飛竜とアイルーと。   作:麗紫 水晶

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こ~~~し~~~んしました………………。読んでやってくださいな……………。
では、物語の始まり始まり………♪



♪♪♪事件です!!②♪♪♪

此処は何処でしょう………。い、いや、失礼しました。

ここは薄暗い、岩壁に囲まれた、光の差し込みがない、広さでいけば20×20mぐらいの広さがある部屋のような造りで、岩壁に4ヶ所蝋燭が灯っていた。1ヶ所だけ地上にでも出れるのだろうか、鉄格子の扉があり外には2人の衛兵が居た……。

 

その部屋の半分を5等分に分けた鉄格子が一層その場の雰囲気を不気味に醸し出していた。その真ん中の檻と、すぐとなりの檻に者と物が居た………。

真ん中の檻には、両手、両足を鎖で繋がれ、膝を着いた状態で両手の鎖は後ろ斜め上から出ていて、力なくぶらさがっている人物がいた。ボロボロの服に、髪は乱れて下がり、顔は力なく下を向いたままであった。

その隣の檻には、先日かどうかも分からなくなっていたが、2匹のモンスターが入れられ、2匹とも鎖に繋がれている。

眠らされて、意識を失っていた2匹だったが、その内の1匹がゆっくりと目を覚ました!可愛い子熊の方である。テディベアではありません。アオアシラの子供です。

しかし、周りを見回すと薄暗い岩壁に囲まれた大きな場所に格子の部屋があり、そのそれぞれの格子の出入り口は鍵もかけられ、自由にはならない。

しかも、足首全部に鎖が繋がれ、格子の傍に行くことすら叶わない状態だ。すぐ傍に寝かされている焔羅も同じく鎖で繋がれていた。1匹だけじゃ限界がある。鎖ぐらい!?………、と噛みついて鎖を噛み切ろうとするも当然砕けるような軟な鎖ではない。

鎖がちぎれないと分かると、諦めてその場に座り込んでしまった。そして、とりあえずは焔羅を起こそう!そう考えて前足で焔羅を揺り動かす。

するとのんきに欠伸をしながら背伸びをし、ゆっくりと目を開けた……。

 

「!?!?!?!?!?」

 

 驚いて慌てて身体を起こす!やっと状況を理解したようだ。自身の寝床ではない事とジャラっと鎖が繋がれている事に気付く。何故ここに居るのか自問自答する。だが、どう考えても急に別の場所に居るのだから、分かるはずもなく………。

 

それで、皆やる事は同じで。まずはその鎖がちぎれないかと噛みついたり、引っ張ったり、引っ掻いたり色々試す。そして、いま考えられる事をやって無駄だと分かると、こちらもやはり座り込んでしまった。とりあえずは傍に子熊が居て、元気そうなのは安心してホッとしていた。

 痛めつけられたとか、傷を負わされていたとかあったなら焔羅は迷わずにキレていただろう。1人ぽっちじゃない事がせめてもの救いだろうか……。何とか一緒に脱出しなければ……。何か方法はと考えつつ、子熊に寄り添いながら周りを見渡した。

すると、隣は一列の金属の格子で区切られているだけで隣に人らしき者が鎖に繋がれ、うつ向いているのが見えた。気を失っているのかと思ったが、起きてはいるようだ。ただ、うつ向いたままで、動こうとはしない。何時からここにいるのか焔羅達には想像もつかない事だった。

焔羅は更に周りを見回す。薄暗い中に蝋燭の明かりがゆらゆらと揺らめいて、この場所の内部を照らす。格子に囲まれた区切られた部屋が5つ………。焔羅達も牢屋に閉じ込められているのだと言う事が改めて分かった事だった。

しかも、牢から出られたとしても外に出る為にはその部屋の扉が1ヶ所だけ………。更には外側に衛兵までが二人いる。でもそこからでなければ外に出ることは叶わない。まして、出れたとして無事に白羅達の元に辿り着けるかどうかも分からないのだ。

一筋縄ではいかなそうだと理解した。しかし、諦める訳にはいかない。何としてもここを出て、白羅の元に帰るんだと誓う。そしておもむろにふと隣の牢にいる人間に目を向けていた。先客のようで、焔羅も死んでは居ないと子熊と同じように確認しているものの、どう話し掛けたらいいものかとなやんでしまう。白羅ならば、言葉を理解してくれただろうが………。

体型や姿から男性のようではあった。そして、まずは行動しようと考え、動こうとしたその時その男性からとんでもない言葉を耳にする。

 

「白………羅…………。」

 

「「!?!?!?」」

 

流石に今度は2匹で驚く!びゃ、白羅と言ったか!?2匹は顔を見合わせ驚きを隠せないまま、改めてその男性を見た。

 

「白………羅………。」

 

今度は間違いは無かった。2匹とも白羅と聞いたのだ。だが、何故白羅の事を知っているのか………。

2匹は頷きあって、その男に話し掛けようと試みる。

 

「ガァ、ガ、グァグゴ!?」

 

「グァ、グァ、グァグ、グゴグゴ!?」

 

が、話し掛けてみるも、反応がない。もう一度と2匹が話し掛けようとしたとき、不意に男が何年ぶりだろうか、顔を上げてきたのだった!そして焔羅達の方に振り向いたのだ!

 

「おぉ!何年ぶりだろうか、ここに客が来るのは。しかも、小さな可愛い2匹のモンスターとはな。」

 

その男は憔悴しきった顔でニコッと微笑んだ。

2匹はどうやったら気持ちが伝わるのか悩んだ。お互いに言葉が通じないだけに、気付いてもらうにはどうしたら……………。

ただ咆哮を上げただけでは、理解してもらえない。なら、どうしたら………。焔羅は突然にゆっくりと目を閉じる………。そして、思いの丈をその男性に向けて念を送ってみた!……………。

 

「おぉ!今のはそなたか!?心で話が出来ると言うのか!?これは凄い。」

 

通じた!?焔羅が送った念が男性に届いたのである!再度確認の為に念を改めて送ってみた。

 

「おぉ!焔羅と言うのか、良い名前だ。こうして話が出来るとは思わんかったぞ。私は雅盛だ。」

 

その名前………と気にはなったが、思い出す事が出来なかった。

まずは何故白羅の事を知っているのか聞いてみることにした。すると逆に、雅盛の方が驚いて聞き返してきた。

 

「な、なんと!?白羅の事を知っているのか!?」

 

今までにないほどに驚いていた。焔羅は一緒に暮らしていること、仲間のモンスター達がいること、みんな白羅を慕っていること等を話した。雅盛は目を瞑りながら少し上を向いて、聞き入っていた………。

 

「そうか………。あやつらしいな。白龍との戦いでもそうだったしな。」

 

その白龍とも友人になっていると付け加えた。当然雅盛も驚いていた。

 

「ほう!白龍もか!?暫く見ないうちに凄いじゃないか。私は追い越されそうだな♪しかし懐かしい……。会いたいなぁ………。」

 

どうやら思いに耽っているようだ。焔羅は何故ここに!?と聞いてみることにした。

すると、ちょっと前まで優しい顔つきだった雅盛の顔が険しい表情に変わる。

 

「私は、かつての仲間に裏切られ、ここに捕らわれてしまった。奴が許せない事と、白羅やアイラに申し訳ない事で、落ち込んでもいた。絶望感で、何もする気が起きず、ここで不甲斐ない自分をずっと責めていた………。」

 

焔羅は雅盛は悪くないと、念を送った。するとにっこりと焔羅に微笑んでくれた。

 

「そうか………。こういう心を持っているモンスターも居ることをアイツは分かってたんだな。白羅に会いたいな、アイラにも………。」

 

そう言うと寂しげな表情になる。焔羅は一緒にここから出ようと話し掛けた。

 

「はは………。お誘いは嬉しいが………。どうやってここを出る?まずはこの鎖をどうにかしなければならんし、格子の扉の鍵もある。更にこの部屋から出るための扉はあそこだけだ。出ても外には衛兵が二人番をしている。簡単には抜け出せんぞ。」

と、苦笑いしながら焔羅に話してきた。焔羅も、それで状況は大体把握したが、あとはどうやって抜け出すか、を考えていた。

と、突然アイデアを思い付く!それを雅盛にも伝える。雅盛は目を丸くして驚いたが、暫く考え込んで、頷いて返事を返してきた。

 

「ならば、そのアオアシラの子供を逃がそう。そして白羅達に応援を頼むんだ。」

 

 焔羅と雅盛は顔を見合わせて頷く。焔羅は子熊にその事を伝え、白羅の元に行って欲しいと話した。子熊も心配になったが、大丈夫と慰めて白羅達と一緒に僕達を助けに来て欲しいと伝えると、子熊も覚悟を決めたようだ。

 真面目な顔で頷いて甘えるのだった……。

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

 

ここはその焔羅達のいる牢屋のずっと上の階地上3階建ての大きな屋敷である。1階はロビーに玄関があり、2階に食堂やキッチン、脱衣場に御風呂、くつろぎスペース等々生活に必要な品物が用意されていた。

3階は家主の寝室やリビングがあり、別に客室も用意されている。執事やメイド達の部屋もあり、住み込みで働いている。

 

 その家主の執務室にその男は居た……。後ろに手を組み、仁王立ちで窓の外を眺めている……。

髭を生やし、肩までぐらいに伸ばしたストレートヘアで体格があり、高級な紳士服を着た男………。

 

「お呼びですニャか、バルド様…………。」

 

ナルガネコメイル一式を装備し、ナルガネコ手裏剣を背中に装備したオトモが足音も立てず、忽然と姿を現す。

 

「ミリザか………。首尾は………。」

 

その男は窓の外を見たまま、動じる事なくそのオトモに問いかけた。

 

「はいニャ。アオアシラの子供は想定外でしたニャが、無事に2匹のモンスターも牢に入れ、 鎖で繋がれていますニャ。順調ですニャ。」

 

「フム、そうか…、引き続き抜かりないようにな。」

 

「分かりましたニャ。お任せ下さいニャ。」

そう言うと一瞬で姿を消していた。

 

「ククッ……。あやつの命運もこれ迄かな………。」

 

ひとり含み笑いをしながら外を眺めつつ、何かを企んでいるようであった………。

が、世の中そう簡単に事が運ぶとは限らない。

地下の牢屋内では、焔羅達の計画も地道に進んでいた。

まずは子熊を脱出させるため、焔羅が子熊の鎖を噛み砕こうと必死になっている。簡単に砕けるような鎖ではないのだが、焔羅は諦めずに噛みついていた。何とか3本は繋がれている側の根元で砕いた。後り1本………。

だがかなりの負荷が牙にかかり、痛みと疲れが焔羅の気持ちを鈍らせる。

子熊も心配そうに甘えた声で焔羅を見ている。

その声で焔羅は気持ちを奮い立たせる!

゛バキンッ!………゛残りの鎖1本を噛み砕いた!゛コンッ!…コンッ!…コロコロコロ………。゛!?!?!?

地面に何かが音を立てて落ちた………。子熊も、つられてその方を見る。白い尖ったしかも血の付いた、牙が1本落ちていた………。

子熊も驚いて、焔羅を見る!しかし、焔羅は気丈に口を閉じたまま、微笑んでいた。口元から血を滲ませながら………。

 

「天晴れだ!そなたの心意気、しかと見せてもらった!この雅盛、その気持ちに応えようぞ!」

 

その姿に感動し、雅盛は自分の番だと下を向いて、苦しみ出した!

 

「ぐ……ぐぇぇ……!く、苦しい!助けてくれ!!!」

 

なんと胃から戻して吐き出し、苦しい表情で迫真の演技をして見せたのだ!無理に吐いているので少し血も混ざっている。

 

「どうした!」

 

番をしている衛兵のひとりが中へと入ってきた。

 

「く、く、く、苦しい!助けてくれ!頼む!!」

 

雅盛は苦しんでいる振りをしながら大声で叫んでいた。

 

「一体どうした!?」

 

衛兵が、格子の扉の鍵を開け、中に入り雅盛の様子を伺う。確かに地面には吐いた物が拡がっていて、ただ事ではないようだと判断した時だった………。

 

「グギャギャ!ガァ!!」

 

今度は焔羅が、苦しい声を上げて倒れてもがき出す!

 

「な、なんだ!!」

 

雅盛を介抱しようとしていた衛兵が、驚いて隣の牢を見た。

 

「どうした!一体何があった!?」

 

「すまん!そこのモンスターを見てやってくれ!この男が苦しみ出したと思ったら、そこのモンスターまで苦しみ出したんだ!」

 

「分かった!モンスターの方だな!?」

 

「あぁ、そうだ!」

 

もう一人の衛兵も格子の扉の鍵を開けて中へと進む。

 

「ほら、そっちに離れてろ!」

 

衛兵が子熊を焔羅から離す。心配そうに少し離れた位置に移動する。衛兵は気をつけつつ焔羅に近寄る。衛兵二人は、雅盛と焔羅に集中し、扉を全開にしている事を忘れていた。

苦しんだ振りをしながらも、焔羅は目で合図を送っていた。子熊も頷き返し、衛兵に気付かれないように足音を消し、気配も消して、格子の外へ………。

それから地下室の扉へ………。廊下に顔を出すと、他に人間が居ないことが分かると、そのまま静かに姿を消していた………。

 

「これはそれぞれ医者を呼ぶ必要がありそうだな。」

 

「ウム。そうしたほうが良いだろうな。おい、もう少し待っていろ。医者を呼んできてやる!」

 

衛兵同士が頷きあうと、格子の外へと出て鍵をかけようとしたその時だった。

「ん!?待て!アオアシラの子熊が居ないぞ!!」

 

「なんだって!」

 

もう一人の衛兵もよく見ると、鎖だけが虚しく取り残されている。部屋の中を見渡しても、その姿がない!

 

「しまった!逃げられたぞ!」

 

「なんて奴だ!鎖を断ち切ったのか!?」

 

「いずれにせよ、領主様に報告せねば!お前は医者を頼む!俺は領主様に報告する!」

 

「分かった!!」

 

二人の衛兵は慌てて牢屋から出て、鍵をかけ、それぞれ走り去って行った………。

それを見届けた1人と1匹は演技を止め、お互いに顔を見合わせて、ニヤッと微笑んだ。

1人と1匹は改めて扉の方を見つめる。

 

「無事に白羅のところにたどり着いてくれよ………。」

 

それぞれが切に切にそう願うのだった……………。

 

 

 

 

 

 

 




読了ありがとうございます……………。
子熊が無事に、白羅に会う事が出来るのか!?
次話にてお会い出来ることを切に願って………♪ 紅龍騎神でした………♪
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