最高の脇役になろう! 凍結   作:逃亡常習犯

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ここ最近リアルが忙しいので投稿頻度は下がると思います。


それではどうぞ。


テレビの途中でCMが入るわけ

しばらくすると、いかにもお手本です!というようなクッキーができていた。

ありがたくいただこう。

 

「うまっ!お前何色パティシエールだよっ!?」

 

確かに美味しい。比企谷君も正直な感想が思わず、と言った風に出てきたようだ。

 

「もうこれ渡しとけばいいんじゃねーの」

 

「買ったものならともかく人のものは良くないのではありませんか?」

 

「その通りよ、比企谷くん。さ、由比ヶ浜さん。頑張りましょう」

 

そうして由比ヶ浜さんのリベンジが始まった・・・のだが・・・

 

さっき才能がうんたらかんたらと話してそうなことは言いたくはないのだが、彼女は本当に才能がないようだ。料理ができない人の典型的なタイプでレシピ通りに作らず、勝手な判断で桃缶を入れようとしたりしていた。

できて食べてみると、雪ノ下さんの努力がうかがえる。あんな物体Xを食べられるようにしたのだから。

 

「なんでうまくいかないのかなぁ・・・。言われた通りにやってるのに」

 

納得いかないようで由比ヶ浜さんはもう一つクッキーをつまむ。

 

「うーん、やっぱり雪ノ下さんのと違う」

 

まぁ、あれだけ時間をかけていたのだし、酸素と化合して酸化でもしたのだろうとあまりそこらへんは詳しくないので勝手な想像をしてみる。

そんな関係ないことを考えていると比企谷君が

 

「あのさぁ、さっきから思ってたんだけど、なんでお前らうまいクッキーを作ろうとしてんの?」

 

と言った。

 

「はぁ?」

 

「俺が"本当"の手作りクッキーってやつを食べさせてやりますよ」

 

「何ですって・・・。上等じゃない。楽しみにしてるわ!」

 

前々から思ってたんだが雪ノ下さんって負けず嫌いなのか?

 

 

 

 

 

〜脇役待機中〜

 

 

 

 

 

しばらくして、家庭科室は剣呑な雰囲気に包まれていた。机の上にはクッキーが置いてある。ただし、特にこれといった特徴があるわけではなく、まるで由比ヶ浜さんのクッキー(・・・・・・・・・・・)のようだった。

由比ヶ浜さんはそのクッキーを一つ食べ

 

「別に特別何かあるわけじゃないし、ときどきじゃりってする!はっきりいってそんなに美味しくない!

 

と比企谷君をにらみながら言った。

そう言われた比企谷君は目を伏せた。

 

「そっか、美味しくないか。・・・頑張ったんだけどな」

 

「あ・・・ごめん」

 

「わり、捨てるわ」

 

と言いクッキーを捨てようとする。すると、

 

「ま、待ちなさいよ」

 

由比ヶ浜さんが止めた。そして不揃いなクッキーを掴んで口に入れた。よく食べるよなぁ。

 

「べ、別に捨てるほどのもんじゃないでしょ。・・・いうほどまずくないし」

 

「・・・そっか。満足してもらえるか?」

 

比企谷君が笑いかけると由比ヶ浜さんは頷きすぐに顔をそらす。

もう、いいかな。

 

「で、比企谷君。そろそろ満足しましたか?由比ヶ浜さんで遊ぶの」

 

「へ?」

 

「比企谷くん、よくわからないのだけれど。今の茶番に何の意味があったのかしら?」

 

「こんな言葉がある・・・『愛があれば、ラブ・イズ・オーケー!!』

 

「古っ」

 

愛のエプロンて・・・城島さんよくダジャレ思いついてたよな。

 

「お前らはハードルを上げすぎてたんだよ。フッ・・・。ハードル競技の主目的は飛び越えることじゃない。最速のタイムでゴールすることだ。飛び越えなきゃいけないというルールはない。ハー「言いたいことはわかったからもういいわ」

 

「ちなみに、ハードルをくぐるとルールには書いてありませんが失格になることもあるようです」

 

「・・・・・・」

 

比企谷君はなんだか居心地が悪そうだ。なんでだろうね(すっとぼけ

 

「ま、まぁとにかく、せっかくの手作りクッキーなんだ。手作りの部分をアピールしなきゃ意味がない。むしろ味はちょっとくらい悪い方がいい」

 

「悪い方がいいの?」

 

雪ノ下さんは納得がいかないようでそういった。

 

「例えばの話ですが、料理ができる人とできない人の料理、どちらが食べたいかと聞かれれば料理ができる人の物と答える人が大半でしょう。しかし、突然もらえるとしたら別です。料理ができる人の場合もらっても、嬉しいですがあまり印象に残りません」

 

「なんでですか?」

 

由比ヶ浜さんはわからないようで首を傾げている。

 

「これはゼイガルニック効果と言うのですが、綺麗に終わらせるより歯切れの悪いところで切った方が印象に残りやすいと言うものです。テレビでもいいところでCMに入ったりするでしょう?あれはゼイガルニック効果を利用して、視聴者にその次の展開まで見てもらえるようにするためです。クッキーも似たようなものです」

 

そういうと、雪ノ下さんは合点がいったようで。

 

「なるほど。クッキーが美味しくないとそれが逆に印象に残ると言うことですか」

 

「しかも、上手にできなかったけど一生懸命作りましたっ!感が出るから喜ぶだろうよ」

 

話を聞いていた由比ヶ浜さんは頷き、

 

「なるほど〜。・・・ねぇ、ヒッキーはそんなクッキーもらったら嬉しい?」

 

「あ?あー超嬉しいね。嬉しすぎてその場ではしゃいだ後、家で悶えるぐらいには」

 

そこまでが一まとまりなんだな・・・。しかし、そんなことは気にならないようで由比ヶ浜さんは気の無い返事をして、

 

「・・・やっぱ私、今度は自分のやり方でやってみる。ありがとね、雪ノ下さん」

 

そう言ってドアに手をかけ由比ヶ浜さんは帰っていった。エプロン姿のまま。

あれ、止めなくていいのか?

 

「・・・本当に良かったのかしら。自分を高められるなら限界まで挑戦するべきだと思うの」

 

「まぁ、正論だわな。努力は自分を裏切らない。夢を裏切ることはあるけどな」

 

「どう違うの?」

 

「努力しても夢が叶うとは限らない。むしろ叶わないことの方が多いだろ。でも、頑張った事実さえありゃ慰めにはなる」

 

「ただの自己満足よ」

 

「別に自分に対する裏切りじゃねぇさ」

 

「甘いのね・・・。気持ち悪い」

 

「お前含めて、社会が俺に厳しいんでな。せめて俺くらいは俺に優しくしてあげようと思うわけ。みんなもっと自分を甘やかすべきだろ。みんなダメになればダメな奴はいなくなる」

 

「マイナス思考の理想論者なんて初めて見たわ・・・。あなたの思想が流行ったら地球は滅亡するわね」

 

ここ数日で何回も見たようなやり取りをしているが、ここだけは一つ二人に聞いておきたいことがある。

 

「・・・由比ヶ浜さんは今日の側につきながらの料理が限界だと思ったのですが・・・。そこのところどう思います?」

 

二人は苦笑いをして誤魔化した。




これで由比ヶ浜編は終わりですかね?由比ヶ浜のお礼のところは月城先生が忙しかったということで・・・
ちなみに次のクラスでの一悶着も月城先生は見れません。職員だからね、仕方ないね

というわけで次はみんな大好き剣豪将軍(笑)の登場です。

ありがとうございました!
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