マイネリーベのマリーンに転生したけども詰んだかもしんない 作:むぎすけどん
私の名は、ユーリウス。
ここ、ローゼンシュトルツ学園高校の警備を担当しているいわゆる「門番」だ。
以前は、リヒテンシュタインを名乗っていたが、数年前、ルードヴィッヒとの
家から放りだされて、生活に困り、途方に暮れていたところを、学園時代の友人のツテでエッシェンバッハ家のご
現校長、バルトローメウス様には今も頭が上がらない。
校長の娘のフランツェスカとは悪友で、今でも週末に一緒に飲みに行くほどの仲だ。
バルトローメウス様からは、嫁にやってもよい、と言われているが、彼女とはいい友達のままでいたいな、と思っている。
入学式の日、現リヒテンシュタイン家当主代行ルードヴィッヒから
言う通りにすれば、リヒテンシュタイン家の末席での復縁も考えてもよい、とのことだった。
私には願ってもない話だった。
私に、マリーンの弱点やカーレンベルク家の悪巧みの一端を調査させ、ルードヴィッヒに報告、それを元にカーレンベルク家の没落へ追いやる考えらしい。
マリーンは大抵の場合、ユーリヒ財閥のご令嬢とヴォルフェンビッテル子爵令嬢の3人で放課後、学園近くの喫茶店でお茶会をしている。
様子を
とてもルードヴィッヒの言うように、わがままで、悪知恵の働くようなタイプとは思えない。
どちらかというと、隙だらけで、お人好しに見える。
危機意識に欠けていて、なんだか、とても危なっかしい。
見てると、守りたくなってくるような、そんな....
...と何を考えてるんだ、私は。
「ねぇ、あなた、この学園の門番さんでしょ?
ここでよく見かけるけど、ここのモカ好きなの?」
見ると、三人娘の中で、一番社交的な、ユーリヒ嬢が私に話しかけてきている。
し、しまったぁ。
尾行に気付かれてしまったか。
フードちゃんとかぶってたのに。
露骨に近寄りすぎたか。
「あ、あぁ。
美味しいよね、ここのモカ。
仕事終わりによく来るんだ。」
セ、セーフ!!
な、何もおかしくないことないよな?
私がここに来たって。
「うふふ...。
なら、オーガスタと気が合いそうね。
ねぇ、こっちにいらっしゃいな。
あなたのこと、丁度話してたのよ。」
困惑する私の手を引っ張る、ユーリヒ嬢。
な、何て、押しの強い子なんだ...
「なーに?ミンナったら、何、ナンパしてんの?」
「ごめんなさいね、この子ったら、お節介なところがあって...。
いつも、一人でお茶してるあなたが気になってたんですって。」
「い、いや、私は...」
「ゴメンねー、一人でお茶したかったんじゃないの?
私たちと一緒じゃいやよね。(ショボン)」
「!っかはっ、(どきゅーん)い、いや、と、トンデモナイコトデス、はい。」
そんなわけで、私は、この三人のお茶会仲間にいつのまにか加えられてしまい、私自身も、結構、楽しんでいる。
三人の
あんな辛気くさいルードヴィッヒの陰謀なんかに付き合ってられっか!
ルードヴィッヒの
私はこの子達をどこまでも守りきることを誓った。