マイネリーベのマリーンに転生したけども詰んだかもしんない   作:むぎすけどん

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料理回

「はーーーい! マリーンのクッキンタイム、はっじまっるよー。

おいしい料理でー、みんなー、はっぴ、はっぴ、はっぴー♪」

 

「ね、ねぇ、マリーンちゃん、そのくだり、毎回、必要なの?」

さすがのミンナも困惑ぎみである。

 

「..この子、時々、あざといのよね。」

オーガスタから、零下(れいか)に達する視線が突き刺さる。

 

…うっ、その文句は福○遥に言ってくれ。

だって、さぁ、OL時代、ま○んちゃんの真似したくても、

痛々しくてできなかったんだもの。

 

今のビジュアルの時ぐらい、クッ○ンアイドル、

やらせてくれたっていいじゃなぁい!

 

滞在最終日の今日こそ、ヴォルフェンビュッテル家の皆さんに

私の手料理を振る舞うことになった。

子爵からは「そ、そんな、マリーン様が自らお手を振る舞われるだなんて…勿体ない。」などと

恐縮しきられまくったが、「私からの感謝の気持ち」と押し切った。

 

残念ながら、秋期休暇用に持ってきた日本の調味料はすべて跡形(あとかた)もなく焼けてしまっていたが、

直司からたんまりともらっていたので、女子寮にいるメレディスに必要分だけ持って来てもらうことにした。

ついでに日頃の慰労(いろう)をこめて、メレディスにもご馳走(ちそう)しよう。

 

さて、和食の基本は「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」というのは重々、承知しているのだが、

今回は最終日ということもあって、特別な宴席にしたい。

日本の居酒屋風に、お惣菜を、一品、一品、

みんなで()まめるような感じで考えている。

 

あと、魚市場(フィッシュマルクト)で買い過ぎてしまった、

足の速い食材をなるべく早く消化したい、という思惑(おもわく)もあったりする。

 

まずは一品目。

鮭の切り身を用意し、塩を軽くまぶします。

 

「あら、料理中は案外真面目にやるのね。」

 

「みんなも、ためして あ・ら・もーど♪」

 

「...言わなきゃよかったわ。」

 

白みそと酒、みりんを適量、器に混ぜたら、

鮭の水気を布巾でふき取り、30分ほど漬け込みます。

 

フライパンで焼き色がつくまで焼いたら、鮭の西京(さいきょう)焼きの完成~!

 

「いい~におーい。さっすが、マリーンちゃん。」

ミンナは感心しきりだ。

 

「や…やるわね。」

オーガスタも見直したようにマリーンの方を見る。

 

へっへん、まっかせなさい!

クッキンアイドル・マリーン様に不可能はないのだっ(ドヤァ)

 

「…これが、なければねぇ。」

とオーガスタが横で、ため息をつく。

 

この調子で何品か、魚貝系を中心とした小品をつぎつぎに作っていく。

お米なんかも、炊飯器なんか当然ないので、鍋を見ていないといけない。

「はじめチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いても蓋とるな」だったか。

蒸らし時間含め、2人に説明して、手伝ってもらった。

 

「…料理って、大変なのね。」

 

「でも、3人でやるのは楽しいわ!」

ミンナもご満悦である。

 

あぁ、その笑顔、プライスレス!

脳内フォルダに保存しました。

 

 

 

 

「…ねぇ、いくらなんでも、ちょっと、作り過ぎなんじゃないの?」

魚市場(フィッシュマルクト)で買ってきた食材を使い切るために

かなりの分量の皿ができあがってしまった。

 

 

「まぁ、使用人たちの分もあるからね」

 

「え!? あなた、使用人の分も作ったの?」

 

「うん、メルディスも来てるし、

秋休み期間中、お世話になった分を返したいの。

私を助けるために全員一丸となって消火活動をしてくれたし。」

 

「あ、あれは、元々、うちのことでもあるし…。

…まぁ、いいわ、使用人部屋のほうにも持っていきましょう。」

 

 

 

私たちの作った手料理はヴォルフェンビュッテル家では、おおむね好評だった。

素材の味を生かす和食は、質素なものを好むクーヘン人の舌に合っているのかもしれない。

さすが、世界文化遺産だね。

 

「お、お嬢様が、こんなにご立派になられて…ぐずずずん」

メイドのメレディスが感動のあまり号泣してたっけ。

…うん、今まで、心配かけて、ごめんよ。

 

 

 

…しかし、刺身(さしみ)だけは、見事に、誰も手をつけてないな。

解せぬ。

やはり、生魚には抵抗があるのかなー。

 

いーや、私が全部食べちゃおー。

はっぴ、はっぴ、はっぴー♪

 

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