神武、頑張ります!~ちょっと歴史が違う世界の艦これの艦娘になりました~ 作:雪たまご
タウイタウイ泊地・執務室
おっさんが机の上に広げられた地図のある点を指す。
「さて、もう一度確認するぞ。まずシンガポールのこの港でビスマルク率いる独逸護衛艦隊と合流し、用心を乗せた船の護衛を引き継ぐ。時間はわかってるな?」
「午後二時だよね?現地時間で。」
「そうだ、ここから海南省、台湾と経由したら」
おっさんの指がサーッとすべる。
「一気に横須賀まで行く。道中、プリンス・オブ・ウェールズを旗艦とする英吉利艦隊や中国沿岸防衛隊の露西亜艦隊、それから周辺の日本艦隊が大暴れしているから、強力な深海棲艦の出現はほぼないとみてもいいだろう。だが油断は禁物だ。合言葉は!?」
「「「「「「慢心、ダメ、ゼッタイ!!」」」」」」
「よし。・・・南郷君。」
「はっ!!」
「私がいない間ここを頼む。緊急時には君に判断を任せる。もし本当に危ない事態の時にはまずブルネイに連絡しろ。あそこが一番近い。」
「わかりました!少将がご帰還なさるまでこの基地と艦娘たちを守り通します!!」
ごうちがびしっと綺麗な敬礼をする。
「ははっ、頼もしいな。」
@@@@@@
当日・シンガポール
その港には多数の艦船があった。その中の軍艦には独逸籍を示す旗があり中でも一際目を引くのは巨大な戦艦。独逸の誇るビスマルク級戦艦一番艦ビスマルクだ。そこへ旭日旗を掲げた六隻の軍艦が入港する。同型艦だろうか、四隻はほぼ同じ大きさ、同じ形状をしている。その隣には二回りほど大きな艦が一隻、そして・・・先のビスマルクの長さにして約二倍ほどの艦。タウイタウイ泊地所属、駆逐艦暁・響・雷・電、二等巡洋艦矢矧、戦艦神武だ。
「投錨!!」
港にいる人々が呆気にとられる中、錨が投げ落とされる。しかし、そこへ金髪の女性が現れ言葉を投げかけた。
「皆さーん!本体を収納してくださーい!!」
その言葉が終わるとともに港にあった軍艦たちが一瞬で消え去った。しかし考えてみてほしい。日独合わせ、総排水量40万t近くになるものが一瞬にして消え去ったらどうなるのか。瞬時に海面が低下。そして湾外から水が波として大量に押し寄せ、湾内は一時的な高潮となった。
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「まったく君という人はいつもいつも・・・」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
先ほど私たちに指示を出したのはシャルロットさん。仏蘭西大統領・・・の秘書さんだ。幸いにして特に被害はなかったものの、やっぱり危険だったということでお説教の最中。
私達艦娘は現在待機中。暁‘sは独逸の駆逐艦娘と戯れている。ボーッと海を眺めているとビスマルクが来た。
「先日ぶりだな、神武。」
「そうだねー。・・・道中、どんな感じだった?」
ビスマルクの顔がいきなり真剣なものへと変わった。
「・・・何かあったの?」
「ああ。誠に不甲斐無いが・・・客船が墜ちた。」
「は?」
あの独逸艦隊が何もできなかったってこと?
「・・・フラヨでもいたの?」
「いいや、機雷があったみたいなのだ。シュピーゲル・・・ああ、うちの提督だが、彼の予測だと恐らく中国のものだろうということだ。それも深海棲艦出現当時の、いろいろ対処法を模索していた時のものだろうと。」
ああ、回収し忘れってことか。
「んじゃ、中国に責任を求めるの?」
「いいや、そのつもりはどの国も無いようだ。まずまず証拠がないし、あったとしてもこの人類がまとまらなければいけない時にすることではない、とな。ただ、仄めかして若干有利にすることはあるかもしれんとは言っていたが。」
ふぅん。
「それで恐らくオザワから君に話が来ると思うが・・・要人を君に乗せることとなるだろう。」
「ええー?」
「そういうな。船から彼らが脱出した際に私に乗り込んだのだが、実に礼儀正しいものだったよ。一国の代表として、というより根っこから良い人格者であるとわかるものだった。」
「いや、そうじゃなくてね・・・その・・・せっかくおっさんと二人きりだと思っていたのに・・・。」
「私がなんだって?」
「ひょわ!?」
後ろにおっさんがいたことに気付かなかったみたい。
「ははは、神武、君にも可愛らしいところがあるじゃないか。
「・・・?まぁいい。神武、ビスマルクからある程度聞いているようだが―――――――――」
@@@@@@
午後三時半
私の本体に各国の首相達やお付きの人が乗る。艦橋や皇族専用室、機関室や火薬庫とかには入らないようにって言ってあるからビスマルクの言う通りなら大丈夫なはずだけど・・・。ビスマルク達独逸艦隊は先ほど出港した。露払いをしてくれるらしい。本当にいい人。
第一砲塔の真ん中の砲身の上で黄昏ていると、一人の男性が来た。
「君が・・・この艦の精神かね?」
「・・・そうだけど?」
「そうか・・・。私はラインハルト・シュピーゲル。今回の護衛艦隊の司令官だ。一目君に会って謝っておこうと思ってな。」
・・・謝る?
「ビスマルクから聞いたよ。オザワと二人きりだったのを邪魔されて怒っているようだ、ってね。」
ああ、そのことね。
「いいよ。貴方達のせいじゃないんでしょ。」
「そういってもらえると助かる。だが・・・」
・・・うわ、この人引きずるタイプかー。
「日本では謝罪をするときには菓子折りとか持っていくんだよ。」
「む?」
「ちなみに私はおはぎが大好きだったり。」
「・・・ははっ、そうか。次訪れる際にはおはぎを持っていこう!ではな!」
そう言うと去って行った。そういえばビスマルクが彼のことを話すときは顔が柔らかかったけど、やはり彼も艦娘に好かれるタイプなのかねぇ・・・。
そのまま考え事をしていると時間が来たようで。
「神武ー!!どこだー!?」
おっさんの呼ぶ声がするので、艦橋のおっさんのところへ跳ぶ。
「もう時間?」
「ああ。抜錨だ。」
「ん。抜錨!!」
約50tの錨を引き上げ、機関部を動かす。
「出港!!まずは海南省だ!!」
長引きそうな予感が・・・。←続きまったく考えてない。
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