マイネリーベのマリーンに転生したけども詰んだかもしんない   作:むぎすけどん

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お見合い

「…お見合い?」

オーガスタが驚いた顔で私を見る。

 

あらあらまあまあとミンナも興味津々(きょうみしんしん)で私の方を(のぞ)き込む。

…相変わらずこの子は、可愛い顔して寄ってくるなぁ。

 

「そう、リヒテンシュタイン家とね。

お父様が

家のほうは心配しなくてもいいから断ってくれてもいいんだけど、

会ってみるだけはしてもいいんじゃないかって。」

 

「リヒテンシュタイン家…というとルードヴィッヒの下の弟…ということかしら。

たしか、あの家にはほかに2人いたわよね」

 

 

 

ここはシュトラール委員会室。

赤を基調とした豪勢な部屋だ。

 

シュトラールに任命された私は真っ先にオーガスタとミンナを私の補佐に入れた。

彼女たちは十分優秀なので、2年目まで待つ必要はないだろう。

学園都市の市政は多岐(たき)にわたる。

2人は大変有能なので、正直助かっている。

それに...。

私はため息をつきながら目の前の光景を(のぞ)き見る

 

 

 

「なぁ、オルフェ、いいだろう?….」

 

「エドヴァルド…、みんなの前だぞ。」

 

 

 

繰り広げられるBL光景に他の女子補佐員は顔を真っ赤にしながら見つめている。

 

 

 

…これだもんなぁ。

噂は本当だったな…。

実質、女子補佐員が実務を行っている、っていうやつ。

まぁ、彼女たちの目の保養という意味なら少しは役に立っているんだけど…。

..ゲームの時から疑問に思ってたけど、シュトラールの彼らは実質ここに(から)みに来てるものだしなぁ。

カミユは温室にこもりっきりだし…。

 

 

オーガスタは呆れた表情をしている。

毎日、アレを見せつけられて「百年の恋も冷めた」ということなのだろう。

この前、それとなく「エドヴァルドとはどうなってるの」と聞いた時、

一瞬逡巡(しゅんじゅん)したうえで、「…今はほかにほっとけない人がいるから…。」と私の方を見る。

…おっ、これはどこかで新しい恋でも見つけちゃった?

オーガスタにしては、切り替え早いよね。

あとでミンナと盛り上がるぞ~。

 

 

 

 

 

「それがね。

お兄さんのほうらしいの。」

 

 

「!お兄さん!?」

 

「…え、まさかルードヴィッヒ!?」

 

ミンナは嫌な顔をしている。

入学当初から彼女の憧れの男性であり続けたルードヴィッヒだったが、

2度にわたる女子教室への怒鳴り込み。

国を転覆させる反逆計画の一部始終を聞かされ、すっかり幻滅してしまったようだ。

 

 

「違うわよ。

ルードヴィッヒは今、監獄(かんごく)にいるし、

そのことで、この前リヒテンシュタイン家に復縁(ふくえん)したという噂のユーリウス様のことじゃないの?」

オーガスタが説明する。

 

ユーリウス・ヘアツォーク・フォン・モーン・リヒテンシュタイン。

数年前にリヒテンシュタイン家で激しい家督(かとく)騒動が起こり、下の弟ルードヴィッヒに敗れ放逐された人だ。

今回、ルードヴィッヒが法のくびきにあい、晴れて復縁がかなうまで戸籍上のリヒテンシュタイン家は彼をのぞいた三人兄弟とされていた。

マリーンも噂だけは聞いてるが、この人に関しては、謎に包まれている。

学園時代、奔放(ほんぽう)で始末に負えない乱暴者だったという話も聞くし、その逆の、品行方正であり、成績優秀、容姿端麗の人物だったとの話も聞く。

 

 

「うーん、どんな人なのか…

興味はあるのよねぇ….。」

 

 

 

「ねーねー、会ってみるの?」

 

「うん、無理()いはないみたいだしね。」

 

ルードヴィッヒの拘束によりリヒテンシュタイン家は一気に凋落(ちょうらく)した。

現国王との縁戚関係にあることなどから、没落とまではいかなかったが、風聞を恐れた王家がリヒテンシュタイン家の下の妹との婚約を解消させようとしているとの噂まである。

建国王の家系であり、シュトラールをも輩出した、勢いあるカーレンベルク公爵家とつながろうといった政治的な意味合いが強いのだろう。

 

向こうとしてはそれで必死なのだろうが、こちらとして別に受けなくてもいい話だ。

クーヘン国のパワーバランスが安定する、という意味合いからいえば、受けといても損はない話なんだけどね。

 

 

そんなわけで、春休みを利用して、エーアトベーレ・ブロッチェンのわが家に一旦、里帰りすることになった。

復活祭までには戻れるといいんだけどなー。

 

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