神武、頑張ります!~ちょっと歴史が違う世界の艦これの艦娘になりました~   作:雪たまご

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護衛任務・呂。

 タウイタウイ泊地・執務室

 

「さて、昨日も話した通り今日から予行演習をする!・・・のだが、まずこの者を紹介しよう。中佐、来たまえ。」

 

 昨日の面子で執務室に呼び出され、中に入るとおっさんともう一人。身長は高めで眼光は鋭い。髪は自然な感じだが目、耳、うなじが出るようにしっかり切られている。体格は細身。

 

「はっ!」

 

「こいつは南郷忠一郎中佐。次に基地が出来た際に司令官となる男だ。その研修でしばらくうちで預かることとなった。本当は昨日紹介するはずだったんだが、彼の乗った輸送船が襲撃にあってな、来るのが遅れたみたいだ。」

 

 ほうほう。

 

「なんでこの時期?」

 

 この護衛任務やらなんやらで忙しい時期に・・・。というか横須賀とかでやりなよ・・・。

 

「護衛任務などそうそう見れるものではないからな。他基地はあ号、い号で面倒を見切れないと断ったらしい。」

 

「で、おっさんは断れなかったと。」

 

「いえ、自分が小沢少将殿に頼みこんだのであります。」

 

「そうそう。いきなりやってきてな、もちろん面会の約束はしていたが、土下座までされてはなぁ・・・。」

 

「土下座までしてくるところかねぇ・・・。」

 

 ふつうは本土の横須賀とか呉とかそういうとこに行きたがらない?

 

「ご存じないのですか?タウイタウイ泊地は今かなりの人気があるのですよ。」

 

「・・・コホン。で、だ。神武。」

 

「なに?」

 

「君にこの南郷君を乗せてやってくれ。」

 

 は?

 

「え、やだよ。」

 

「いや、君の指揮をするわけではない。本当に乗って見学するだけだ。」

 

「・・・まぁ、いいけど。」

 

@@@@@@

 

 タウイタウイ泊地湾内

 

「では一人ずつ召喚してくれ。まずは暁から。」

 

 キュイァァアアアアアア!!!!!!

 

 例の空間が裂ける音と共に一隻一隻増え、そのたびに波が立ち、湾内の海面が上昇する。

 

「さて神武、いいか?」

 

「うん、いっくよ!!」

 

 キュイァァァァアアアアアアアアアア!!!!

 

 先ほどまでとは比べ物にならない大きさの音と共に鋼鉄の巨体が現れる。

 

「これがタウイタウイ最強の艦。元の世界では世界最強を誇った戦艦だ。」

 

「・・・・・・。」

 

 南郷中佐は声が出なかった。それもそうだろう、ここまで巨大な船などこの世界には存在しないのだから。

 

 バラバラバラバラバラ・・・

 

 神武から搭載されていたヘリコプタが飛んできた。

 

「むかえにきたのですー。」

 

 操縦しているのは妖精さん。妖精さんと小沢司令官に促され、ヘリコプタに乗る。南郷中佐を乗せるとヘリコプタはすぐに飛び立った。

 

 ヘリコプタが彼女に近づけば近づく程、その大きさがはっきりとわかってくる。そして着地。南郷中佐がヘリコプタから降りて最初に目にしたのは、あまりにも巨大な砲塔と長大な砲身。56cm三連装砲の第四砲塔だ。それからそびえ立つ艦橋や、ミサイルハッチ、よくわからない砲のようなものなど、再び言葉を失ってしまった。そこに神武がフッと現れる。

 

「なにしてんのさ、ごうち」

 

「ご、ごうちでありますか?」

 

「なん“ごうち”ゅういちろう、だからごうちね。」

 

「それはちょっと・・・」

 

「私がそう呼ぶと決めたの。・・・じゃ艦橋に行くからこれに乗ってついてきて。」

 

 神武がサッと手を振ると現れたのは一台の自転車。

 

「自転車・・・でありますか?」

 

「そう。別に走ってもいいけど、ここから艦橋まで結構距離あるよ?というか早く行きたいからそれ乗って。」

 

@@@@@@

 

 何度か通路を曲がりながらも彼女について行くと、エレベーターの前へ。

 

 ウィーーーーン・・・

 

 エレベーターでしばし上昇するとようやく艦橋にたどり着いた。

 

「どこに座ってもいいよ。あ、でもそことそこはだめ。」

 

 彼女が指さしたのは一番高いところにある絢爛豪華な椅子とそこから一段下がったところにある椅子。

 

「その豪華なのは皇族専用で、そっちのはおっさん用だから。」

 

「こ、皇族用!?」

 

「そ。御召艦だったから。といっても原戦になるまでは、燃料消費の関係でそんなに動かされてなかったけどね。」

 

「っ!?この艦は原子力機関で動いているのでありますか!?」

 

「・・・もしかして私についてなんにも聞いてない?」

 

「はっ!詳しいことは貴女に聞くように、と。」

 

「・・・はぁ。」

 

 面倒そうな顔をした神武はスカートの中に手を突っ込み、もぞもぞ探ったかと思うと紙の束を取り出した。ちなみにこの間、南郷中佐は目を反らしたままである。

 

「はい、これ。性能やら何やら色々書いてあるから読んどいて。私が本体をしまったら消えるから、読み終わったらその辺に置いておいて。」

 

 神武から紙を受け取った南郷中佐は、一番無難な通信席に座ってそれを読み始める。

 

「言わなくてもわかってると思うけど口外厳禁だからね?情報漏洩の際は一生臭い飯だと思って。」

 

「はっ!!」

 

@@@@@@

 

 ごうちが表情をころころ変えながら私の個人情報を読んでいると、やはぎんが跳んできた。

 

「神武、行くわよ。」

 

「ん。じゃ、予定通り輪形陣で。抜錨!」

 

 ガクン!

 

 私が一瞬揺れる。そして水をかき分け進んでいく。

 

 湾を出ると即座に輪形に並ぶ。もちろん伊良湖が真ん中だ。

 

「それじゃ打ち合わせ通り、第六駆逐隊は対潜警戒を厳とせよ!ってね。一応こっちでもソナーで索敵してるけど、対潜ミサイルはないから任せた。どんどん爆雷投下しちゃって。」

 

「わかってるわ!」

 

「わかっているさ。」

 

「任せなさい!」

 

「はいなのです!」

 

「矢矧は敵水上戦力との主に戦闘。流れ弾は私が防ぐから。伊良湖は戦闘が始まったら私が盾になる位置に入ること。わかった?」

 

「安心して。流れ弾も撃たせないわ。」

 

「昔から護られることには慣れてるから大丈夫よ。・・・またおはぎ作ったから食べなさいよね!今度こそ最高って言わせてみせるんだからね!」

 

「伊良湖はわかってないよ・・・あなたは確かに上達している。けれど、おっさんも上達しているんだよ・・・!」

 

「なん・・・だと・・・!?」

 

 

 この後無事に演習を終了しました。

 

@@@@@@

 

「なんなんだ、彼女は・・・。」

 

 初めてみた時、好みだと思った。

 

 何度か近づこうとするも、少将に阻まれ。いない隙を狙っても姉妹に邪魔される。

 

 俺は電ちゃんをprprしたいだけなのにっ!!

 

 挙げ句の果てに彼女・・・神武に付けられることに。

 

 せめてっ・・・他の駆逐艦娘ならっ!!何であの牛乳女の側にいなきゃいけないんだっ!!

 

 乗せるのやだ?俺だって電ちゃんに乗りたかったよ!そんでもって『そんなとこ触っちゃだめです・・・』とか言わせてみたかったよっ!!

 

 しかし俺は諦めない。海軍学校もドベで入ったが努力と根性で首席卒業したんだ。諦めなければどうにかなる!とりあえず彼女を出し抜かなければ。己を知り敵を知らば百戦危うからずと言うし、彼女について知ることにしよう。

 

 

 そう思っていた時期もありました。

 

 性能表などを見せてもらったり泊地内で聞き回った結果。

 

 何この無理ゲー。

 

 元々戦って勝てるとは思っていなかったが、何かしら弱点があると思っていた。しかし聞けば聞く程、穴が無くなっていく。彼女を題材にした同人誌が弱点だと聞いたが、激怒されるのでは危険過ぎる。

 

 なんとかならないかな・・・。

 

「Hi!何かお困りネー?」

 

 金剛さんに話しかけられた。駆逐艦娘には話しかけられないのに何故年増にばかり・・・

 

 ジャキッ

 

「失礼なこと考えテルー?」

 

「はっはっは、そんなことないですよ、美しいお嬢さん。」

 

「アラー、嬉しいワ。・・・ん?これは?貴方神武について調べてるの?」

 

「おはぎ・・・でありますか?」

 

「あの娘はおはぎがとっても好きだから、あげるととっても機嫌が良くなるわ。おいしければおいしい程、ネ。あの娘に頼み事とかあればおはぎを持って行くことデース!提督のよりおいしければ、場合によっては何でも言うことを聞いてくれるカモネー!」

 

 

 今ここにタウイタウイ泊地三人目となるおはぎ修行者が誕生した。

 

 しかし彼は気づいていない。小沢や神武は電の黒いところを見せないようにしているだけだと。

 

 そして大きな誤解を招いている事に。

 

「青葉、見ちゃいました!」

 

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