に更に居なくなっていき、独りに、いや一匹になっていた。

 

「ニャ!?誰も居なくなったニャ。今日は早じまいだったかニャ?」

 

さすがに不安になってきて、上がろうか迷っていると後ろから声をかけられた。

 

「お隣、良いですか?」

 

凄く綺麗ではぎれの良い、優しい感じの女性の声であった。

 

「は、ハイニャ!ど、ドウゾニャ!」

 

白羅は前を向いたまま、緊張しまくっていた。女性は綺麗な素足を晒しながら片足ずつ、ゆっくりと湯舟に浸かってゆく。さすがに身体にはバスタオルを巻いた状態ではある。それでも身体のラインが分かる程にプロポーションが抜群に良い女性だと理解できた。白羅の顔がピンク色に染めあがっている。

 

「お久しぶりね、白羅さん。」

 

そう言われて、改めて驚く。声には聞き覚えがあった。

その女性の方を見ると、女性はショートヘアでハンター達の間でも美人で有名であった。

 

「ニャ…アイラさんニャったか。」

 

アイラと呼ばれた女性は、目の前のアイルーに、ニッコリ微笑んだ。そう、集会場の受付嬢にして、白羅の前ご主人の彼女であった。赤面しつつも返事を返した。

 

「確かに久しぶりニャ。なかなか顔を出せずにご免なさいニャ。」

 

「ううん、いいの。あなたも辛かったでしょうから。」

 

「その後、ご主人の足取りは掴めたのかニャ?」

 

「いえ……未だに……。」

 

「そうニャ……。」

 

「あなたの方は?連絡や手紙は来てない?」

 

「こっちも全くニャ。」

 

「そう……。」

 

寂しげに温泉の湯面を見つめる。その横顔を見つめる白羅にとっても、辛かった。

 

「大丈夫ニャ!その内ひょっこり帰って来るニャ!そしてアイラさんを迎えに来るニャ!それまで待っててくれるかニャ?」

 

アイラは白羅の顔を見て微笑んだ。

 

「うん、待ってる。」

 

「全く!こんないい女を困らせるニャんて、困ったご主人ニャ!」

 

「フフフ…。」

 

と照れ笑いしていた。

その後も、しばし昔話に華を咲かせて、猫飯屋まで一緒に赴き、夕食を食べたのだった。

 

「じゃあ、またね。たまには顔を出してね。」

 

「分かったニャ♪。時々顔をだすニャ♪。嫌われても行くニャ♪。」

 

「クスクス、嫌ったりしないわ。むしろその逆ね♪それじゃ。」

 

と帰って行った。

 

「逆って、どういうことニャ?」

 

俗にいう゛鈍感゛と言える程の白羅君であった。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

白羅も自宅…と言ってもユクモ村の村長宅の一部屋を借りて居候の身だが(こいつ、贅沢だな。)ベッドではなく、床にマットを敷いた状態なのだが、厚みがあってフカフカな高級なマットなので、気持ちよく睡眠が出来ると白羅にとっては大のお気に入りであった。

 そのフカフカマットに寝転がりながら受付嬢の事を…、じゃなかったセルレギオスの事を考えていた。

 

 「あいつはニャにしてるかニャ。明日、旧砂漠に出てみようかニャ。巣があるかもしれニャいニャ…。」

 

 そんなことを考えつつ、深い眠りにつくのだった…。

 

 「朝ですよ♪起きてくださいな♪フウ~~~…♪」

 

 と白羅の耳元に優しく息を吹きかける女性が…。(やっぱ贅沢だこいつ!)足の先から頭の先までゾワゾワゾワ…としびれが走り、毛が逆立つ。驚いて目を覚ますと目の前に村長さんの顔がアップで視界に飛び込んできた。

 

 「ニャ!村長さん!…。おはようございますニャ~~~…。」

 

 とあくびをしながら全身で背伸びする。昨日の温泉効果!?で大分回復はしていた。

 

 「おはようございます。起きてすぐで申し訳ないのですが、又依頼したいことがありまして。」

 

 「ニャ。仕事ですかニャ?」

 

 「そうですの。食事と準備が出来たら私の所に来てくださいな。」

 

 「分かりましたニャ。そうするニャ。」

 

 村長も部屋を出ていった。白羅も持ち物等を確認する。猫飯屋へ向かい、食事をし、村長の元へ。

 村のお店関係は早朝早くから店開きをしていた。たくましい限りである。

 村長の待ついつもの指定席の前にやってきた。

 

 「来ましたニャ。次はどんなクエストニャか?」

 

 「は~い、次はこちらをお願いしようと思いましたの。」

 

 とおもむろにクエスト用紙を提示してくる。そこにはクエスト名”竜の卵の納品ディナー”と書かれていた。

 内容は草食竜の卵2個の納品がクリア条件になっている。但し、村☆10のクエストだけに乱入モンスターの影が…。

 

 「ニャンの大型モンスターが居るにゃ?」

 

 おもむろに聞いてみる。

 

 「えぇ。聞いたところによるとイビルジョーが徘徊していると…。」

 

 「ニャ!?」

 

 驚いて、ガックリと落ち込む。

 

 「一筋縄ではいかにゃいニャと思ったニャ。どうするかニャ?」

 

 と悩んでしまった。

 

 「クリアすると”超美人との一泊ディナー付”をプレゼントしますわよ♪」

 

それには、即反応した。

 

 「ニャ!?!?やりますニャ!!」

 

 と自分の胸を叩く。が…。

 

 「し、しまったニャ~~~!!」

 

 イビルジョーの事をすっかり忘れていた白羅はその場で乗せられたことに頭を抱え込む。

 

 「フフフ、それじゃお願いしますわね♪」

 

 と自宅に戻って行った。

 

 「村長さんには敵わないニャ。いつも乗せられてしまうニャ。あの人は違った意味で、強者にゃ。」

 

 さすがに諦めモードで、出発口に向かう。しかし、あのセルレギオスにまた会えると思うと、気力が湧いてきた。

 

 「絶対にまた会うニャ!」

 

 と思いを秘めて、村を出発したのだった。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

 砂漠のベースキャンプに着く。前回同様、ベッドやチェスト、近道用の井戸がある。今回は卵の奪取なだけにイビルジョーに遭遇するわけにはいかない。まして、小型モンスター達からも逃れなければならない。ハンター達ならば強走薬グレートをのんでスタミナを保持しながら、逃げに逃げて納品BOXへとたどり着くのだろうが、その薬はアイルー達には通用しないので、自力で頑張るしかないのである。

 まずは1つでも近道をと前回同様、井戸から飛び降りる。着地すると鍾乳洞のT字路に降り立つ。そこからエリア5へと進む。ここもかなり広く、岸壁に近い所に岩柱が2本立っている。その反対の奥の方は巨大な砂の滝が全ての物を飲み込まんと凄い勢いで、流れ落ちていた。白羅は岩柱2本の向こう側にある、エリア10の入り口までひた走る。

 幸い、イビルジョーの姿は無く、離れでガレオスが砂の中を泳いでいる程度であったので容易にたどり着いた。

 エリア10の入ると、小型モンスターで、全体に黄色い体躯で二足歩行、小さいが麻痺毒の牙を持つ、ゲネボスが数頭たむろしていた。岩壁の傍に少し段になっている地面があり、その上に巣があった。

 

 「あれニャ。」

 

 巣に近づいてみると卵があった。ゲネボスもギャアギャアと騒いでいる。白羅も卵の1つを持ち上げたものの、ゲネボスに囲まれてしまった。

 

 「し、しまったニャ…、囲まれたニャ…。」

 

 じりじりと壁の方に追いつめられる。

 

 「万事休すニャ…。」

 

 と卵を持ったまま目を閉じる。ゲネボスの1頭が襲い掛かろうとしたその時だった。

 

 「ガァルルァァァァ!!!」

 

 咆哮と共に飛来する生物が。白羅も目を開いて、声の主を凝視する。

 

「セルレギオスニャ。」

 

別れてから日も浅いというのに何故かウルウルしていた。セルレギオスが、飛翔したまま弧を描くように後ろ足を突きだしながらゲネボス達を横から突き飛ばす!3頭とも揃って反対の壁に激突し、崩れ落ちる。威力が凄かったのか、そのまま動かなくなった。

 

「ニャ~…また会えたニャ~♪」

 

瞳を潤ませながら声をかける。

 

「クァァァァ♪」

 

と優しく嬉しそうに返事を返してきた。すると白羅の前で身体の重心を下げ、背中に乗るように促してきた。

 

「だ、だけど卵を持ってるニャ。」

 

と心配になって声をかけるが、辞める様子を見せない。

 

「ほ、ホントにいいかニャ?」

 

「クァ!」

 

大丈夫!と言っているかのように返事を返してきたので、白羅も覚悟を決める。卵を割らないように気を配りながら、ゆっくりと一歩ずつ登っていく。やがて背中に乗って卵を持ち上げたまま、腰を降ろす。

 

「ぷにゃ。何とか乗ったニャ。すまニャいがお願い出来るかニャ?」

 

「クァ!♪」

 

と一声挙げてゆっくりと立ち上がる。そして羽を広げ、ゆっくり羽ばたいて、真っ直ぐに上に上昇していく。

 

「ニャ!ニャ!ニャ!凄いニャ~~~~♪!!!」

 

卵を落としそうになるのを必死に堪えながら、周りの景色を見渡す。

 

「砂漠全体が見えるニャ!凄いニャ!♪」

 

そしてゆっくりと旋回して、ベースキャンプの方へ向かう。暑さに負けないぐらいの心地よい風を受けながら、目的地に向かっていた。

やがて、ベースキャンプに到着し、下を覗くとたまたまハンター達は居らず、スペースはキチキチだったが、降り立った。白羅はすぐに卵を納品BOXに納める。そして、見つからないために、再度セルレギオスの背に乗って飛翔する。すぐに巣の方へ向かった。唖然と固まっていたのは猫の運び屋だった。

 

「ニャんで、大型モンスターが来るニャ~~~!!」

 

とひっくり返った拍子に、樽が自身の上に落ちて自爆した事は、内緒にしておこう…かな♪

 

さて、一匹と一頭は巣に向かって飛んでいた。

 

「凄いニャ~♪いいニャ~こんな景色が見れるニャんて。」

 

「クァァァァ♪」

 

嬉しそうに返事を返すセルレギオス。

 

「ニャんか話しずらいニャ。ニャるほど!名前がニャいからニャ!そうニャ。名前を付けようニャ!」

 

「クァ!?」

 

「そうニャね~???ニャにがいいかニャ~??」

 

背中の上で首を捻っていた。

 

「よし!これはどうニャ!ラルクニャ!」

 

「クァァァァ♪」

 

本人も気に入ったようだ。

 

「ニャ、ラルク、改めてよろしくニャ。♪」

 

「クァァァァ♪!」

 

「ニャ♪ニャ♪ニャ♪ニャ♪ニャ♪」

 

一匹と一頭はまた一歩近づけた事が嬉しかった。エリア10に来ると、ゆっくりと下降していく。地上に降り立つと、屈んで白羅を降ろす。白羅もすぐに巣に駆け寄る。だが、凄く嫌な予感がした。

 

「ニャにかが来るニャ。」

 

ズシン!ズシン!ズシン!ズシン!地響きと共にエリア10に現れた生物が。

二足歩行で前足は小さく羽はない。顎にはトゲのような形でごつごつしている。全体に緑色の体躯で、なかなかのマッチョだ。ハンターや龍暦院、ギルドからは、こう呼ばれていた。

 

「イビルジョー、ニャ。」

 

イビルジョーは、一匹と一頭を見つけると、即咆哮を挙げ、戦闘体型に入る!

対してセルレギオスのラルクも咆哮を挙げて、立ち向かう体制をとる!

 

「ら、ラルク!大丈夫ニャか!?」

 

「クァ!!」

 

イビルジョーを睨んだまま、返事を返してきた。するとイビルジョーが頭を下げた状態で突進してくる!が、ラルクも見事に飛び上がってかわし、弧を描いて後ろ足で反撃を仕掛ける!だが、イビルジョーもフットワークがよく、後ろにジャンプして攻撃をかわす!その場で片足を上げて、思い切り地面に降り降ろした!鈍い音と共に地面も揺れる!白羅もラルクもバランスがとれない!イビルジョーは即座に、再タックルをラルクに向かって、仕掛けていく!体勢がとれないラルクはまともに体当たりを食らい、壁まで突き飛ばされる!

 

「グギャァァ!!」

 

「ラルク~~~~!!!」

 

イビルジョーは勝ったとばかりにゆっくりとラルクに近付いていく。それを見ていた白羅が肩を震わせて、初めて怒りを露にする!

 

「許さんニ゛ャ~~~!!!!!」

 

白羅はニャんこてつを抜いて牙突の構えをとる!大声と殺気に驚いたイビルジョーが白羅の方を振り向く。その瞬間を狙って、思い切り地面を蹴って剣を突きだしていく!

 

「我がご主人より授かりし技!受けてみるニャ!¨羅刹岩盤斬り¨ニャ~~~!!!」

 

イビルジョーに牙突で、体勢を崩したところに垂直に飛び上がり、真上から剣を真下へと降り下ろしていく!

 

「ゴアァァァァ!!!」

 

その垂直に降り下ろした剣は、顔、胴体、片足を縦に切り裂き、深手の傷を負わせた。

大ダメージを食らったイビルジョーは、片足を引きずりながら、別のエリアへと逃げて行った。

 

「ラルク!大丈夫ニャ!」

 

剣を背中に納めて、ラルクの傍による。

 

「済まないニャ。おいらに付き合わせたばかりにこんニャ目に。」

 

「クァァァ。」

 

と起き上がって、羽を広げて、大丈夫だと動かして見せる。

 

「ありがとうニャ。」

 

その気持ちが嬉しくて、ウルウルする白羅だった。一匹と一頭はそのあと、卵の2個目を納品し、無事にクエストをクリアする事が出来た。

 

「また、お別れは寂しいニャ。」

 

「クァァ……。」

 

ラルクも同じ気持ちだった。

 

「ニャ!こうニャったら村長さんを説得するニャ!ラルク!おいらが何とかするニャ!それまで待っててニャ!必ず会いに行くニャ!」

 

「クァァァァ!♪」

 

と約束を交わしたように飛翔して帰って行った。その姿に必死に両手を降って見送った。

 

「さて、おいらも帰るかニャ。」

 

秘め事を胸に、長く感じられた砂漠を後にするのだった…。

 




読んでくださり、ありがとうございます。
白羅がどう村長を説得するのか、見物ではありますが。どうぞ次も読んでやってくださいまし。この作品を気に入ってくださって、ありがとうございます!ではまた次話にて、失礼致します。
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