マイネリーベのマリーンに転生したけども詰んだかもしんない   作:むぎすけどん

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ヒロインの後悔

今日はクリスマス。

学園主催のパーティーの日!

 

今日のためにお養父(とう)様に、今の自分の体型に合ったドレスをおねだりしたの。

しぶしぶだったけど、カワイイ義娘(むすめ)の幸せのためよ。

仕方ないじゃない。

 

早く支度しなくっちゃ。

 

 

コンコン

 

「はーい。」

 

「さ、クリスマスパーティー会場へ行きましょう。」

 

…出たー!

ミンナよ。

ルーイ様エンドで必ず邪魔してくる女よね。

いつも、自分中心で、私、この女、大っ嫌い。

早く、続編になって、没落してくれればいいのに。

今に見てなさい。

祝勝パーティーで飲み物を取るついでに、あなたのみすぼらしい姿を発見して、

心の中で嘲笑(あざわら)ってやるんだからっ!

ほんと、今から楽しみよねー。

 

「きゃ、楽しみ~」

 

出た出た出た~~~!!

私の心の敵。 にくっきマリーン!!!!

GB○版で何度、エンディング直前で寝取(ねと)られたことか!!!

この恨み、晴らさでおくべきか….

大大大大っ嫌いっ!!!!!

 

「マリーンはぁ、

きっと注目されちゃうからって、

お父様、ドレスを買ってくれてぇ。」

 

あなた、それは自意識過剰ってものよ。

シュトラール様全員あなたのことを引いた目で見てるのよ。

わかってるの?

...そして、そのウサギのぬいぐるみ、パーティーにまで持ってく気?

すごい根性だわね。

 

…ほら、オーガスタも呆れた目で見てるわよ。

(ねえ)さん、ほら、早く言っちゃってください。

「…車が来たようよ。

さあ、行きましょう。」

 

 

「それじゃ、しゅっぱーつ!!」

 

 

 

 

 

………..

 

って、なるはずだったのに、

何で、何で、何で、何で、何でっ!!!

誰もむかえに来ないのよっ!!!!!

 

 

考えてみれば、入学当時から、何かが、おかしかったの。

マリーンのやつ、ブリっ子キャラのくせに、挨拶(あいさつ)が妙に大人びていて、

私、アレっ?て一瞬、思ったの。

9割がた、私のこと、マリーンが勝手につけたあだ名で呼んでくるかなぁ、って思って身構(みがま)えてたのに、全然、言ってこないし。

 

 

あー、でもでもでも、実際に見る、シュトラールの方々、キラキラして素敵だったなぁ。

今までゲーム画面ごしにしか見れなかったんだけど、

 

左から、エド様、ナオジ様、ルーイ様、カミユ様、そして、オルフェ様!!

きゃーーーーーーーー!!

みんな、ほんと、ス・テ・キ。

マリーンじゃないけど、本当に誰を狙うか迷っちゃう。

これだけは、この世界に転生できて良かったと思うわ!

 

マリーンったら、早くもシュトラール狙いみたいだったから、

(にら)んでやったの。

あなただけには、二度と寝取られるもんですかっ!

 

...とはいえ、あいつら、こっちが構ってやらないと、すぐに爆弾(ばくだん)かかえるのよね。

下手にほっといて、爆弾が破裂すると、攻略対象の好感度も下がっちゃうの。

だから、そこを手を抜いてはダメなの。

ほーーーーっんと、めんどうっ!!!

なにが、悲しくて、大っ嫌いなマリーンなんかとデートしなくちゃいけないのよっ!!

 

早速、フランシス先生に、電話番号を教えてもらって、電話をかけまくってるんだけど、

なんか、すごく、反応が悪いのよねーー。

すごい眠そうな声を出してきたりとか、

今、忙しいぃんだけどぉ、何?

とか、言って来たりとか、ほんと感じ悪っ!

しまいには、

「その日、大事な用がある」とか

「あなたの為に時間を作る気はない」とか言われるのよ。

わたしだって、あなたたちのために貴重な休日を使いたくないわよっ!

 

もー何よ、使えない奴めー。

 

 

…なぜか、シュトラールたちにも相手にされてないのよね。

私、ちゃんと誘惑(ゆうわく)してるよね?

森を女の子一人で散歩しちゃ、キケンよね、って言っても、

「心配なら、誰か友人を誘って行くといいと思うが。」

ですって!

キーーーー!失礼しちゃうわ。

あ・な・たを、誘ってるのよ、私はっ!

そんなこともわかんないの?

本当に男って鈍感(どんかん)よね~。

でも、そんな無頓着(むとんちゃく)なところもステキよね~。

 

 

 

そんなことを繰り返すうちに、なんか、女の子たちから電話番号を()えられちゃった。

フランシス先生も1回目は教えてくれてたんだけど、2回目からはどうしても教えてくれなくなったの。

もーーー、本当、使えない奴。

厚化粧(あつげしょう)ババァ!

 

 

本当、何かが、おかしいのよねぇ。

ゲームと違ってて、本当に調子が狂っちゃう。

今頃はルーイ様に呼ばれて、『革命をもたらす駒』になってくれって、懇願されるのに。

私、ルーイ様の革命だったら、喜んで、協力しよう、と思ってたのに...。

 

...なのに、全然ルーイ様が出てこないの。

おかしいでしょ?

 

 

そればかりか、マリーンのやつ、私の前世の相手、ナオジ様に粉をふっかけやがって!

 

 

ある日、私は、早朝のイベントをこなそうと、中庭でナオジ様の弓の練習をポーッとなって見てたの。

そしたら、ナオジ様が前世の運命の相手である私を思い出して、

「どこかで….自分はあなたにお会いした気がします」って、声をかけてきてくださるのよね。

キャーキャーキャー!!

前世からの運命って、なんかス・テ・キよね。

..? あれ、でも私って、平成から転生しているわけだから、その辺はどうなるのかしら。

まっ、いっか。 細かいことは。

やっぱり、ロマンチックよね~~。

 

そんなこと思ってたら、マリーンがズカズカと割りこんできて、

何か知らないけど、ナオジ様を泣かせるし、コイツ、一発殴ってやろって、息こんでたら、

今度は、ナオジ様のほうからマリーンに抱き着いてきたのよね!

ちょっと、そこ、私の位置!

今すぐナオジ様から離れてよっ! この泥棒猫!!!

 

もーーー、知らないっ!

やられたら、やり返すのみよ!

次の日から、マリーンの上靴(うわぐつ)に画びょうを入れたり、

体操服を汚してやったり、

あの子が必死になって書き写してたノートを破いてやったわ。

ふふん、ざまぁ!

せいせいしたわ。

あの子ったら、ヒーヒー言いながら包帯(ほうたい)巻いて足ひきずってたわ。

本当、笑えるわよね。

 

 

秋休みがはじまってからは、マリーンの部屋の前にクソ爆弾をおいてやろうと思ったんだけど、

あの子、どういうわけか、いないみたいだし、

みんな、あの子の部屋の場所を決して私に教えようとしないのよね。

なによ、もー、みんな、大っ嫌い!

 

それどころか、いきなり『オーガスタ様親衛隊(さましんえいたい)』と名乗る女の子の集団に囲まれて、

「お姉様のご友人にこれ以上、手を出したら、どうなるか….

わかってるわよね…?」

なんて、ドスのきいた声で(おど)されるし。

…本当、怖いわ。

身の危険を感じちゃう….。

 

中間テストの結果はランクEだったし…、

私、ヒロインよね?

こういうものって、勝手に能力補正されるんじゃないの?

…。

記憶を封印しようかなぁ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

もー、クリスマスなのに、なんで誰も迎えに来ないのよ~~!

それでも、友達?

 

っふん、クリスマスパーティー?

興味ないわ。

 

こっちから願い下げよ~~~~。

…でも、本当は、行きた~~~~~~~い!!!

 

 

 

…うん?

自分で行けばいいじゃん。

会場の場所、わかってるんだし。

歩くとけっこう遠いけど、みんなにちゃんとマップが配られてるんだ。

よしっ、行こう。

 

 

 

 

 

 

ふぅ、結構、歩くと時間かかるわね。

でも、女は根性よっ!

これぐらいで、素敵な王子サマを諦めきれないわっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、…あれは、門番さんっ!

やっぱ、素敵よね~~~♡

この門番さん、このクリスマスパーティーの時にしか出てこない隠しキャラなのよね。

そんで、私の容姿ステータスが一定以上超えると、顔を赤らめちゃって、

「な、何でもございません..。」なんていって通してくれるの。

かっわいいーーー!

攻略したいなぁ。ゲームの中じゃないんだし、できるよね?

 

ん? あれ、でも、フードを被ってないわね。

…おかしいな、たしか、スチルでは…。

…でも、緑髪もなんかステキよねー。

うん? こうして見ると、誰かに似てるような…。

 

 

 

 

 

門番さんは、私の顔を見た途端、一瞬、嫌な顔をした。

…なっ、何よ。

 

「…クラウス嬢ですね。

申し訳ございません。

貴方の身なりでは会場に入ることは出来ません。

お引き取りください。」

 

 

え~~~~!!!!

ここまで来たのに…

もーーーー、何よ何よ何よ何よ何よ!

みんな、大大大大大大大大大嫌いっ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…私、一体どこで間違えたのかしら…。

 

 

やっぱり、マリーンたちの爆弾がいけないのかしら。

はやく、なんとかして電話番号を手に入れないと...。

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