ハイスクールD×アギト お試し版からの連載版   作:ホタル火

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友の別れ

黒歌さんと白音ちゃんが兵藤家の家族になった数日後。

 

イリナ「一誠くん!今日もゆーしゃごっこしよ!」

 

お友達のイリナちゃんがここ毎日家に来て俺と勇者ごっこしている。

 

猫姿の白音ちゃんはイリナちゃんを見ては少し不機嫌そうに鳴くけど俺が撫でると上機嫌になって何も言わなくなる。

 

その事を黒歌さんとお母さんに言うとなんかニヤニヤされた。

 

イリナちゃんは俺を公園に連れて行って木の棒を持って俺に向けた。

 

危ないよイリナちゃん。

 

イリナ「さあ!まおー一誠!今日こそゆーしゃイリナがせーばいしてやる!」

 

翔一「なんどやろーと同じだゆーしゃイリナ!」

 

前回引き分けになった訳じゃ無いけどイリナちゃん的には何度も俺に倒されても屈しない勇者を演じているんかな?

 

イリナ「行くぞ!まおーーーーーーーーー!!!」

 

イリナちゃんが大振りで木の棒を振り回した。

 

一応言っておくけど危ない事だからね。

 

木の棒でも目に入ったら失明しちゃうからね。

 

俺以外でやったらダメだよ。

 

俺は取り敢えず危なく無いように木の棒を受け止めた。

 

木の棒どうしが当たる音が公園に響く。

 

だけど少しずつだけど棒の太刀筋が5歳児とは思えないほど鋭くなっていく。

 

誰かに習ったのかな?

 

それともイリナちゃんって勇者の素質があるのかな?

 

悪魔や妖怪が居るんだから勇者が居てもおかしくないよね?

 

でも俺以外の子だと大怪我だよ。

 

そう思いながらイリナちゃんの木の棒を防ぐ。

 

そして・・・

 

イリナ「とどめだ!まおーーーーー!!」

 

決まって最後にこの言葉を言うため俺は魔王の剣(木の棒)をイリナちゃんの攻撃に合わせて斬り落とされて最後に胴体をスパッと斬られる。

 

翔一「グハッ!・・・み、みごと・・・だ・・・ゆーしゃイリナ・・・」

 

もう何十回目の台詞か忘れたけど最後の台詞を言って俺は地面に倒れた。

 

イリナ「はぁ・・・はぁ・・・こうして世界の平和は守られた!」

 

よくある最後のナレーションまでイリナちゃんは自分でするんだからよっぽど勇者が好きなんだね。

 

俺は起き上がってイリナちゃんに駆け寄る。

 

翔一「イリナちゃん、もうちょっと遊ぶ?」

 

俺はそう聞くけどイリナちゃんは少し元気が無さそうだった。

 

翔一「イリナちゃん?」

 

イリナ「一誠くん強いね。」

 

いきなりなんの話だろ?

 

イリナ「私ね、お父さんに剣術習ってるんだ。」

 

それは初耳だよ。

 

翔一「初めて聞いたよイリナちゃん。」

 

イリナ「ずっと隠してたもん、でもね、私お父さん以外とこうやって戦うこと無いから自分って強いのかなって思っちゃうの。」

 

ちょっと分かるかな。

 

お父さんは師匠だから今は勝てないけど周りに一緒にする人が居ないから分からないよね。

 

イリナ「ゆーしゃごっこも友達を怪我させないようにしないといけなかった大変だった。」

 

翔一「怪我させちゃうとお友達が離れちゃうからね。」

 

イリナ「でも一誠くんは手加減しなくてもいいってわかった。一誠くんも何か剣術をしてるんだって思った。」

 

えっと・・・前世でアギトとして戦っていたから知らないうちに身体が覚えていったんだよ。

 

イリナ「一誠くん。来週また公園で遊ぼ。その時に・・・手加減無しで戦って。」

 

イリナちゃんから決闘の申し込みが来た!

 

でもいいのかな?

 

イリナ「約束だからね!約束破ったら絶交だからね!」

 

そう言って走って帰るイリナちゃんを俺は見送ることしか出来なかった。

 

 

 

その日の夜にお母さんから衝撃的な事を聞かされた。

 

母「イリナちゃん一家外国に移住するんだって。」

 

何か変な様子のイリナちゃん、だけどやっとわかった気がする。

 

イリナちゃん俺とお別れするからあんな事言ったんだ。

 

翔一「イリナちゃんいつ行くの?」

 

母「来週よ一誠。」

 

来週なんだ。

 

翔一「お母さん、来週イリナちゃんとイリナちゃんのお母さんとお父さんを呼んでここで食べようよ。俺、料理したい。イリナちゃんに俺の料理を食べさせたい。」

 

前世の事を説明してから俺はお母さんと一緒にキッチンに立つ事がある。

 

いくら前世の記憶があって年齢的に80歳以上でも俺は子供だから。

 

母「そうね・・・いいわよ。イリナちゃんは一誠が話して。イリナちゃんのお母さんとお父さんには私から言うわ。」

 

翔一「ありがとうお母さん。」

 

それまで何作るか決めないと。

 

そう思いながらお母さんと一緒にキッチンに立った。

 

 

 

それから1週間が経った。

 

俺は公園でイリナちゃんを待っている。

 

今日はちょっと遅いな〜。

 

そう思っていると、

 

イリナ「一誠くん!お待たせ!」

 

イリナちゃんの声がした。

 

俺は声の方を見ると・・・イリナちゃんと・・・イリナちゃんのお父さんがいた。

 

なんで?

 

イリナ父「一誠くん、今日は娘のわがままを聞いてくれてありがとう。

 

イリナちゃんのお父さんが頭を下げて来た!?

 

なんで!?

 

イリナ父「イリナが無断で木刀を持って行こうとしたから聞いたんだよ。そしたら一誠くんと決闘をするって。なんで決闘するのか聞いたら君はイリナより強いって聞いてね。それに手加減無しですると、剣術を教えた身からしたら同年代の子供に本気で剣を振るう事を教えた当時から口すっぱく言ったんだけど・・・イリナが聞かなくて。それで私が見守りをする条件でなら決闘を許可すると言うとイリナがやっと頷いてくれてね。」

 

イリナちゃん、無断でしたらダメだよ。

 

イリナちゃんを見るとイリナちゃんは2本の木刀を持って俺を見ていた。

 

イリナ「一誠くん、ありがとう。」

 

イリナちゃんが木刀を渡してくれた。

 

俺は木刀を受け取る。

 

木の棒より重たいけど・・・フレイムセイバーより軽いかな、当たり前だけど。

 

イリナちゃんは俺と距離を取る。

 

イリナ「一誠くん!行くよ!」

 

翔一「うん!」

 

イリナ父「それでは両者構え!」

 

俺は木刀を構える。

 

イリナちゃんも同じく木刀を構える。

 

構え方が様になってるよ。

 

イリナ父「はじめ!」

 

イリナちゃんのお父さんの一声で真っ先に動いたのはイリナちゃん。

 

イリナ「はぁ!」

 

本当に5歳児だよね!?

 

気迫がもう武人の気迫だよね!?

 

何度も言うけど本当に5歳児!?

 

驚いている間にイリナちゃんが俺の直ぐそばまで寄っていた!

 

木刀を突いてくるイリナちゃん!

 

俺は思わず後退りして突きを避けた!

 

うわぁイリナちゃん本気だ。

 

いや手加減無しで戦っているから本気だよね。

 

俺も本気出さないとね。

 

更に追撃してくるイリナちゃん。

 

それを冷静に捌く。

 

簡単に捌かれた為かイリナちゃんがムキになったみたいで更に木刀で攻撃してくる。

 

だけど頭に血が上っているのかな?

 

攻撃が単調になってるよ。

 

少しこっちも反撃しようかな。

 

俺はイリナちゃんの木刀を弾いた後更にイリナちゃんの木刀目掛けて斬り込む。

 

イリナちゃんは木刀を持っている手が強い衝撃を受けて手から木刀が離れちゃった。

 

イリナ「うっ!」

 

イリナちゃんは絶望的な顔をしている。

 

この戦いは俺の勝ちだけど・・・ここで諦めて欲しく無いな。

 

なので俺は言う。

 

翔一「ここで諦めちゃうの?」

 

イリナちゃんが俺を見る。

 

翔一「勇者イリナはここで諦めちゃうの人なの?魔王の俺が世界を壊しちゃうよ。」

 

イリナ「でも・・・」

 

翔一「勇者は勇ましい者って書いて勇者だよ。諦めない心があって勇者。イリナちゃん。ここで諦めたらイリナちゃんは勇者イリナになれないよ。」

 

俺も前世は絶望的な状態に追い込まれたことは何度もあったな〜。

 

だから言えるんだよ、諦めないことは大事なことだって。

 

イリナ「諦めない・・・心・・・うん!」

 

イリナちゃんが転がった木刀を拾った。

 

イリナ「ユーシャイリナ!復活!」

 

そして俺に向かって駆け出した。

 

俺も駆け出した。

 

お互いの木刀が乾いた音を鳴らす。

 

何度も打ち合ってわかったことがある。

 

イリナちゃん太刀筋がさっきより良くなってる。

 

イリナちゃんは勇者の素質があるんだよきっと。

 

だけど・・・

 

何度も何度も打ち合って俺は再びイリナちゃんの木刀を打ち上げて落とした。

 

だけどイリナちゃんは諦めずに木刀を拾おうとしたけど俺はイリナちゃん目の前に木刀を向けた。

 

イリナ父「そこまで。勝者は一誠くん。」

 

イリナちゃんのお父さんが試合終了の合図を送った。

 

やっと終わった。

 

あまり時間が経って無いけど1時間や2時間に思えるよ。

 

一瞬視線を公園外に向けると親子が俺らを見ていた。

 

イリナ父「満足したかいイリナ?」

 

イリナ「うん!決めた!私は一誠くんの隣に立てるくらい強くなる!そして将来一誠くんとゆーしゃイリナの2人でマオーを倒す!」

 

イリナちゃんの言葉にイリナちゃんのお父さんが顔を引き攣ってる。

 

翔一「イリナちゃん、イリナちゃんなら勇者になれるよ。」

 

俺の言葉にイリナちゃんは満面の笑顔を俺に向けてくれた。

 

翔一「イリナちゃん。今日これから俺の家に来れる?」

 

イリナ「?うん。」

 

翔一「それじゃあ一緒に行こ。イリナちゃんのお父さん。お先に家に向かってます。」

 

イリナ父「あぁ。私は木刀を持って一度家に帰るよ。また後で会おう。」

 

そう言ってイリナちゃんのお父さんは木刀を持って帰って行った。

 

翔一「イリナちゃん。行こ!」

 

イリナ「うん!」

 

俺はイリナちゃんの手を引いて俺の家に向かった。

 

 

 

 

 

家に着いてイリナちゃんと一緒にリビングに移動した。

 

白音ちゃんと黒歌さんがソファで眠っている。

 

翔一「イリナちゃんはここで座って待ってて。」

 

イリナ「う、うん。」

 

イリナちゃんは戸惑っているけど椅子に座ってくれた。

 

俺はキッチンに立って料理をする。

 

本当は作り置きしておいて後で温めたかったけどこうやって俺が作っているところをイリナちゃんに見せないと意味がない。

 

イリナ「一誠くんがお料理?」

 

イリナちゃんが驚いてる。

 

一誠母「イリナちゃんいらっしゃい。」

 

イリナ「こんにちは!一誠ママ!あの・・・一誠くんお料理しているけど・・・」

 

一誠母「今日は一誠がお料理を作るのよ。」

 

イリナ「一誠くんがお料理・・・」

 

一誠母「一誠がイリナちゃんに料理を食べて欲しいんだって。だから今日イリナちゃんとお父さんお母さんも呼んでいるわよ。」

 

イリナ「私のため・・・」

 

お母さんとイリナちゃんが話している間に何種類かお料理ができたよ。

 

出来たものをリビングのテーブルに持っていく。

 

イリナ「わあ〜!」

 

イリナちゃんが目を輝かせている。

 

俺はもう一度キッチンに戻った。

 

料理を作っている間にイリナちゃんのお父さんとお母さんがやってきた。

 

そして俺の料理が全て完成した。

 

翔一「イリナちゃん!お待たせ!」

 

料理を持ってきてリビングのテーブルに置いた。

 

これで全部だよ。

 

イリナ「一誠くん・・・すごいよ。」

 

イリナ母「そうね。この歳でこんな料理が上手なんて・・・」

 

イリナ「でもなんで?」

 

イリナちゃんが俺を見つめる。

 

翔一「お母さんから聞いたよイリナちゃん。もうすぐ外国に行くんだよね?」

 

この言葉を聞いてイリナちゃんが驚いた表情をした。

 

翔一「だからイリナちゃん行ってらっしゃいの意味を込めて俺の料理を食べて貰いたかったんだ。」

 

俺は自分の作った料理を見る。

 

我ながら自信作だと思っているよ。

 

翔一「俺は将来調理師の資格を取ってレストランを開こうと思ってるんだ。その為に何度も何度も料理をするんだ。それでイリナちゃん。イリナちゃんのこの料理は将来レストランで出す料理なんだ。」

 

実はこの料理は前世の俺がレストランAGITOで実際に出したメニューだよ。

 

体は全く別の人でも俺の魂は料理を覚えているんだね。

 

翔一「イリナちゃんは俺のはじめてのお客さまだよ。」

 

イリナ「私が一誠くんの初めて?」

 

翔一「そう。次会う時は俺がレストランを開いた時に来て欲しいから。」

 

だからまた会おうねって意味だよ。

 

イリナ「うん、うん!次会う時は一誠くんのお店に行って一誠くんの料理を食べるね!」

 

翔一「うん。約束だよイリナちゃん。」

 

そう言って小指を見せる俺。

 

イリナちゃんも小指を出してお互いの小指を絡ませる。

 

イリナ父「・・・いい息子さんだ兵藤さん。」

 

一誠父「自慢の息子だよ紫藤さん。」

 

イリナ父「必ず日本に来た際はこの家に挨拶に来よう。娘が喜ぶ。」

 

一誠父「そうしてくれると助かる。」

 

その後イリナちゃんに美味しい美味しいと言ってもらえて嬉しかった。

 

料理人冥利に尽きるよ。

 

 

 

 

 

???サイド

 

「お父様、どうされました?」

 

「あぁすまない。さっき公園で木刀を打ち合っていたのを見ていてな。」

 

(少女の方はともかく男子の方は・・・計り知れない実力を隠しているようだ。あの歳で・・・どれだけの修羅場を潜っている?)

 

「お父様?」

 

「あぁすまん朱乃。今日は母さんと一緒に寝るのか?」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

アザゼル(氷川誠)サイド

 

誠(ですから!背中にブースターなんて付けても飛べません!)

 

アザゼル「そんなもんやってみんとわからんだろうが!あんた頭固いと言われなかったか?」

 

誠(自覚しています!それとそのパイルバンカーをしれっと付けないで下さいって前にも言いましたよね!?)

 

アザゼル「パイルバンカーは男のロマンだって前にも言ったよな!」

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