神武、頑張ります!~ちょっと歴史が違う世界の艦これの艦娘になりました~   作:雪たまご

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護衛任務・仁

 南シナ海の洋上を突き進む一つの艦隊。そう、日本艦隊だ。色々あって予定を変更。海南島・台湾を経由せずに南シナ海を真っ直ぐ突っきり、バシー海峡を通過してそのまま横須賀に行くことへ。奇しくも、客船がなくなったことでいわゆる“足手まとい”がいなくなり、わざわざ沿岸部を沿うように航行したり頻繁に補給する必要がなくなったのだ(実のところ補給はそこまで必要なわけではなく、船体に深海棲艦がかじりついていないか検査するためだったり)。

 

「後でエリーヌに謝らないとなぁ・・・。」

 

「私もいっしょに謝るよ。」

 

「・・・お前はウクライナとベロルーシヤをからかいたいだけだろ?」

 

「あ、ばれた?」

 

@@@@@@

 

 ところ変わって食堂。

 

 丁度昼食の時間ということもあり、客人達も食事をとっていた。

 

「おいしいな。」

 

「ええ。戦艦に乗っているとは思えないくらい。」

 

「しかも大きいから揺れも少なく、部屋は質素ながらも便利。おまけに深海棲艦をものともしない装甲と砲。うちの国にも一隻欲しいよ。」

 

「あらやだ、そんなお金ありませんわよ?」

 

「そうなんだよな・・・。ちなみにこの艦の娘、ジンムと話したんだけど妹が二人いるらしい。」

 

「あら、妹さんが?・・・そういえばいなくなったと思ったら、ナンパしていたのね。」

 

「あ、いや違うんだ、・・・」

 

 

 そんな他愛もない話が繰り広げられているのを尻目にある双子の兄妹がこそこそしていた。年は十二、三だろうか、金色の髪にサファイアのような蒼い眼。兄は髪が短く、妹は長い。服は妹はワンピースだが、兄はカッターシャツに半ズボン。髪と服装以外では見分けがつかない。

 

「なぁ、色々探検してみようぜ?」

 

「やめようよニコル・・・」

 

「いいだろ?ちょっとぐらいさ。こんな戦艦、もう乗れないぜ?」

 

「うっ・・・」

 

「ニコラだって好きだろ?」

 

「・・・もう、すぐ戻るんだからねっ!」

 

「おう。」

 

@@@@@@

 

 神武・艦橋

 

 おっさんと私、それから護衛の五人がここに集まって緊急会議を開いていた。

 

「それで?敵艦があらわれたのだったな?」

 

「うん。といってもチ級が二隻にハ級が一隻、ロ級が三隻だから簡単に蹴散らせるはずだけど。ね?」

 

「ええ、そうね。」

 

「それにしてもよく倒されていなかったものだ。まぁ、油断するなよ?追撃等はするな。要人を送り届けるのが今回の仕事なのだから。」

 

「わかってる。・・・ん?」

 

 この感覚は・・・

 

「どうした神武?」

 

「なんか艦内を移動してる二人組がいるんだよね。重さ的に子供かな?・・・あ、機関室に入ろうとしてる。ちょっと行ってくるね。」

 

「ああ。艦橋の方が近い場合は連れておいで。」

 

「ん。」

 

@@@@@@

 

「何だ?この部屋。」

 

「日本語ばっかで全然読めないけど・・・これって核のマークじゃない?」

 

「そうだよ。」

 

「っ!?」

 

「誰だ!?」

 

 ニコルとニコラは驚愕していた。先ほどまで全く気配がなかった空間にいきなり現れた濃密な気配。子供故に本能が実力差を伝える。

 

「むしろこっちが聞きたいんだけど・・・まぁいいや。私は神武。あなた達は?」

 

「・・・ニコル。ニコル・ジュピエッタ。」

 

「ニコラ・ジュピエッタです。あの・・・貴女がこの艦の精霊さんですか?」

 

「せ、精霊?うーん、あってるような・・・。まぁいいかな。私はこの艦の意志。君達が機関室に入ろうとしてたから止めに来たの。」

 

「機関室?なぁ姉ちゃん、ちょっと見せてくれよ。」

 

「ニコルッ!?核マークがついてるってことは原子力機関だよ!?危ないよ!」

 

「ニコラちゃんはわかってるのかー。えらいえらい。」

 

 神武に頭を撫でられて気持ちよさそうにするニコラ。一方ニコルは駄目と言われ、少しむすっとしている。が、なにか思いついたのかパーッと笑顔になる。

 

「神武の姉ちゃん!この艦のこと詳しいんだろ?どこか案内して!」

 

「えー・・・。うーん、甲板も今は危ないしな・・・そうだ、艦橋にくる?というか連れて来いって言われてるし。」

 

「艦橋に入ってもいいんですか!?」

 

 驚きと喜びに満ちた顔をしたのはニコラの方だ。

 

「ここからだと客室より近いからね。・・・っと、そうだった。今敵さんが来てるから急いで行くよ!」

 

「「て、敵!?」」

 

「そう!」

 

@@@@@@

 

「・・・で、結局ここに連れてきたのか。」

 

「ニコル・ジュピエッタです!」

 

「ニコラ・ジュピエッタです!」

 

「ははっ、元気がいいな。神武、やつらは今どの辺りに?」

 

「12時半の方向に40kmってとこかな?今日は探信儀の調子がいいかも。」

 

「そうか、装填をしておいてくれ。・・・君達、そこの席に座っていてくれるかい?座ったらベルトで固定するんだ。」

 

「わかった!」

 

「わかりました!」

 

「よし。神武、発射警報を。それから艦内放送を流す。つないでくれ。」

 

「はーい。」

 

@@@@@@

 

 ウゥゥゥゥウウウ!!ウゥゥゥゥウウウウ!!ウゥゥゥゥゥウウウ!!!

 

 突如艦内に警報が鳴り響く。しかし客人たちは慌てない。ここまでに何度も似たような増強に陥っているからか、誘導があるだろうと待機しているのだ。そしてすぐに小沢少将の放送が入る。

 

「えー、皆さま、深海棲艦が出現したため今現在戦闘態勢に入りました。先頭終了の放送があるまで各自の部屋へお戻りください。それからジュピエッタ様、お子さんを二名とも艦橋にて保護しておりますので後ほど部屋へ送り届けます。」

 

 次々と客人たちが割り当てられた部屋へと戻っていく。子供を探していたジュピエッタ夫妻もほっと胸をなでおろし、一先ず部屋に戻ろうとしたその時、

 

 ドゴォッォオオオオオンン!!

 

 巨大な音と共に艦内が少し揺れた。これにはさすがに焦りを感じたのか、客人たちが騒ぎ始める。

 

「今のは!?」

 

「まさか直撃したのか!?」

 

 ドゴォッォオオオオオンン!!

 

   ドゴォッォオオオオオンン!!

 

 しばらくあの巨大な音と揺れが続いた後、しばしの静寂が訪れ、また放送が流れる。

 

「戦闘が終了いたしました。えー、先ほどの音は主砲斉射によるものです。本艦に被害はないのでご安心ください。」

 

@@@@@@

 

「では神武、その子達を頼む。」

 

「ん。ほら行くよ。」

 

 ニコルと二コラを艤装の上に乗っけて歩き始める。

 

「神武の姉ちゃん力持ちなんだな!」

 

「ん?そう?」

 

「そうだよ!だってパパも私たち二人だと重いっていうのよ?」

 

「私はそもそも人間じゃないからねえ・・・さっき艦橋で主砲撃つのみてたでしょ?あの主砲塔どのくらいの重さだと思う?」

 

「500t!!」

 

「1000tぐらい?」

 

「残念。5000t。で、四つあるから20000tだね。二人合わせて君たち80㎏もないのに重いなんて思うわけないでしょ?」

 

「姉ちゃんスゲー・・・」

 

「そうでしょ?・・・あ、着いた。」

 

 コンコン

 

「お子さんをお連れしまし――――」

 

 バタンッ!!

 

「ニコル!ニコラ!!」

 

 全部言い終わる前に中から母親が現れたので艤装の上から二人を下ろす。二人を抱きしめてしばらく。落ち着いたのかこちらへ向く。

 

「本当にありがとうございました。貴女がこの艦の?」

 

「そうですよ。」

 

「そう・・・その」

 

「神武!!」

 

 二人の母親が何かを言う前にいきなり矢矧が現れた。

 

「ちょっと危ないかもしれない。すぐに来て!」

 

「わかった。・・・それでは。」

 

 彼女に一礼して、私は艦橋に跳んだ。




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