では、物語りの始まり始まり……♪♪
場所は変わってユクモ村……。ユクモ村でも変わった事態が起きていた。広場の外では調査員たちが、がやがやと騒いでいる。広場の中で異変!?が起きているようだった。
「お、おい、あそこにモンスター達が集まってるぞ!」
「おお、勢ぞろいで同じ方向を見つめてるな……。」
「さっきの大きな咆哮と言い、なにが起きようとしてるんだ!?」
「分からないが、少なくとも普通ではないよな。あの状態は……。」
「だな。」
調査員達が話す通り、広場にいるモンスター達が一か所に集まり、同じ方向を注目していた。
それは、ラザックがディノバルドこと焔に応援に行ってもらった方向である。どうやらその帰りを待っているらしい。門番からも連絡を受けていた、村長さんも様子を見に来ていた。
「まあ、まあ、まあ、一体どうしたのです!?」
「村長さん!どうぞお入りください!」
広場の入り口を開けて村長さんを迎えたのはラザックだった。ラザックもはっきりとは事の次第が分からないが、モンスター達が、咆哮が聞こえた後集まって帰りを待っているらしいとの事だった。
「それで、ここに!?」
「その様です。少なくとも何かが起こっていると思われます。」
だが、戻ってこない事には内容がつかめないので、一緒に待つことにした。それから約小一時間ほど経ったところで、姿が見えてきた。だが、モンスター達は神妙な面持ちでじっと戻るのを待っている。その光景は異様な緊張感の漂う空気が流れていた……。
ゆっくりと、しかし足取りはしっかりとモンスター達の前まで歩いてきた焔は背中に乗せていた者たちを順に降ろしていく……。ラミア、灯羅、姫沙羅だ。だが、すぐに疑問が沸く。
「あら!?白羅さんとラルクさんは!?」
その声かけに気付いたラミアが村長の元へと来る。うな垂れたまま、焦燥感を漂わせながら村長の前に来る。
「ラ、ラミアさん、どうしたのです!?白羅さんは!?」
「そ……、村長さん……。」
思い出したようにぽろぽろと涙が溢れてくる。その場に崩れてしまうラミアを抱き起し、村長が心配で問い返す。
「一体、なにがあったのです!?教えてくださいな。」
「砂漠で白羅とラルクが砂の滝に落ちて行方不明だニャ……。」
見上げると姫沙羅が傍に来ていた。
「な!何ですって!!」
「村長さん、白羅さんとラルクを助けて………………。」
ラミアもそのセリフを発するのにいっぱいいっぱいだった。村長も驚きながらもラミアを抱きしめる。
「そうでしたか……、辛かったでしょうね……。」
「う”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!」
ラミアが思いをぶつけるように村長にしがみついて泣き出す……。姫沙羅も立ったまま涙を流していた……。
しばらく、よしよしとラミアの頭を撫でた後、落ち着いてきたラミアを抱き起し、その場でゆっくりと立ち上がって、大声で叫んだ。
「ラザックさん!門番さん!集会場並びに各村々、龍識船へ通達してください!緊急特殊クエストを発動します!!今、クエストに出ているハンター以外の下位、上位、G級のハンター達を私の所へ招集してください!詳しい事はその時に!よろしくお願いしますね!!」
「「了解です!!」」
そう返事を返してすぐさま2人が手分けして動き出す!さすが、何故か手慣れている!?
ラミアも村長の発言に驚いていた。
「そ、村長さん!?」
「心配いらないですわ♪私もあの方の事はほっとけませんもの♪みんなで探せばきっと見つかりますわ。なんとしても助け出すんです。ラミアさんもいいですね♪」
村長はラミアの顔をじっと見つめていた。ラミアもパッと顔が明るくなる。
「はい!」
「ニャ、やっぱり戻って良かったニャ!?」
姫沙羅がラミアの背中をポンと叩く。
「うん!!」
ラミアも姫沙羅に笑顔を見せるのだった……。
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今やユクモ村の中はハンター、ハンター、ハンターのハンターだらけ!?
下位、上位、G級に至るまで、様々な武具を装備したハンター達が一堂に会していた。ちょっとした展覧会にいる様だ。
その少し高台の場所に村長さんが立った。すぐ傍にはギルドナイトのアルザ―トの姿もあった……。アルザ―トにも通達していたので、すぐに駆け付けて来てくれていた。
「皆さん!聞いてください!!」
普段のおっとりした喋りからは想像もつかないほどの大きな声で全員の注目を集める。
「えっ!そ、そんなに見つめられると…………、きゃっ♪♪」
「い、いや、あなたが声をかけたのだが……。」
アルザ―トもどう対処していいのか分からずにいた。
「コ、コホン!で、では、私からあなた方へ緊急特殊クエストを依頼します。受注するしないは自由ですが……。依頼の内容は、行方不明になった白羅さんとセルレギオスのラルクさんの捜索と救助!なんとしても保護して欲しいのです!但し、白羅さんの仲間のモンスター達も捜索に向かいます!誤って討伐するわけにはいきません!なので、大型モンスターに遭遇した場合は速やかにやり過ごすか、退避してください!閃光玉を使うのは許可します。落とし罠、しびれ罠は駄目です。なるべくモンスターと距離を取ってください。お願いします!」
その村長の依頼にハンター達の中でざわめきが起こる。
「それだけのクエストだと報奨金はどうなんだ!?」
1人ハンターが疑問をぶつけてくる。確かに、簡単なようで逆に難しい。モンスターに攻撃せずに、行方不明者を探して保護せよと言うのだ。
ハンターは基本、素材集めの為に狩をするようなものだが、報奨金も当てにしている。いわゆるお仕事なのだ。
当然村長もそのことは十分承知していた。
「分かっています!勿論報奨金も出します!誰かが白羅さんを保護してくれた時点で終了となりますが、終了後に参加者全員に報奨金をお渡しします!」
「なっ……。!」
「お、おい!」
「本当か!?」
「本当です!しかも、救助して保護してくれたハンターには更に5倍の報奨金を差し上げますわ!!」
それを聞いてハンター達が色めきだった。クエスト終了後に配られる報奨金の額もG級クエストをクリアする並の金額であるのに、保護したものには更に5倍…………。ハンター達の眼の色が変わるのが分かった。
「そ、村長さん!?」
後ろに居たラミアも驚いて心配そうに声をかける。
「大丈夫ですわ♪♪白羅さんには恩もあります。あの方を救えるのなら、このぐらい大した事ではありませんわ♪♪」
にっこりと微笑んでハンター達に向き直った。
「では参加してもらえる方は各所にいる受付嬢に受注してください!くれぐれも怪我をされぬよう祈ります!!」
「よ、よし!俺はやるぞ!」
「俺も!」
「俺もだ!」
「あたしも行く!」
何人かで組んで行くもの、ソロで受注する者、オトモを連れて行くもの、かなりのハンターの数がこのクエストに参加してくれていた。
「私たちは報奨金は要りませんが、クエストには参加させてもらいます。」
アルザートが参加することを申し出ていた。
「俺も要らないが、仲間には出してやってくれ。」
ラザックも仲間と共に出るつもりだ。
「何を言う!俺達も金は要らん!あの時一緒に助けられたんだ。俺らにとっても恩返し以外のなにものでもない。」
「お、お前ら………。」
「ありがとう、よろしくお願いします………。」
ラミアが深々と頭を下げる。ラザック達も照れているのだった……。
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集会場では、通達を受けたアイラが、顔色を蒼白にしてその場に崩れていた。
「そ……そんな…………。」
起きてほしくない現実が、起きてしまったことに、気持ちがパニックを起こしていた。
「先輩………。」
すっかり後輩として、ここの受付嬢として手伝っている彼女は、アイラのあまりの落ち込みに声をかけられずにいた。
そうこうするうちに、ハンター達の団体さんが、その特殊クエストの受注にやって来る。連続でそのクエストの受注がなされていく。
一気に忙しくなる。だが、アイラはまだ呆然としている。
後輩の受付嬢は、受注を受けながら、アイラに声をかける!
「先輩!行ってください!!」
その言葉に驚いて振り向く。すると受注を受けながら、後輩がにっこり微笑んで頷いてくる。
「ここは任せて下さい!先輩はユクモ村へ。早く!!」
そう促しながら、次々と受注を受けていく………。
申し訳ないと思いつつも、白羅の事を最優先に思ってしまう自分がいた。
「ゴメン!お願いね!!」
そう叫ぶと、飛行船へと走り出した。後輩もそれを見送りながら、受注業務をこなしていくのだった………。
はたまた、集会酒場のママさんも、この通達に驚きを隠せないでいた。
「しまった……、ユクモ村の村長に先を越されたわ………。」
「マ、ママ………。」
そのセリフに、カウンターのスキンヘッドのクロメガネをかけたバーテンダーが困惑の表情を浮かべる。
「まあいいわ♪私は単独で動くことにするわ♪」
そう言うと、早速扇子を鉄扇に変え、飛び出して行くのだった。
そして、白羅達の家にファルマが呼び出されていた。
依頼されていたものを渡したいとのことだった。ただ、ファルマもここに向かってくる時にベルナ村で話を聞いていた。なので、素直にも喜べず、足取りも重かった。
中に通され、2Fの猫飯屋に行くとラミア達、村長、アイラも来ていた。ファルマもどう声をかけていいか分からず、その場で立ち尽くしていた。
「これニャ………。」
コトッとテーブルの上に依頼された欠片を置いた。灯羅だ。
「あ、ありがとう……。」
取り合えず、欠片を受けとるとポシェットにしまう。
そして、重い雰囲気にファルマは我慢出来なかった。
「ごめんなさい!!!」
いきなり深々と頭を下げる。みんな一瞬驚く。
「わ、わたしがこのクエストを依頼しなければこんな事には………!?」
村長が途中で、肩に手をかけてそれを止める。
「あなたの責任ではありませんわ。あれは想定出来る事ではありませんし……。」
寂しげに微笑んで、ファルマを席に促す。
だが、気持ちを切り替えて、みんなに声をかける。
「明日は出動しますわよ♪アイラさんは私と一緒に待ちましょう。ラミアさん達は、モンスターたちと動いてください。絶対に助けましょう。いえ、助けるんです!!」
村長の力のこもった物言いに全員、真剣な顔で頷くのだった……。
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次の日の朝、家の側に自然とモンスター達が集まっていた。ラミア達が慌てて外へ出て来る。
「み、みんな…………。」
ラミア達は嬉しかった。ここにいるモンスター達も思いは一緒なのだと感じたからだ。
すると、ラミアの前にキリンが来て、ラミアに甘えてくる。
「キ、キリンさん………。」
嬉しくなって、お互いに頬擦りする。するとキリンが後ろを向き、振り替えって、背中に乗れと促してくる。ラミアは驚いてしまった。
「えっ!私!!」
すると頷いて早く乗れと最速してきた。ラミアは遠慮がちにキリンの背に股がった。毛並みが綺麗で、肌触りがいい。ラミアは乗せてくれる事に感謝していた。
「旦那を借りてもいいニャか!?」
灯羅は、金レイアにお願いしていた。するとレウスとレイアが顔を見合わせて頷き、灯羅に頷き返してきた。
「あ、ありがとうニャ!!」
早速、レウスの、背中に載る。空から探すことにしたようだった。
「わ、わたしも連れて行ってください!!」
ファルマだ。真剣な面持ちで、覚悟を決めているようだった。と言って、モンスター達が乗せてくれるとは限らない。姫沙羅もタマちゃんと行く事にしたようだ。
「だ、誰か乗せて下さい!お願い!」
みんなの方を見渡しながら、懇願していた。すると突然、後ろの襟首を掴まれ、ひょいと持ち上げられていた。
「わ、わ、わわ、ちょ、ちょっと!」
そのまま振り向くと、バルファルクことファギルが、くわえて持ち上げていた。
「良かったね!ファギルが連れて行ってくれれみたいね。」
「えっ!そうなの!伝説の竜に乗せてもらえるなんて♪♪♪」
と顔を赤くしてうっとりしているファルマであった。
焔羅は蓬と焔のチームで向かうようだ。
全員が準備が整った!
「それじゃ出発!!」
ラミアがそう叫ぶと、各々、別の地帯に向かって出発して行く。
「待ってて、必ず助けに行くからね………。」
そうキリンの背に股がりながら、気を引き締めるラミアであった……………。
読了ありがとうございます♪さあ、次話はそれぞれの動きにご注目♪
では、次話にてお会いできることを切に願って…………♪♪