飛竜とアイルーと。   作:麗紫 水晶

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 長ら~~~~くお待たせして……。更新させていただきます。ありがとうございます。
 ささ、本編を。後ほど後書きにて。
 では、物語の始まり始まり………♪♪♪



♪♪♪焔羅と雅盛の奪還作戦!①♪♪♪

「スミマセンニャ………。村に入られてしまいましたニャ……。」

 

「そうか………。まぁ、子熊が戻った所で、詳しい事は分かるまい。」

 

領主事務室で、会話をする一人と1匹。ミリザと呼ばれるアイルーは、子熊を捕獲できなかった事を報告していた。しかし彼らは知らない。白羅がモンスター達と会話が出来るという事を……。

 領主は 窓の外を眺めながら、急に振り向く。

 

「しかしだ。衛兵隊が、逃げ帰って来たのは想定外だ。」

 

領主バルドは衛兵隊、1個隊を派遣したにも関わらず、権利を取り上げるどころか逃げるように戻って来たのである。

 報告によれば各村の村長や、ギルドナイト、龍識船の隊長やあの”カミラ”まであ奴の味方に付いていたとは……。

 その事に関しては調べ切れていなかった事もあり、そこまで仲間を増やしている事に気付かなかったのだ。念入り……の様で、ちょっと抜けている所もある。(悪かったな。)

 

「ふむ。地下の門番の話によると、切れるはずのない鎖が切れていたと聞く。何者かが手助けをしたとしか思えんのだが、不審な者の侵入は無かったか?」

 

「はいニャ。子熊が逃げるまでの館内は侵入されてませんニャ。《リネル》も気付くと思いますしニャ。」

 

「ふむ。ならばどうやって……。」

 

 バルドは見当がつかなかった。雅盛では隣の格子内であるし、一緒に居た龍では成獣ならともかく子供なので噛み切れまい……。そう思っていた。命懸けでその想定外が起こっていたとも知らずに……。

 

「うむ……。やむを得ないか……。奴等を召集するか……。」

 

奴等と聞いて、背中の毛が逆立つミリザ。

 

「ニャ、まさか奴等を呼びますニャか?」

 

「そうだ。やむを得ないだろう。そうしないと嫌な予感がする。」

 

旧ハンターの感と言うか、何かを察しているようでもあった……。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

「ふむ。無事に逃げ仰せたかな?」

 

手足を鎖で繋がれた雅盛が、衛兵が出て行った後、焔羅に話し掛けていた。焔羅もテレパシーできっと大丈夫!と返していた。

 

「信頼してるのだな。」  

 

雅盛は羨ましく思っていた。私には、白羅の事をそこまで信頼出来ただろうかと。

私は、あの時バルドを選んでしまった。今更ながら後悔している。生きてここを出られたら、白羅に真っ先に謝らなければ………。そう思いつつ、焔羅と共に助けが来るのを待つことにしたのだった。

 

そしてユクモ村。白羅の家では、作戦会議がなされていた。

かなりの危険性を伴うので、少数精鋭で突入する事に。沙夜《さよ》と亜夕羅《あゆら》。白羅にラミア。姫紗羅と灯羅。ラルクと焔。黒焔王とタマミツネ。相手もモンスターを出して来る可能性が大と踏んでの事だった。しかも、秘密に動かないと捕まればただ事では済まされない。まして、雅盛や焔羅の命も危険に晒されるのだ。慎重に動かなければならない。それぞれが思いを馳せながら、作戦を練っていた。

 

「で、どうやって救出するニャ?」

 

 灯羅が白羅に策があるのかを聞いていた。

 

「ニャ、それはニャ……。」

 

…………………………………………。

 

「「「「「正面突破~~~!!!」」」」」

 

 家中に全員の声が轟く!!

 

「ニャったく!あんた、ニャにも考えていないニャ!」

 

 ギクッ!

 

「そうだニャ。強引に押し通ろうとしているニャ。」

 

 ギクッ!

 

「白羅さん、それは余りにも楽観しすぎじゃ…。」

 

 ギクッ!

 

「そうじゃのう、ちと穏やかではないのう。」

 

 ギクッ!

 

「私はどうかと思います。」

 

「「「「えっ!」」」

 

 ほっ…。

 

 1人だけ白羅の意見に賛成してくれた事にホッとしていた。だが、一番警戒心が強いはずの亜夕羅が沙夜姫とは反対に白羅の意見に賛同するとは……。

 

「どうゆう事じゃ?」

 

「はい。秘密に動いて、仮に助けられたとしても拉致していた事は知らぬ存ぜぬで通されて逃げられてしまいます。それならば少し騒いで民に見守られる中で雅盛様や焔羅ちゃんを助け出した方が動かぬ証拠となりましょう。

 そうなれば逃げられはしません。私は白羅殿の意見に賛同しますがどうでしょう?」

 

「「「「ほうっ!」」」」

 

 白羅そっちのけで亜夕羅の話を聞いて感心している。白羅はちょっと寂しかった。でも、彼女の言う事に納得もしている白羅でもある。

 

「ならば、堂々と悪者退治に行くとするかの。のう、白羅殿。」

 

「ニャ、そ、そうですニャ。それがいいニャ♪」

 

「ホントはそこまで考えてなかったでしょ?」

 

 ギクッ!全身の毛を逆立てて冷や汗を流す白羅。

 

「ごめんニャ~。それぐらいしか思いつかなかったニャ~~。」

 

「クスッ、いいの。そういう白羅さんが好き♪」

 

「ラ、ラミアニャ……。」

 

 ウルルン目線でラミアを見つめる白羅だった。

 

「ニャ~~!ズルいニャ!あたいも好きだニャ!」

 

 姫沙羅も負けじと白羅に詰め寄る。

 

「なんじゃ、白羅殿モテるのう♪」

 

「雅盛様が、オトモにしていた事も分かる気がしますね。」

 

「そうじゃなぁ、分かる気がするのう。」

 

 2匹と1人のやり取りを眺めつつ、兄への思いをはせる沙夜と亜夕羅であった……。

 

そしてそれは、直ぐに動いた方が良いと、明日にでも。と言うことで決まった。それぞれ明日に備え、部屋で就寝する。

だが、寝付けない者もいるようで。静かに部屋を出て、音を立てないように階段を降りて行く者が。

 

「ニャ!沙夜様ニャ。」

 

「おおぅ!白羅殿か。寝れぬのか?」

 

「姫様もニャか?」

 

「うむ。やっと会えると思うと、眠れないのじゃ。」

 

「おいらもですニャ。なんて声を掛けたらいいニャか……。」

 

「まぁ、こっちに座ると良いぞ。マスター!ジョッキを頼むのじゃ!」

 

「はいニャ~~~!今行きますニャ~~!」

 

猫飯屋のマスターはジョッキ2杯と一緒に、串を持ってきてくれた。

 

「おおぅ、気が利くのう!」

 

「大丈夫ニャ。代金は白羅の旦那につけておくニャ!」

 

「ニャ、ニャはは……やっぱりニャ。」

 

ま、そのぐらいは、と気にはしていない白羅であった。

 

それぞれジョッキを持って、乾杯と軽く当てる。程よい喉ごしが、気持ちを少し楽にしてくれる。

 

「のう、白羅殿。兄上の事をどう思っておる?」

 

「ニャ、雅盛様ニャか?」

 

「そうじゃ。兄上は何故にそなたを手放したのか………。」

 

申し訳なさそうに、話す沙夜に驚いていた。

 

「ニャ!そんニャことはないニャ。あのときは、離れるしか方法がなかったニャ。確かに天然ニャところもあるニャが、優しさ一杯の人だニャ。白龍と戦う時ニャって、灯羅でニャく、おいらを連れて行ってくれたニャ。」

 

「そうなのか………。嫌いにはなってないのじゃな?」

 

「ニャ、とんでもないニャ。今でも大好きニャ。じゃニャきゃ、アルザート様に依頼してないニャ。」

 

「確かにそれもそうじゃな。いや、疑って済まなかったのう。そして、今でも慕ってくれている事に礼を言うぞよ、ありがとう。」

 

「ニャ、そんニャ………照れるニャ……♪」

 

顔を赤らめて、ジョッキを煽っている。酔っているせいではないようだ。沙夜も微笑みながら、串を頬張るのだった。

 

「沙夜様は雅盛様を慕っているニャか?」

 

白羅も沙夜に同じ質問をしていた。沙夜が遠くを見つめて思いを馳せる……。

 

「うむ。大好きじゃ。何年も会ってはおらんが、無事であって欲しいと願うばかりじゃ。」

 

「そうニャね、おいらもそう思うニャ。」

 

お互いに、遠くを見つめつつ、夜が過ぎていく………。本番の時が、刻一刻と近付くのだった……。

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

「ニャて!みんな準備は良いニャか?」

 

白羅の問い掛けに、全員無言で頷く。モンスター達も、同様だった。

 

「ニャ!出陣ニャ!」

 

白羅が先頭を切って歩き出す。それに全員続いていく。

  研究員達もその場の雰囲気からただ事ではないと察して動き出してくれていた。龍暦院に、ギルドマネージャーに、ギルドナイトに、各村長に、龍識船に……。手分けして通達をしてくれていた。

 そんな動きをつゆ知らず、白羅達は焔羅と雅盛の奪還の為に領主であるバルドの館へと向かうのであった……。

 国の外れにバルドの館がある。中央の城からは目が届きにくい場所でもある為、一部無法とも言える状態であった。名声と実力があった事もあり、そこで領主に成り上がったのである。

 

 「領主様、奴らが動き出しました。こちらに向かっているとのことです。」

 

 衛兵隊長がバルドに報告に執務室に来ていた。

 

「そうか、ならば丁寧にお迎えしなければな……ククク。」

 

「では、その様に……。」

 

「うむ。今度はぬかるなよ。2度は許さぬぞ。」

 

「はっ!心得ております。では。」

 

 隊長は会釈して執務室を後にした。バルドは窓の外を眺めつつ、二やついていた。

 

「来るなら来い!昔の事も含めて返り討ちにしてくれよう。」

 

 バルドも執務室を出ていく。

 

「ミリザはおるか!俺の着替えを手伝え!」

 

 寝室へと向かいながら、声を張り上げると自然とさりげなくバルドの後ろをついて行くのだった……。

 

 

 物々しい、しかもモンスターも一緒の行進……。先頭は武具を纏ったアイルー。旅の行商人達もその行進を避けるように通り過ぎていく。白羅達の事を知っている者は何事かと騒ぎ始める。それは、白羅達にとっては有利な事であった。但し、大勢の前で助け出せればの話。その前に倒されるか、王国軍でも来て、助ける前に捕まってしまえばアウトである。焦るわけにはいかないが、時間との勝負でもある。それだけに白羅達も真剣な表情で真っ直ぐ領主バルドの館へと向かうのだった……。

 館に近づいた時、前方の道を塞ぐように仁王立ちする者たちが4人ほど。G級の武具に身を包み、1人は太刀を。1人は大剣を。1人は操虫棍を。1人はライトボーガンを所持していた。

 

「ここからは通す訳にはいかない。悪いが、お帰り願おう!」

 

「悪いニャが引き下がる訳にはいかニャいニャ。押し通るニャ!!」

 

「ここは通さぬ!!」

 

 双方武器を構えて走り出す!白羅達の救出劇が火ぶたを切ったのだった………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 読了いただきましてありがとうございます。救出作戦突入となりました。無事に雅盛と焔羅を助ける事が出来るのか……。この後の物語もどうぞお付き合いください。よろしくお願いいたします。
 では、また次話にてお会い出来ることを切に願って……。紅龍騎神でした……♪♪
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