せっかくゴッドイーターの世界にいくので、オウガテイルになってみようと思う 作:血濡れの人形
~???~
目が覚めると、そこには白い世界が広がっていた。ちなみに最後の記憶はGODEATERの二次創作を読んでいたあたりで消えている。そう、ちょうどその作品内で、『エリック!上だ!』が出たところだった。
「さて、ここはどこですかね?」
「案外落ち着いているのね。ここは・・・そうね、転生の間とでも言っておきましょうか」
突如聞こえてきたその声に驚き、声がした方向とは別の方向に跳ぶ。それと同時に、その方向を向く。しかし、そこには何もなかった。首をかしげるが、まあどこか見覚えのある・・・いや、読み覚えのある空間に、納得する。
「ていうことは、今話しかけているあなたは神かそれに属する何かですかね?」
「いえ、ただの作者です」
「いろいろとどうなんだそれ」
思わず突っ込みを入れるが、それ以上答える気はないのだろう。作者を名乗る何者かは勝手に話を進める。
「あなたには今からゴッドイーターの世界に飛んでもらいます。拒否権はありません。立場とどのタイミングに飛びたいかはそちらで決めて結構です」
その言葉を聞き、思わず口から飛び出たひと言は、まぁもはや無意識だったというほかないだろう。
「擬人化と人の言葉をしゃべれる機能付きで難易度百のオウガテイルに転生させてください!タイミングはエリックさんがオウガテイルに襲われる直前、新人君の横からでお願いします!」
「君は変なことを考えるねぇ。まあいいや、それじゃ、行ってきなさいな」
直後、俺の意識が薄れ始める。
「さ、新しい世界を謳歌してくるといいさ。オウガテイルとしてね」
最後に、そんな声が聞こえた気がした。
~鉄塔の森~
「エリック!上だ!」
その一言ともに、視界が開く。エリックに襲いかかっているオウガテイルが目に入り、その場でそのオウガテイルを食い殺す。そして、その直後に後方に大きく飛び、ソーマの一撃をかわす。
「なっ!てめぇ、一体どこから出てきやがった」
ちなみに無視する。そんなことよりエリックだ。彼が死んでいては意味がない。そう思い、彼の方を向くと、尻餅をついたままこちらを見ていた。その顔は恐怖に染まっている。
『・・・俺としては、貴様らと敵対するつもりはない。その小僧には待っているものがいるのだろう?ここで命を無駄にするより、おとなしく本来の任務に入るといい』
そういいながら、自分の姿を人型に変える。深い意味はないが、あえて言うならもしかしたらアラガミとしての反応をごまかせると思ってやった。
「ふむ、貴様らと話すならこの姿の方が警戒されなさそうだな。まぁ、そんなことはどうでもよい・・・ふむ?なぜ貴様らは驚いているのだ?人型のアラガミなど珍しくはあるまい」
ほら、シユウとかいるし、なんて思っての発言は、エリックが鼻血を出したあたりで違和感に変わる。そして、ゆっくりと自分の姿を確認すると、何と胸が付いていた。ちなみに服はぼろ布みたいになっていた。まるで初期のシオである。ただ、胸が出ている分、割と卑猥な感じになってる。
「ふむ・・・すまない、何か布をもらえるかな?さすがにこの格好は、少年にはいろいろとつらいだろうしな」
俺がそういうと、エリックが再起動し、どこから取り出したのか、大きめの布を俺に渡してくる。イイ笑顔だが、鼻血のせいで台無しである。
「・・・それで、てめぇは何もんだ?」
ソーマの一言に、俺は思わず自分のことをどう説明したものかと考える。が、とりあえず思いついたことを適当に行ってみることにした。すなわち・・・
「俺かい?俺は、未来を知ってるただのオウガテイルさ」
この一言に尽きるだろう。ちなみにいうと、当然のように警戒されてしまった。なんて考えていると、俺の耳に誰かの声が聞こえる。
『みなさん!大丈夫ですか!?オウガテイルの反応が二つほどありましたが、どちらも消滅を確認しました!とりあえず、一度帰還してください!』
「待て!オウガテイルの反応が消えてるだと!?」
『へ!?は、はい!反応は消えています!』
一体どういうことだといわんがばかりの表情を浮かべるソーマだが、返答は反応が消えているというもの。驚愕に染まるソーマをよそに、俺はエリックに話しかけていた。
「さて、それで、俺のことを連れて行ってもらってもいいかな?あぁ、別に中で暴れるつもりはないよ。リンドウとかに見つかったら即殺させられる自信あるし。どちらかというと、俺自身は殺伐としたところよりはのんびりとしたところで暮らしたいんだ」
「それが叶うかどうかはわからないが、とりあえず説得ぐらいはしてみるよ。なにせ、一度助けられているしね。というわけだソーマ、彼女を連れていくことはできないかい?」
なんという即断即決。そしてソーマに聞いてはいるが、彼自身は唖然としていて話を聞いていていない。その間にも、彼は勝手に話を進めてしまう。
「ヒバリ嬢、民間人を一人保護した。運よく彼女に助けられてしまってね、お礼をしたいのだが、一度一緒に連れて行ってもらうことはできるかい?」
『わ、わかりました!支部長に確認を取るので、少しだけ待っていてください!・・・でも、なんでソーマさんはあんなに驚いてたのでしょうか・・・支部長!連絡が(ブツッ)』
通信が切れたあたりで、やっとソーマが再起動する。というか驚きすぎでしょ。そんなにアラガミの反応がなくなったことに驚くのかい?いや、偶然だから俺も驚いてはいるっちゃ驚いてるけど、それほどでもナイヨ?
「てめぇエリック!こいつを連れて行くだと!?いったい何考えてやがる!」
「お礼することを考えているだけさ。相手がアラガミとはいえ、僕は命を助けられている。ならば、それ相応の礼をしなければ、フォーゲルヴァイデ家の長男として示しがつかないからね」
そういうエリックの胸倉を、ソーマが思いっきり掴み上げる。エリックは少し苦しそうにうめくが、それでもソーマに手を出そうとはしていない。
「僕はね、貴族としても、一個人としても、命を助けた意思疎通のできる存在に対して、武器を振るおうだなんて考えないよ。それは、僕自身のプライドだ」
「てめぇ、歯を食いしばれ!」
ソーマの拳がエリックに振られる。咄嗟に動いた俺は、右手でその拳を掴もうとして・・・
ゴキャ
という音とともに、右腕を折られる。激痛が走るが、そんなことを言っている場合ではない。むしろ、今こそ言わないといけないセリフがあるだろう。
「喧嘩はやめてください!私のために争わないで!」
後方から吹き出すような声が聞こえたが、あえて無視する。ていうか新人君、このネタわかるの?俺自身ぼんやりと覚えてる程度なんだけど・・・
『支部長から許可が出ました!今回収班を向かわせているので、それまで待機していてください!』
「・・・ちっ、了解した」
「君、さっきので腕を!?とりあえず応急処置を」
「それなら私がやります!というか、エリック先輩もソーマ先輩も一度落ち着いてきてください!」
あぁ、ヒバリ嬢!あなたが神か!そう思いながら、言いたいことは言い切ったぜと思い、そのまま意識を落とすのだった。
この後どうするかとか一切考えてません。作者も展開の読めない物語の開幕です。