ささ、どうぞ読んでやってくださいまし。
では物語の始まり始まり。
クエストをラルクにも手伝ってもらい、何とかクリアし、戻ってきた白羅は、村長のところに早速報告に赴いた。
「あら~、お帰りなさい。大変だったようですね。今日はゆっくりします?それとも約束優先かしら?」
先にそのツッコミがきたので、速攻で誘惑に負けそうになる。
「そ、それもいいニャ~~♪…ニャ!?い、いかん、いかんニャ!それは後のお楽しみニャ!」(そこは、チャッカリしてるな)
顔を赤面させながら、動揺している白羅を見て微笑んでいた。やはり上手のようだ。
「ニャ。それよりも村長さんにお願いがありますニャ。」
真剣な眼差しで、村長の顔を見つめる。
「えっ。そ、そんな…。イヤですわ。心の準備が…。」
村長が頬を赤く染めて慌ててしまう。
「ち、違うニャ!!そう言う事じゃニャいニャ!!」
「え~~、違うの?残念だわ。」
村長さんが頬を膨らませてそっぽを向く。それはそれで可愛らしいのだが。
「ニャにを考えているニャか…。」
さすが村長なだけはある。白羅もタジタジであった。
「分かりましたニャ。今度一緒に食事に誘うニャ。」
「え、本当に?」
「本当に本当ニャ。」
今度は満面の笑顔に…。
「分かりましたわ。約束ですわよ。」
「ニャ、約束ですニャ。」
指切りならぬ、手のひらと肉球を合わせてお・ま・じ・な・い♪
「で、お願いってなんですの?」
「はいニャ。大きな声では言えニャいのですが、セルレギオスの1頭と仲良くなりましたニャ。」
「まあ!」
「そこで、村の外れでも良いので匿って欲しいニャ。お願ニャ。」
それを聞いて、村長も、気持ちは良く分かった。しかし、即答できるような話ではない。村の事も、ギルドの事も、龍暦院の事も、国の事もある。ハンター達ならこぞって討伐に来るだろう。
「ごめんなさい。私の一存では決められません。なので、ギルドナイトに相談してみましょう。その結果が出るまでこの事は内密に。」
「モチロンですニャ。無理言って申し訳ニャいニャ。」
「いいえ、いいのです。滅多にお願い事をしてこない貴方がするのですから余程の事でしょうからね。」
「よろしくお願いしますニャ。」
「はい。では早速行ってきますわ。」
と御付きの者と共にギルドナイトの元に向かうのだった。
「一旦休もうかニャ…。」
直ぐには結論が出ないと分かってか、疲れが今になって吹き出していた。ラルクを助けるために全力を出した事は、誰にも話してはいない。まあ、話すわけにもいかないので自身の中にしまっているわけだが。そのクエストでの疲れが白羅を襲い、睡魔に誘惑されるのだった。
村長宅に戻り、自身の愛用のフカフカマットに寝転がる。3秒と持たずに寝息を立てていた…。
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そして次の日、村長に起こされ、一緒にベルナ村へ。行き先を聞いてなかったので、なぜベルナ村なのか分からなかった。
ベルナ村に着くと、村長が出迎えてくれた。
「おぉ、待ちかねたぞ、二人とも。」
「お待たせしました。今日はよろしくお願い致しますわ。」
「うむ。関係者に集まってもらった。上手くいくと良いが…。」
と話をそこそこに、村長の家に案内される。
客間に通されると関係者達が顔を揃えていた。
先ずはストレートの長髪にエースの防具一式を纏いし男性ハンターが。ギルドナイトだ。そのそばに褐色でクイーンの防具一式を纏いし女性ハンターが。ナイトとチームを組んでいるようだ。何気にココット村、ボッケ村の村長、それぞれの村のギルドマネージャー、眼鏡を掛けていても美男子の龍暦院の生態調査員、博士号のキャップを被り、こちらも眼鏡を掛けてはいるが美人でモンスターの生態に興味を持ち、キャラバンに参加しているお姉さん、カリスタ教官に、猫嬢と揃い踏みであった。長方形に長い大きなテーブルにそれぞれ着席していた。
ユクモの村長と白羅も席に座る。
「皆さん、わざわざご足労願ってすみませんな。こちらがユクモ村村長と…。」
「白羅君か…。久しいな。」
「アルザ―ト様、イリザ様お久しぶりですニャ。」
白羅は2人に挨拶する。逆に、知り合いか?と周りは驚いていた。
「すみません。私は彼の元雇い主と知り合いで、一緒に狩に出たこともあり、白羅君の事も良く存じています。最近は私も仕事が忙しく、なかなか会う機会もありませんでしたが。」
「なるほど、そうでしたか。ならば、お話しやすいでしょう。集まって頂いたのは他でもありません。その白羅君が1頭の竜を保護して欲しいと言う事なのです。」
「それは、聞いて驚いたが…。しかし、大丈夫なのかね。村人に被害が出るようでは、許可できんが?」
ココット村の村長が切り出した。
「それに、聞きつけたハンター達が黙ってはいないでしょう。吾輩もどうかと思いますが?」
カリスタ教官も不安なようである。
「領主や、国がどう反応するかですね。」
と龍暦院の生態調査員の青年が眼鏡をくいっと持ち上げた。
「私としてはこんなチャンスは無いと思います。怪我をすることなく、目の前で観察できるなんてこんなワクワクしそうな事は滅多にないでしょう。」
眼鏡を掛けたキャラバンの女性調査員は浮足立っていた。
「ならば、ほれ。いっそのこと、そのアイルーと共にユクモ村の護衛にしてはどうじゃな?」
ボッケ村の村長さんが、妙案を出してきてくれた。猫嬢もそれに賛同する。
「そうですね、こちらの村の方も一緒にお願いしたいぐらいですが。」
「ですが、領主や国をどうやって説得しますか?簡単に頷くとも思えませんが?」
とギルドマネージャーも賛成しかねていた。
「ニャンとかニャりませんか?お願いしますニャ!大事な親友ニャのです!お願ニャ!!」
皆、しばしの間沈黙してしまう…。それぞれの考えと思いがある。どうするべきかと悩むのは当然の事…。
「分かりました。私が説得してみます。」
と沈黙を破ったのはギルドナイトのアルザ―トだった。
「私も一緒に行くわ。」
と隣にいたイリザが。
「なら、わしも行こうかの。そのアイルーには親しみを感じるでの。ほっとけない気がするのじゃ。」
ボッケ村の村長さんが後押しを買って出てくれた。
「ならば、吾輩はお任せする。確かに白羅君とセルレギオスの組み合わせも面白い。ハンター達を指導する立場ではあるが、個人としてはおかしくないと思うしな。」
「カリスタ教官、ありがとうニャ。」
「だが、村人に被害が出るようなら容赦しないぞ。それでもいいか?」
「はいニャ。勿論ニャ。その時はおいらの手で……。」
と白羅は右前脚を見つめて、震わせていた。
「ふむ、私も今回の事は凄く興味がある。その調査の観点でも私から説明してみよう。」
龍暦院の生態調査員の美男子が賛同してくれた。
「皆さんありがとうニャ!!」
白羅は力一杯にお辞儀をする。猛反対ではなく、賛同してくれた事に感謝するのだった。
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その後、結果は後日改めてとなり、ユクモ村の村長は、用事が入ったと先に帰って行った。白羅は集会場にも寄ろうと、まずはベルナ村の受付嬢のところに。受付嬢は暇だったのか、可愛い大きなあくびをして、慌てて見られなかったか、周りを何度も見回す。
「可愛いあくびニャ。お土産後にして、見ていてもいいかニャ?」
と話し掛けると、ビックリして急に白羅の口を塞ぐ。
「ニャ!フゴ、フゴ、フゴ。」
「し~~~~~!!内緒だからね!」
口を塞がれたまま、首を縦に降る白羅であった。
「熱帯イチゴを持ってきたニャ。」
「わ、こんなに沢山☆いいの?」
「いいニャ。約束だからニャ。」
「ありがとう☆☆☆」
と、お礼に頬にキスをしてくれる。白羅はそのまま赤面し、直立で硬直していた。
ベルナ村の受付嬢と別れて、集会場へ。
これまた受付嬢のアイラの所へ。
「あら♪いらっしゃい♪クエストに行く?」
「いや、今日は顔を見に寄っただけニャ。直ぐに帰るニャ。」
「嬉しいな♪ありがとう♪☆」
と言って、またもや頬にキスをしてくれる。白羅は再度赤面して硬直する。幸いハンター達は出払っていて、袋叩きに会うことはなかったが。
「これで、両頬にキスマークが付いたね♪ますます目が離せないわね♪☆」
とフフフとにこやかに微笑んでいた。
「ニャ!?」
それを聞いて、慌ててどこに持っていたのか、手鏡を出して自分の顔を覗き込む。
「ニャ~~~!!」
確かに両頬にキスマークがしっかりと。白羅の顔が真っ赤に染まり、蒸気を出して、ひっくり返ってしまった。
「え、ちょ、ちょっと。白羅さん!?」
゛鈍感゛な割には゛純情゛な白羅君であった。
キスマークを付けたまま、ユクモ村の村長さん宅に運ばれ、次の日の朝は、村長さんに叩き起こされていたことは、内緒に出来そうにない♪♪♪
「白羅君は居るか!」
とギルドナイトのアルザートが訪ねてきた。
「吉報だ!認可が降りたぞ!」
白羅の目に涙が浮かぶ。
「ほ、本当ですニャか?」
「本当だ。認可証もこの通りだ。」
と、見せてくれた。
「良かったニャ…。ありがとうございますニャ。」
ウルウルしながら、アルザートと握手をしていた。
「良かったですわね♪」
村長さんも、ひと安心と胸を撫で下ろしていた。そして直ぐに、村の外れの広い土地に柵が設けられ、水や必要な物が用意された。話し合いで、提示された、白羅と共に村を護衛するという任務付きだが、白羅にとっては問題なかった。ラルクと一緒に居ることが出来る事が最優先だったからだ。
「じゃ!行って来ますニャ!!」
と、満面の顔で砂漠へと迎えに出発するのだった…。
読んで頂き、ありがとうございます!次話はいよいよ共同生活が始まります。何が起こるか分かりませんが。続きは次話にて、お話しする事に。 では。