白羅と周りの動向でございます。 まずは本編にて。
では、物語の始まり始まり…♪♪
とても暗い………………、洞窟の中に1頭と1匹は横たわっていた。そのうちの1頭が痛みと共に目が覚める。
体を起こそうと試みるも右翼を痛めているようで、激痛で動かすことが出来ない。横になりながらも首を持ち上げて周りを見渡す。砂の塊に押し流されて来たのだろう、地面には砂が散らばっている。広いスペースではあるが、岩に囲まれ日の光は全くの皆無だ。唯一、岩壁全体にヒカリゴケが生えており、ぼんやりとではあるが、空間を照らしているのだった。
(つっ……、白羅…………。)
ラルクが鉤爪で捕まえていたはずの白羅の姿がない。慌てて白羅の姿を追いかけた。すると、壁際に横たわっているアイルーの姿が……。
ラルクは白羅だと分かると何とか傍まで身体を引きずりながらも寄っていく。そして、左翼で白羅を抱き寄せる。
胸が動いていて、息もしていたので、気を失っていると分かるとラルクは安堵した……。ただ、それ以上動くことも出来ずにいた。なので、敵に襲われないように白羅を囲うように丸くなる。
とりあえず、外傷はなさそうだが、意識はまだ戻ってはいない……。
(白羅……、ゴメン……。)
白羅を見守りながら、ラルクはそんなことを呟いていた。こうしていれば……、あ~していれば……と思いめぐらせるものの、こうなった後では何の意味もなさない。どうにか脱出できないかと、砂が入ってきた方を見ると砂に交じって岩盤らしきものが何枚も見え隠れしていて、砂ごと入り口を塞いでしまっている。
ラルクはため息をついていた。体調が万全ならば、強引にでも突破して脱出を試みようと思うが、右翼を痛めている所為で力が入らない。
ラルクは切なくなってしまった……。このままでは、助かる見込みもなさそうだし、助けを期待するにも場所を特定しきれないだろう。咆哮を上げても、地上まで届くかどうかも分からない……。
しかし、なんとしても白羅だけは助けたい。自分の肉を食べさせてでも、生きて戻って欲しい……。
ラルクはその思いとやるせなさで気持ちがいっぱいになっていた。自身で知らないうちに涙が零れ落ちていた。
それが白羅の身体に振れた時……、その気持ちに応えるように奇跡が起こる………………。
(なっ、びゃ、白羅!?)
突然に白羅の身体が光輝きだし、透明な球体が現れる。しかも、外回りに細い稲妻が走っている状態だ。
それが白羅を包み込み、更に徐々に大きくなっていく………。ついにはラルクをも包み込み、宙に浮き始める。
ラルクは白羅を抱き寄せつつ、警戒するが攻撃を受けるわけではなく、地面から50㎝ほどの高さの所で動きを止める。
そして急にその球体が白く光り出し、ラルクの視界を遮るのだった……。その瞬間、白羅とラルクはその空間から忽然と姿を消していた………………。
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ラミアはキリンと共に、改めて砂漠のエリア5へと来ていた……。砂の滝の下の方を覗き込むが、当然のように見つけられるはずもなく……。神妙な顔で覗いていると、キリンが心配になって顔を寄せてくる。
ラミアも微笑んで、キリンの縦髪を撫でる。そしてもう一度砂滝を見つめ返し、キリンに跨るとそのエリアを後にするのだった……。
砂漠エリアの2まで来ると、ドスガレオスと3頭のガレオスがラミア達を待ち構えていた。
「えっ!?もしかしてあの時の!?」
そうだと言わんばかりに尻尾をパタパタとふる。
「でもごめんなさい、白羅さんとラルクは居ないの………。私達も捜してるのよ………。」
その言葉が分かったのか、4頭同時に口を開いたまま暫く固まっていた………。
するとキリンがドスガレオスに何か話し掛けているようだ。と、突然ドスガレオスが、ガレオス3頭に指示を出していた。
「「「ガゥ!!!」」」
返事を返して、回れ右をしてそれぞれ別な方向へと、潜っていった……。ドスガレオスも潜っていく。最後に尻尾はパタパタとまたねをして潜っていく。
キリンが隣にいるラミアを見ると、あまりの連携の良さに呆気にとられたまま、硬直していた。
「ガレオス達ってこんなに賢かったの!?」
と改めて感心させられたのだった……。
1度ベースキャンプに戻って、作戦を立て直そうと向かい始めたその時、前方約10m先の地面が揺れ出し、せり上がってくる!ラミアとキリンは驚いて立ち止まり、警戒しつつ様子を窺がう。
すると、砂しぶきを立ち上げながら飛び出してきた大型の生物が……。
前に向けて巨大な2本の角と牙を生やし、恐竜で言うトリケラトプスのような扇状のヒレがあり、強靭な後ろ脚を持つ2足歩行で、尻尾には船の碇のような形をした強固な物が付いている。但し、少し違うのは巨大な角が更に2本あり、尻尾は碇の形にとげが生えている。しかも、羽とヒレの近辺が青い体色をしている。
゛鏖魔ディアブロス゛二つ名を冠しているだけあって、その形相と異様な強さは伊達じゃない。だが、現れたディアブロスは少々!?違っていた。
4本のご自慢の角が根元の方から無い。体躯は鏖魔そのものだが巨大な角が無いので迫力にちょっと欠けた感じになっている。まあ、以前のお話を読んでくれた方々には既にお分かりと思うが……。
「お、鏖魔!!こ、こっちはこっちであの時の……。」
そう、以前ピンチの時に銀レウスとディノバルドこと焔に助けてもらった事があり、その時ディアブロスは角を叩き切られたのである。まだ、角が再生しきれていないようだ。
その鏖魔がラミア達を見つけると、ゆっくりとこちらに向かって歩いて来る。
逃げる事も考えたが、相手も走り出すとスピードの出る奴だ、すぐに追いつかれるだろう。
ラミアは逆に攻撃を躱しつつ、離脱することを考え、鉄刀を逆刃に持ち替えて身構える。が、横から凄まじい威圧感を漂わせながらゆっくりとラミアの前に立ちはだかる物が……。
「キ、キリンさん!?」
ラミアもキリンを見て驚く。綺麗に青白く雷を纏って殺気を放ち、戦う気が満々だ。体躯の大きさの違いはあれど、4本の脚はしっかりと地面を踏みしめ、鏖魔を見据えている。その姿はラミアも惚れ惚れする程、威風堂々としていた。
そのキリンの目の前まで鏖魔が来ると、攻撃を仕掛けてくるのではなく、そのまま立ち止まる。
「!?!?!?」
「ガルッ、ガルル、ガルガル。」
突然、キリンに話しかけてくる!?キリンが目を大きくして驚いている。
「な、なに!?どうしたの!?」
ラミアも何があったのかキリンを見つめる。だが、キリンも返事を返すとお互いに頷いたのだった。
わけが分からず首を傾げていると、キリンが振り向いてラミアの傍に来る。そして背中に乗るように促してきた。それと同時に、鏖魔が逆の方に向いて歩き出した。
「え、え、え、何!?ま、まさか白羅さん達のいる場所を知ってるの!?」
その行動に、もしやと思いキリンに尋ねてみた。すると頷き返してきたのだった。
「そ、そうなの!?で、でも何で……。」
思いをよそに早く乗れと催促してくるので、怪訝に思いつつも急いで跨る。即、走って鏖魔に追いつくと、後ろについて歩き出した。
敵対していたのにどうして……。といろんな疑問を抱きつつ、キリンと共に鏖魔について行くのだった……。
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一方、姫沙羅はタマミツネことタマちゃんと共に渓流へ足を運んでいた。水と緑が豊富な場所で、小型のモンスターも住みやすい環境の一つではある。
1頭と1匹はエリア7へ来ていた。広大な水辺があり、草が生い茂っている。反対側からは川が流れて来ていて、水辺とつながっていた。ルドルスもいたが、タマちゃんが居るので威嚇はするものの、襲ってはこない。なので、白羅達が居ないことを確認すると、頷いて隣のエリア9へと移動した。
高台にあるこの場所は段差のある地面に切り立った崖、エリア3へ行くための吊り橋がかけられている。
その反対側は土手の中に祠が立ててあった跡があり、相当古くなって誰もお参りすらしていないのか、蜂の巣になっていた。
そのエリア9にやって来た1頭と1匹は、目の前の光景に驚く。その祠のある下で、子熊が1匹威嚇している!
その相手は、4足歩行で前足の筋力が発達して大きく、爪も鋭い。腕、足、顔の一部は青い体躯で、頭部から背中、尻尾、手足の周りに黄色い甲殻があり、胸まわりには白い体毛のある、雷を帯電し攻撃に転じてくるというその生物は、何故かその小さな子熊に対して、威嚇し返していた。
「な、なんニャ!?あれ!?ジンオウガニャ。」
「クァ!?」
いくら弱肉強食の世界でも……。はたから見ると弱いものいじめ!?そう見えた1頭と1匹は子熊を保護するために行動に移る。
タマちゃんはすぐに大きな泡をジンオウガめがけて放つ!同時に姫沙羅は飛び降りて子熊の傍まで走っていく!
それに気づいたジンオウガが紙一重でタマちゃんの泡を躱していく。ジンオウガが別の物が乱入して来たことで
目標をタマミツネに変えてきた。
「ウォーッ!ウォーッ!!ウォーッ!!!」
顔を真上に突き上げて咆哮を上げる!背中に雷光虫が集まり、一斉に放電しだす。その放電を丸い雷のエネルギー体として、体躯を右に左に回転させながらその勢いで放ってくる。それぞれがカーブを描くように、タマミツネに向かって飛んでくる!タマミツネは自身の体躯を捩じってかわし反動をつけ、尻尾から勢いよく泡を放出してエネルギー体にぶつけて相殺していく!だが目の前に飛び掛かって爪を振り下ろしてくるジンオウガの姿が!!
「タマちゃん!危ないニャ!!」
声に気付き、そこからジャンピングで紙一重に躱していくタマミツネ……。その反動を利用して着地したジンオウガに泡をぶつけていく!ジンオウガもそれを躱して後方にジャンプする!互角の攻防……。
それを心配しながらも姫沙羅は子熊の元に寄る。頭と背中に硬い甲殻があり、青色をしている。どうやらお腹が減っていたのか、ハチミツを取りに来ていたようだ。
「あ、アオアシラの子供ニャ……。ニャンで親が居ないニャ!?」
確かに、エリアに入って来た時は親らしき物は居なかった……。そのせいでジンオウガに狙われることになったのだが。
姫沙羅は手を差し伸べて子熊にゆっくりと近づく。子熊は警戒し、姫沙羅に対しても威嚇をやめようとはしない。
「大丈夫ニャ……。あたいは味方ニャ。助けに来たニャ……。」
更に近づく。その時、子熊が防衛本能が働き、姫沙羅の手に噛みついた!
「ヴニャ…………。」
姫沙羅も必至に我慢して、引き離そうとはしなかった。子熊を助けたかった、その想いが強かった。痛みを懸命に堪えつつ、子熊に話し掛ける。
「ニャ。恐くないニャ♪……………ニャ♪♪」
子熊が姫沙羅の方を見上げると、にっこり微笑む顔が。子熊も納得したのか、口を離して姫沙羅の手の傷を舐め始めた。
「ありがとうニャ♪」
姫沙羅も子熊を撫でてやる。するとゴロゴロと甘えてきた。ほっとしつつ、タマちゃんの方を見ると、攻防一体の闘いが続いていた。
「ハチミツを持てるだけ持つニャ!」
姫沙羅が子熊にそう叫ぶと、子熊も慌ててハチミツを抱え込む。持ったことを確認すると、子熊を抱かえて叫ぶ!
「タマちゃん!OKニャ!!」
その声に、タマミツネが振り向くと、姫沙羅が子熊を抱え込んで頷いてくる!タマミツネも分かったかのように、ジンオウガに無数の泡を放出し、ジンオウガに浴びせる!
そして直ぐに姫沙羅の傍へと走り寄る!姫沙羅も子熊を抱え込んだまま、ジャンプして飛び乗る!!タマミツネも乗ったのを確認すると、一目散に隣のエリアへとダッシュしていた!!
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ジンオウガが追って来る可能性があったので、エリア7から遠回りではあったがエリア1まで、ノンストップで走り抜けた!とりあえず、ジンオウガの追ってくるような気配はなさそうだ。
エリア1まで来ると、穏やかに川が流れ、ガーグァが3羽いたが、タマミツネの出現で、飛び上がって驚き、慌てて隣のエリアへとダッシュして行った。その時卵を産んで行ったのだが、その中に金の玉子があった。
「ニャ~~~~!金の玉子ニャ~~~!!」
姫沙羅もその玉子を確保しに行く。
子熊もタマちゃんから降りると草原に腰を下ろす。タマちゃんも喉が渇いたのか、流れてくる水を飲んでいた。
両手で卵を持ち上げながら、子熊の傍までやってくる。
子熊もお腹が空いて限界だったのか抱えて来たハチミツにしゃぶりついていた。
姫沙羅はその子熊を見ながら不憫に思っていた。たった1匹で生き抜く……。このまま厳しい世界に放り出すのはどうなのだろうと……。姫沙羅も自分の境涯と重なっていた……。
「ニャ、あんた一緒に来ないニャか!?」
子熊が驚いて食べるのをやめて、姫沙羅を見つめる。
「あたいが住んでる所は、仲間がいっぱい居てみんな優しいニャ。中でも、そこの主にニャってるニャは白羅と言うニャ。あんたに会ったらすぐに喜んで迎えてくれるニ”ャ……。本”当”に”優”し”い”ニ”ャ”よ”……。白”羅”~~~ど”こ”に”い”る”ニ”ャ”~~~~~~……!!」
卵を持ち上げたまま、大泣きしてしまう姫沙羅だった……。我慢していた気持ちが噴出したのだろう……。
子熊が心配してそっと姫沙羅に甘えてくるのだった……。
「あ”り”が”と”う”ニ”ャ”……。」
その子熊の優しさに気持ちが少し落ち着いた姫沙羅だった。
「ニャ!この卵を納品して白羅探しを再開ニャ!その前に1度あんたを家に連れて行くにゃ。一緒に行こうニャ♪♪」
「グァ!!」
アオアシラの子熊も嬉しそうに返事をして姫沙羅の後をついて行くのだった………………。
読了ありがとうございます。まだまだ続くそれぞれの動き……。いろんなことが待ち受けていそう……とだけ申し上げて、次話の執筆に入ろうと。いや、入ってます……。ニャ♪♪
では、また次話にてお会いできることを切に願って……。 紅龍騎神でした……♪